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【7月31日】令和5年度全国学力・学習状況調査結果分析資料(義務教育課)

更新日:2023年7月31日 印刷ページ表示

1 調査対象(令和5年4月18日実施)

調査対象一覧
  対象学校数 児童生徒数
小学校(第6学年) 307校 約14,600人
中学校(第3学年) 158校 約15,000人

2 教科に関する調査

(1)平均正答率

平均正答率小学校
  平均正答率(%)
本年度 令和4年度 令和3年度 令和元年度
国語 本県 67 66 65 65
全国 67.2 65.6 64.7 63.8
算数 本県 61 62 69 65
全国 62.5 63.2 70.2 66.6
平均正答率中学校
  平均正答率(%)
本年度 令和4年度 令和3年度 令和元年度
国語 本県 71 70 66 73
全国 69.8 69.0 64.6 72.8
数学 本県 51 52 58 60
全国 51.0 51.4 57.2 59.8
英語 本県 47 - - 57
全国 45.6 56

※各年度の平均正答率は、文部科学省が公表した数値を示している。
※英語は、「聞くこと」「読むこと」「書くこと」の結果である。
※令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響のため実施なし 。

(2)全体的な傾向

全体的な傾向小学校
国語  平均正答率は全国平均と同程度であった。 話すこと・聞くことの領域における、インタビューの目的を踏まえて、話し手の考えと比較しながら自分の考えをまとめる設問などで全国平均を上回った一方、複数の資料を用いて自分の考えを書くなど、書く領域で課題が見られた。
算数  平均正答率は全国平均を下回った。 図形の名前や計算過程への理解に関わる設問で全国平均を上回った一方、図形の性質を活用して数値を求めたり、大小関係を判断し説明したりするなど、思考・判断・表現に関わる設問で課題が見られた。
全体的な傾向中学校
国語  平均正答率は全国平均を上回った。 特に、知識や経験と結び付けて自分の考えを表現したり、目的に沿って自分の考えをまとめたりする記述式の設問は、全て全国平均を上回った。

数学

 平均正答率は全国平均と同程度であった。 統計的なグラフを用いて判断の理由を説明したり、グラフを事象に即して読み取ったりする設問などで全国平均を上回った一方、自然数、比例定数、四分位範囲など の意味を理解することに課題が見られた。
英語  平均正答率は全国平均を上回った。目的に応じて必要な情報を正確に聞き取ることや、文と文との関係を正確に読み取ること、社会的な話題に関して読んだ内容について、考えとその理由を書くことなどにおいて、全国平均を上回った。

 <その他>

 無回答率については、小中学校ともにほぼ全ての設問で全国平均より低くなっている。

(3)現中学校3年生の小学校6年生当時(令和2年度)の調査結果との比較

令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により実施しなかったため、比較はしない。

(4)全国の平均正答率との比較

○各教科で全国平均と比較し、上回った中の上位2項目、下回った中の下位2項目を表に記載する。

全国の平均正答率との比較小学校
教科 分類

正答率

(全国比較)

設問 出題の趣旨
国語 上位 94.6%(+1.5) 1三(2)イ

・送り仮名に注意して、漢字を文の中で正しく使うことができる(くらべて)

71.6%(+1.4)

3二

・目的や意図に応じ、話の内容を捉え、話し手の考えと比較しながら、自分の考えをまとめる
下位 56.0%(-1.6) 3三 ・日常よく使われている敬語を理解している(おっしゃる、うかがう)
70.8%(-1.8) 1三(1)ウ ・学年別漢字配当表に示されている漢字を文の中で正しく使う(きかん)
算数 上位 87.4%(+0.2) 2(2) ・正方形の意味や性質について理解している
47.7%(+0.1) 3(4) ・(2位数)÷(1位数)の筆算について、図を基に、各段階の商の意味を考えることができる
下位 17.7%(-3.1) 2(4) ・高さが等しい三角形について、底辺と面積の関係を基に、面積の大小関係を判断し、その理由を言葉や数を用いて記述できる
21.2%(-3.7) 2(3) ・正三角形の意味や性質について理解している
全国の平均正答率との比較中学校
教科 分類

正答率

(全国比較)

設問 出題の趣旨
国語 上位 86.6%(+4.1) 4一 ・歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直して読むことができる(いひける)
70.6%(+3.1) 2四 ・文章を読んで理解したことなどを知識や経験と結び付け、自分の考えを広げたり深めたりする
下位 73.9%(-0.3) 2三 ・文章の中心的な部分と付加的な部分について叙述を基に捉え、要旨を把握する ことができる
数学 上位 35.7%(+3.9) 7(2) ・複数の集団のデータの分布の傾向を比較して捉え、判断の理由を数学的な表現を用いて説明することができる
64.9%(+3.2) 8(2) ・事象を理想化・単純化することで表された直線のグラフを、事象に即して解釈することができる
下位 41.5%(-1.3) 4 ・反比例の意味を理解している
42.2%(-3.9) 1 ・自然数の意味を理解している
英語 上位 82.6%(+3.6) 1(1) ・部屋の中の様子を描写する英語を聞き、情報を聞き取ることができる
53.1%(+3.3) 1(3) ・店員と客の会話を聞き、情報を聞き取ることができる

※中学校英語は、全国平均を下回った項目はなし。

3 質問紙による調査

(1)全体的な傾向

全国的に課題である将来の夢や目標を持っていることに対して、本県の多くの子どもたちが持っていると回答している。また、自分の思いや考えを大切にして、アウトプットする活動が多く行われている。授業の様々な場面でのICTの活用も全国よりも大きく上回っている。一方、近隣の小中学校で教育課程に関する共通の取組を行っている学校が少なかったことは課題と捉えている。

(2)児童生徒質問紙(全国平均と比較して特徴の見られるもの ※【  】全国比較

<小中学校共通>

  • 今までに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組立てなどを工夫して発表した。【小+5.5、中+5.5】
  • 将来の夢や目標を持っている。【小+3.2、中+3.7】
  • 土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日当たり2時間以上、勉強をしている。【小-3.0、中+4.0】
  • 困りごとや不安がある時に、先生や学校にいる大人にいつでも相談できる。【小-2.3、中-4.8】

<小中学校共通 (ICT活用に関わる設問)>

・今までに受けた授業で、PC・タブレットなどのICT機器を、週3回以上使用している。【小+6.9、中+10.6】

<小学校>

  • 昼休みや放課後、学校が休みの日に、本(教科書や参考書、漫画や雑誌は除く)を読んだり、借りたりするために、学校図書館・学校図書室や地域の図書館(それぞれ電子図書館を含む)に行っている。【+5.7】
  • 国語の勉強が好きである。【+4.7】
  • 今住んでいる地域の行事に参加している。【+4.4】

<中学校>

  • 月曜日から金曜日、平均して4日以上学校の部活動に参加している。【+21.0】
  • 1、2年生のときに受けた授業では、スピーチやプレゼンテーションなど、まとまった内容を英語で発表する活動が行われていた。【+3.8】

(3) 学校質問紙(全国平均と比較して特徴の見られるもの) ※【  】全国比較

<小中学校共通>

  • 校内研修の計画立案・その他の研修に関する業務は、研修主事、研修主任、研究主任が担っている。【小+9.2、中+12.5】
  • 前年度までに、近隣等の小学校(中学校)と、教科の教育課程の接続や、教科に関する共通の目標設定等、教育課程に関する共通の取組を行った。【小-20.9、中-11.7】

<小中学校共通(ICT活用に関わる設問)>

  • 調査対象学年の児童(生徒)が自分の考えをまとめ、発表・表現する場面では、児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を週3回以上使用させた。【小+8.0、中+16.5】
  • 教職員と調査対象学年の児童(生徒)がやりとりする場面では、児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を週3回以上使用させた。【小+7.8、中+15.2】
  • 調査対象学年の児童(生徒)同士がやりとりする場面では、児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を週3回以上使用させた。【小+5.6、中+15.7】
  • 児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどの端末を、毎日持ち帰って、ほぼ毎日家庭で利用させている。【小+9.9、中+18.0】

<小学校>

  • 英語の授業以外にも児童が英語に触れる機会(イングリッシュキャンプ、English Day、昼休みの英語での放送等)を週に数回以上設けている。【+5.9】
  • 調査対象学年の児童に対して、前年度までに、将来就きたい仕事や夢について考えさせる指導をした。【+3.7】
  • 調査対象学年の児童は、授業中の私語が少なく、落ち着いている。【+3.6】
  • 前年度に、教員が授業で問題を抱えている場合、率先してそのことについて話し合うことを行った。【-2.5】

<中学校>

  • 調査対象学年の生徒に対する指導に関して、前年度に、本やインターネット、学校図書館資料などを活用した授業を月に数回程度以上行った。【+10.6】
  • 調査対象学年の生徒に対して、職場体験活動を新型コロナウイルス感染症の影響前と同じ方法で実施または、内容や方法を変更して実施した。【+11.8】
  • 個々の教員が自らの専門性を高めるため、校外の各教科等の教育に関する研究会等に定期的・継続的に参加している。(オンラインを含む)【-12.8】

4 今後の取組

以下の通り、市町村教育委員会、小中学校長会等と連携して、授業改善や生徒指導の充実に取り組んでいく。

<県教育委員会>

教科分析部会の設置

 分析委員会に教科分析部会を設置し、各教科の調査問題における結果から、本県の成果・課題を捉え、今後の授業改善に係る分析を行う。

質問紙調査分析部会の設置(新規)

 分析委員会に新たに質問紙調査分析部会を設置し、児童生徒質問紙及び学校質問紙調査における結果から、本県の成果・課題を捉え、今後の生徒指導に係る分析を行う。

「全国学力・学習状況調査活用研修会」のオンライン配信(新規)

 全国学力・学習状況調査の分析結果を各学校の改善・充実に生かすため、分析委員会の各部会で作成した結果分析に基づいて、「全国学力・学習状況調査活用研修会」を開催する。9月4日(小学校)、5日(中学校)の15時20分~16時30分に開催予定。国語、算数・数学、英語、質問紙の部会ごとに15分程度、授業改善や生徒指導に関するポイントを説明する。校内研修全体会や教科部会、自己研修等で活用できるような時間を設定した。なお、分析委員会で作成した「全国学力・学習状況調査活用研修会」の提供資料を各学校で有効に活用し、今後の授業改善に向けた対応策を具体的に検討していくよう促す。(義務教育課HPに掲載予定)

「各教科等の目標に迫る授業づくり」の推進

 各教科等の目標に迫る授業実践・研究を通して、「群馬ならではの新しい学び」のさらなる発展を図るため、その参考となる指導資料「はばたく群馬の指導プラン2」及び「『はばたく群馬の指導プラン2』ICT活用Version」(義務教育課HP掲載)の活用を促進する。また、「各教科等授業改善プロジェクト」の授業改善推進校(20校)における授業実践や研究等の成果を全県へ普及する。小中学校教員対象の公開授業を参集とオンラインのハイブリッドにより開催するとともに、教科別授業改善研修会を実施し、ICTを有効的に活用して各教科等の目標に迫る授業について学び合うことができるようにする。

小中学校長会との連携

 小学校長会、中学校長会理事研修会等で調査結果等の課題を踏まえた取組の検討を依頼する。

総合教育センターにおける教員向け研修の一層の充実

 各市町村教育委員会や、小学校長会、中学校長会理事研修会等を通じて、現在、総合教育センターにおいて実施している教職員向け研修を有効活用するよう促すとともに、今日的な教育課題に対応した研修内容及び研修方法の充実を図る。

<市町村教育委員会>

○国から送付された各市町村の結果を、国や県全体の結果と比較するなどして、各市町村教育委員会の課題を明確にし、教育施策の改善に取り組む。

<学校>

  • 「全国学力・学習状況調査活用研修会」での内容を基に、これまでの自校の取組を検証し、校内学力向上委員会を核に組織的・継続的に授業改善や生徒指導の充実に向けて取り組む。
  • 自校の結果と国や県全体、市町村の結果との比較、課題のある設問の分析、正答数分布の分析など、様々な面から調査結果を分析することにより、自校の課題を明らかにする。
  • 児童生徒一人一人の結果を示した個人票等を活用し、個々の児童生徒の学力の状況を把握し、日々の指導に生かす。

報道提供資料 (PDF:379KB)