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第2部第5章第1節【環境教育・環境学習の推進による環境倫理の向上】

更新日:2011年10月5日 印刷ページ表示

1 地域環境学習

 県民に身近な地域での環境学習の機会をより多く提供するため、県が平成11年度から民間で活躍する環境ボランティアの群馬県環境アドバイザー、環境カウンセラー、NPO法人に委託し、環境教育事業を行っています。身近な環境問題のテーマの環境学習会をより多く行うことで、県民の環境問題に対する関心を高め、環境保全活動への参加促進を図ります。
 地球温暖化問題から自然観察会、川の生き物調べ、ごみ減量策など、毎年多くの企画が寄せられ、県の事業として適当であると認められた企画を採用して、県と実施主体との委託契約で実施しています。
 平成22年度までの12年間で、延べ301団体に委託し、1,004回の講座で約5万1千人の県民の方に参加していただきました。
 今後も県内各地で様々な事業が実施され、多くの県民が地域での環境学習へ参加することが期待されます。

平成22年度実施状況

  • 委託数 29件(応募数35件)
  • 講座数 62回
  • 参加者延べ 2,237人

2 エコムーブ号

 エコムーブ号は、屋根に太陽光発電パネルを設置し、様々な環境学習機材を積んだ移動環境学習車です。燃料は天然ガスで、環境にもやさしい車です。
 地球温暖化をはじめ、水の汚れ、大気の汚れなどを調べる実験やごみのリサイクル、水生生物の観察などの器具もそろっています。学校や公民館、イベント広場などが、環境教室に早変わりして、楽しく体験しながら学習できます。

平成22年度実施状況(計75件)

  • 学校 56件
  • 行政機関 5件
  • 環境アドバイザーなどの団体 14件

3 こどもエコクラブ

 こどもエコクラブは、幼児から高校生までなら誰でも参加できる環境活動のクラブです。2人以上の子どもと、子どもたちをサポートする1人以上の大人でクラブをつくることができ、県がこのクラブの活動を支援しています。
 環境省のバックアップのもと全国で取り組まれており、全国大会も開催されています。(平成23年度より日本環境協会が運営)群馬県では平成8年からこどもエコクラブが結成されています。平成22年度の登録状況及び事業状況は次のとおりです。

平成22年度の登録状況

  • クラブ数 45クラブ
  • 会員数 4,382名
  • サポーター 358名

(1)群馬県こどもエコクラブ学習会

 県内のエコクラブが一堂に会し、合同体験学習や交流会を行いました。平成22年度は県内2ヶ所で開催しました。

第1回

ア 日時:平成22年7月24日(土曜日)
イ 場所:おおさる山の家(前橋市)
ウ 参加者:54名
エ プログラム:林の生き物と植物観察、水生昆虫観察、水遊びなど

第2回

ア 日時:平成22年8月21日(土曜日)
イ 場所:群馬県立尾瀬高等学校(沼田市)
ウ 参加者:81名
エ プログラム:野菜の収穫と昆虫採集及び観察、水生昆虫観察、片品川での水泳

(2)群馬県こどもエコクラブ交流会

 県内各クラブの1年間の活動成果を発表し、相互の交流を図るため、交流会を行いました。
ア 日時:平成23年2月5日(土曜日)
イ 場所:新町文化ホール(高崎市)
ウ 内容:
 a ネイチャーゲーム
 b 活動発表(7クラブ)

  • 河中クラブ(前橋市)
  • Earth Angels(前橋市)
  • まなやんず(伊勢崎市)
  • 金古エコクラブ(高崎市)
  • 前橋市児童文化センター環境冒険隊(前橋市)
  • 元総社エコクラブ「わんぱく探検隊」(前橋市)
  • 前橋市立岩神小学校緑の少年団(前橋市)

 c 壁新聞展示(11クラブ)

  • なんきつこどもエコクラブ(前橋市)
  • 河中クラブ
  • しらさわエコキッズクラブ(沼田市)
  • まなやんず
  • 元総社エコクラブ「わんぱく探検隊」
  • 前橋市児童文化センター環境冒険隊
  • スター☆クラブ
  • Earth Angels
  • 高崎北小エコクラブ地球防衛隊
  • 金古エコクラブ
  • 前橋市立元総社北小学校

 d 尾瀬の自然教室
 群馬県尾瀬保全推進室職員の講演

4 群馬県環境学習推進基本指針

 群馬県では、平成18年3月に「群馬県環境学習推進基本指針」を策定しました。
 これは、「群馬県環境基本条例」(平成8年)や「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(平成15年)等に基づき、県内における環境教育・環境学習が、関係者の連携、協力により、一層体系的かつ総合的に推進できるよう指針を定めたものです。

環境学習の目標

 環境に関心をもち、「人と環境」の関係について総合的かつ科学的な理解を深め、環境に責任と誇りをもって、主体的に行動できる人を育てる。

環境学習を効果的にする3つの視点

  • 環境への関心を高める
  • 正しい知識を習得する
  • 自ら考える態度を養う

5つの基本方針

  • 成長段階に応じた体系的な環境学習
  • さまざまな場面における多様な環境学習(家庭、学校、職場、地域)
  • 現実を知り、体験を重視した主体的な環境学習
  • 科学的な理解に基づく総合的な環境学習
  • 関係者の交流・連携による効果的な環境学習(県民、事業者、NPOボランティア団体、行政)

 環境学習の推進にあたっては、関係者が、共通の認識に立って、連携、協力して取り組んでいくことが大切です。

5 緑の少年団

 緑の少年団は、緑と親しみ緑を守り育てるなどの活動を通して、自然を愛し人や社会を愛する心豊かな人間に育てることを目的に、県内の小学校を中心に組織された団体であり、現在341団体、約6万人の子どもたちが活動しています。
 その活動は、森林の働きや鳥や昆虫の観察などの学習活動、社会に貢献する心構えを養う奉仕活動など様々ですが、県では広くこの活動を支援することを通じて森林環境教育を推進しました。

6 環境サポ−トセンタ−

 小中学校や地域などにおける環境学習や環境活動を総合的に支援するため、平成15年度に環境サポ−トセンタ−を開設しました。
 センタ−では、環境学習や活動に関する質問や相談の受付、情報提供・発信、エコム−ブ号の運営、環境アドバイザ−やこどもエコクラブの活動支援、住宅用太陽光発電設備補助金の受付・審査等の業務を行っています。

平成22年度の利用状況

  • 「動く環境教室」エコム−ブ号利用 75件
  • 住宅用太陽光発電設備補助金受付 3,557件

概要

  • 設置場所 群馬県環境政策課温暖化対策室内
  • 設備等 エコムーブ号、実験器具等

7 ぐんま環境森林フェスティバル・森と木のまつり・環境賞

(1)ぐんま環境森林フェスティバル

 「ぐんま環境森林フェスティバル」は循環型社会の実現に向けて、環境森林問題の現状や取組などを楽しく、分かりやすく「学び」、「考える」ことを目的に、県をはじめ関係団体等で構成する「ぐんま環境森林フェスティバル実行委員会」が主催し、開催しているものです。平成17年度からは「森と木のまつり」とも連携し、第12回目を迎えました。また、平成20年度からは会場を県内各地に移し開催しています。

平成22年度の開催状況について

  • 開催日 平成22年10月24日(日曜日)
  • 場所 前橋市 群馬産業技術センター
  • 来場者数 約7,000人
  • 内容 新エネルギー・自然エネルギーに関する展示、企業・団体等の出展、高校生による環境への取組紹介、自然素材を使った創作体験や各種イベント等

(2)森と木のまつり

 「森と木のまつり」は、森林が有する機能や、県内林業・木材産業、山村の文化・産業などを紹介し、多くの人々に山村の魅力や役割などを理解していただくとともに、相互の交流を通じて、木材産業及び山村地域の活性化を図るためのイベントです。
 森林事務所等が、他の行政機関や各種団体と協力して実行委員会を作り、県内各地域で開催しています。

(3)群馬県環境賞顕彰

 県民の環境意識の高まりと環境活動へのより一層の参加を促進するため、環境分野において優れた実践活動、調査研究活動、自然保護等に顕著な功績があった県民や事業者等に対して、群馬県環境賞(環境特別功績賞・環境功績賞)を授与するものです。

8 調査研究の推進

 衛生環境研究所では感染症・食中毒などの衛生・医療及び水・大気などの環境保全に関する調査研究を実施しています。
 環境分野では、平成18年度から温泉を含めた水環境保全に重点を置き、水環境・温泉研究センターを設置して研究を進めています。
 平成22年度に実施した主な調査研究のテーマは、表2-5-1-3のとおりです。

表2-5-1-3 衛生環境研究所における主な調査研究
  調査研究テーマ 内容
1 地域住民と協働した多自然川づくり指標に関する研究 地域住民が川づくりについて自分の意見を数値で表現でき、希望する河川環境を視覚的に把握可能な「多自然川づくり指標」を地域住民・土木技術者と協働して作成した。
2 含有微量金属元素を指標にした地下水流動モデルの改良に関する研究 地下水中の微量金属元素に着目して地下の透水係数を予測し既存の地下水流動モデルを改良することで、これまで実用が難しかった環境フィールドの地下水流動を予測する。
3 未調査要監視項目の県内河川流出状況について 公共用水域の要監視項目であるエピクロロヒドリン、クロロホルム、ホルムアルデヒドおよびフェノールの県内河川流出状況調査を行った。
4 利根川における有機フッ素化合物の流出状況に関する研究 環境残留性及び生物蓄積性が高い有機フッ素化合物の分析方法を確立し、県内利根川における流出状況を調査した。
5 群馬県における大気中微小粒子状物質の汚染特性に関する研究 夏季と冬季に前橋、伊勢崎及び沼田の3地点で微小粒子状物質(PM2.5)の濃度及び成分の分析を行った結果、前橋と伊勢崎は環境基準年平均値を超過、沼田は同基準と同程度であることが把握できた。
6 高濃度光化学オキシダントの出現特性に関する研究 光化学オキシダントの観測データを解析し、高濃度事象の発生状況や出現特性を明らかにする。