87 武尊山
【ぐんま百名山 No.87】
武尊山(ほたかさん)

最高峰沖武尊を中心に前武尊、家ノ串、中ノ岳、剣ケ峰などの岩峰を連ねる。沖武尊山頂付近と前武尊には、山名の由来となっている日本武尊の像が立っている。
標高
2158m
関係市町村
みなかみ町、川場村、片品村
登山口
武尊牧場口、武尊スキー場口(片品村)
藤原口(みなかみ町)
旭小屋コース、武尊高原川場キャンプ場コース、川場野営場コース(川場村)
問い合わせ
片品村むらづくり観光課 電話:0278-58-2112
川場村むらづくり振興課 電話:0278-52-2111
みなかみ町観光商工課 電話:0278-62-2111
『わたしの百名山物語』(平成18年3月 群馬県発行)から
武尊山 (前橋市・片山満秋)
最初に武尊山に登ったのは40年以上も前である。武尊オリンピアスキー場に1泊し、翌日に前武尊、剣ヶ峰から山頂を経て藤原の久保へ下山した。一行の3人とも初めてのコースで地図を見ながら歩いたが、かなり長い行程だったと記憶している。
山頂に立つ日本武尊像は印象的で、植物相はいつも登っている赤城山とかなり違うなという感じを強く持った。その後、武尊牧場キャンプ場から往復し、ついでに山頂付近の三ツ池(標高約2100メートル)でクロサンショウウオの産卵状況などを調査したことがある。著しく数多くあったクロサンショウウオの卵嚢は透明で卵粒がはっきりと見えた。この「透明タイプ」は県内ではここ武尊山とその周辺に限られるという。また、池で採取した底泥からマメシジミが著しく多く見つかった。このマメシジミの生息地の標高は県内で最も高いとのことであった。
1974年の7月に北面の河川調査をした際に、たまたま武尊田代入り口付近の湿地に咲くミズバショウに似た小さな花を見つけた。今まで見たことが無く、写真に撮って専門家にも送って確認してもらったところ、県内初記録の北方系植物のヒメカイウであった。ここは日本における南限地帯にも相当するという。花咲湿原は武尊田代から道なきササ薮を分け、苦労して調査に入った思い出がある。
私にとって武尊山は裾野の広い自然豊かな山としてだけでなく、貴重な生物たちと直接に出会えた場所として記憶に残る山である。
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