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危機管理・エネルギーに関する提言 危機管理・エネルギーに関する特別委員会(令和6年3月13日)

​ 令和6年元日、最大震度7の地震が能登半島で発生した。震度7を観測したのは、1995年の阪神・淡路大震災以来、7回目であり、日本列島は複数のプレートが入り組んでおり、巨大地震はいつでもどこでも生じる可能性があるということを改めて認識させられたところである。
 また、地殻変動による地震や火山噴火以外でも、台風や集中豪雨、竜巻・ひょうなどの気象災害も、地球温暖化に伴い激甚化・頻発化が懸念されている。そして、自然災害だけでなく、国際情勢の緊迫化によるエネルギー・食料供給の不安定化など、県民生活や地球環境の悪化への懸念や生命・財産への脅威がかつてないほど増大している状況にある。
 こうした状況に対応し、県民の生命・財産を守り、社会経済を維持していくため、過去の対応を検証し、対策全般を見直すと同時に、国民保護や災害レジリエンス機能の強化及び地球温暖化に適応する脱炭素社会の実現に向けた取組を推進し、今後も懸念される大規模災害や緊急事態に備えた取組として可能なものから早急に措置を講ずることが肝要である。
 県当局におかれては、次の事項に留意され、引き続き危機管理対策及びエネルギー施策の推進に取り組まれるよう、強く要望する。

  1. 国民保護に関すること
    (1)国民保護法に基づき、武力攻撃事態や大規模テロなどに備えて、国民保護措置の実施体制や避難施設の指定、物資・資材の備蓄、ライフラインやインフラなどの危機管理体制の強化、訓練の充実などを行うこと。
    (2)事態において住民を可能な限り受け入れできるよう、必要十分な避難施設を指定し、指定状況の周知を図ること。
    (3)避難施設のうち弾道ミサイル攻撃による爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難先として、コンクリート造りの堅ろうな建築物や地下施設(緊急一時避難施設)の指定を推進すること。
  2. 災害レジリエンスに関すること
    (1)木造住宅耐震化事業、マンション耐震化事業の強化、公共施設の不燃化・耐震化を強化することなど、災害に強いインフラや建築物の整備や更新を行うこと。
    (2)災害の教訓や経験を記録・共有し、対応を検討し、可能な限り早期に実行に移していくこと。
    (3)行政と県民が一体となり、いつ災害が起こっても、実効性ある対策がとれるよう万全を期し、それぞれの意識をアップデートすること。
  3. 食料安全保障に関すること
    (1)食料自給率・自給力の向上を目指し、国内の農林水産業の生産性や競争力を高めること。特に、小麦、大豆、加工・業務用野菜、粗飼料などの生産拡大や、米の利用拡大などに取り組むこと。
    (2)安定的な食料生産のために、主要農作物種子の生産確保などを推進すること。
    (3)備蓄の運用・家庭備蓄の推進や、不測時における食料安全保障に関する対応検討などにより、事態に備えること。
    (4)食品産業事業者等の事業継続計画(BCP)の策定や状況に応じた見直し等を促進し、緊急時における食料の安定供給を確保すること。
    (5)食品ロスの削減や、フードバンク・子ども食堂等への未利用食品・防災備蓄の供給などにより、地域の食品アクセスを確保すること。
  4. 脱炭素化・グリーンイノベーションに関すること
    (1)環境に配慮した技術やサービスの開発・普及によって、経済成長と環境保全の両立を図ること。
    (2)研究開発・実証から社会実装までを見据えた継続的な支援を行うこと。
    (3)脱炭素化に向けた投資促進税制や研究開発税制の拡充を後押しするなどにより、企業の取組を支援すること。
    (4)グリーンボンドやグリーンファイナンスなどの仕組みの活性化や、サステナビリティに関する情報の開示充実などを支援することにより、民間の資金誘導を促進すること。
    (5)新技術の需要を創出するような枠組の強化や、新技術を想定していない不合理な規制の緩和などを支援することにより、グリーンイノベーションの環境を整備すること。
    (6)水素やアンモニアなどの新たなエネルギーの開発・普及、CCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)やカーボンリサイクルなどのグリーンイノベーションの追求に向けた支援を行うこと。
    (7)省エネルギー技術の開発・普及、エネルギー管理システムの導入、電気自動車や燃料電池車などの低炭素・非炭素の移動手段の普及、環境配慮型の商品やサービスの選択、ライフスタイルの転換に向け、事業者や県民の理解促進や機運醸成を図ること。
    (8)企業局発電所電力の競争入札にあたっては、価格のみならず、県内企業等による地産地消や環境施策への貢献等の取組を総合評価できる仕組みとすること。
  5. 再生可能エネルギー等の導入促進、適正な管理に関すること
    (1)再生可能エネルギー等の導入に関するガイドライン、相談窓口などを設けて、事業者や県民の取組支援を一層推進すること。
    (2)再生可能エネルギー等の導入に関する補助金や事業などを引き続き実施すること。
    (3)電力会社、発電事業者等と連携して、再生可能エネルギー関係法令の遵守や運用の改善、地域の合意形成や情報共有、廃棄物の適正処理やリサイクルなどに取り組むこと。
    (4)廃棄物の適正処理やリサイクルに向けて、再エネ発電設備の廃棄時に発生する廃棄物の量や種類、処理方法などについて、発電事業者等に対して情報発信や周知を行うこと。

 以上、提言する。

 令和6年3月13日

群馬県議会危機管理・エネルギーに関する特別委員会 

 群馬県知事 山 本 一 太 様


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