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【建築物編】1移動等円滑化経路

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

概要

  • 移動等円滑化経路とはバリアフリー法で用いられている用語です。お年寄りなどや不特定多数の方が、利用する部屋(利用居室)からトイレ・道路・駐車場まで、円滑に移動できるようにしなければならないもので、いくつかの経路のうち必ず1つ以上は移動等円滑化経路としなければなりません。たとえば、利用居室からトイレに行くのに何通りかの行き方があるとき、そのうちの少なくとも1つは移動等円滑化経路としなければなりません。その結果、利用居室・トイレ・出入口・道路・駐車場などは、敷地の中で必ず1つ以上の移動等円滑化経路で結ばれるようになります。
    また、この経路上には、段差や階段を設けてはならず、廊下・出入口・昇降機などはそれぞれの基準を満たすようにしなければなりません。
    ただし、個人住宅のように特定の少人数が使う建物には基準はかかりません。
  • 一般的な基準として、「廊下等」、「傾斜路」、「敷地内の通路」の各項目がありますが、これらの基準は敷地内や建物内のすべてに適用になる基礎的な基準です。しかし、項目名に括弧書きで移動等円滑化経路と書いてある項目、すなわち、「廊下等(移動等円滑化経路)」「傾斜路(移動等円滑化経路)」「敷地内の通路(移動等円滑化経路)」の各項目は、移動等円滑化経路のみに適用になる基準です。
  • 「移動等円滑化経路」という言葉はバリアフリー法の用語と基本的な考え方は同じです。ただし、『「地上階」又はその直上階若しくは直下階のみに居室がある建築物』にある地上階にない居室もお年寄りなどや不特定多数の方が利用する居室としたり、火災時等に車いすでも避難しやすい経路を確保したりする基準を追加しています。

整備基準

1 次に掲げる場合には、それぞれ次に定める経路のうち1以上を、高齢者、障害者等が円滑に利用できる経路(以下「移動等円滑化経路」という。)とする。

イ 建築物に、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する居室(以下「利用居室」という。)を設ける場合

 道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)から当該利用居室までの経路

ロ 建築物又はその敷地に車いす使用者用便房を設ける場合

 利用居室(当該建築物に利用居室が設けられていないときは、道等。ハにおいて同じ。)から当該車いす使用者用便房までの経路

ハ 建築物又はその敷地に車いす使用者用駐車施設を設ける場合

 当該車いす使用者用駐車施設から利用居室までの経路

2 移動等円滑化経路は、「2-2廊下等(移動等円滑化経路)」から「11特殊な構造又は使用形態の昇降機(移動等円滑化経路)」の項までの移動等円滑化経路に適用となる項目(以下これらを「移動等円滑化経路基準項」という。)に掲げる規定に適合すること。

3 第1号に定める経路を構成する敷地内の通路が地形の特殊性により「8-2敷地内の通路(移動等円滑化経路)」の項の規定によることが困難である場合における移動等円滑化経路基準項の規定の適用については、第1号中「道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)」とあるのは、「当該建築物の車寄せ」とする。

4 直接地上へ通ずる出入口のある階又はその直上階若しくは直下階のみに居室がある延べ面積が2千平方メートル未満の生活関連施設に設ける、人的補助等の手段が講じられた上下階をつなぐ階段は「4段差(移動等円滑化経路)」の項の規定にかかわらず、移動等円滑化経路とみなすことができる。

5 「16車いす使用者用非常口」の項に規定する車いす使用者用非常口を設ける場合は、当該非常口から利用居室及び道等に至る1の経路を移動等円滑化経路とし、当該経路上にある火災時に作動する防火戸等は出入口とする。

要点

  • 移動等円滑化経路は障害のある方等でも移動しやすい構造とします。段差や階段があってはいけません。(この場合は、傾斜路や昇降機を併設します。)また、扉は、自動ドアやハンガードア、あるいは開き戸であればノブの形状や自動閉鎖器の作動力などを適切なものにします。具体的にはそれぞれの基準を参照してください。
  • 基準は、バリアフリー法の移動等円滑化基準を準用していますが、全く同じではありません。県の基準では、2千平方メートル以上の2階建ての建物の2階部分の利用居室なども基本的には移動等円滑化経路の対象にします(従って、昇降機の設置などが必要です)。
    また、移動等円滑化経路上にある防火戸・非常口なども車いすで避難できる構造とします。
  • 1つ以上を移動等円滑化経路にしなければならない経路は次のとおりです。
  1. お年寄りなどや不特定多数の方が利用する部屋(利用居室)から、車いすの方のための駐車場および道等まで。
  2. 車いすで利用できるトイレから利用居室まで。
  3. 車いすで避難できる出入口(車いす使用者用非常口)から、利用居室および道等まで。
  • 移動等円滑化経路は次にあげることを守るようにします。
  1. 段差・階段がないようにします。階を移動しなければならない場合は昇降機などを設置します。ただし、2千平方メートル未満の2層の建物の場合で介助できる人を常に配置しておく等の措置がとられていれば昇降機などの設置は必須ではありません。
  2. 出入口・廊下・傾斜路・昇降機・敷地内通路などは、移動等円滑化経路のための基準が適用されます。
  3. 車いすで避難できる出入口から利用居室までの経路上にある防火戸等は、車いすの方などでも避難しやすいようにします。防火戸の場合、引き戸にすることは困難ですが、段差を無くし、弱い力でも開けられるような扉、自動閉鎖器、ドアノブ等にします。

達成することが望ましい目標

* 移動等円滑化経路は、簡単に言うと「利用居室からトイレ・出入口などに至る複数の経路のうち、1つ以上は障害のある方等が利用しやすくする」というものですが、複数の経路を移動等円滑化経路とすることがより望ましいといえます。

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