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環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成26年9月29日)

1.開催日時

平成26年9月29日(月曜日)10時00分開始 14時46分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席議員

委員長:萩原渉、副委員長:井下泰伸
委員:中沢丈一、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:織田沢俊幸、委員:福重隆浩、委員:酒井宏明、委員:清水真人、委員:小川晶

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)山地災害危険地区について

黒沢委員
 今現在、環境森林部が把握している山地災害危険地区が何カ所あって、その対応はどの程度とれているのか。また今回の補正予算でどこまで対応できるのか。

井田森林保全課長
 山地災害危険地区は林野庁の指導により定めているが、本県では民有林で4,459箇所、国有林で202箇所あり、民有林の着手率は約67パーセントとなっている。治山事業は大きく分けて、国庫補助事業と県単独事業があり、国庫補助事業が主体となっている。今回の1億円の補正予算は県単独事業であり、これは国庫補助事業の対象とならない小規模なもので、きめ細かな対策を行う事業である。当初予算では実施できなかった箇所を整備するために要求したものである。

黒沢委員
 当初予算では想定できなかった危険箇所について、補正予算を組むということでよいか。

井田森林保全課長
 当初予算において、災害が発生した場合に備え、災害関係予算を別枠でとっている。緊急性があれば補正予算での対応もあるが、すぐに対応できないため次年度の予算で対応する。

黒沢委員
 どのように日常的に点検していくのか。

井田森林保全課長
 山地災害危険地区は非常に膨大なので、逐一監視するのはなかなか困難である。実際には山地災害危険地区を2つに分けて、1年おきに点検している。点検方法については、群馬県森林土木建設協会に委託し、1年で約2,000箇所について点検を行っている。

(2)土砂条例の一部改正(案)について

酒井委員
 土砂条例の一部改正について、暴力団など悪質な事業者排除の徹底ということだが、背景としてこのような事案が具体的に発生したのか。

岩瀬不法投棄主監
 具体的に暴力団が関与する事案はないが、昨年度、申請書類に偽造書類が紛れ込んだ事案が発生したこともあり、また条例施行後1年経過した段階で、再度見直したところ、予防的な意味も込めて改正案を作成したところである。

酒井委員
 暴力団が入ることのないよう、厳しくやっていただきたい。
 次に市町村で土砂条例が制定されていると思うが、桐生市、高崎市、板倉町、邑楽町、前橋市、藤岡市というところだけで、その他の状況はどうなっているのか、また県はどのように要請しているのか。

岩瀬不法投棄主監
 土砂条例制定は、6つの市及び町である。一番最後に制定したのが前橋市で今年の7月から施行されている。県条例で土砂の堆積を規制する許可対象が3,000平方メートル以上であり、不良事業者では3,000平方メートル未満で行為を行うことがある。そのような不良業者対策として市町村に条例制定をお願いしているところである。県では3月に市町村条例のサンプルを作成し、提供している。また5月以降、首長あるいは担当部長をまわり条例制定をお願いしている。

(3)環境白書について

黒沢委員
 環境白書について誤りがあった。環境白書は数値が命である。ただその数値が相当部分、間違っている。環境白書を有料で販売するとなっているが、このまま販売するのか。きっちり直して販売するのか。

飯塚環境政策課長
 現時点では、正誤表を添付して販売する予定である。

黒沢委員
 正誤表を見ると、単位が基本的に間違っている。こういうものは一般的に書店に出回っていかないと思われるが。

青木環境森林部長
 今回、大変誤植があったということで反省している。販売については、現時点で正誤表ということで考えているが、よく考えて対応していきたい。

小川委員
 環境白書で誤植が多いと言うことで、毎年作成していて、なぜ今年だけこんなに誤植が出てしまったのか。

飯塚環境政策課長
 43回目の作成となるので、改めてお詫びしたい。最初の原稿作成での誤り、印刷業者での校正の段階でのチェックが不十分であったことによるものである。今後こういうことがないようにしっかりと作成していきたい。

(4)ごみの減量化について

黒沢委員
 次にゴミの減量化で質問するが、環境白書では推進会議が3回ほど開催している。その会議の中で古着・古布の回収についてどのような議論があったのか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 3R推進会議では、実際に古着を効果的に回収している市町村の事例を情報提供してきた。1例をあげると平成25年度に前橋市が実施したリユース宝市がある。これは主に市民が持ち寄った古着の交換会である。来場者も大変多く、多くの古着が再利用された。

黒沢委員
 古着の回収方法も工夫する必要があると思う。イベント回収だと、日にちが指定され、なかなか難しい。回収方法も工夫して、地域の方々が出しやすいようにアピールすれば回収できると思う。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 古着について、先日、古着に関する実態調査を行い、市町村が行っている回収方法やメリット・デメリット、仕分けの仕方、持ち込む人の利便性などを調査した。実態調査の結果を見ながら、3R推進会議で議論していきたい。

(5)ぐんま緑の県民基金事業について

黒沢委員
 ぐんま緑の県民基金事業を進めるにあたって、管理をおこなう地元団体の組織化が重要と思われるがどうか。

松本林政課長
 市町村提案型事業は、住民参加を基本としている。ただ県としては「住民参加」がこの事業の基本であるから、定着できるように進めていきたい。また、全て住民が管理すると受け取られている節がある。住民の方々ができる範囲の作業、できない部分についてはシルバー人材センターやボランティア団体、森林組合や建設業者に協力いただきながら、地域全体で森林の維持に取り組むよう、市町村に出向いてPRしている。

(6)大同特殊鋼(株)のスラグ問題について

酒井委員
 スラグの有害性の問題だが、伊藤県議も取り上げたように製品安全データシートというものがあり、路盤材として使われている鉄鋼スラグの危険性について、何点か情報が載っている。大同特殊鋼(株)がこのようなデータシートを作っている、つまり危険性を認識していたことは明らかと思う。県としてこうした有害性についてどう認識していたのか伺いたい。

小笠原環境保全課長
 有害性の認識だが、六価クロムやフッ素について、人の健康保護の観点から、環境基本法に基づいて、河川水、地下水、土壌の環境基準が定められている。この基準達成のため、水質汚濁防止法や土壌汚染対策法で必要な規制を講じているところである。このたび、一部のスラグからこれらの物質が検出されたことは、部長答弁のとおり深刻な問題と受け止めている。

酒井委員
 安全対策について、どのくらい大同特殊鋼(株)が実践していたのか把握しているか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 現在事業者から報告を受け、精査しているところである。なお製品安全データシートも提供いただいている。会社としてはこのようなシートを作成したり、長い期間に渡って行われているようであるが、報告の中で検証していきたい。

酒井委員
 スラグの一部に有害物質が入っていたのか、土壌の一部にスラグが入っていたのか、その辺りを明確に答えてほしい。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 現在調査を進めている段階で、その中で見つかったものということで「一部」と表現した。

酒井委員
 小野上の最終処分場に有害スラグについて、どのくらいの量が使われているのか、県は確認しているのか改めて伺いたい。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 渋川広域圏で鉄鋼スラグが使われているという事実確認はしていないが、さきほど答弁したとおり、現在関係者から報告聴取しているところである。

酒井委員
 確認していないということだが、関係者の証言を合わせると1,200立方メートル位使われていると。これはきちっと調査して、法違反があれば対処していただきたいと思うがいかがか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 現在、関係者から報告をもらい、使用箇所等についても確認していきたい。

酒井委員
 平成22年10月に発出された県土整備部の通達について、環境森林部としての見解を求めていきたいと思うが、伊藤議員の一般質問の際、「事前に相談はなかった。その当時は問題があるとは考えていない。」と答弁していたが、環境部門としてきちんと意見を言うべきと思うが。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 部長答弁で申し上げたとおり、通知については、既に流通していた実態を踏まえ、利用者として留意事項を示したものだということである。ただスラグ混入の骨材が利用されたことについては十分検証する必要があると思う。

酒井委員
 廃棄物処理法19条で措置命令が出せるので、その辺りの処置について考えはどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 調査の結果で廃棄物処理法違反があれば、法に則って措置を講じていきたい。

酒井委員
 今、国と協議をしているということであるが、国も動きだし八ッ場ダム予定地を調査し、私もその様子を見に行った。国の調査状況はどのようなものであったか、またどのような協議をしているのか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 国交省のほうで調査を進めていると聞いている。結果について情報共有を図り、どう使われているのかを明らかにしていきたい。

酒井委員
 東吾妻町の萩生地区でスラグが使われていて、アスファルトがかぶせられている。特に専門家からは液状化によって六価クロムなどが浮き出てくる危険があると言っていた。本当にかぶせただけでよいのか、環境行政として問われると思うが見解はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 調査結果により廃棄物に起因し、環境保全上支障が生じる場合には、法に則って必要な措置を講じてまいりたい。

酒井委員
 東吾妻だけでなく、渋川の五輪平でもスラグが使われている。あちこちで使われている可能性がある。県も6箇所調査して、基準値以下だったから問題ないとのことだが、全箇所調べて、基準値に近いところを含めて撤去するように関係各部に厳しく言うべきと思うがいかがか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 調査結果を踏まえて判断させていただきたい。

酒井委員
 原因者負担、廃棄物処理責任と、廃棄物処理法上明確になっているので、刑事告発を含めて断固とした姿勢をとるべきだと思う。環境行政としての態度が問われる問題と思うが、部長に見解を伺いたい。

青木環境森林部長
 一般質問でも答弁したとおり、環境部局として非常に危機感を持って臨んでいる。色々な箇所が明らかになっているので、その都度環境調査を行っている。法律に基づき厳正に調査を行い、法に則って対処していくことに尽きる。

酒井委員
 部局横断的なスラグ問題のプロジェクトチームを立ち上げて、環境部門を先頭に全容解明をはかるべきと思うが。

青木環境森林部長
 まずは我が部局できちっと法に則った対処を行っていきたい。その中で他の部局からも情報等の応援をいただいている。

(7)地球温暖化対策について

酒井委員
 日本では、目標を明言しなかった。このような姿勢では世界から取り残される。群馬としても政府任せでなく、目標と具体的な取組について伺いたい。

中田温暖化対策室長
 県の「群馬県地球温暖化対策実行計画」について、状況の変化により計画見直しが必要と考えている。現在、計画見直しを検討中である。

酒井委員
 群馬で大胆な温室効果ガス削減目標を掲げて実践するべきと思うが。

中田温暖化対策室長
 太陽光発電については、群馬県は日照時間が長いメリットもあるので、県でも積極的に取り組んでいるところである。また知事は全国知事会では、エネルギー政策特別委員長という立場でもあるので、再生可能エネルギーの推進に積極的に取りはからうよう国に要望している。

小川委員
 地球温暖化対策地域協議会や推進員の活動について教えていただきたい。

中田温暖化対策室長
 地球温暖化防止活動推進センターは「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、各都道府県にひとつずつ設置されている機関である。センターには「地球温暖化防止活動推進員」がおり、県民に対して省エネやグリーンカーテンの作り方等のアドバイスや講習を行っている。もうひとつ地球温暖化対策地域協議会という組織が県内5つの地域にあり、地域ごとの講習会や先進地域への視察、相談会などを行っている。

小川委員
 企業で協議会に登録している人や地球温暖化防止活動推進員になっている人について人数制限はあるのか。

中田温暖化対策室長
 地球温暖化防止活動推進員については、県で委嘱している。別に人数制限はないので、必要に応じて委嘱していきたい。

小川委員
 セミナーを受講したが、活動できる場所の制限というのはあるのか。

中田温暖化対策室長
 単に会場の問題で、活動に制約はない。

小川委員
 本県のエコツアーやエコツーリズムに対する取組状況はどうか。

須藤自然環境課長
 一般的にエコツーリズムとは、自然環境保全、観光振興、地域振興、環境教育の場としての活用に取り組む活動と言われている。県では「はばたけ群馬プラン」の基本計画で、尾瀬において環境学習やエコツーリズムを推進するとしている。具体的には平成20年度より県内小中学生を対象に尾瀬学校を実施するとともに、尾瀬保護財団を事務局とする「認定ガイド協会」を発足させ、自然に負荷をかけない、質の高い自然体験ツアーを提供している。

(8)「放射能マップ」について

酒井委員
 放射能汚染対策について、放射能汚染マップも作成しており評価しているが、赤城の大沼では未だにワカサギが持ち帰れない状況であり、現状と今後の対策について伺いたい。

小笠原環境保全課長
 赤城大沼のワカサギについて、滞留時間が長く、なかなか水が入れ替わらない等が原因として考えられるが、担当部局で調査研究を進めているところである。

酒井委員
 ワカサギだけでなく、放射能をいかに早く低減させていくか、県行政として真剣に取り組んでいってほしいと思うが。

小笠原環境保全課長
 県内の除染はおおむね順調で、本年度内にほとんどの除染が完了する見込みである。
 また放射線マップにあるように、県内の放射線の状況は問題ない状況である。

小川委員
 「放射能マップ」について、県のページではほとんど全部青か水色になっているが、国のモニタリングではまだ0.2から0.5のところも残っているように見えるが、その違いは何か。

小笠原環境保全課長
 国は、航空機で上空から測定し、地上1メートルにおける放射線量を計算で求めている。県は、1,124地点で実際に人が測定器で測定している。県と国の違いについて、国の最新データは昨年11月時点の測定値であり、県は、今年5月時点の測定値なので、その間の物理的減衰などによる差と思われる。

小川委員
 今後、国が測定すれば結果は違ってくると見てよいか。

小笠原環境保全課長
 相当程度、県と同じ結果になると思われる。

(9)ライフル射撃場について

小川委員
 ライフル射撃場の関係で、クレー射撃場との併設が合理的であるとあったが、これは既に地元から声があがっているのか。

須藤自然環境課長
 ライフル射撃場整備検討委員会には、市長会代表として安中市の職員が委員として入っている。クレー射撃場はこれまで騒音問題もあったので、ライフル射撃場の整備については、地元の理解が得られにくいのではないかという意見が出された。

(10)林業の雇用状況について

福重委員
 林業の雇用状況について、現在、群馬県における林業従事者の状況、人数や平均年齢を伺いたい。

根岸林業振興課長
 林業労働力の現状であるが、昭和57年当時は1,800人だったのが、平成13年になると1,000人を割り込み、平成18年には604人にまで減少した。それ以降、平成21年まで若干の増加傾向に転じ、平成25年度では702人という状況になっている。平均年齢については、平成8年度の57.6歳をピークに、以降、若い従事者の参入により徐々に下がり、平成25年度の平均年齢は50.2歳となっている。7.4歳若返っている。ただ60歳以上の林業従事者が248人、全体の35.3パーセントおり、依然として高齢者の占める割合が高いという状況である。平成25年度の新規参入者は54人で、平均年齢は38.6歳である。

福重委員
 平均年齢が若返っているのは朗報である。労働者が生活を営む上ではそれなりの給与等が必要となるが、林業従事者の平均所得はどのくらいか。

根岸林業振興課長
 平成24年度の調査結果では、265万円、県内の全平均が361万円に比べて低いが、これは年30日以上の従事者の平均であり、年200日以上の従事者平均では329万円、年250日以上になると372万円となり、350万円以上の収入を得ているのは、全体の約24パーセントとなっている。なお、年200日以上の就労者割合は64.0パーセントであり、不安定な季節雇用から、少しずつ通年雇用に移行している。

福重委員
 先ほどの県全体平均が361万円というのは、年200日以上の就労者の平均なのか。

根岸林業振興課長
 県全体平均は、パートとかアルバイトなども含めた平均である。全国平均の正規雇用者の平均が473万円であり、本県では約100万円低い状況である。

福重委員
 約100万円低い要因は何か。

根岸林業振興課長
 給料を払う形態だが、4分の3程度は日給月給となっており、林業事業体の収益力が低いのが一番の原因と思われる。

福重委員
 先ほど平成25年度の従事者が702人とあるが、この人数は足りているのか。

根岸林業振興課長
 森林・林業基本計画では、平成32年に800人を目標としており、これと比べるとそんなに増えているということではないと思うが、効率的な事業生産により1人当たりの素材生産量について2.9立方メートルから10立方メートルを目指している。県の支援策としては、就業希望者に対するガイダンスや現場体験型の「群馬林業学校」を開催して、仕事を理解してもらうなどの支援をしているほか、本年度は群馬労働局と連携して、就業面接会などを開催している。なお林業従事者数については、現在不足している状況である。

福重委員
 定着率についてはどうか。

根岸林業振興課長
 離職状況では、就業後3年未満で離職がひとつの目安となっている。大卒で約30パーセント、高卒で約40パーセント、中卒で約65パーセントである。緑の雇用担い手事業における離職率は31.3パーセントである。

福重委員
 環境森林部で林業雇用者を増やす取組は非常に大事だと思うので、部としての思いを伺いたい。

青木環境森林部長
 先般、第1回「ぐんまの未来創生本部」が開催され、人口減少社会に対応していく本県の考え方を今後詰めていく状況だが、中山間地域の活性化という中で、本県の強みは何かと言えば3分の2を占める森林があるということ、これを活かさなければいけないと思っている。「儲かる林業」に本腰を入れて取り組んでいかなければならない。特にその中で人を育てるということが大切と思うので、部をあげて協力しながら取り組んでいきたい。

(11)環境関連の制度融資について

福重委員
 制度資金について、県では「融資制度のご案内」ということで、その中に「人と環境に優しい生産活動を行おうとする方へ」ということで環境における制度資金の概要が示されているが、こういった環境にまつわる制度資金というのが全体でどのくらいの種類があり、枠があるのか。

飯塚環境政策課長
 制度資金とは「環境生活保全創造資金融資制度」であり、メニューが6つある。平成26年度の融資枠とすれば、22億9,000万円ほど用意している。

福重委員
 預託額は。

飯塚環境政策課長
 10億2,000万円ほどである。

福重委員
 借り入れ額はどの程度か。

飯塚環境政策課長
 平成22年度から現在までで34件、融資額で5億600万円である。一番多い年で10件、2億2,000万円ほどである。

福重委員
 企業の環境に対する改善の意識が進んでいるのか心配である。県として啓蒙や、企業へどのように周知しているのか。

飯塚環境政策課長
 周知について、福重委員が示したようにパンフレットを金融機関や商工団体等に配布している。また県で作成している資料や県ホームページにも掲載している。また「ぐんま広報」にもメニューごとに掲載している。また金融機関でも事業者が相談に行った際に、メニューの紹介を行っている。

福重委員
 平成12年から最終処分場モデル研究事業というものをやっているのを見た。モデル研究事業というのは、やってみて良ければ横展開等に発展していくものだが、進展が見えない。この事業についてちょっと説明願いたい。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 最終処分場モデル研究事業は、新里地区に設置し、民間事業者が実施している。埋立て容量36万立方メートル程度で、平成14年2月から埋立てを開始し、現在も継続している。当時、最終処分場の逼迫度があったり、住民間で最終処分場に対する不安があったりといった背景の中から始められたものである。
 当該施設は県の嘱託職員が常駐し、受け入れ荷物を確認したり、県・市・地元事業者・地元住民の間で運営連絡協議会を設立し、協議をしながら行っている。成果として安全な運営がされている、周辺住民にとっても安全な施設づくりがされている、県内事業者からの産業廃棄物の受け皿となっているなどがあげられる。

福重委員
 逼迫状況は改善されているのか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 一番大きく変わったのは、県内で埋立て処分する産業廃棄物量が4分の1から5分の1程度に少なくなっている。これはリユースやリサイクルに各事業者が努めた結果になる。最終処分場の容量についても当時の逼迫度についてもいくらか改善されている。

福重委員
 研究事業として始められたものであるから、最終処分場が変な状態にないと言うことが一番の成果物と思われるので、今後様々な最終処分場でも転換できるように情報提供していただきたい。

(12)県産材の需要拡大について

清水委員
 県産材の需要を作っていくかが課題となる。その辺の認識や考えを伺いたい。

根岸林業振興課長
 国のレベルでは国産材割合が約28パーセントという状況で、本県では約35パーセントという状況である。外国産材には負けている部分はあるが、乾燥など加工の面でもしっかり行えば負けないと思うし、構造材だけでなく内装材でも木材が使われてきているので、明るい兆しはあると思う。

清水委員
 木材の開発に係る予算を見るとわずかで、今後新しい需要を作っていけるか疑問に思える。また人口減少で需要が減っていくのは確実であるから、住宅以外の活用を作っていく必要があると思うが。

根岸林業振興課長
 国では合板を15センチ程度に厚くした材を壁にしたり、鉄筋コンクリートであったものを、CLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー)を使用したりと取り組み始めている。

清水委員
 まず公共施設でどれだけ使っていくか、例えば保育園や幼稚園では建て替えの時期に来ていて、順番待ちをしている。そういうところにうまく県産材補助メニューを作って動きが出るようにすれば良いと思うが、今後新たな方策を検討していただけるのか。

根岸林業振興課長
 公共建築物の木材利用は、平成22年に公共建築物の木材利用促進法を制定し、国の方でも積極的に取り組んでいる。県、市町村に対しても木材利用方針を制定することができるという内容になっている。県でも庁内連絡会議等を開催して、木材利用を積極的に進めていきたい。

清水委員
 例えば、歯医者などの個人医院は非常に多くできている。そのような医師会や歯科医師会といったところにも県産材利用を積極的に働きかけるなどしていただきたい。

(13)農産漁村地域整備交付金等について

織田沢委員
 公共建築物や民間の公的な建物にもしっかり補助できるような制度を維持していってほしいがいかがか。

青木環境森林部長
 林業県に飛躍していくということは、言葉だけ空回りしても駄目であり、出口対策が求められていると思っている。県が長年取り組んできた「人と木のふれあい推進事業」を大きく育てていくのが、当部の責務と思っているので、しっかりと対応したい。

織田沢委員
 国も補助金から交付金制度に変えてきている中で、農山漁村地域整備交付金という制度があり、県も30数億円をここ2、3年もらっていたが、今年度の配分が10数億円にとどまっている。治山事業など人の生命に影響する事業に支障が出ていると思うが、まず現状について伺いたい。

井田森林保全課長
 農山漁村地域整備交付金は、農業農村、森林、林業等の社会資本整備をおこなうことを目的とした交付金である。交付金を各県に配分し、各県の中で国の関与を除いた上で配分していくものである。今年度も34億600万円の交付を目処に、県予算を編成したが、割当額が16億3,000万円と非常に低い内示額であった。その後関係機関に要望した結果、追加で配分をもらったが、18億200万円の予算しか確保できていない状況である。

織田沢委員
 まずどういう影響が出るのか。

井田森林保全課長
 本課が所管している予防治山事業については、72箇所を予定したが、実際にはそのうち29箇所が執行できない状況である。

松本林政課長
 本課が所管している造林事業については森林環境教育等の場を造成する森林空間総合整備事業をおこなっており、要望が200万円であったので、100パーセント執行している。林道事業については、要望額4億3,400万円に対して、2億4,800万円の配分額であり、約57パーセントにとどまっている。具体的に10路線の要望があったが、新規開設を優先することとした。市町村が開設する2路線は満額、県が開設する3路線と法面改良1路線については約56パーセントの執行とした。残り4路線の法面改良は今年度執行を断念している。

織田沢委員
 広島市の土砂災害のようなことが起こっては困る。国から約57パーセントの配分では、本県にとっても危機迫る状況にあると言える。現在どうなっているか。

井田森林保全課長
 3月から4月にかけて国から本県への割り当て状況に関する情報が入ってくる。その段階で精査し、関東地方の各県と連絡を密にとり、各県も割り当てが少ないことが判明したので、各県知事名で農林水産大臣をはじめとした関係機関に要請行動を行った。なお、国が確保した予算額全体が絶対的に不足しているので、為す術がないのが実態である。

(14)森林整備加速化・林業再生事業について

織田沢委員
 「森林整備加速化・林業再生基金」がある。この基金も平成26年度で終了となるということで、新年度に大きな影響がでると思うがいかがか。

松本林政課長
 この事業が終了すると、木材の生産、加工や流通に影響が出るのは確実である。とりわけ作業道の路網整備について、県の「林業作業道総合整備事業」と基金を活用して実施してきたが、県単独の予算で全てを確保しなければならない。また、高性能林業機械、木材加工施設、バイオマス施設、木造公共施設は「森林・林業再生基盤づくり交付金」を国に要求することとなるが、国から交付額が少ない場合、木材の加工流通、需要拡大に大きな影響が出ると考えている。


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