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第1回「高校教育改革推進計画」有識者委員会

更新日:2013年8月7日 印刷ページ表示

1 日時

平成25年7月16日(火曜日)15時00分~16時50分

2 会場

群馬県庁292会議室

3 出席者

「高校教育改革推進計画」有識者委員会委員 10名
オブザーバー 1名(群馬県教育委員会委員長)
事務局 18名(教育長、教育次長、教育次長(指導担当)、高校教育課長ほか)

4 概要

  1. 委員の委嘱・任命
  2. 挨拶 教育長
  3. 委員長・副委員長の選任
  4. 議事
    (1)高校教育改革推進計画について
    (2)検討テーマ及び検討日程について
    (3)入学者選抜制度について

配付資料

次第、「高校教育改革推進計画」有識者委員会設置運営要綱、委員名簿、事務局出席者名簿、第1回「高校教育改革推進計画」有識者委員会資料、「高校教育改革推進計画」、「群馬における今後の県立高校の在り方について 報告」、「平成25年度群馬県公立高等学校入学者選抜実施要項」、参考資料

5 議事概要

(委員長)
 本委員会は、設置運営要綱第2条に、「高校教育改革推進計画の推進に係る全県的な課題等について検討するために設置する。」と記されている。委員会設置の趣旨にしたがって、議事を進行してまいりたい。

(1)高校教育改革推進計画について

(事務局)
(「高校教育改革推進計画」有識者委員会設置運営要綱に基づき、委員会の趣旨及び概要を説明)
(「高校教育改革推進計画の概要」、「地区別の再編整備に係る取組状況」を説明)

(委員長)
 事務局の説明について、質問等があればお願いしたい。

(委員長)
 これまでの高校教育改革についての事後評価はどうか。

(事務局)
 新しいタイプの高校の設置、中高一貫教育の推進、男女共学の推進について、一定の成果があった。ただ、地域に様々な意見がある中で、学校の小規模化については、歯止めをかけるに至っていない。

(2)検討テーマ及び今後の日程について

(事務局)
(「検討テーマ及び今後の日程(案)」、「検討テーマの内容について(案)」を説明)

(委員長)
 事務局の説明について、質問や意見等があればお願いしたい。

(委員)
 中高一貫教育に関することは検討テーマの中に入っていないのか。

(事務局)
 現段階では入っていないが、検討が必要であるとの意見があれば、事務局で検討させていただき、検討テーマに加えたいと考えている。

(委員長)
 それでは、ただ今頂いた意見については、事務局で検討をお願いしたい。

(委員長)
 ほかに検討した方がよいテーマ等があればお願いしたい。
 特になければ、後日でもよいので、検討した方がよいと思われるテーマがあれば、事務局まで意見を寄せていただきたい。

(3)入学者選抜制度について

(事務局)
(「本県の県立高等学校入学者選抜制度の現状と課題」を説明)

(委員長)
 事務局の説明について、質問や意見等があればお願いしたい。

(委員)
 前期選抜で合格した生徒と後期選抜で合格した生徒の入学後の学力等の検証はしているか。

(事務局)
 県教育委員会としては特に調査をしていない。各学校でその実態に合わせて行われている。

(委員)
 前期選抜と後期選抜は選抜の尺度が違うので、どういう趣旨で評価するのかが難しい。
 高校入学後の学力がどうかということだが、例えば、今年度の本校1年生の成績優秀者は、前期選抜で入った者と後期選抜で入った者がほぼ半々である。募集人員は前期が30%、後期が70%と母数が違うので、前期の方が多いと言える。

(委員)
 高校入試の前期選抜、後期選抜については、制度として非常になじんできているというのが私の印象である。大きな混乱があるわけでもなく、中学校側がやりにくくなったということもなく、進路指導はしやすい状況で行われてきている。時々に小さな改革が重ねられ、そうした中で、中学校側として何か変えていきたいことがあれば、高校側に申し出て、それを取り入れてもらっている。大枠としては、非常にうまくいっていると思う。

(副委員長)
 前期選抜の場合は学力検査を行わないということであるが、総合問題は学力検査とは違うのか。

(委員)
 本校では、いろいろな資料を見て、考え、判断し、知恵を総動員してかなり長い文章を書く問題を出題している。

(委員)
 総合問題を実施している学校は4校あるとのことだが、問題は学校ごとに違うのか。

(委員)
 学校独自である。

(委員長)
 総合問題は、学力検査より難しいのか。

(委員)
 後期選抜の学力検査も最近は記述式の解答がほとんどであるが、昔からの、皆さんがイメージできる範囲の問題である。総合問題は、それとは全く違うかたちの学力を問う検査である。

(委員)
 前期選抜、後期選抜の2回、受検のチャンスがあることは、生徒あるいは保護者にとって良いことだと思う。
 前期選抜について、資料に「基礎的・基本的な学力を身に付けているかを問うことが必要なのではないかとの意見もある」という課題が挙げられている。そこには、多様な人材を合格させることができる中で、ある程度の学力を担保したいという考えが感じられる。
 学力の担保ということであれば、学力を一律に検査するのではなく、例えば次のようなことも考えられる。
 ある県の多くの私立高校は、伝統のある業者の模擬テストを生徒募集に利用している。この模擬テストは夏場から1か月ごとに行われており、各学校では、例えば偏差値60というような基準を設け、生徒が2回あるいは3回とその基準をクリアすれば合格確定を出している。合格確定者は、1月にある本番の試験は受けるだけでよい。
 その制度は生徒からの評判が良い。学校側としても、一発勝負の学力検査よりも、2~3回のテストの平均値で学校の基準をクリアしている方が信頼できる。
 これを公立学校に導入することは、当該県でもできないということであり、大胆な意見かもしれないが、前期選抜で学力検査を実施して生徒に負担をかけなくても、統一学力テストのような信頼できるものがあれば、面接の時に持参させ、参考にするといったやり方も、学力を担保する方策の一つであると考える。
 一方で、子供たちは、テストを目標として勉強してくる。後期選抜の各学校同一の学力検査はそのままでもよいが、前期選抜では、群馬県としてこれからどういう人材を育成したいのか、国家にどういう人材を輩出したいのか、ということを考えた出題がなされるべきである。日本はものづくりが基本であるし、群馬県の強さはものづくりにある。そうした状況にかなった人材を育成することにねらいを定めてほしい。また、前期選抜で総合問題を課している4校は、そうしたことを意識して問題をつくり、人材を引き上げていただきたい。良い学校であれば、その学校に向かって生徒は更にチャレンジしてくる。このようなかたちで、生徒を伸ばす入試を実施してほしい。

(委員)
 今の話は初めて聞いた。過去の努力の平均値をみるやり方は、興味深かった。私の時代は前期選抜、後期選抜がなかったが、前期選抜で学校独自の試験を行い、独自の尺度で生徒を合格させることは、学校としてねらうべきところに沿った選抜につながるので良いと思う。
 一方、保護者とすると、「前期選抜でどういう問題が出て、それに対する対策をどうしたらよいのか」、あるいは結果が出ると、「こういう人が合格した」といったことが保護者の間で話題になり、不安になることがあるのも事実である。ただ、2回チャンスがあるのは良いことであり、子供たちが行ってきた成果が現れていることには違いがない。

(委員)
 友人から、前期選抜の総合問題は難しいが、学力だけではなく、自分の考えを持っている子が選ばれると聞いている。
 テストの成績や調査書だけでなく、自分で考え、自分の意見をまとめて意思表示をするといった力をみることは、これからも大事なことであると思う。

(委員)
 高校教育改革推進計画の1ページにある「特色ある高校教育の推進」というのは、「特色ある小学校教育の推進」でもあると読んだ。「高等教育機関、地域や産業界等との連携」についても、少し読み替えると、ほとんど小学校でも取り組んでいることである。小学校においても、自ら考え、しっかりと判断し、自分の意見を堂々と発表できる力を付けていかなければならないと思っている。
 小学校の段階では、中等教育学校の受検と関連して、進路選択の自由について保護者がよく話をする。そういう中で、普通高校を受検することの意味も考えながら中等教育学校を選ぶということをよく聞く。受検する子供たちも、自分の希望や特性に合わせて、6年間を通して学べる学校を選びたい、あるいは3年間中学校できちんと勉強をしてから高校を選んでいきたいというように、それぞれに様々な選択肢がある中で、小学校の段階でもすでにいろいろなことを考えながら選択をしている。
 このようなことは、小学校に入る前から考えられているので、高校教育改革の問題は、実は高校だけではなく、群馬県の教育そのものの改革であると受け止めている。

(委員長)
 今日は午前中、桐生の小学校で授業をしてきたところであるが、小学生は目が輝いている。小学校、中学校、高校、大学と進むにしたがって、学力は上がっていると思うが、意欲や粘り強さといったものがなくなっていると感じる。大学の実験や研究にしても、ものづくりにしても、最後は気力が大事である。その一番の根本が育っていないと実感している。
 これからの時代は、世界を相手に独創的な仕事をしていかなければならない。少子高齢化で人が少なくなっていく中で、1人当たりのGDPが3万5千ドルを超えている生活を支えられるか、心配している。こうした中で、どういう人材を育成していくのか、日本は何を目指すのか、群馬県はどうするのかというところから発想していく必要がある。場当たり的な対応だけでは、全体の水準は落ちていく。
 人数が少なくなれば、競争も少なくなる。そういう面も考える必要がある。
 大学の入試が変わると大きな影響がある。この委員会では、高校の段階について議論いただくわけだが、それは、大学にも、中学校にも、小学校にも波及していく問題である。

(委員)
 群馬県の公立高校は、各校が求める生徒像を明確に出すようになってきた。これは公立高校の私学化ではないかと思う。公教育の質的保証として、画一性が必要な面があり、そうした観点から、いかがなものかと思う。
 先ほどの模擬テストを利用する話についてであるが、教育の流れとして、偏差値問題が是正されて今日に至っていると認識している。こうした経緯を理解した上で議論した方がよい。学力検査への一本化等の動きについては、歴史は繰り返すという側面もあるかもしれないが、民間の模擬テストで公教育が左右されるというのは非常に問題である。中学校の先生が介在しなくてもよくなり、業者と個人とで学校選択をすることになる。それは教育にとって良い状態ではなく、教員が保護者から信頼を得にくくなっている状況の中では、特にそうである。今こそ、学校教育が、そして教員が信頼してもらえる時代をつくっていくという発想をしないと、子供たちは育っていかない。
 全県一学区制については、過疎化に拍車をかけている要因の1つであると考えていたので、その影響は少ないと聞いて意外であった。
 男女共学の推進については、男女共同参画という大義名分のもと、群馬県の個性や選択性が、画一化の流れに組み込まれていくようで、もったいないと思う。

(委員)
 「前期選抜及び後期選抜における成果と課題」について、感想等を述べたい。
 複数の受検機会の保証等の成果については、そのとおりであると感じている。
 課題の「ア」についてであるが、前期選抜で学力検査をした方がよいのかということに関しては、中学校側としての要望については、少し検討をさせていただいて、次の委員会で意見を述べたい。
 課題の「イ」についてであるが、選抜基準を明確に示した方がよいのかということについては、微妙な問題があることから、このことについても検討させていただきたい。
 課題の「ウ」についてであるが、前期選抜では不合格者が大量に出てしまい、受検生に与える心理的な影響が大きいということについては、現行の制度を維持する以上やむを得ないことである。心理的な影響については、中学校側の指導の問題になると思う。
 以上の3つの課題については中学校側でしっかりと検討させていただき、私が代表して意見を述べさせていただく。

(委員長)
 よろしくお願いしたい。
 課題の「ウ」について、前期選抜は倍率が高くて落ちる人が多いのだから、それほど大きなショックは受けないような気がする。

(委員)
 落ちたというのは中学生にとってショックである。初めて落ちる訳である。不合格者が大量に出るのはどうかという問題である。

(委員)
 今は、記念受検みたいなものはないのか。

(委員)
 中学校ではそのような指導はしていない。

(委員)
 前期選抜の前身は推薦入学であった。農業、工業、商業といった専門学科の学校が、いわゆるペーパーテストで測る能力も大事だが、それよりもやる気や内的な動機を重要視し、そこにウエイトを置くようになり、推薦入試が広がってきた。
 平成4年、5年に埼玉県から始まった偏差値の問題が日本中を揺るがしたが、その中で、推薦入学の考え方は普通科でも重要とされ、群馬県では平成6年度にすべての高校で推薦入学を導入した。ところが、不合格者が出ることに対し、中学校長が推薦した者を不合格とするのはいかがなものかという議論が起こり、多面的な尺度を用いて個性を発揮させる選抜として、前期選抜が導入された。
 こうした流れから御理解いただけいると思うが、専門学科においては、現在も前期選抜に意義を感じている。
 一方、普通科、特に大学進学に重点を置く高校では、平成6年度の段階でも推薦入学の導入を渋っていた。前期選抜では20~30%を取っているが、その生徒たちは、学力試験でもほとんどが合格すると思う。つまり、2度の受検機会があるというのはそのとおりだが、実態は2度とはいえず、多くの受検生は、前期では合格できず、事実上後期での一発勝負となっている現状がある。また、2度試験を行う気苦労もあり、1度で済めばよいという考え方がある。
 全国的な流れでいうと、個性重視のトレンドで来たところに、PISA調査等で日本の学生の学力の低下が示され、その危機感から、確かな学力が求められるようになった経緯がある。特に近年、高校の授業料が無償になったこともあり、高校での学力を質的に保証してほしいという要請が強まっている。個性化というトレンドに対して、学力の質的保証というもう1つのトレンドが起こり、ぶつかり合っているのが現状である。
 このことが入試にも影響している。現在、群馬県の入試は、個性尊重を大きな眼目として前期選抜を実施している。これに対して、学力重視の流れを受けて、資料にもあるように、全国で6県が入試を学力検査に一本化するという動きが出てきている。
 入学試験には3つの意味がある。第一義的には、合格者、入学者を決定するということであり、これが本質的な意味である。2つ目は、先ほど大学入試の話があったが、大学入試が変化した場合、高校は大きな影響を受ける。入試は、前段階の学校の学習内容を規定するということである。高校入試で言えば、中学校の学習内容を規定するという意味がある。これは、逆に、高校入試は中学校の学習を反映したものでなければならないということでもある。3つ目は、高校が、学校独自で入試を行う場合には、こういう生徒を求めているという理念、教育的ポリシーを発揮することが、特に求められるということである。逆に言えば、学校独自の試験ができるということは、ポリシーを発揮する機会を与えられているということでもある。これらのどの部分に重きを置いて考えていくかということが、入学者選抜について考える上で、重要な要素であると思う。

(委員長)
 本日は活発な意見が出た。1回目であるので様々な意見を頂いた。本委員会はこの後4回あり、その都度、入学者選抜について取り上げることとしている。最初のうちは意見が発散してもよい。いろいろな意見を頂いて、最終的に収束していけばよいと考える。貴重な意見を頂き感謝申し上げる。

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