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令和5年度精度管理結果
1.目的
本精度管理は、水道事業者及び登録検査機関における水質検査の正確さや検査結果の信頼性を確保することを目的に、複数の検査機関が同一の共通試料を測定し、その結果を基に、個人差、品質管理、誤差要因などの解析を行うために「群馬県水道水質管理計画」に基づいて実施するものである。
令和5年度は、「フッ素及びその化合物」を対象項目とした。
2.参加機関
参加機関は、水道事業者5機関、水道用水供給事業者2機関、水道法第20条に基づく登録検査機関12機関の計19機関であった。
参加者分類 | 機関名 |
---|---|
水道事業者 | 前橋市水道局 |
水道事業者 | 桐生市水道局 |
水道事業者 | 富岡市公営企業 |
水道事業者 | 安中市上下水道部 |
水道事業者 | 群馬東部水道企業団 |
水道用水供給事業者 | 群馬県企業局水質管理センター |
水道用水供給事業者 | 群馬県企業局県央第一水道事務所 |
登録検査機関 | 一般財団法人群馬県薬剤師会環境衛生試験センター |
登録検査機関 | 株式会社江東微生物研究所 |
登録検査機関 | 平成理研株式会社 |
登録検査機関 | 株式会社群馬分析センター |
登録検査機関 | 株式会社環境技研 |
登録検査機関 | 一般社団法人上田薬剤師会 |
登録検査機関 | 一般財団法人新潟県環境衛生研究所 |
登録検査機関 | 一般社団法人新潟県環境衛生中央研究所 |
登録検査機関 | 内藤環境管理株式会社 |
登録検査機関 | オーヤラックスクリーンサービス株式会社 |
登録検査機関 | 株式会社総研 |
登録検査機関 |
株式会社総合環境分析 |
3.実施方法
3-1.分析方法
群馬県衛生環境研究所の協力を得て、令和5年11月29日に試料配付を行った。
配付試料の調製及び容器への分注は、群馬県衛生環境研究所で実施した。
試料の調製には、フッ化物イオン標準液1000mg/L(F-1000、化学分析用(JCSS)、Cat.No.:14613-23)を用いた。1000mg/Lのフッ化物イオン標準液を超純水で200倍希釈して、5.00mg/Lの溶液を調製し、ポリ容器に分注したものを配布試料とした。
配布試料を各参加機関で10倍希釈したものを測定試料とした。
3-2.評価方法
測定結果の解析は、各機関5回の測定結果の平均値を用いて、Smirnov-Grubbsの棄却検定を行い、棄却された機関の値を除外した後、中央値からのずれ、Zスコア、室内変動係数を算出した。本事業では、厚生労働省の水道水質精度管理調査(令和4年度厚生労働省水道水質検査精度管理のための統一試料調査結果)を参考に、評価基準は以下の(1)~(3)とした。
(1) Smirnov-Grubbsの棄却検定で棄却されないこと。
(2)中央値からのずれが±10%以内、または検査機関のZスコアが|z|<3であること。
(3) 室内変動係数が10%以下であること。
4.測定結果について
各機関5回の測定結果の平均値を用いて解析を行ったところ、19機関中1機関の測定結果が他の機関の測定結果から大きく外れた値となり、Smirnov-Grubbsの棄却検定で棄却された。棄却された1機関を除いた18機関で再解析を行ったところ、平均値は0.501mg/L、中央値は0.500mg/L、標準偏差は0.00836mg/Lであった。全18機関の中央値からのずれ、Zスコア、室内変動係数は基準範囲内であった。
5.分析
5-1.分析経験
分析担当者の経験年数は、最小の1年未満が5機関、最長の30年が1機関、中央値は2年であった。分析実績は最小が30検体、最大が30,000検体、中央値が2,000検体と幅広かったが、測定結果との相関は見られなかった。
5-2.測定方法
配布試料を受け取ってから測定を行うまでの保存期間は、12機関が1日以内であり、2日が5機関、16日以上が2機関であった。
水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)では、「速やかに試験できない場合は、冷暗所に保存し、2週間以内に試験する」とあるが、19機関中、2機関(保存期間16日、28日)が2週間を超過して試験をしていた。測定結果から、長期保存による影響は確認されなかった。
分析方法についてはすべての機関がイオンクロマトグラフ法で実施していた。
※mg/L(ミリグラムパーリットル)