本文
令和7年度 病害虫情報 第5号(オオタバコガ)
更新日:2025年7月12日
印刷ページ表示
令和7年度 病害虫情報第5号(オオタバコガ) (PDF:590KB)
オオタバコガトラップ(平坦部)への誘殺が平年に比べて多くなっています。
<< 対象地域:県内全域 >>
ほ場をよく見回り、適期防除に努めましょう。
概要
- 6月6半旬におけるフェロモントラップ調査において、県内6地点の内、3地点で誘殺数が平年より多くなっています(表1)。
- 特に、前橋市、藤岡市の誘殺数が多くなっています(図1、図2)。
- 気象予報によると、今後の気象は気温が高い予報となっており、オオタバコガの発生が多くなることが心配されます。
図1 前橋市
図2 藤岡市
調査地点 | 前橋市 | 伊勢崎市 | 藤岡市 | 太田市 | 昭和村 | 東吾妻町 |
---|---|---|---|---|---|---|
本年 | 46 | 26 | 69 | 39 | 26 | 4 |
平年 | 12 | 14 | 29 | 45 | 30 | 4 |
平年比(%) | 383 | 186 | 238 | 87 | 87 | 100 |
注)「平年」:過去10年間の平均頭数
「平年比(%)」:平年の頭数を100としたときの本年頭数の割合
1 現在までの発生状況
- 6月6半旬におけるフェロモントラップへの誘殺数は、6地点中、3地点で平年を上回り、前橋市では平年比383%、伊勢崎市では同186%、藤岡市では同238%となっています(表1)。
- 県内の作物における発生量は平年並ですが、露地ナスではすでに被害が確認されています。
2 今後の発生予測
- 向こう1か月の関東甲信地方の気象予報(7月3日気象庁発表)によると、気温が高くなると予報されています。
- 9月までの関東甲信地方の気象予報(6月24日気象庁発表)によると、気温が高くなると予報されています。
- このように、オオタバコガが増加しやすい高温傾向の予報となっていますので、今後の情報に注意してください。
3 予想される被害
- 幼虫(写真1)が果実や花蕾、結球の内部に食入し、被害となります(写真2)。
- 露地ナス、レタス、キャベツ、夏秋トマト、花き類、イチゴ苗やトマト苗などで被害が心配されます。
4 防除対策
- 防除適期は、ふ化してから食入する前の短い期間となります(食入した後は農薬がかかりにくくなります)。このため、こまめにほ場を見回り適期に防除を行ってください。
- 施設栽培では、開口部に防虫ネット等(目合い4.0mm以下)を張り、成虫の侵入を防いでください。
写真1 オオタバコガ幼虫
写真2 ナス果実に食入するオオタバコガ幼虫