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令和2年第1回臨時県議会 知事提案説明

更新日:2020年5月11日 印刷ページ表示

 本日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するための補正予算案及び条例案を御審議いただくため、臨時県議会を招集させていただきました。審議日程の決定に際しては、議員各位に色々と御配慮をいただき、心から感謝を申し上げます。

 現在、全世界において、新型コロナウイルスが猛威を振るっております。県内でも、3月7日に初めて感染者が確認されました。それ以降、これまでに140名以上の方々の感染が確認され、
18名の方々がお亡くなりになりました。感染により、お亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに、病と闘っておられる方々の一日も早い回復を願います。
 また、リスクと隣り合わせの中で、診療や看護にあたっておられる医師や看護師をはじめとする医療関係者の方々をはじめ、感染防止対策を図りながら福祉サービスの提供を行っている福祉施設や保育所、放課後児童クラブなどで働く職員の皆様、このほか様々な立場で新型コロナウイルス感染症に対応していただいている全ての関係者の皆様の活動に敬意を表するとともに、心から感謝を申し上げます。

 本県では、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大される以前から、県民の健康と命を守ることを最優先に、先手先手で、様々な対策を講じてきました。
 県立学校の休校や県民への外出自粛要請などの対応のほか、会期延長など県議会の御協力をいただいた補正予算により、様々な物資の確保による感染防止策、病床確保などの医療体制の整備、検査体制の充実、制度融資の拡充などによる事業活動の縮小や雇用への対応、学校の再開に向けた対応、相談体制や情報発信の充実・強化などを打ち出して参りました。
 組織についても、保健予防課に感染症危機管理室を設置し、職員を増員するなど、体制を大幅に充実・強化してきました。

 しかし、新型コロナウイルス感染症は未だ収束の兆しを見せず、4月16日には緊急事態宣言の対象地域が、本県を含む全国に拡大されました。
 これを受けて、翌17日には新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置として、県民の外出自粛や施設等の休業を要請させていただきました。
 休業要請については、県民の皆様に与える影響が大きいことから、慎重に検討を進めて参りましたが、県民の健康と命、それを支える医療現場を守るため、熟慮を重ねた上で決断したものです。
 県民や事業者の皆様には、多大な御負担と御不便をおかけしておりますが、これまでの御協力に心から感謝を申し上げます。
 引き続き、市町村や関係機関とも協力しながらできる限りの対策を行い、この危機を乗り越えていきたいと考えています。

 そうした中、4月30日に新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策を盛り込んだ国の補正予算が成立しました。
 県としても、国の緊急経済対策も最大限に活用しながら、感染拡大の防止や医療体制の強化、雇用や経済活動の維持、また、学校の臨時休業が続いている児童生徒への学習や生活面の支援を強力に進めるため、補正予算案の検討を行って参りました。
 今回、その補正予算案が取りまとまったことから、第2回定例県議会を待たずに、臨時県議会を招集して、御審議をお願いすることにしたものです。
 なお、中小企業の資金繰りを早急に支援するため、特別会計予算の補正について、4月30日付けで専決処分をさせていただき、実質無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症対応資金」を創設しました。国の制度では当初の3年間、国の負担で利子補給されることになっていますが、本県独自の支援として、県がさらに4年間分を上積みして補給し、最大7年間の利子補給を実施することといたしました。
 この補給期間の上積みは、現時点で、全国初の唯一の手厚い支援です。事業者の方々にとっては、長期にわたる負担軽減につながり、資金繰りの安定化が図れると考えています。
 それでは、ただいま提出いたしました議案について、御説明申し上げます。
 提出議案は、一般会計補正予算1件、事件議案1件の合計2件です。

予算関係

 はじめに、予算関係について御説明いたします。
 補正予算額は、158億4,556万円であり、現計予算額と合算いたしますと、補正後の予算額は、7,616億2,230万円となります。
 なお、4月30日付けで専決処分させていただいた特別会計の補正額と合わせた全体の補正予算の規模は、897億3,015万円となります。

 主な事業について、御説明申し上げます。
 1点目は、「感染拡大防止策と検査・医療体制の整備」です。感染拡大防止策として、介護施設などにマスクや消毒液を配布するとともに、不足するマスク等の医療物資の割り当てを行い、購入管理等を可能とするシステムを、全国で初めてICTを活用して構築します。医療体制の整備として、軽症者等を受け入れる宿泊施設の借り上げや運営に必要な経費を計上しております。また、検査体制の充実を図るため、郡市医師会と連携して、地域外来・検査センターを設置します。
 2点目の「雇用の維持と事業の継続を支援するための取組」については、休業や営業時間の短縮に御協力いただいた事業者の方々を対象に、事業継続のための支援金として20万円を支給します。
 3点目は、「子供たちが安心して『学び』を続けるための取組」です。新型コロナウイルスとの戦いは長期戦が見込まれます。そうした状況の中で、子供たちが安心して「学び」を続けられるようにするためには、県内の高校生が普通にパソコンを使いこなし、オンラインで授業が受けられるような体制を整えることが重要です。そのために、県立高校等における1人1台のノートパソコンなどを、早急に、全国に先駆けて整備します。
 あわせて、市町村とも連携しながら義務教育も含めた教育のICT化を進めていきます。そのため、市町村に対し、小中学校における授業支援ソフトウェアの購入費用を補助します。
 また、高校生等に対する奨学のための給付金の対象者を家計急変世帯へ拡大し、教材費等の負担を軽減いたします。
 4点目の「相談体制や情報発信の充実・強化」については、帰国者・接触者相談センターの相談体制を引き続き強化します。
 このほか、「機動的対応が必要な事態への備え」として、予備費を5億円、増額いたします。

事件議案

 次に、事件議案について申し上げます。
 これは、地方税法が改正され、新型コロナウイルス感染症の影響により収入に相当の減少があった納税者への徴収猶予の特例等の措置が講じられたことから、群馬県県税条例の一部改正を行うものです。

 以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
 新型コロナウイルス感染症の危機を克服するため、引き続き私自らが先頭に立ち、全力を尽くして参ります。県議会をはじめ、市町村や県民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。