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産経土木常任委員会(県土整備部関係)(平成28年6月9日)

1.開催日時

平成28年6月9日(木曜日)9時59分開始 14時51分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:安孫子哲、副委員長:大和勲

委員:南波和憲、委員:松本耕司、委員:久保田順一郎、委員:福重隆浩、委員:あべともよ、委員:岸善一郎、委員:伊藤清、委員:本郷高明

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)緊急防災・減災工事関連について

あべ委員
 水位雨量観測システムの改修によりどのような高度化が図られるか。

中島河川課長
 水位雨量観測システムは、古いもので平成6年度から設置され、今後更新しないと欠測等の恐れがあるため、今回機器の更新を行うことにより、水害の危険性や避難の必要性を確実に市町村に伝達できるようにするものである。

あべ委員
 今までのものからどのように変わるのか。

中島河川課長
 大きく変わる点として、河川監視カメラを主な水位観測所に新たに設置し、静止画になるが一般公開を行うことにより、住民の迅速な避難行動につなげることが挙げられる。

あべ委員
 河川監視カメラは何箇所くらい設置するのか。また、公開方法はどうか。

中島河川課長
 洪水により相当な損害を生じる恐れがある34箇所の水位観測所に設置する。うち2箇所は試行的に設置済みであり、32箇所について新設する。また、公開方法についてはホ-ムペ-ジやスマ-トフォンで公開する予定である。

あべ委員
 市町村や住民避難の支援はどのように行うか。

中島河川課長
 市町村に対しては、水位や雨量の情報をいち早く正確に伝えるとともに、監視カメラの映像の提供により、市町村長が発表する避難勧告等の発令の判断材料としてもらうことを考えている。また、住民に対しては、水位の数字だけでは危機感が伝わりにくいため、監視カメラによるリアリティある中継映像の提供により、危機感を持った迅速な避難行動につなげていければと考えている。

あべ委員
 昨年の鬼怒川の水害では市町村を跨いだ避難が必要となったが、システムの運用により市町村の適切な避難勧告の実施につなげていくことは非常に重要なことであると思う。同時に、住民に情報提供することが必要であると思うが、システムとしてツイッターやSNS等を活用する考えはあるのか。

中島河川課長
 現在のシステムでは、ツイッター等による情報提供は考えていない。

(2)西毛広域幹線道路について

伊藤(清)委員
 西毛広域幹線道路について、安中工区の進捗状況はどうか。

若田部道路整備課長
 今年度末における事業の進捗率は約66パーセントとなる見込みである。今年度は引き続き工事と用地買収を進めてまいりたい。

伊藤(清)委員
 安中工区のトンネル施工箇所の未買収地について見解を伺いたい。

若田部道路整備課長
 トンネル抗口部の共有地において、相続人が約350名と非常に多くなっており、権利者を特定するのに多くの時間を要しているが、引き続き、法務局や関係機関等と協議しながら、早期に解決できるよう努めてまいりたい。

伊藤(清)委員
 高崎安中工区、安中富岡工区の当面の見通しについて伺いたい。

若田部道路整備課長
 両工区とも今年度は現地測量と道路詳細設計を行う予定である。まず、測量のための現地立ち入りをお願いする説明会等を8月までに行う。その後、測量を行い、測量成果を基に道路詳細設計を行う。地権者や関係者に道路計画を示すのは、ある程度詳細設計が進んだ段階になるため、年明け頃になる見込みである。

(3)増田川ダムの中止について

伊藤(清)委員
 碓氷川圏域の河川整備計画について、増田川ダムの中止により整備が遅れているが、当面の予定について伺いたい。

中島河川課長
 今年度中の策定に向けて作業を進めている。この中で、堤防断面が不足している区間や上下流に比べて流下断面の小さい区間における築堤・河道掘削・護岸等の整備内容を検討しているところである。

(4)被災建築物応急危険度判定士について

伊藤(清)委員
 被災建築物応急危険度判定士について、登録者数は何名か。また、資格要件は何か。

石山建築課長
 本県の被災建築物応急危険度判定士は、現在1,770名が登録されている。資格取得要件は、建築士(一級・二級・木造)、または実務経験2年以上の建築職の行政職員で所属長が推薦する者であって、認定講習会を受講した者である。

伊藤(清)委員
 被災宅地危険度判定士、り災証明書の調査について、被災建築物応急危険度判定士が兼ねることができるのか。

石山建築課長
 被災宅地危険度判定士は、建築士の資格は必要ないが、認定講習会を受講する必要がある。現在、837名が登録されており、土木職の行政職員が受講して登録となるケースが多い。り災証明書に関する調査は、特別な資格は不要であり、建築士以外に固定資産税などを担当している職員が携わっている。熊本地震の被災地で調査に従事した職員の話では、建築関係の知識があった方がスムーズに調査できるとのことであった。

伊藤(清)委員
 被災建築物応急危険度判定士、被災宅地危険度判定士について、民間の人も判定士になれるようにした方がよいのではないか。

石山建築課長
 民間の人でも、認定講習会を受講することにより、判定士になることはできる。ただ、遠隔地へ派遣する場合、民間の方だと休暇や交通費等の問題があるので、行政職員が先に行くことになる。逆に、本県で万が一発生した場合は、民間の方に要請する方向で考えている。

伊藤(清)委員
 危険な空き家の判定のために、被災建築物応急危険度判定士を活用することが有効であると考えるがいかがか。

石山建築課長
 柱の傾斜の測定など、共通する判断基準もあるため、建築士である被災建築物応急危険度判定士の活用については、今後、市町村とともに研究していきたい。

(5)敷島公園周辺におけるイベント時の駐車場対策について

本郷委員
 敷島公園周辺におけるイベント開催時の駐車場対策について、進捗状況はどうか。

山口都市計画課長
 昨年度から前橋市と協議を進めてきた。その結果、前橋市が河川敷緑地に駐車場の増設を予定していると聞いている。県では、現状の把握と解決策を検討するため、敷島公園周辺が混雑することが予想される日を選定し、「渋滞調査」を実施しているところである。駐車場の利用状況、周辺道路の混雑を実測し、年内をめどに対応策を検討したい。

本郷委員
 前橋市と話し合っているということでよいか。

山口都市計画課長
 はい。

本郷委員
 イベント開催が重なった場合についても渋滞調査を行っているのか。

山口都市計画課長
 色々なパターンで渋滞調査を既に行っており、継続して行う予定である。

(6)公共交通ネットワークの構築について

本郷委員
 公共交通ネットワークの構築について、公共交通のバス路線の維持確保・利便性向上のために、県はどのような支援を行っているのか。

小此木交通政策課長
 平成26年度現在で、707系統の路線があるが、大半の路線は赤字であり、国、県、市町村が運行経費や車両更新に対する支援を行っている。広域的、基幹的なバス路線を維持するために、バス事業者に対して運行費と車両減価償却費について、平成28年度においては83,882千円の補助を行う予定である。また、市町村が日常生活に必要な交通手段を確保するために運行するバスについては、市町村に対して運行費や車両購入費について、154,834千円の補助を行う予定である。

本郷委員
 朝夕にはバス待ちの列が見られる。本数が足りないと感じるが、実際のところどうか。

小此木交通政策課長
 朝夕にはバス待ちの列が見られるが、日中等の状況を見ると必ずしもそのようなことは言えない。

本郷委員
 市町村を跨いで交通機関を利用する場合、非常に不便であると感じる。ホームページでの情報提供の充実が必要と思うがどうか。

小此木交通政策課長
 県は、ホームページにおいて「バスQ」等の情報提供を行っている。本年度はスマートフォンにも対応した乗り換え案内サイトを運営する民間企業に対しても、掲載情報の充実に向けた依頼や協力を行っている。

本郷委員
 ホームページを利用しにくい方向けに、バスマップを検討できないか。

小此木交通政策課長
 前橋、伊勢崎、沼田等の市町村で作成していると承知している。

本郷委員
 小学生に対する公共交通教室の開催について、どのような内容か。

小此木交通政策課長
 バス協会が中心となって小学生に対してバスの乗り方教室を実施している。バスを小学校に持って行って、実際のバスを使って乗り方を指導している。

本郷委員
 エコ通勤ウィークの取組状況についてどうか。

小此木交通政策課長
 県では、エコ通勤推進事業を平成21年度から毎年実施しており、昨年度は10月14日から20日を「エコ通勤ウィ-ク」として実施し、県内43事業所、11,298人が参加した。

本郷委員
 バス待ちにおいて、バスの運行状況を周知する取組が必要と考えるがどうか。

小此木交通政策課長
 前橋市、高崎市、伊勢崎市においては、一部でバスの現在の位置情報を提供する「バスロケーションシステム」が試行されている。市町村や事業者と利用状況等を検証しながら、今後研究していきたい。

本郷委員
 新駅設置及びLRTの導入について、どこまで検討が進んでいるのか。

小此木交通政策課長
 新駅設置については、前橋市から昨年7月に「群馬県鉄道網活性化連絡協議会」で、JR両毛線の駒形駅~伊勢崎駅間の旧下増田駅周辺に新駅を設置する構想について提案があった。これにより関係自治体で新駅設置の勉強会を立ち上げた。今後JR東日本高崎支社も交えて、今後の課題等を協議する予定である。また、LRTの導入については、前橋市が「地域公共交通網形成計画」を策定すべく検討会議を設置し、その中で検討しているところである。さらに上毛電鉄の沿線自治体で構成する連絡協議会において、上毛電鉄のLRT化の可能性調査を実施しており、県としては、調査費の一部を補助して、前橋市の取組を支援している。

(7)八ッ場ダム本体工事の工程スケジュールについて

本郷委員
 八ッ場ダム本体工事の工程スケジュールについて、本年4月末段階で基礎掘削工事の進捗率が約9割ということで、基礎掘削工事が完了したとの発表はまだないかと思われるが、基礎掘削工事の現在の状況は実際どうなのか、詳しく教えていただきたい。

福渡特定ダム対策課長
 国土交通省に状況を確認したところ、「基礎掘削工事は終盤を迎えており、準備が整ったところからコンクリート打設を開始する予定」と聞いている。

本郷委員
 掘削が終わったところからやっていくということか。

福渡特定ダム対策課長
 「掘削工事が終盤にさしかかっている状態で、コンクリートの打設の準備が整ったところからコンクリートの打設を始める」と聞いている。

本郷委員
 昨年6月に八ッ場ダムの公聴会において、国土交通省関東地方整備局からダム堤体の再度の設計変更の可能性について、基礎掘削を行って、実際に現れた岩盤の状況によっては設計内容を照査することを考えているとの説明があった。実際に岩盤が現れなければ計画変更はないかと思うが、実際に現れた岩盤は調査されたのか。

福渡特定ダム対策課長
 国に確認したところ、「現れた岩盤の状況は概ね想定したとおりである。岩盤の状況に応じ適宜対応しているところであり、設計内容に対して大きな変更をすることはない。」と聞いている。

本郷委員
 コンクリート打設が遅れないということで理解してよいか。

福渡特定ダム対策課長
 国からは、「現段階においては、全体の工事工程に影響が生じるようなことはない。」と聞いている。

(8)建設・土木業界のイメージアップについて

あべ委員
 建設・土木業界のイメージアップについて、取り組みを始めているということだが、内容はどうか。

鈴木建設業対策室長
 平成25年度から、インターンシッププログラムを実施するとともに、生徒や保護者に説明会を開催し、建設業界の現状や魅力、将来性を伝えた。また、資格取得の奨励を目的に、高校在学時に2級土木施工管理技能検定の学科が取得できるよう、試験対策授業を実施している。また、建設業界における女性の活躍支援を目的に、平成27年度に女性技術者によるワークショップを開催し、女性の視点から職場環境の課題や改善策を「職場環境改善策提言書」として取りまとめ、平成28年3月に公表した。更に、建設業への女性の新規入職を目的に、働く女性を取り上げた就職広報誌を平成28年4月に発行したところである。

あべ委員
 働きやすい環境を整えて就職してもらうことにより、担い手を確保することは大切であるので、この取組は引き続き進めていただきたいと思うが、若手や女性が何人就職したかといった成果は把握しているか。

鈴木建設業対策室長
 今年の1月から始めたところで、成果はこれからということになる。

(9)合併処理浄化槽の普及促進対策について

あべ委員
 合併処理浄化槽の普及促進対策について、合併処理浄化槽設置の補助実績及び推移はどうか。

野口調整主監
 過去5年間の補助実績は、平成23年度が約3,500基、平成24年度が約3,300基、平成25年度が約3,400基、平成26年度が約2,900基、平成27年度が約800基である。

あべ委員
 エコ補助金による補助実績及び推移はどうか。

野口調整主監
 過去5年間の補助実績は、平成23年度が約1,200基、平成24年度が約1,200基、平成25年度が約900基、平成26年度が約800基、平成27年度が約700基である。

あべ委員
 基数がここのところ減っている理由は何か。

野口調整主監
 平成26年度までは新設と転換を補助していたが、平成27年度は制度改正により転換のみ補助することになったためである。

あべ委員
 単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換に係る補助実績及び推移はどうか。

野口調整主監
 過去5年間の実績は、平成23年度が約1,200基、平成24年度が約1,200基、平成25年度が約1,100基、平成26年度が約900基、平成27年度が約800基となっている。

あべ委員
 請願の中に新設に対する合併処理浄化槽設置補助を再開してほしいとの要望が出ているが、これに対する県の考えはどうか。

野口調整主監
 平成27年度の新設の基数は対前年度比96パーセントであり、転換と比べあまり差がないことから新設に対する補助の効果は低いと考えている。

あべ委員
 転換に対する補助をより進める方法について、どのように考えているか。

野口調整主監
 新設に対する補助を廃止するのに際して、他事業との事業効果の比較検証を行った。その結果、新規の浄化槽に補助するよりは公共下水道に補助した方が事業効果があると判断し、公共下水道への補助を手厚くしたところである。

あべ委員
 どのくらい手厚くしたのか。

清水下水環境課長
 新設に対する合併処理浄化槽の補助は廃止となったが、市町村下水道補助の2つの制度について拡充した。まず、市町村が行う下水道末端管渠整備に対する国の交付金制度が平成26年度で廃止されたことから、「単独管渠整備促進費補助」の補助率を3パーセントから5パーセントに拡充した。また、平成27年度から「流域関連公共下水道排水設備費補助」制度を新設し、個人が行う管渠接続工事への支援を行ったところである。

あべ委員
 税金と個人負担の総額で見たときに費用対効果が高いということで浄化槽対策を充実させてきた経緯があったのではないかと思う。浄化槽への補助実績が減少している現状では、浄化槽対策に力を入れていないと受け取られてしまうと思うが、どのように考えているか。

野口調整主監
 平成27年度まで国が1/3の補助を行ってきたが、今年度から補助率を1/2とする環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業が創設された。これらの事業を有効に活用してもらえるよう、市町村と調整をしながら、事業を執行していきたい。

(10)被災宅地危険度判定士の養成及び判定機材の備蓄状況について

あべ委員
 被災宅地危険度判定士について、現在837名養成されているということだが、この人数に対する県の評価はどうか。

石山建築課長
 平成34年度において800名の確保を目標に掲げ、すでに達成している状況である。今後は判定士の高齢化に対応するため、新たな判定士の養成を目指したい。

あべ委員
 被災建築物応急危険度判定士の養成について、目標は何名か。

石山建築課長
 2,000名である。

あべ委員
 目標値はどのような根拠で設定しているのか。

石山建築課長
 本県の宅地が地震により被災した場合に、他県からの支援判定士とともに10日間で調査を行うことを想定し、目標人数を設定している。

あべ委員
 熊本地震への判定士派遣は貴重な経験となったと思うが、民間判定士派遣の仕組みはどうか。

石山建築課長
 熊本地震では、結果的に行政判定士のみの派遣となったが、民間判定士も派遣する制度があり、建築士会及び建築士事務所協会と協定を締結している。

あべ委員
 建築関係以外の業界団体との連携も必要だと思うがどうか。

石山建築課長
 そのように取り組んでまいりたい。また、被災宅地危険度判定の模擬訓練を毎年行っており、建設業協会、測量士会などの団体が参加しているところである。

あべ委員
 判定機材の備蓄状況はどうか。
石山建築課長
 県が備蓄するものと市町村が備蓄するものを分けている。県ではステッカーやチェックシート、腕章、マニュアル等を、市町村では巻き尺などの道具をそれぞれ備蓄している。また、県では市町村が備蓄すべき道具を10組備蓄している。

あべ委員
 備蓄は量的に十分あるのか。

石山建築課長
 熊本地震の判定時に持ち出したものがあるが、現時点では量的に足りていると認識している。

(11)道路維持管理及び道路維持修繕事業について

あべ委員
 道路維持管理及び道路維持修繕事業について、予算の推移はどうか。

町田道路管理課長
 道路の照明やトンネル等の管理に要する道路維持管理事業については例年5億円程度、道路の舗装補修や清掃、除草等に要する道路維持修繕事業については例年45億円程度で推移している。

あべ委員
 道路維持修繕事業について、平成27年度は増額となったが、今年度はまた少し減額になっている理由は何か。

町田道路管理課長
 平成27年度に防草対策として予算措置した上で、防草シート敷設を集中的に実施したことによるものである。

あべ委員
 防草対策の必要な箇所は、平成27年度ですべて完了したということでよいか。

町田道路管理課長
 まだ防草対策が必要な箇所はあるため、引き続き対策を実施していきたい。

(12)長寿命化計画の進捗状況について

あべ委員
 長寿命化計画について、見直しが必要な時期に来ているものがあるが、計画通りに進んでいるのか。

若田部道路整備課長
 橋梁の長寿命化計画は、平成22年度に策定し、平成23年度から平成27年度までの5年間で869橋を計画的に修繕している。費用は国の大型補正も積極的に利用して、5年間で121億円を確保し、計画より1年位早いペースで進んでいる。

あべ委員
 1年位早いとは、数か。それとも金額か。

若田部道路整備課長
 数である。

あべ委員
 計画より進行が早いことを踏まえて、必要となる予算を措置するのか。

若田部道路整備課長
 5年間の実績を踏まえて、今後どのくらい予算が必要になるのか改めて計算する。

あべ委員
 早く補修すると効果が長く持続するところから取り組んでいるのか。

若田部道路整備課長
 計画を策定する際に、全ての橋梁の点検を行い、損傷度合いに応じて順位付けして、修繕を実施している。

あべ委員
 他の長寿命化計画も計画通りに進んでいるのか。

町田道路管理課長
 舗装長寿命化計画について、平成25年度に計画を策定したところであり、管理水準や大型車交通量などを勘案して優先度を決めることで、ほぼ計画どおり進めている。

あべ委員
 計画策定後はどうか。

中島河川課長
 河川構造物長寿命化計画について、排水機場や堰などを対象に点検や補修の計画を定めたものであり、概ね計画通りに進んでいる。今年度、計画策定から5年経過したことから、現計画の見直しに合わせて、県営7ダムを加えた河川施設全体の長寿命化計画を作成中である。

あべ委員
 計画を策定するだけではなく、進捗状況を定期的に報告してもらいたいがどうか。

上原県土整備部長
 今後は定期的な経過報告を検討したい。長寿命化計画の進捗には予算が絡んでくるため、計画との乖離が出てくる可能性がある。

(13)西毛広域幹線道路について

岸委員
 西毛広域幹線道路について、高崎西工区に高崎北警察署が計画されているが、警察署の前だけでも早く開通できないか。

若田部道路整備課長
 高崎西工区での用地買収率は今年度末で約80パーセント程度になる見込みであり、順次、工事に着手している。警察署予定地前については、どこまで開通できればよいのか、今後、警察と協議していきたい。

岸委員
 高崎工区の進捗状況はどうか。

若田部道路整備課長
 昨年度、地元説明会を開催し、南側にルート変更することとした。現在、現地測量が終了したところである。この区間は新幹線、東京電力の高圧線や古墳群もあることから、慎重にルート検討を進めてきており、今年度は道路設計を進める予定である。

(14)用地先行取得事業について

岸委員
 用地先行取得事業について、事業費48億円の内訳を教えていただきたい。

市川用地対策室長
 歳出は、用地取得費が25億円、一般会計への繰出金が23億円の計48億円、歳入は、一般会計からの繰入金23億、県債23億、一般財源2億の計48億円となっている。国土交通省が事業主体である、上信自動車道渋川西バイパスについては、国の用地費の予算状況を勘案すると、目標年度までの供用開始が困難であることが予想されることから、事業促進のため、国に代わり、県の用地先行取得特別会計で用地の先行取得を行うこととし、用地取得費25億円のうち20億円を見込んでいる。

(15)県営住宅維持管理業務について

岸委員
 県営住宅維持管理業務について、住戸、住棟の適時、適切な修繕とはリフォームのことか。

佐藤住宅政策課長
 県営住宅の外壁、屋上防水、水回り等の修繕であり、予算額には入退居等の管理業務委託や用地の賃借料も含まれる。

岸委員
 10,151戸の入居率はどの程度か。
佐藤住宅政策課長
 概ね8割程度である。

岸委員
 朝倉県営住宅で2戸を1戸につなげるリフォームを視察したが、今もそのような取組をしているのか。

佐藤住宅政策課長
 昔の県営住宅の間取りは小さいため、ファミリー世帯向けに2住戸を1つにつなげ、間取りの大きな住戸にする取組を現在も行っているところである。

岸委員
 同様のリフォームを他の団地でも進めているのか。

佐藤住宅政策課長
 県営住宅長寿命化計画に基づき、4,000住戸について修繕することにしており、現在約1,800住戸まで進捗している。世帯構成も多様化しているので、ファミリー世帯向けだけでなく、高齢者世帯向けなど、ニーズを踏まえて、修繕を進めていく考えである。

(16)幹線道路開通による周辺道路対策について

久保田委員
 東毛広域幹線道路の開通により、生活道路が迂回路として利用されているため、舗装が痛んでいる箇所があるが、県は市町村の予算措置に対して指導できるのか。

若田部道路整備課長
 東毛広域幹線道路については、4車線化で交通量も増加すると考えられるので、周辺道路も含めた交通量調査や渋滞長の調査を行い、場所と原因を特定し、関係市町村や警察と連携して対応したい。その中で市町村のやるべき役割について、予算確保するよう働きかけていきたい。

久保田委員
 市町村は県から予算が来なければ動かないのが実態である。市町村に道路整備予算を計上させるために、県はどのような方策を示す必要があると考えているのか。

若田部道路整備課長
 市町村道との取付けなど計画段階から打合せを行い、供用開始時期を合わせるなど調整している。今後も市町村と連携していきたい。

(17)移住定住の促進による人口減少対策について

福重委員
 県内にある15万戸の空き住宅を東京方面からの移住や二地域居住にうまく活用していくことが大事になると思うが、住みかえ支援事業の現状はどうか。

佐藤住宅政策課長
 平成24年に県、市町村、不動産関係団体、住宅供給公社等からなる群馬県空き家活用・住みかえ支援協議会を発足し、住みかえ支援制度の活用推進や空き家等の利活用に向けた相談体制の整備に取り組んできた。また、今年4月から群馬県空き家活用・住みかえ支援協議会の構成メンバーに建築関係団体や土地家屋調査士、弁護士を加えた群馬県空き家利活用等推進協議会を発足し、5月に第1回総会を開催して、官民連携で取り組む体制を整備した。人口減少対策の面でも空き家等の既存ストックを活用した子育て世帯の支援や県外からの移住者の支援が重要であると考えている。定住・交流人口の増加については、他部局と連携して、移住定住相談窓口なども活用しながら空き家情報を提供していきたいと考えている。また、県営住宅において、県外居住者でも入居できるよう入居要件のうち居住地要件を今年4月に緩和して、現時点で3世帯が県外から入居したところである。

福重委員
 住みかえ支援事業の中で空き家をリニューアルして移り住んだ実績はどのくらいあるか。

佐藤住宅政策課長
 国が設立した移住住みかえ支援機構が運営しているマイホーム借上げ制度における県内の契約実績は11件である。

福重委員
 ストックはあるのか。

佐藤住宅政策課長
 事前相談として100数件あるが、登録のために耐震性能や権利関係などの課題があり、登録している数は少ない。

福重委員
 東京にあるふるさと回帰センターにおける住宅支援の現状はどうか。

佐藤住宅政策課長
 ふるさと回帰センターとは情報交換を行い、相談員には県外の方に空き家活用・住みかえ支援事業を紹介してもらっているが、在庫が少ないことが今後の課題である。

(18)三世代同居・近居による子育て支援について

福重委員
 県営住宅における三世代同居・近居による子育て世帯の支援について、状況はどうか。

佐藤住宅政策課長
 子育てや介護を世代間で助け合う三世代同居・近居はメリットがあると認識している。県営住宅では、親族との近居を望む場合に、県営住宅間での移転を認めている。子育てや親の介護のための新規入居についても、個別対応として、入居案内で周知している。今後もどのような施策が効果的であるか研究してまいりたい。

(19)上信電鉄の通学定期について

福重委員
 上信電鉄の通学定期について、上信電鉄沿線にある学校の校長から定期代が非常に高額で生徒が定期代を賄うためにアルバイトをしている話があった。県内のJRや上毛電鉄、わたらせ渓谷鐵道と比べても高額である。経営努力によって何とかできないのか。

小此木交通政策課長
 中小私鉄3鉄の通学定期、特に上信電鉄の運賃が高いのは承知している。高崎市、桐生市、みどり市では、長距離通学者を対象に一定の補助を行っている。運賃は、事業者の経営判断によるところが大きく、補助金が増え、市町村の負担も増えることが想定される。中小私鉄3鉄については、本年度から来年度にかけて、平成30年度からの次期経営再建計画を作成予定であり、沿線市町村連絡協議会の場で問題提起していきたい。

福重委員
 通学定期の割引率だけでもJRや上毛電鉄と同じにすることはできないのか。単に補助金を出すだけではなく、ものを言うことも大事であると思う。平成30年度からの経営改革にこの視点をしっかり盛り込んでいただきたいがどうか。

上原県土整備部長
 調査したところ、上信電鉄は、上毛電鉄と比較しても、通勤定期の割引率に比べ、通学定期の割引率が低いようである。通学者の足を守るよう、沿線市町村と協議していきたい。

(20)右折レーンについて

松本委員
 4車線道路とは右折レーンも含めて4車線なのか。

若田部道路整備課長
 1車線を右折レーンとして運用していても、前後区間が4車線であれば4車線道路である。

(21)国道354号板倉北川辺バイパスについて

松本委員
 国道354号板倉北川辺バイパスについて、いつ頃完成の予定なのか。

若田部道路整備課長
 国道354号板倉北川辺バイパスは延長4.6キロメートルの道路で、このうち群馬県側が約2.6キロメートル、埼玉県側が約2キロメートルである。群馬県側は平成25年度から着手し、進捗率は72パーセントで、平成29年度の完成を目指して進めており、埼玉県側は進捗率は51パーセントで、開通時期を公表していないが、両県で協調して事業を進めている。

(22)落石・倒木対策の進捗状況について

大和副委員長
 島根県の落石事故を受けて実施した緊急点検の結果のうち、落石の恐れがある17箇所と倒木の恐れがある5箇所の進捗状況を伺いたい。

町田道路管理課長
 落石の恐れがある箇所については、昨日までに7箇所が処理対応済みであり、残る箇所についても法面調査を始めており、本年度中に対策を実施する予定である。倒木の恐れがある箇所については、伐採にあたり地権者と協議を進めているところである。

大和副委員長
 倒木の恐れがある箇所について、地権者との協議が難航しているのか。

町田道路管理課長
 難航しているのでなく、所有者と官民境界の確認等に時間を要しているだけである。

(23)砂防指定地内の無許可掘削について

大和副委員長
 奈良県で砂防指定地内の無許可掘削があったが、本県でも同様の事例が発生する可能性はあるか。

小林砂防課長
 砂防指定地内における土砂の掘削は、「砂防法」及び「群馬県砂防指定地管理条例」の規定により、治水上砂防のために支障がないと認めた場合に許可している。本県において、砂防指定地内における土砂の掘削を目的とした許可の事例はなく、無許可での掘削を今までに確認した事例もない。


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