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【特集】すぐそばにある特別支援教育

 自分の周りの人を思い浮かべてください。その中に、外見も性格も、あなたと全く同じ人はいますか?

 いませんよね。人間は、みんな一人ひとり違っています。その中には、見ることや聞くこと、体を動かすことに不自由があったり、人とコミュニケーションをとることが難しかったりする人もいます。その人はもしかしたら、普段の生活を送るのに、大変な思いをしているかもしれません。

 その人の状態や特徴と、社会環境等との間に困難が生じているとき、それを「障害」と言います。

 ですから、障害のある人たちは、それぞれの状態や特徴に応じた適切な支援を受けることで、他の人と同じように、社会生活を送ることができるのです。

 学校に通う年齢の子どもに、学習上や行動上の困難がある場合は、その子の状態や発達段階に応じて、教育の内容や方法を変える必要があります。

 これが、「特別支援教育」です。

 特別支援教育では、その子に応じた指導や支援を行います。これにより、子どもの多様性を大切にして、その子の持つ可能性を引き出すことができます。

特別な支援が必要な子どもは増えている。

 特別支援教育の対象となる子どもの数は、年々増え続けています。

群馬県の特別支援教育対象の児童生徒数のグラフ画像
群馬県の特別支援教育対象の児童生徒数のグラフ

 いずれの学びの場でも、在籍者・通級者の数は右肩上がりです。少子化で、全体の子どもの数は減っている中にあって、特別支援教育を受ける子どもの割合は、大きく増えていると言えます。

 背景の一つには、「障害」に対する社会の理解が深まっていることが挙げられます。2007年には、特別支援教育が法律の中で位置づけられ、全ての学校で、一人ひとりの子どもに応じた、適切な指導や支援を行うことが定められました。
 また、小中学校の通常の学級にも6.5%の割合で、発達障害(コラム)等の子どもが在籍しているという調査結果もあり、全ての学校において、特別支援教育の必要性は高まっています。今やどの学校も、特別支援教育に取り組むことが求められています。

様々な学びの場がある。

 一口に「特別支援教育」といっても、子どもの状況や、障害の程度に応じて、教育の形態は様々です。

吾妻特別支援学校の画像
【吾妻特別支援学校】今年4月に開校しました。特別支援学校は、県内全ての地域にあります。

 特別支援学校は、視覚や聴覚、身体等の障害のため、学習上又は行動上の困難がある子どもに対して、専門的な教育を行う学校です。
 近くの学校の教職員や保護者の相談に応じる役割もあります。
 また高等部では、生徒の社会自立を目指し、職業教育にも力を注いでいます。
 群馬県は、早期から高等部の設置を進めてきたこともあり、全国と比較して高い就労率を実現しています。

 特別支援学級は、小中学校の中にあります。
 障害の種類や程度に応じた、少人数による指導が行われています。

 通級指導教室に通う子どももいます。
 小中学校の通常の学級に在籍し、ほとんどの授業をそこで受けながら、障害の状況に応じた特別な指導を、週当たり数時間、この教室で受けています。

 また、通常の学級で、他の子と一緒に学びながら、特別支援教育を受けるケースもあります。
 子どもの特性に合わせ、わかりやすい指導や、教室環境の整備を行っています。

障害の有無を超える。

 普段別々の学校で勉強している特別支援学校と小中高の子どもたちが、互いの理解を深められるように、県内各地で、交流や共同学習が行われています。

あさひ特別支援学校の児童と韮川西小学校の児童の「居住地交流」の画像

 身体に障害のある児童生徒が学ぶあさひ特別支援学校に在籍する児童が、居住地の韮川西小学校を年に数回訪問し、一緒に授業を受けたり、給食を食べたりする「居住地校交流」も、その一つです。
 11月の交流では、韮川西小学校の6年生が、あさひ特別支援学校の先生から、車いすの押し方や、車いすに乗っている人への支援の仕方を教わりました。6年間にわたり交流を続けてきた両校の子どもは、まるで同じ学校の子ども同士であるかのように、親しく学んだり、交流したりしています。

車いすの授業の画像

交流を通しての感想

  • 友だちに車いすを押してもらって楽しかった。(あさひ)
  • 無言で押されると怖いけれど、声を掛けられると安心できた。(韮西小)
  • 日常生活で困っていた障害者に手助けしてあげることができた。(韮西小)
  • 普段でも、車いすだと不便なところに気づくようになった。

特別支援教育は「特別」じゃない。

 ここまで見てきたように、「特別支援教育」は「特別」なものではありません。
 その子どもの特徴をよく理解した上で、その子にあった教育を行うことは、障害の有無にかかわらず、当たり前で、とても大切なことです。
 「障害のない子」であっても、全てのことが順調にいくとは限りません。得意なこともあれば、苦手なこともあるはずです。

 だからこそ、全ての人が、互いの違いや特性を認め合い、支え合う「共生社会」をつくっていくことが大切です。
 そして、これからの社会を担っていくのは子どもたちです。その子どもたちが、早い段階から「障害」についての理解を深められるよう、家庭でもぜひ話題にしてみてください。

コラム1:発達障害は脳の機能の特徴

 発達障害のある子は、脳の機能に特徴があるため、物事の認識の仕方や行動の仕方が、他のことは異なる場面があります。一見して障害があるようには見えないことが特徴です。読み書きに困難を生じる「LD(学習障害)」や、注意・行動面に困難を生じる「ADHD(注意欠陥多動性障害)」等があります。

 発達障害は、本人の努力不足でも、子育ての失敗でもありません。脳の機能の特徴を理解し、その子にあった適切な指導や支援を行えば、苦手なことも、できるようになります。
 アインシュタインやエジソン、織田信長も、発達障害であったと言われています。

 県では、発達障害についての取組を進めています。教職員対象の研修を実施するとともに、小学校等をモデル校に指定し、その学校に対して特別支援学校などが積極的に協力や助言をすることで、適切な教育方法を模索しています。また、モデル校の取組や研究成果を、他の学校にも広めるなどして、県内全学校で支援方法を共有します。

コラム2:子どもの発達や行動が気になったら…

 「周りの子に比べて発達が遅いような気がする」など、心配に感じることがあったら、まずは学校や園に相談しましょう。各地域の教育事務所にいる専門相談員や、地域の特別支援学校にいる専門アドバイザーといった、専門家につなぐことができます。
 県総合教育センターの「子ども教育・子育て相談」もご利用ください。

  • 電話0270-26-9200
  • 教育・発達・子育ての相談
  • 乳幼児から高校生まで
  • 9時00分~17時00分(月曜日~金曜日)
  • 9時00分~15時00分(第2・第4土曜日)

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