ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和5年4月30日~令和6年3月18日委員会から知事への提言 > 少子化対策・Well-beingに関する提言 少子化対策・Well-beingに関する特別委員会(令和6年3月13日)

本文

少子化対策・Well-beingに関する提言 少子化対策・Well-beingに関する特別委員会(令和6年3月13日)

 少子化の進行は、人口の減少と高齢化を通じて、社会のあらゆる分野において多大な影響を与える、もはや先送りのできない国を挙げての喫緊の課題である。
 国では、若年人口が急速に減少する2030年代に入るまでが、加速化する少子化・人口減少を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であり、2030年までをラストチャンスと位置づけ、「こども未来戦略」を策定し、少子化対策と経済成長実現に総力を挙げて取り組むこととしている。
 本県においても、令和5年9月に、全庁におけるこども・子育て施策をリードする「こどもまんなか推進監」を設置し、出生率向上や子育て環境整備など、新たな群馬モデルとなる、こども・子育て施策の政策立案に取り組むこととしている。
 また、本委員会では、本県が重点施策に掲げる「Well-being」(幸福度)の向上に関して、健康寿命延伸や、教育に関する課題(インクルーシブ教育、部活動の地域移行及びコミュニティ・スクール導入)、多文化共生・多様性社会への取組についても、活発な議論を行ってきたところである。
 本県の人口は、1984年8月以来、39年4か月ぶりに190万人を下回ることが判明し、当面は少子化の影響により、減少傾向が続くものと予想される。こうした局面を打開し、本県の持続的発展を維持していくため、県当局におかれては、次の事項に留意され、引き続き少子化対策や子育て施策、県民幸福度の向上に取り組まれるよう、強く要望する。

1.少子化対策・子育て支援(労働政策、働き方改革含む)に関すること
 少子化の克服に向け、全庁的に施策を推進する

●少子化対策について
(1)若者の将来に対する不安を解消するため、デジタル冊子「LIFE100」の学校現場での活用など、幅広い年齢の若者に対し、人生設計について考える機会を提供すること。あわせて、若者が思い描く未来の実現に向けて、働きやすい環境の整備についての企業側への働きかけや、若者の起業支援に努めること。
(2)男性の育児休業の取得促進に向けて、社会的な機運の醸成に努めること。
(3)各地域で積極的に結婚支援に取り組んでもらえるよう、市町村に対し、地域少子化対策重点推進補助金の活用を働きかけること。

●新たなこども・子育て施策について
(4)「こどもまんなか推進本部」及び「こどもまんなか推進チーム」において、結婚支援、里親支援、不妊治療支援、給食費無償化など幅広い視点から議論を行い、従来の枠組みにとらわれない新たなこども・子育て施策の検討を加速させること。また、検討に当たっては、子育て当事者の視点を重視し、チームメンバーに若手や女性をより登用するよう努めること。
●保育等の充実について
(5)保育士配置に対する補助制度について、保育現場の実態を踏まえ、必要な見直しを行い、保育の充実に努めること。
(6)ぐんま保育士就職支援センターの活用促進に努めること。
(7)地域限定保育士制度について、本県での導入に向けた検討を進めること。
(8)放課後児童クラブにおける潜在的待機児童の把握及びその解消に努めること。
(9)夜間保育について、市町村に対してニーズの把握に努めるよう働きかけること。
(10)「幼保小の架け橋プログラム」の趣旨を踏まえ、保育所等と公立小学校との連携や、就学前幼児教育・保育内容の充実に努めること。
●母子保健について
(11)妊婦や子育て世代に対する、伴走型相談支援の強化に努めること。
(12)不妊治療助成について、悩んでいる方からの声を聞きながら前向きに検討すること。
●児童虐待について
(13)子どもへの暴力防止プログラム(CAP)の取組の促進に努めること。
(14)子どもを性犯罪から守るため、群馬県独自の施策の実施に努めること。
(15)児童虐待の連鎖防止のため、「ACE」(児童期逆境体験)や「トラウマ・インフォームド・ケア」についての理解を深めるよう努めること。
●その他
(16)学校給食無償化について、県としても無償化に向けて取り組むよう努めること。
(17)経済的困難を抱える学生への支援に当たり、横断的組織の設置について検討すること。
(18)学生のインターン採用による教員試験の免除などについて検討し、教職員を支える取組を促進すること。

2.健康寿命延伸に関すること
(1)フレイル予防について第3次群馬県健康増進計画に位置づけるとともに、市町村と連携して取り組むこと。
(2)生活習慣病予防対策について、地域・職域連携推進協議会を活用した取組を進めるとともに、群馬県公式アプリ「G-WALK+」など県民主体の健康づくりに向けた取組を促進すること。

3.直面する教育課題に関すること(インクルーシブ教育、部活動の地域移行及びコミュニティ・スクール導入)
(1)インクルーシブ教育について、集団への適応が難しいなど、様々な事情等のある方への対応にも丁寧に取り組むよう努めること。
(2)部活動の地域移行において、大学生が部活動の指導を行えるよう、事前研修を実施するなど、大学と連携した体制整備に努めること。
(3)部活動地域移行に伴う保護者の費用負担について、軽減措置の検討に努めること。
(4)教職員の部活動従事に対する評価、対価の支払い及び休暇の代替について、県として制度変更などの検討に努めること。
(5)コミュニティ・スクールのモデル校について、その効果を検証するとともに、地域と連携して、制度や運営方法の検討に努めること。

4.県民幸福度に関すること
(1)次期教育振興基本計画で掲げているWell-beingの観点を踏まえ、学校が楽しいと思えるような教育の実現に努めること。また、計画に Well -beingを位置づけており、計画の推進に当たっては、アドボケイトの採用など、生徒・児童の意見を聴取し、施策に反映させるとともに、その結果を生徒・児童にフィードバックするよう努めること。
(2)認知症本人大使「希望大使」について、大使本人の意見をよく聴いた上で、よりよい共生社会の実現に努めること。

5.多文化共生・多様性社会に関すること
(1)強度行動障害に関して、以下の取組に努めること。

  • 受入施設への支援に努めること。
  • 学校現場での実態把握に努めること。
  • 教職員が一人で抱えるのではなく、チームでの支援に努めること。
  • 専門的な人材育成に努めること。
  • 強度行動障害を有する人に寄り添う支援を継続すること。

(2)発達障害に係るペアレント・メンター事業の実施に努めること。
(3)医療的ケア児等支援センターの運営について、コーディネーターの確保に向けて継続して取り組むこと。
(4)学校における障害者雇用に関して、県総合計画におけるダイバーシティマネジメント(多様性の確保)を教育現場に定着させるよう努めること。
(5)ぐんま多文化共生・共創推進月間の推進に、引き続き取り組むこと。
(6)ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターについて、多様な相談内容に対応できるよう相談員のスキルアップに努めること。
(7)県立みらい共創中学校(夜間中学)に関して、関係部局と連携し、夜間の託児などについての検討に努めること。
(8)外国籍生徒への日本語指導の体制づくりについて、生徒が将来に希望が持てるような取組に努めること。

 以上、提言する。

 令和6年3月13日

群馬県議会少子化対策・Well-beingに関する特別委員会 

 群馬県知事 山 本 一 太 様


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和5年4月30日~令和6年3月18日委員会から知事への提言 > 少子化対策・Well-beingに関する提言 少子化対策・Well-beingに関する特別委員会(令和6年3月13日)