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地域活性化・魅力発信に関する提言 地域活性化・魅力発信に関する特別委員会(令和5年3月10日)

 地域活性化・魅力発信は、国・地方の長年の課題である。近年の動きとして、国は平成26年11月に成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方創生の取組を推進してきた。また、令和4年12月には「デジタル田園都市国家構想総合戦略」に改訂し、デジタル技術により地方の課題(人口減少・少子高齢化、過疎化・東京圏への一極集中、地域産業の空洞化等)を解決するため、さまざまな取組を実施している。本県においても、平成28年3月に群馬県版総合戦略が策定され、人口減少の克服と地方創生を切れ目なく実施するため、様々な施策が展開されてきた。また、令和2年12月には新・群馬県総合計画(ビジョン)が策定され、20 年後の目指すべき群馬の姿が示され、それに向けて、リトリートの聖地や転職なき移住の促進など、地域活性化・魅力発信等のための先進的な取組が行われているところである。
 本委員会においても、地域活性化・魅力発信をいかに行っていくかは、本県の現在・未来を考える上で、最も重要な課題のひとつであると認識している。特にコロナ禍にあっては、ウイズコロナ、アフターコロナに向けて、これまでのやり方・あり方とは違った方法を、本県の本質をしっかり押さえた上で、模索することが重要となってくる。
 ついては、本県における地域活性化・魅力発信の推進に当たっては、次の事項に配慮されるよう強く要望する。

<移住促進に関すること>

  1. 移住施策について、今まで積み上げてきた実績をブラッシュアップし、目標達成ができるよう努めること。
  2. 古民家再生・活用推進事業は、地域の方々と最終目標のイメージをいかに共有できるかが重要となる。コミンカコナイカを地域ごとに立ち上げると民間から投資を受けられ、持続可能な事業が展開できることを多くの方に浸透させられるよう努めること。
  3. ワーケーションについて、本県の売りである「温泉+アクティビティ」など本県の良さを積極的に発信し、推進を図ること。また、本県の売りに「リトリート」を加えることができるよう、リトリートの定着を図ること。
  4. 県内企業に就職した奨学金返済中の若者に対し企業と連携して支援する制度については、県内への若者の移住・定住促進につながるため、対象の拡大や周知の強化に取り組むこと。

<公共交通に関すること>

  1. 「自動車大国」と言われ、自家用車の利用率が高い本県では、免許返納後の高齢者や首都圏からの移住者など、自家用車を利用しない生活を選んだ途端、困難に直面する。今後は行政も住民も共に「公共交通機関を育てる」という意識をもって、公共交通機関を積極的に活用する生活スタイルを推進すること。

<リトリート推進に関すること>

  1. 前回のデスティネーションキャンペーンと同様に、地域の観光資源を磨き上げて、地域ごとに特色を生かしたコンテンツづくりや商品化を行い、持続的に観光資源として活用できるよう取り組むこと。また、県の広報などで効果的な情報発信に努めること。

<ぐんまの魅力ある観光地づくりに関すること>

  1. 利根川自転車道のナショナルサイクルルート国指定に向けて取り組むこと。また、自転車道を整備することが観光客を呼び込むことができる観光資源の創造にもつながるという点に留意して、さまざまな可能性を検討しながら、指定に向けて取り組むこと。さらに、自転車道を八ッ場ダム及び利根川源流域まで延伸するよう努めること。
  2. 上毛かるた大会の中止や学校授業での活用が減少する中、かるたに触れる機会が減少している。教育委員会とも連携し、地域の魅力が凝縮されている上毛かるたを県民共通の財産として大切にする機運を醸成すること。また、上毛かるたなどの足元の文化を見つめ直し、新たな価値を創造し、地域活性化を図ること。
  3. 温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録について、温泉文化を定義づけすることは難しい部分もあるが、インバウンド目線だけでなく、それぞれの地域の温泉の良さを取り入れて、合意を得ながら登録に向けて取り組むこと。
  4. 本県の世界遺産である「富岡製糸場及び絹産業遺産群」の4資産周遊及び県外遺産との連携と世界の記憶である「上野三碑」のPR 等にしっかり取り組むこと。
  5. ニューイヤー駅伝について、しっかりと大会を磨き上げて、本県での開催を継続できるよう努めること。
  6. 自然史博物館や歴史博物館など県有施設を観光や本県の魅力発信にもつなげられるよう、機器等の維持更新・展示や企画の工夫に積極的に取り組むこと。

<デジタル化推進に関すること>

  1. 全国で先進的なデジタル県を目指す本県としては、マイナンバーカードの取得率を向上させるべきであり、市町村任せにせず積極的に取り組むこと。また、移行期においては、取得されていない方についても配慮すること。
  2. MaaS(マース)社会実装支援事業について、いままで公共交通機関等を利用していた人がより便利になることだけでなく、交通弱者にも重点を置いたシステム構築に努めること。
  3. NFTは関係人口づくりの手段として、これまでのアナログの発想を超えた形で、さまざまな工夫ができると考えられるので、調査・研究を進めること。また、次年度に向けて、Web3などの最新の研究や情報収集等に努めること。
  4. ぐんまちゃん家廃止後のアンテナショップ機能の代替として、ECサイト等が考えられるが、バーチャルでの盛り上がりをどのようにリアルにつなげていくかが重要であるので、バーチャルとリアルが連動するような取組を検討すること。

<ぐんまの魅力発信に関すること>

  1. 本県のブランドを県民や県外の方に分かりやすく示すためにも、県全体のブランドイメージをデザインして、各所属が共通認識をもって発信するよう努めること。

<県立赤城公園の活性化に向けた基本構想に関すること>

  1. 構想に基づきさまざまな施設を造っても、行政は民間と違い、建て替えのための資金を積み立てることができないため、更新の際に問題が生じることが考えられる。持続可能な施設を造るためにも、その点をしっかり検討すること。
  2. 基本構想について、第1段階である拠点施設の整備をしっかり行い、自然と調和のとれた形で、赤城山の開発を進めること。また、外部資金を導入するためにも、民間事業者を巻き込んで、良い関係を築きながら地域の活性化に取り組むこと。
  3. 構想に基づく県立赤城公園の活性化に従い、県道前橋赤城線がさらに渋滞することが想定されるため、県道大胡赤城線など、赤城山山頂域へのアクセス道路の整備を強化すること。

<登山道・山岳観光に関すること>

  1. 主要な登山道や多くの方が使用する登山道を、今後の維持管理のために、できるところから把握するよう努めること。また、データやデジタルを活用して、登山道の整備をしっかり行い、コロナ収束後に登山客を迎え入れることができるよう準備を進めること。
  2. 長野県では、登山道に関して、県全体の整備の方向性を県全体の会議体を設けて検討している。また、山域ごとにそれぞれ会議体を設けて、個別の取組や研修会等を実施している。本県においても、専門家の知見等を踏まえて、登山道整備の望ましいあり方を見いだすよう努めること。
  3. 県の山岳観光キャンペーン等に参加した登山者や観光客から、いかに経済効果を上げていくかということと、その経済効果を山の整備に回すなど経済循環について検討すること。また、山岳観光に参加する人の特徴などのデータやアンケート結果を分析し、今後の地域活性化や魅力発信につなげていくこと。

<eスポーツに関すること>

  1. eスポーツ大会の開催は、若者には訴求効果があると考えられるが、年代が高い方々には理解が難しい部分もあるので、他の所属との連携も模索しながら、理解が得られるよう進めること。また、若い世代は集中しすぎて、依存症の問題も生じやすいので、ガイドラインやルールづくりも含めて、先進的に取り組むこと。
  2. eスポーツやデジタルを群馬県の魅力の一つとして発信していくために、Gメッセ群馬を中心に、ローカル5Gなどのインフラ整備を行い、より良好な通信環境の整備を検討すること。
  3. スポーツの大会開催がより経済効果をもたらすよう、会場でのイベント開催などコロナ後を見据え、集客につながるような企画を検討すること。

 以上、提言する。

 令和5年3月10日

群馬県議会地域活性化・魅力発信に関する特別委員会

群馬県知事 山本 一太 様


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