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「(仮称)館林大島地区産業団地造成事業 環境影響評価方法書」に対する知事意見について

更新日:2022年4月6日 印刷ページ表示

1 大気環境について

  1. (工業団地の造成により)大型車両だけでなく、一般車両も増えると思われる。渋滞を回避するため、想定されていないところに環境影響が出ることもあり得るので、計画を立てるときに、その点を考慮すること。
  2. 方法書138ページ「図5.2-1 調査地点の位置(騒音、振動)」について、造成地西側が環境騒音・振動調査地点(No.A)となっているが、予測してもバックグラウンドなので(大きな値は)出ないと思われる。稼働している館林東部工業団地でも可能な範囲で測定して、供用後の振動レベルを参考資料として添付すること。振動、騒音が発生したときに、バックグラウンドよりどれくらい増えるか、緑地帯をどのように設けるかが分かり、誘致企業への説明等の際にも役立つ。
  3. 方法書96ページ「図3.4-2 騒音規制法の規制区域図」について、造成地は第2種区域となっている。第4種の工業団地でも第2種の基準を達成できるようにするとよい。より厳しい基準を達成できるよう対応すること。騒音問題が起きて調停などにならないよう対応ができていれば、将来的に企業が安心して、団地に進出できる。事前に資料(データ)を揃えておくと、問題が発生した時に対応でき、誘致にプラスになると思われる。
  4. 方法書125ページ「表4.2-2(2)環境影響評価項目の選定」の低周波音について、供用時を踏まえた設計となっているが、騒音、振動と同様に、館林東部工業団地で測定して、資料添付すること。この造成地も同程度の工場が誘致されると思われるので、低周波音の影響を予め把握しておくと周辺地域への説明に対応できる。
  5. 方法書124ページ 臭気指数について、臭気指数規制では事業場から事業活動に伴って排出される全ての臭気が対象となるため、各種法令で規制を受ける物質の管理だけでは不十分な場合がある。各種法令及び悪臭防止法の規制遵守と併せて、悪臭軽減対策についての記載を検討すること。

2 水環境について

  1. 方法書126ページ「表4.2-2(3)環境影響評価項目の選定」の水質欄の有害物質について、供用時には有害物質を使用する事業所の入居の可能性があるが、入居事業者が関係法令に基づき適切に管理することから配慮項目に選定されている。有害物質または保管容器の敷地外への流出の可能性は、住民も関心があるところであり、留意すること。
  2. 上水道に係る管路について、造成等の工事による影響がないかを群馬東部水道企業団と協議すること。

3 地盤環境について

  1. 事業実施区域は、かつて足尾鉱山の被害を受けた場所である(引用文献参照)。工事中の雨水浸出水等による下流域への影響も含め、土壌の現状把握、予測、評価を行う必要があると思われるので、検討すること。引用文献 赤石雅彦(2008)絵図解説 群馬県管内足尾銅毒被害地略図 予防時報233 2-4 日本損害保険協会(群馬県管内足尾銅毒被害地略図(PDF:1.10MB)<外部リンク>
  2. 造成事業により水田を工業団地にするため、重金属による汚染土壌を掘り返す可能性がある。そういう状況が発生した時に、土壌汚染の調査を行うプロセスを明記する必要があると思われるので、検討すること。
  3. 方法書112ページ「(4)災害防止に関する地域等の状況 2)洪水等により影響を受ける地域等の状況」によると、事業実施区域は最大で10メートルの浸水が想定されるとある。有害物質を保管する施設が浸水、水没したときも、関係法令に基づき適切に管理され、流出することがないのか、進出企業に対して確認すること。
  4. 方法書127ページ「表4.2-2(4)環境影響評価項目の選定」の地盤沈下について、供用時は配慮項目として選定すると記載されているが、地盤沈下のデータがさらに必要である。特に近隣工場の地下水汲み上げにより地盤沈下が起きている地域であるため、配慮項目よりも踏み込んだ設計をすること。

4 生物環境について

  1. 方法書154ページ「表5.8-2 調査方法」で、「植生及び注目すべき群落」の「調査方法」として、「コドラート調査を行い、」とあるが、植生は必ずしも方形区(コドラート)の形で分布するわけではないので、群落毎に適切な範囲(面積)での調査を行うこと。
  2. 方法書154ページで、植生調査の時期として、「(4)調査期間等」には、「夏季から秋季」としているが、「夏季」に実施するのが望ましいため、検討すること。
  3. 方法書157ページ「5.9 動物 5.9.1 調査手法(2)調査方法」について、昆虫類に関しては、種を特定するのが難しいものがあり、後日、間違えであったものが出てくる恐れがあるため、確認できるようできるだけ標本を残すこと。
  4. 方法書159ページ「5.9.3 評価手法(2)基準や目標との整合性に係る評価」について、文献がいくつか記載されているが、改定により選定種やカテゴリーが変わることがあるので、最新版を使用して評価すること。
  5. 方法書157ページ「表5.9-2(2)調査方法(動物の分類ごと)」について、渡良瀬川が近いので河川敷に色々な哺乳類が出現している。センサーカメラを数多く設置して、生息している範囲を調べること。
  6. 鳥類もセンサーカメラで撮影して、記録を残すこと。
  7. 方法書158ページの調査時期について、8月~10月の間、休耕田で重点的に調査すること。渡り鳥のシギやチドリが多くいるので、どういう鳥がいるか把握すること。調査結果として写真を揃えると、後で役立つ。
  8. 動物の環境保全措置について、事業実施区域周辺に希少野生動物の生息・生育情報はない。県で把握していない希少種のいる可能性もあるため、本件事業実施の際には保護について配慮すること。
  9. 植物の環境保全措置について、事業実施区域周辺で希少野生植物の生息情報がある。本件事業実施の際には、希少野生植物種の保護に配慮すること。

5 人と自然との触れ合いについて

  1. 土地利用との調和を図る観点から、方法書7ページ「図2.6-1 土地利用計画図」では事業実施区域の北側のみ緑地が計画されているが、西側、南側が緑地となった場合の景観上の効果を、できれば準備書で評価すること。
  2. 自然と調和した良い団地となるよう、企業局(事業者)の緑地に関する方向を明示した上で、進出企業には緑地の条件付けがあることを、誤解を与えないようアセス図書に記載すること。
  3. 方法書128ページ「表4.2-2(5) 環境影響評価項目の選定「文化財」」について、館林市による試掘調査の結果も加筆すること。
  4. 方法書162ページ「表5.11-2 調査方法」に係る、写真撮影ポイントの指定について、調査・予測地域内には、重要文化的景観の利根川・渡良瀬川合流域の水場景観(渡良瀬川地区)が含まれていることから、主要な眺望地点として、重要文化的景観区域内の渡良瀬川右岸堤防上から本事業地の写真撮影を実施すること。なお、重要文化的景観区域の西端部からの撮影が、家屋が少なく本事業地の遠望が可能と思われる。
  5. 事業実施区域は、平坦地の優良農地の田園景観地域である。こうした地域に工業団地を造るということは、ミティゲーション(事業の計画段階における環境に対する負荷の回避・軽減)の考え方によると、保全や代償ということから、西側や南側にも緑地が必要だと考えるので、検討すること。
  6. 事業実施区域は、令和2年12月25日から令和3年2月25日の間(5日間)にわたって館林市教育委員会によって試掘調査が行われた。その結果、事業を行うことに問題ない旨が報告されている。しかしながら、「環境影響評価方法書」には、この調査にいたる経緯・調査結果に関する記載がない。事業を行うことに問題のない根拠として、調査にいたる経緯・調査結果を明記すること。
  7. 方法書128ページ「表4.2-2(5) 環境影響評価項目の選定「文化財」」について、事業実施区域内には遺跡がないため、文化財は存在しないと記載されている。現地をみると、ほとんど水田であり、通常、現地踏査だけで土器が拾える状況ではなく、教育委員会も遺跡の有無を判断しづらい土地である。事業を進める中で、県や市の教育委員会から部分的な掘削(試掘調査)の依頼があった場合には、協力を行い、埋蔵文化財調査に遺漏がないようにすること。また、教育委員会が既に試掘調査を行っているのであれば、方法書にその旨を記載すること。
  8. 事業実施区域北側を流れる渡良瀬川沿いには、国選定重要文化的景観「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観」がある。歴史的・文化的に重要な景観資源であることから、景観の保護について十分に配慮すること。

6 その他

  1. 方法書6ページの「2.6 工事計画の概要 2.6.1 土地利用計画等 (4)排水計画」について、暗渠にした場合、洪水時に泥が詰まって溢れたり、団地内に水が流れて有害物質が流出するなどが懸念される。洪水などが発生しても下流に流せるように、あふれることを前提に開渠の部分を盛土にするなど、設計を工夫すること。また、調整池がバッファーとして持ち堪えられる設計を検討すること。
  2. 方法書9ページ「2.6.2.工事計画書(1)工事計画」について、土工(盛土・掘削)に関して、文章表記のみでは土工の範囲が不明である。現時点での切盛図面が示せるのであれば、日付を入れて図示すること。調整池は必ず掘削が入るので、切り土が分かる図面が必要である。
  3. 館林市で所管する環境関連法令については、館林市地球環境課に意見を聴くこと。
  4. 方法書6ページ「表2.6-1 土地利用計画」について、「都市計画と農林漁業との調整措置」に係る関東農政局との事前調整時と各用途面積が異なっているため、特定保留解除のための事前調整において、面積変更となった説明を行うこと。
  5. 方法書6ページの「(2)道路整備計画」、7ページの「土地利用計画図」(大島新堀沿いの農道について)該当する道路は、農林水産省の補助事業により整備され館林市へ譲与されたものではあるが、もともと農道として整備され、周辺地域の農作業用として活用されているものである。今回の工業団地造成により、団地の外周や団地内道路として機能転換されるが、工業団地周辺は優良農地が広がる地域でもあることから、新たに造成される道路について、近隣農業者の意見を聞き、農業利用に配慮すること。
  6. 方法書6ページの「(4)排水計画」、8ページの「雨水排水計画図」(仲伊谷承水溝)について、新たに仲伊谷田承水溝沿いに、団地の外周道路が計画されているが、道路整備にあたり仲伊谷田承水溝の施設管理者と協議を行い、構造や後々の維持管理等に支障が無いように(仲伊谷田承溝への影響が出ないように)十分に調整すること。
  7. 方法書6ページの「(4)排水計画」、8ページの「雨水排水計画図」(雨水排水計画)について、市街地編入に係る治水協議時の計画と調整池面積に差異が生じているため、調整池容量の確認に協力すること。

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