コロナ禍のがん対策は『3診』(3つの診)で! -できればがん検診 自分でも自己検診 症状があったらすぐ受診-

群馬大学医学部附属病院外科診療センター長調教授の調べで、群馬県におけるコロナ禍でのがん手術症例数の減少が明らかにされました(11月6日上毛新聞)。県内17病院の2020年1-9月の手術症例数3,236例は2019年の同月期間の3,505例に比べ269例(7.7%)減少しています。特に6月からの減少が顕著です。群馬県では4月から6月にかけてほとんどのがん検診が実施できませんでした。そのため特にがん検診で発見された後の手術症例数が減少しています。県内各市町村では7月から順次がん検診を再開していますが、9月時点でも手術症例数の減少は続いています。
県民のみなさんには、是非、再開されたがん検診を受けていただきたいのです。もし、がんがあるならばがん検診でしっかりと見つけて、早期治療につなげていただききたいのです。昨年度から減少した269例の方々の多くはがん検診でがんが見つけられずに適切ながん治療が受けられていない可能性があります。
ただ、がん検診も「3密」をさけて実施しなければなりません。各市町村では感染防止対策を講じ受診機会の確保に努力していますが、胃内視鏡検査を中止せざるを得ないところなど、十分な受け入れが難しい状況もあります。そこで自分でも自己検診をしていただきたいのです。初期のがんはなかなか症状が出にくいといわれていますが、日常生活の中で胃の調子や便の様子、入浴時の乳房チェックなど、自分自身で自分の身体を気にかけて観察していただきたいのです。
そして、何か症状があればかかりつけ医にすぐ受診して下さい。調教授の調査結果は11月5日に行われた群馬県がん対策推進協議会でも報告され、コロナ禍におけるがん対策の進め方について意見が出されました。群馬県における新型コロナによる死亡者数はこれまでに21名ですが、がんによる年間死亡者数は5,998例です(2019年)。コロナ禍においてもこの人数を少しでも減らしていくためには、県民のみなさんひとりひとりが、是非、がん対策の3診(3つの診)、「できればがん検診 自分でも自己検診 症状があったらすぐ受診」を実践していただきたいと思います。
群馬大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 教授 小山洋 先生
(群馬県がん対策推進協議会 委員)
2人に1人、がんになる
2人に1人が一生の間でがんになるといわれています。
群馬県では1年間で14,647もの “新しいがん” が見つかっています(2016年)。
「がん登録から知る群馬県のがん」
今は感染症が心配…でもがんは減らない
- 『新しい生活様式でもがん検診を!』 群馬県立がんセンター 院長 鹿沼 達哉 先生
令和2年は新型コロナウイルス感染症への危機感から、がん検診を控える方もいます。
検診機関や検診会場では、感染対策をした上で、安心して検診が受けられる工夫をしています。
早期発見・早期治療で9割のがんは治ります。
日本人の死因の第1位はずっとがんです。がんと診断されるととてもショックに感じる方は多いですが、実はがんは早期に見つけて治療すれば、ほとんどのがんが治ります。
しかし、早期のがんは症状がないことがほとんどで、がん検診ではそんな“進行する前のがん”を見つけています。「症状がないからがんの心配はない」という考え方はとても危険です。
できればがん検診、自分でも自己検診、症状があったらすぐ受診!
みなさんひとりひとりの大切な人生が、がんによって終わってしまわないように、「3診」でがんを早期発見・早期治療しましょう。
『3診』を実践してみよう!(詳細は画像をクリック)
YouTubeチャンネル「tsulunos」で動画を公開しています
