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「駒寄スマートインターチェンジ産業団地造成事業 環境影響評価準備書」に対する意見について

更新日:2021年12月6日 印刷ページ表示

1 大気環境について

  1. 準備書22ページ「1 大気環境について(1)」について、車両騒音は外に緑地をつくるなどしないと 軽減しない。知事意見に対する対応が十分できていないので、検討すること。また、同ページ「1 大気環境について(4)」についても、出来てから(施工後)の対応が不明瞭であるため、明確にすること。当該計画地周辺には、住居や病院もあるため、一般の地域よりも厳しい区域になると思う。何種の区域に該当するのか、よく確認して対応すること。
  2. 騒音について、生産系と流通系の工場があった場合、騒音が大きいのは生産系の工場であって、産業団地内部に生産系、外部に流通系の工場を配置し、その周りに緑地帯を覆う必要がある。施設から発生する騒音33デシベルにバックグラウンドを加えるといくつになるのか考える必要がある。進出企業の業種を 踏まえた工場の配置や緑地帯を始め、距離空間など、周辺とのトラブルの少ない設計を考えること。
  3. 要約書40ページ「1.3 騒音 (1)調査結果の概要」について、現状においても、環境騒音の調査結果が昼間、夜間ともに環境基準を超過しているので、入居企業に対して、発生する騒音によって周辺住民の生活環境を損なうことがないよう十分に配慮することを求めること。また、低周波音について、周波数も記載すること。
  4. 準備書197ページ 騒音について、予測位置から離れた事業所に音源位置を設定した理由を示すこと。
  5. 悪臭・騒音・振動の基準値について、対象事業実施区域は今後、市街化調整区域から工業専用地域になることにより、悪臭・騒音・振動に係る各種基準値が変わるため、評価書の作成に当たってはこの変更を含む内容とすること。なお、騒音・振動の一部基準値については、工業専用地域になることにより現在よりも緩和された値となるが、周辺の地域は引き続き市街化調整区域であり、住居や病院等も近傍にあることから、引き続き周辺環境に配慮した計画とすること。

2 水環境について

  1. 水生生物に注目して土地利用計画をみている。事業地の南側に公園・緑地用地が整備される計画となっている。できるなら、水田利用の緑地帯を計画してみると、水生生物などが保全できると思う。現在の(公園・緑地用地の整備)計画では、ホシクサの移動は不可能だと思うので、検討すること。
  2. 今回の事業については、事業地南東部の調整池をコンクリートではなく、生物が生息できる環境とすることも一手である。例えばミナミメダカなどはよどみに住んでいる。そうした生物が生息できる環境を作ることを盛り込むと、自然と共生する計画になるので、検討すること。
  3. ホトケドジョウについて、準備書では湧水環境を象徴する種と書かれており、午王頭川で確認されている。造成地から午王頭川に流れる湧水があれば、それを守らないとホトケドジョウの生息地がなくなる可能性があるため、確認すること。
  4. 午王頭川に関わる生き物に配慮した緑地を考えること。緑地計画とビオトープなどをリンクさせた公園計画を考えると、産業団地全体のイメージアップにつながるので、検討すること。また、調整池の作り方も工夫して、色々な事例を参考に先進事例となるよう進めること。

3 生物環境について

  1. 準備書304ページ「表7.3-10 環境保全対策の検討結果(植物)」及び305ページ「2 評価結果について」、注目すべき種として抽出したホシクサ、ミズマツバ、ウスゲチョウジタデについて、対象事業実施区域の公園・公共施設への移植や種子の散布、可能ならば周辺の耕作地への移植による保全を行うとしているが、これらの種は水田耕作という定期的にかく乱のある環境のもとで持続してきた種である。このため、単に移植・播種するだけでは、遷移によって消失する可能性が高く、この場合は定期的な管理が必要である。望ましいのは、これらの種の生育する周辺耕作地への移植であるため、対応を検討すること。
  2. 準備書321ページ「渡りの区分」について、「留鳥・夏鳥」とはどんな鳥をいうのか不明である。また、日本・群馬・調査地のどこが基準なのか明確になるよう、評価書において説明を入れること。
  3. 準備書365-366ページの表に、現地調査の結果(321~322ページ)を活かすこと。また、調査結果の説明をもう少し詳細にまとめること。特に、どんな環境(例えば、水田・林・草地 など)か、確認場所を具体的に記載すること。
  4. 準備書348-355ページにおいて、越冬期や渡りの途中に「一時的に飛来」という言葉が多用されている。「一時的」とどうして断定できるのか不明である。渡りの経路になっており、毎年、出現している可能性もあるため、評価書において記載を見直すこと。また、「実行可能な範囲で回避・低減されている」という言葉が多用されているが、分かりやすく記載すること。
  5. 準備書の358ページ「クズハキリバチ」について、ミツバチ科と記載されているが、ハキリバチ科だと思う。日本昆虫学会が最新のものを発行しているので、それに準じて記載すること。
  6. 希少野生動物種について、対象事業実施区域周辺で希少野生動物種の生息情報がある。計画に基づく開発の際には、希少野生動物種の保護に配慮すること。また、自然環境課で把握していない希少種がいる可能性もあるため、発見した際には保護について配慮し、当課まで情報提供すること。

4 人と自然との触れ合いについて

  1. 準備書25ページ「5 人と自然とのふれあいについて(3)」の緑地帯の配置についての知事意見に対して、「団地境界のグリーンベルトについては、工場立地法に基づき、進出企業に緑地を含めた一定以上の環境施設の設置を義務付けることにします。」と回答しているだけである。このことは、準備書22ページ「1 大気環境について(4)」の中の緑地帯の設置についての知事意見にも関係するが、緑地帯についての事業者としての対応を明確に記すこと。また、緑地についても、後述の注目すべき植物の移植先に含まれているため、植栽樹種等を含めた具体的な計画を示すこと。
  2. 準備書376ページ「4,1景観 1)(1)1景観特性にある「田園風景として保全すべき地域」」とある事を前提に、団地造成と進出企業は周辺との景観形成に配慮すること。(1)進出企業に明示する工場立地法による緑地の条件の抜粋を記載すること。(2)造成による緑地計画は、周辺の田園風景との整合性を図ること。(3)隣接する牛王頭川河畔緑地の保全整備は、団地の生態系や景観に大きな影響があるので、担当部局との調整を行うこと。
  3. 埋蔵文化財の環境影響評価は、工事実施により埋蔵文化財の保護保存が影響を受ける場合が審査対象となるため、埋蔵文化財の分布状況と工事計画図(平面図、断面図)を、厳密に照合する作業が必要となる。土地利用計画について、準備書7ページ「図2.6―1 土地利用計画図」を、NEXCO東日本が実施している道路工事は、本産業団地造成事業に含まれないことが分かるように、色分けで明示した図に訂正すること。これにより「表2.6―1 土地利用計画」の道路面積が減少する場合は、併せて訂正すること。また、準備書406ページ「図7.4―8 指定文化財位置図」・準備書408ページ「図7.4―9 埋蔵文化財包蔵地位置図」に示してある「朱引きの対象事業実施区域図」は、上記のNEXCO東日本の道路を除くので、訂正すること。この「朱引きの対象事業実施区域図」は、文化財関係以外でも数多く掲載されており、同様の訂正を行うこと。
  4. 調査評価の記載について、埋蔵文化財の環境影響評価は、工事実施により埋蔵文化財の保護保存が影響を受ける場合が審査対象となるため、以下の部分の記載を修正すること。(1)準備書409ページ「5 予測結果b.埋蔵文化財」、「事業実施にあたっては、前橋市教育委員会による調査を実施した後に工事を実施することから、埋蔵文化財への影響はないものと予想される。」産業団地造成事業に伴い影響を受ける埋蔵文化財について、前橋市教育委員会が予め発掘調査するため、「影響はない」とする表現は不適切である。(2)準備書429ページ「表9.1―1(15)環境影響評価結果の概要埋蔵文化財」、「予測結果欄:前橋市教育委員会による調査を実施した後に工事を実施することから、その影響は極めて小さいと予測される。」「評価結果欄:前橋市教育委員会による調査を実施した後に工事を実施することから、事業に伴う影響は実行可能な範囲で回避・低減されていると評価される。」(1)と同様に、産業団地造成事業に伴い影響を受ける埋蔵文化財について、前橋市教育委員会が予め発掘調査するため、「影響は極めて小さい。」及び「影響は実行可能な範囲で回避・低減されている。」とする表現は不適切である。発掘調査終了後においても、「工事により影響を受ける埋蔵文化財が依然として残っている。」と、読み取れることから、発掘調査の目的と矛盾することになる。
  5. 本造成事業から入居者決定後に至るまでの埋蔵文化財の保護方法について、9月17日の審査会での質問に対する回答の事業進行手順に変更がないのであれば、本産業団地造成に伴う埋蔵文化財の環境影響評価としては、工事完成後に未調査の埋蔵文化財が残存していることになる。その所在範囲を明らかにしておく意味から、以下の資料を提出すること。(又は事後調査報告に記載すること。)提出資料1:試掘調査結果に基づく埋蔵文化財の概要(遺跡の範囲・時代・内容を示す図表)提出資料2:本産業団地造成に伴い、前橋市教育委員会が記録保存のために実施(予定)する本発掘調査の範囲と未調査区の範囲を示した図
  6. 準備書の25ページ「5 人と自然とのふれあいについて(3)」について、図面を見る限り、知事意見に記載されている事項が図面に反映されていない。この計画では、企業が入ってからのトラブルが危惧される。道路の外側に遊歩道のような緑地で覆うことが望ましい。自然との触れ合いについては、団地と自然との調和を考えながら事業計画を進めること。
  7. 埋蔵文化財の調査をしないまま、進出企業の開発により壊されることが心配される。事前の試掘調査により埋蔵文化財の場所を把握した場合には、本調査が必要であることを進出企業に説明し、必要な情報を提供すること。また、文化財保護法に基づく埋蔵文化財保護については、今後とも事前に県及び市の文化財担当課と調整し、事業者として落ち度がないように進めること。

5 その他

  1. 準備書2ページの事業目的について、産業団地の造成にあたり、単に公園・緑地用地をつくるのではなく、極力、自然を残す発想のもと、自然と調和する、自然と共生するといった表現を追加するなど、この団地の魅了を記載すること。
  2. 準備書13ページの「7.2 造成計画」について、午王頭川が線状降水帯による洪水となった場合を想定し、盛土が流れることがないよう、緩衝帯を設けるか検討すること。
  3. 準備書13ページの「7.2 造成計画」について、区画の境界はそれほど段差がつかないため、擁壁の施行は想定されていない。斜面ができるところには、擁壁とまではいかなくとも、斜面保護など安全対策をとること。
  4. 午王頭川の北部の吉岡町についても、北面の緑地帯、空っ風に対する防風林、植生による多重な効果を考えながら、景観や動植物、騒音などを解決できる設計とすること。
  5. 午王頭川の河畔林保全について、一級河川午王頭川の河畔林保全など、河川区域に係る事項を本準備書に記載する場合には、河川管理者である土木事務所と事前に協議・調整すること。
  6. 排水計画について、一般県道南新井前橋線のバイパス整備事業は、現在西方面へ進捗しているため、排水計画は現況を確認し、再度計画に反映すること。

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