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環境・エネルギー対策に関する提言 環境・エネルギー対策特別委員会(令和5年3月10日)

 地球温暖化が原因と推測されている異常気象による水害や土砂災害などの増加、生態系の変化、農作物への被害など県民の暮らしに密接なところで影響が発生している。
 こうしたリスクが高まる中、長年の課題である気候変動を食い止めるため、国は2050年カーボンニュートラルの実現という新たな目標を宣言し、2030年度までの温室効果ガス削減目標を表明した。本県でも2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」実現条例により持続可能な社会の構築に向けた取組を進めている。
 カーボンニュートラルを実現するには、県民一人ひとりのライフスタイルの転換が求められ、環境に対する理解を深め、行動につなげていくための環境教育・啓発等の取組が必要となる。また、企業活動においても、温室効果ガス排出量削減や省エネ等に係る取組には多大な経費が生じるが、社会構造の転換や意識変革を図ることにより、新たな価値の創造やビジネスチャンスにつなげられるような支援が必要である。
 さらに、カーボンニュートラルの取組が加速されれば、中長期的に県内の経済成長の源泉となり、それらノウハウの蓄積により県経済に大きな飛躍が期待されるところである。県当局には、環境・エネルギー施策の推進に係る以下の事項について、関係機関並びに県内市町村とも連携し、継続的、積極的に取り組まれるよう要望する。

  1. 再生可能エネルギー導入等に当たっては、エネルギーの地産地消に取り組み、県内事業者の参画を促進し、県内経済の循環や発展が図られるよう配慮すること。
  2. グリーンイノベーションの推進に当たっては、環境と経済の好循環を図ることが重要である。経済が縮小するような規制等は極力回避すること。
  3. 地球温暖化対策や脱炭素社会への理解を深めるためには、次世代を担う子供たちへの意識啓発が重要である。教育委員会とも連携し、小・中学生に対する環境教育の充実を図ること。
  4. 再生可能エネルギー設備等が普及することで、将来の大量更新や廃棄が想定される。寿命を迎えた設備等の廃棄が適切に行われるよう設置者及び事業者に対する周知、指導に努めること。
  5. 再生可能エネルギー設備等の設置においては、防災や住環境への影響に十分配慮するとともに、地域との共生を考慮しながら事業を推進すること。
  6. 大規模な開発を伴う太陽光発電設備等の設置においては、景観への影響や土砂災害等のリスクが懸念されるため、関係機関が連携し適切な指導、対策を行うこと。
  7. 太陽光発電などの普及に課題となっている送電網・配電網の接続に関して、系統接続の制約解消を国に働きかけること。
  8. 再生可能エネルギーを活用した地域マイクログリッドの構築を進める市町村に対して必要な支援・助言を行うこと。また、県内の先行事例を他市町村へ展開する取組を進めること。
  9. 再生可能エネルギー設備導入や省エネ対策等に係る融資制度や補助制度については、事業者目線で制度設計を行い、利用しやすい制度とすること。また、中小企業者の要望にはグリーンイノベーションの推進につなげるべく、前向きに検討すること。
  10. EVの普及促進については、県民が気軽にEVに触れる機会をつくるなど普及策に取り組むとともに、充電設備等のインフラ整備の充実を図ること。また、EVカーシェアリング実証実験では、経済性・利便性等を十分検証し、普及に向け利用しやすい環境を検討すること。
  11. 木造による省エネ・創エネなど環境性能の高い住宅(ZEH)や中高層非住宅建築物(ZEB)の普及促進を図り、県産木材の需要拡大・森林資源の循環利用を推進すること。特に県有施設の整備には県産木材を活用すること。
  12. 脱炭素社会の実現に向け、地域の実情に合わせた取組を加速するため、国庫補助事業等について十分な財政措置を講じるよう国に求めること。
  13. 水素エネルギーの普及促進の課題や問題点を検証し、効率的に水素を活用していけるよう検討し、事業を進めること。
  14. ぐんま5つのゼロ宣言をわかりやすい形で県民・事業者に発信し、新たなライフスタイルへの転換を促進すること。
  15. 食品ロス「ゼロ」に向けた取組については、国や市町村、事業者、消費者等と連携して進めるとともに、取組の効果を検証し、積極的に推進すること。
  16. 本県は日照時間に恵まれていることから、県内に新たに企業誘致をする場合には、積極的に再生可能エネルギーを活用するよう要請すること。また、脱炭素化の取組が企業の強みとなるよう支援を行うこと。

以上、提言する。

 令和5年3月10日

群馬県議会環境・エネルギー対策特別委員会

群馬県知事 山本 一太 様


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