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第4回群馬県高校教育改革検討委員会及び第6回ワーキンググループ1会議

1 日時

令和元年11月18日(月) 9時30分~11時30分

2 会場

群馬県庁 第1特別会議室

3 出席者

群馬県高校教育改革検討委員会委員 16名(欠席5名)
同委員会ワーキンググループ委員(県立高等学校長) 4名

4 概要

  1. 挨拶 委員長
  2. 議事 「第2期高校教育改革推進計画」における再編整備の方向性について

<配付資料>

次第、群馬県高校教育改革検討委員会委員名簿、群馬県高校教育改革検討委員会ワーキンググループ委員名簿、群馬県高校教育改革検討委員会幹事名簿、群馬県高校教育改革検討委員会ワーキンググループ幹事名簿、第4回高校教育改革検討委員会資料

5 議事概要

「報告及び議事」

(委員長)
 本日は、ワーキンググループ1と2での検討結果を報告していただき、委員の皆様から御意見を頂きたい。事務局から協議の概要について説明をお願いしたい。

(事務局)
 (協議の概要を説明)

(委員長)
 それでは、ワーキンググループ1からの報告をお願いしたい。

「ワーキンググループ1からの報告」

(委員)
 ワーキンググループ1からは、検討テーマNo.2「高等学校等の適正規模・適正配置に関すること」として、「高等学校配置に当たっての地区割りの考え方」、「適正な学校規模と地区の中核となる学校の配置」、「地区の状況を踏まえた検討の必要性」について、検討テーマNo.3「普通高校及び専門高校等の在り方に関すること」として、「学科やコース等の改編に係る検討の必要性」、「専門学科の配置バランスと専門教育の拠点となる学校の整備」、「中高一貫教育校の配置」について、検討テーマNo.4「定時制課程・通信制課程の在り方に関すること」としては、「地域の配置バランスや多様な学びのニーズを踏まえた検討の必要性」について、御報告させていただく。
 それでは、テーマ2について、事務局から資料説明をお願いしたい。

(事務局)
 (ワーキンググループ1に係る資料説明)
 検討テーマ2「高等学校の適正規模・適正配置に関すること」
 検討テーマ3「普通高校及び専門高校等の在り方に関すること」
 検討テーマ4「定時制課程・通信制課程の在り方に関すること」

(委員)
 それでは、検討テーマ2「高等学校の適正規模・適正配置に関すること」のまとめとして、「学校・学科の適正な配置に当たっては、原則として県内を次の8地区に分けて検討する。前橋地区、伊勢崎・佐波地区、高崎・安中地区、藤岡・多野・富岡・甘楽地区、沼田・利根地区、渋川・吾妻地区、太田・館林・邑楽地区、桐生・みどり地区」、「適正規模を1学年4~8学級とし、維持が見込まれない学校については統合を検討する。」、「各地区に一定規模の中核となる学校を維持し、大学等の進学ニーズに適切に対応することとし、複数の中核校(男女別学校を含む)の維持が難しい地区は再編整備を検討する。」、「地区によっては、学科や地区の枠を超えた再編整備についても検討する。」とした。
 あわせてワーキンググループでは、「単に2校を1校にするだけではなく、単位制や中高一貫化などの特色化を合わせて検討するべきである。」という御意見を頂いたので、紹介する。

 続けて、検討テーマ3「普通高校及び専門高校等の在り方に関すること」のまとめとして、「再編整備に当たっては、特色化及び小規模化への対応の観点から、単位制や総合学科への改編等について検討する。」、「学科やコース、系列については、社会や生徒のニーズ、産業や地域の実情等を踏まえ、新たな設置や改編等について検討する。」、「学科・コース・系列については、全県における配置バランスに配慮するとともに、学科の中心となる学校(農業科、工業科、商業科等)については、拠点校として整備する。」、「専門学科(農業科、工業科等)においては、教育効果等を考慮して学級定員の引下げを検討する。」、「中高一貫教育校については、現在の配置を基本とし、社会の変化や学習ニーズの多様化を踏まえて、今後の在り方について検討する。」とした。
 あわせてワーキンググループでは、「生徒が学びたい学科で学べるよう、全県の配置バランスや交通事情に配慮する必要がある。」、「学科の改編等に当たっては、社会の変化に対応する視点は持ちながらも、人材育成の基礎基本となる学びを維持することが大切である。」、「地元中学校への影響に配慮し、中高一貫教育校については基本的には現在の配置を維持するのがよい。」という御意見を頂いた。

 検討テーマ4「定時制課程・通信制課程の在り方に関すること」のまとめとして、「教育の機会均等を確保する観点から、地域の配置バランスに配慮するとともに、多様な学びのニーズに対応できるよう、定時制課程及び通信制課程の在り方を検討する。」とした。
 あわせてワーキンググループでは、「平成19年度から始まった特別支援教育を受けた子供たちが成長して高校段階に入っており、昼間部定時制や通学のできる通信制へのニーズが出てきている。」という御意見を頂いた。

(委員長)
 続いて、ワーキンググループ2からの報告をお願いしたい。

「ワーキンググループ2からの報告」

(委員)
 ワーキンググループ2の検討テーマは「受入定員に関すること」であるが、具体的な検討内容として、「公私協調の考え方について」、「公立高校の担う役割(地域の教育、専門教育、山間地域の教育、多様化する生徒の受入れ)」、「生徒受入体制整備の基本的な考え方」の3点について検討した。
 継続的な少子化が進行する状況を踏まえ、今までの定員の設定を考え直さざるを得ないという事態に直面しているという共通の認識に立って、単に学級数を減らすという視点だけではなく、時代や社会からの要請、あるいは多様な生徒のニーズにいかに応えていくのか、どのようにして学科等の編成をバランス良く行っていったらよいのかという視点を踏まえつつ、募集定員設定の方向性について委員の皆様から御意見を頂いた。
 それでは、事務局からの資料説明をお願いしたい。

(事務局)
 (ワーキンググループ2に係る資料説明)
  検討テーマ8「受入定員に関すること」

(委員)
 それでは、検討テーマ8のまとめについて、ワーキンググループで頂いた御意見のいくつかを添えて、御報告させていただく。
 「受入体制整備の考え方について」であるが、「本県の公立高校66校(県立、市立、組合立)は、普通科、専門学科、総合学科等、多様な学校、学科、コースを設置して、広く県民のニーズに応える教育を行っている。」としてまとめた。
 委員の御意見としては、「今後も県民のニーズに応えられるよう、多様な教育の機会の保障、教育の質の保障という観点から、群馬県の生徒を群馬県で教育できるよう、受皿を時代に応じて見直すべきだ。」、更に「専門学科は公立が担っているので、本県の産業構造、産業界からのニーズを踏まえ、普通科とのバランスを考慮しつつ、専門学科の定員を維持するべきである。」という御意見もあった。
 続いて、「公立高校における生徒定員の設定については、高校教育の質を確保する観点から、中学校卒業者数に応じて、学科の地域バランスや各学校の規模、志願状況等を総合的に判断し、県教育委員会が決定している。」としてまとめた。
 委員からの御意見としては、「公私に関わらず、学校規模の縮小は教育力の低下を招く。一つ一つの学校を小さくするのではなく、再編整備を進めるべきである。」、「地域の中核校については、教育の質を維持するために学校の規模を維持する必要がある。」、「受入定員に関しては、公私により本県の子供たちに十分な定員を用意することが一番大切である。やむなく県外に流出している生徒の数を減らしていくべきである。」、「小規模校や専門教育など、公立が担っている役割は今後も維持すべきである。専門学科高校は数が限られているので、中学生のニーズに応えられよう、中学生が選択できるような体制整備をしてほしい。」との御意見を頂いた。
 「一方、私立高校13校は、都市部を中心に主に普通科を設置して、独自の建学の精神や教育理念に基づいた特色ある教育を行っている。」とまとめた。
  委員からの御意見としては、「私立も公立と同様に教育を行っており、群馬県の高校教育の振興に、公立とともに十分に貢献をしている。」、「最近は社会のニーズも変化し、独自の建学の精神や特色ある活動を選んで入学してくる生徒も増えてきている。また、県外からの生徒を受け入れている状況もある。」、「私立高校にとっては、学校の経営を守るという視点は今後も重要であるということを御理解いただきたい。」といった御意見があった。
 「県教育委員会では、高校教育の振興を図り、多様な学びの機会を保障するため、毎年、私立高校や中学校代表との意見交換の場を設け、中学校卒業者数の見通しや公立高校の生徒受入状況、高校教育の質的充実等について、情報交換を行ってきている。」とまとめた。
 委員からの御意見としては、「今後も引き続き、意見交換や情報交換を継続し、総合的に生徒受入計画を策定してほしい。」という御意見があった。
 「中学校卒業見込者数の継続的な減少が見込まれる状況において、不登校や外国籍、特別な支援を要する等、多様化する生徒の受入れや、山間部に居住する生徒の学びの場の確保について、新たな対応が求められている。」とまとめた。
 委員からの御意見として、「現在でもフレックススクール昼間部は、不登校、中途退学者、外国籍、特別な支援を要する等、多様な実態を伴った生徒の受入れに有効な受入先としての機能を果たしている。今後は昼間部の枠を広げることも必要である。」、「昼間に通学できるよう、昼間部定時制や通える通信制についての検討が必要である。例えば工業科の昼間部定時制などについて検討してもよいのではないか。」、「中途退学した生徒が再チャレンジできるような様々な受入先の整備が必要である。」、「山間部の高校にしか通えない生徒もいることを踏まえ、地域の学校を残さなければならない。」といった御意見もあった。
 「令和4年度以降については、公立と私立による現状の生徒受入体制を基本としながら、社会の変化や生徒の学習ニーズの多様化等を踏まえて柔軟に対応し、本県の子供たちが本県で高校教育を受けられるよう、公私協調の精神をもって生徒受入体制を整備する必要がある。」とまとめた。
 委員からの御意見として、「多様な生徒の受入要請について、新たな対応が求められている。これまでの普通科、専門学科等の定員の割り振りの考え方等を柔軟に見直しをする必要がある。公私協調の精神とは、多様な生徒がいる現状で、本県の子供たちが本県で高校教育を受けられるよう、受入体制を整備することであり、公私がワンチームになって、連携、協働していくことが今後も重要である。」
といった御意見を頂いた。
 また、「平成25年度以降本年度までの6年間の全日制高校等受入定員及び中学校卒業者数に対する割合の推移」を示してあるが、これは中学校卒業者数に対する県立・市立・組合立の割合の推移を示した実績値である。

協議「『第2期高校教育改革推進計画』における再編整備の方向性」について

(委員長)
 検討テーマ2、3、4と検討テーマ8について報告をしていただいたが、多様なテーマであるので、内容を確認させていただく。
 検討テーマ2については、生徒数が減少していく中で、どういう基本的な考え方で再編整備をしていくか、ということである。基本的には、県内を8地区に分け、通学できる範囲を踏まえて検討する、そして、どこの地域に住んでいても、地区内には、必ず1校だけは十分な規模を持った高校、少なくとも1校は地域内にそういう学校がある、という配置にしたいということだと理解したが、これがテーマ2の一番の要点だと思う。
 検討テーマ3については、農業、工業等の専門学科や、中高一貫校等についての検討であるが、専門高校も重要な役割を果たしており、大学進学という観点だけではなく、農業に従事したり、地元の企業に就職したりすることなども重要になる中で、このような学びをどうしていくか、これに対しても専門学科の拠点となる学校を配置していくべきだという考え方が示されたと思う。従来から普通科との対比で示される農業、工業、商業だけではなく、単位制や中高一貫教育校などについても、メリットを踏まえて柔軟に考えた方が良いとの話があった。また、観光系学科については、インバウンドの流れもある中で、配置の可能性も考えるなど、多様な教育をどのようにしていったらよいか、生徒数が減少する中で、教育の質をどう確保していくか、ということがテーマであったと認識している。
 検討テーマ4についてであるが、言葉の選び方はあるかと思うが、高校としてのセーフティネットの役割をどうするかということだと思う。夜間定時制の定員に対して、入学者数のデータが示されていたが、定時制の充足率は良くないということである。また、夜間定時制は本来は働きながら学ぶ生徒のための課程だったが、現状では、正規雇用はほとんどいないということである。そういうことを含めての、生徒の多様化への対応ということであったと思うが、これについてはワーキンググループ1だけではなく2でも、テーマとして検討していただいた。
 ワーキンググループ2については、公立と私立の役割をどうするかというのがメインのテーマであったと思う。社会が変化していく状況で、生徒数の減少や外国籍生徒の増加、引きこもりの問題なども含めて、どうやって適切な教育を提供していくか、それを公立と私立とでどのように担っていくかが議論された。
 「地域の教育、専門教育、山間地域の教育、多様化する生徒の受入れ」については公立高校の役割であるということだと御報告いただいた。また、私立の教育については、今、担っているのは、総じて、都市部の中堅の部分で進学を希望する生徒たちの受入れという役割であるということが、実際のところだろうと思う。参考として示した表で、定員について現在の実績値を示しているということである。
 これらについて、委員の皆様がどのように考えるか、御意見をお願いしたい。

(委員)
 高校の先生の雇用形態や勤務場所について、一つの高校に限定されるものなのかどうか、質問したい。専門性の高い教育が求められる場合、学級数が減少していくと専門性が担保できなくなる、ということについて、例えば大学の先生は複数の大学を兼務される場合があるが、そのような雇用形態は既に運用されているのか、それとも高校にはなじまないものなのか、ということである。例えば、観光の授業を始めるときに、他県では、旅行業者の出版物を副教材にするなどしているところもあるようだが、それよりはもっと、専門性の高い方が教員となって、その方が1校に限定されず、複数の学校で授業するという形もあるのではないか。学校の数が減っていく一方で、専門性の高い教育を求めるという場合は、学校の枠をあまり意識しない、このような形態があってもよいのではないかと思う。今後は、再雇用も増えていくと思うし、また、3学級以下では良くないという話もあったが、小規模化のデメリット部分も多少緩和される面もあるのではないかと思う。

(事務局)
 高等学校でも併任という形があり、芸術科など授業時間数の少ない教科・科目で、小規模化して持ち時間数が少なくなる中、A高校で勤務している先生が、近隣のB高校で同じ教科を教える、という事例はある。近年、学校が小規模化している中では、このような例は稀ではない、ということである。

(委員長)
 この方法をもっと活用する、ということはできるのか。近隣だけではなくて、全県で授業するなどということだが、例えば、観光科を設置する場合に、県としては専門の教員が一人いて、その先生が必要な全ての学校で教える、ということについては課題があるのか。

(事務局)
 観光科を設置したときに、どういう科目を設置するかということがある。他県の例を見ると、商業科の中で観光を扱っている例が多い状況であるが、もう少し最先端の観光について授業をするとなると、外部講師ということも視野に入ってくるのではないかと思う。誰が教えるかというよりも、まずはどういう内容を教えるのか、という話になるのだと考える。

(委員長)
 続いて産業界の立場から、御意見をお願いしたい。

(委員)
 様々な課題があると思うが、議論を深めていただいているという感想を持っている。
 産業教育振興という立場から話をさせていただくと、専門高校の役割というのは、地域にとって非常に大きい。県内の産業界の担い手となる若い人たちは、群馬の宝だと思っている。その子供たちがしっかりと体験したり、勉強したりする環境づくりは、公立が担う必要性を感じている。農業、工業、商業、福祉を合わせて、専門学科は公立の定員の30.8%であるとのことだが、定員を削減すると人材が育たないと感じている。今までの形態とは違う学校も出てくるかもしれないが、これからの専門教育というのは次世代までも含めて、公立がしっかり担うという役割を明確にしていただきたいと思う。

(委員長)
 ワーキング2で示された公立高校の担う役割ということについての御意見であったと思う。産業界から、今までの教育を振り返って、改善等はあるか。

(委員)
 専門高校の設備ということがある。工業、商業もそうであるが、設備が古くなっていて、こういうものがあるというレベルの勉強にはなるが、十分ではない。最先端とまではいかなくても、それに準ずるような設備の充実を是非お願いしたい。お金の掛かることではあるが、子供たちに体験してもらうために、予算をしっかり取っていただいて、設備の充実をお願いしたい。

(委員長)
 予算次第ではあるが、期待としては非常に大きいということだと思う。
 私立と公立ということが話題になっていたが、御意見はあるか。

(委員)
 かつては官尊民卑で、公立優先という土壌があって、私立は補完的役割というイメージがあったように思うが、今は、私立も群馬の高校教育の両輪を担っていると考えている。学習、運動、文化面においても、決して公立の内容に劣るようなことはなく、同じようにやっている現状がある。
 公私の関係というのは、今までとてもうまくいっているが、来年度からは新たな動きが起こってくる。皆様御存じのとおり、就学支援金について年収590万円までが対象となり、私学に関しても無償になってくる。公立優先という考え方の中には、授業料という大きな問題があったと思うが、そこが大分変わってきているということであり、実際のことは分からないが、今後、選択肢として、新しい流れが出てくる可能性があるのでのではないか。そんなところも踏まえながら柔軟性を持って、公私の関係は大事にしていかなくては、と思っているところである。

(委員)
 小中学校のPTAとして、将来に向かって、まず保護者が考えるのは、地区にある、公立の有名高校に進学させたいということになると思う。しかし、これだけ中学校卒業生が減る中で定員について削減されていくということは、バランスを調整する中で、仕方がないことだと考える。
 大学の入試もまた変わってくるので、それを踏まえた計画を考えるということが大事なことであり、保護者の要望だと思う。

(委員)
 高校の形態については、公立、私立の全日制だけではなく、通信制等もあり、去年だったかと思うが、高校野球を見ていたら、北海道の代表で、クラーク記念国際高校という高校が出ていた。確か、群馬にも通信制の形態の高校が増えてきていて、クラークは代表となるくらいだから野球は強いのだろうが、生徒数もかなりいるのであろうと感じ、驚いたことがある。
 先生方も大変な時代ではあるが、少人数で手厚くやっていただくのは保護者として有り難いことであると思いつつ、財源のことなども考えると、なかなか難しい部分もあると思う。時代的に、若い人が減っていくのは間違いない状況で、税負担が増えていく中だが、過疎地域の子供たちにも均等に教育の機会を与えていただく必要があり、そのためには、思い切った対応として、例えば、通信制などでの対応についても、公立、私立のどちらがどうというわけでないが、検討していく必要があるのかとも思う。

(委員長)
 多様な教育というものをうまく生かしていく、ということだと思う。
 フレックス制はセーフティネットとしての役割があると思うが、ニーズが高いのは、昼間に通える定時制ということである。普通科であっても専門学科であっても、全日制というシステムは、縛りがきついと感じる生徒がいるのかもしれない。元祖不登校とも言える「窓際のトットちゃん」のように、立派に成長している例もある。これらの子供の受入れという視点が開けてきたという意味では、フレックス制をうまく活用するというのは良いことだと思う。夜間定時制については需要が低いことという現状はあるが、通信制についてはどうか。

(事務局)
 通信制については、本県公立通信制の在籍者数は、平成15年度の2,175人に対して平成30年度は1,369人であり、減少している状況にある。しかし、クラーク記念国際高校のように、全国展開の通信制については、近年大きく生徒数を伸ばしており、最近話題のN高校という角川ドワンゴが経営している学校なども含めて、学びの選択肢として大きな役割を担うようになってきている。全国展開の通信制は群馬県にも教室を持っており、通っている生徒も相当数いる。通信制でありながら、通学の機能を持っているという部分が、選択される要因となっている状況かと思う。

(委員長)
 通信制は私立の話ではあるが、それを公立がどう参考にしていくのか、ということも大事な視点かもしれない。
 地域の視点ということだが、生徒数が少なくなってきて、高校を統合しなくてはいけないとなった場合に、地域は非常に影響を受けると思う。この視点からはどうか。

(委員)
 町村の教育長会の立場であるが、下仁田を含めた甘楽地区の状況についてお話する。下仁田町の中学校は1校であり、平成16年の開校当時は生徒数が300人くらいだったが、現在は110人、来年は100人を切ってしまうという状況である。また、近隣の南牧村では、現在の中学3年生は8人いるが、その生徒たちが卒業すると、来年度は全校で5人になってしまう。なぜそんなに人数が少なくなってしまうかと言うと、今、小学校6年生は2人いるが、この子たちが中学校に入る段階で、二人だけでは嫌だと言って、私立の中学校や富岡の中学校に行ってしまうとのことである。このことにより南牧村の中学校では、来年度は8人が卒業して入学者は0人という状況になってしまう。地元には下仁田高校という高校があるが、毎年定員に足りていない。このような状況が続くと、高校が存続していけるのか心配である。この先どういうことになるか分からないが、できれば地元としては、高校を残していただきたいということが願いである。
 また、隣の富岡市では、小中学校の再編ということで今後の計画が示された。このようなことを見ると、やはり私は少子化、過疎化が一番の心配である。万場、下仁田の例が挙げられているが、そういうところは入学者が定員に足りない状況にあり、改めて、山間地域の教育ということで在り方を考えていただければ有り難い。

(委員)
 先ほどの御意見のように、小中学校でも大変な問題が起きつつある。少子化という大前提の課題があるが、これは避けては通れない。統合するしかない。教育そのものの中身に問題があるなら、いろいろなお考え等が出てくるのだろうが、これは高校教育の中身そのものが問われているのではなくて、少子化が進むからどこに配置しようか、どれくらいの規模にしようか、もちろん小さな問題はそれに付随するかもしれないが、こうした点に尽きる話である。これまでの話も、メインのテーマは学校の配置、適正規模、定員をどうするか、これに尽きる。なので、ポイントを絞って、勇断をしていくしかない。こんなふうに、今日の会議では感じている。
 小中学校に関係する者の一人としては、保護者の方々は心配する向きもあるが、この教育のステージをなくしてしまうことはできないのだから、厳しい覚悟を持って、教育をする適正な規模を求めて統合するしかない。打ち出の小槌は絶対にあり得ないと、私は思っている。

(委員長)
 私としても、どうしても結論ありきで仕方がないというところは感じつつも、それを表立って言いにくいという雰囲気が、いろいろなところである。本当は現実を直視することは必要なわけで、その場合には統合以外にはあり得ない。しかし、その時にはそれぞれの皆さんの思いというものがあるので、それを無下にしてはいけない。もう一つは、統合した時に不利益を受ける生徒たちをいかに救うかという、結局は方法論の問題であろうと、そのように思っている。しかし、それをあまりあからさまに言うと、人間の感情があって、自分の出身校がなくなるとか、ものすごく寂しい思いをする人たちがいる。教育を含めて社会の中で生きている人たちの思いを踏まえれば、進め方をどうするかを考えるのが、本質的な議論かと考えている。
 私たちが現実を直視して、なくなる学校もある、という意識を持っていないと、ずるずるとこのままいってしまうわけにはいかないので、現実を直視しながら、いかに良い方法で進めていくかという議論が必要である。このような意識が、私たち教育に携わる者には求められているのだと、先ほどの御意見を聞いて感じた。

(委員)
 先ほどの発言には、誰かが言わなければ進まない、という気持ちがあるわけである。教育の大事さは言うまでもないが、最低限の組織を維持するためには、それなりの経済的な背景を理解していかなければならない、そういう観点から申し上げたところである。

(委員長)
 私も賛同している。人間の社会的な部分を考えなければいけないけれども、先ほどの御発言は、本質であると思っている。
  小中学校からの御意見はいかがか。

(委員)
 中学校の立場で申し上げると、もう少し視野の狭い話になってしまうが、先日、県の高等学校総合文化祭の開会式にお招きいただいて、公立高校、私立高校、特別支援学校の生徒たちの発表を見たが、本当に見事だった。私たちが知らないそれぞれの学校の魅力や、子供たちが生き生きと学んでいる姿が現れていて、中学校の校長としては、こういうところに子供たちが進学しているのだと思い、感動した。
 これまでのワーキングでも申し上げたが、そんな群馬の子供たちが、毎年千人近く、いろいろな理由があるにしても県外へ出てしまっている。本県以外が駄目だということではないが、そのような現状があるということである。また、中学校段階からキャリア学習を積み重ねて、専門的な知識を身に付けたいと考えている子供たちが、専門学科高校が高倍率であるため、仕方なく希望以外の高校を選ぶこともある。そのようなことを踏まえると、子供たちの学びたい意欲とか、向上したいと思う気持ちに応える配置について、中学校としては是非お願いしたい。あわせて、高校がこれだけ変わっていく中、教育内容の面も変わっていくだろうが、その場合に、中学校と高校との学びの接続を視野に入れて、検討を進めていただけると有り難い。

(委員)
 ワーキンググループで時間をかけて多くの項目について御検討いただいことについて、大変有り難いと思っている。小学校に関することについて、3点申し上げる。中高一貫教育校の配置についてだが、私は前橋地区の小学校に勤務しているが、中等教育学校の存在が地元の中学校に影響を与えるということは御承知置きいただきたい。私の小学校は前橋駅に近いので、地区から出ていく子供は多いが、小学校から中等教育地区に出ていく子も多く、今年、中等教育学校を多くの子供が受検したが、最終的には、中等教育学校に6人、私立に1人、計7人が地区から出ていってしまった。地元の中学校の1年生は本当は5クラスになるところ、一人足りなくて4クラスになってしまった。1クラス減ると、先生の数も2人減ることになり、組織の問題とか、授業の持ち時数とか、部活動の持ち方とか、いろいろな影響が出てくる。そのような状況があるということを踏まえながら、中等教育学校の募集定員等も検討していただく必要があるかと思っている。
 多様化する生徒の受入れについては、「特別支援の通級による指導利用状況」にあるとおり、特別な支援を要する子供たちが増えている状況である。LD、ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガーなど、悩みを抱えているがたくさんいる。これ以外にも病院に通うなどしている子供たちはたくさんいる。中学に進学すると、このような子供たちの数は減少するが、成長に応じて悩みは増え、対応の仕方も変わってくる。発達段階に合わせて個別に対応することは、どの段階でも必要になってくると考えると、高校における保護者も子供も、安心して通える体制を充実させることが群馬の高校での特色になるのかと思う。市町村の学校では学習サポーターとか介助員とか個別の指導を充実させようとしているが、高校でも充実してくるとよいと思う。
 3つ目だが、小学校と高校は直接関わりは少ないが、生徒が学びたい学校で学べる全県での体制づくりや、社会の変化に対応する人材育成や基礎基本の充実などを図っていただくことが大切であると思う。また、小学校のうちからキャリア教育を充実して、高校で学びたいという意欲を高めておく必要もあるのだろうとも思う。小学生だと、スポーツ面で野球とかサッカーで憧れる面もある。また、先日「ぐんま教育の日」の事業の一つとして、伊勢崎商業高校による地産地消を推進するプロジェクトの発表があった。市と連携してコンテストを開催したり、ホームページを作成したりという話を聞き、生徒たちはチームで協力することの価値を学び、コミュニケーション能力が高まっていると感じた。昨年は利根実業高校が企業と連携してのイノシシの駆除に関する発表だったが、いずれも高校生の生き生きとした発表を見ると、涙の出てくるような思いもある。昨日は「まえばし学校フェスタ」で前橋市立前橋高校の生徒が探究的な学習に関する活動の成果を発表したが、これらに小学生が触れる機会を増やしていくことで、「ようこそ先輩!」事業も同様であるが、高校生になってこのような勉強がしたいなと思うような意欲を持ってもらえるよう、何らかの形で小学校にも働き掛けていかなくてはならないと感じているところである。

(委員長)
 多様な生徒の受入れという観点から、特別支援学校の立場から意見はいかがか。

(委員)
 先ほどから、多様な生徒の受入れに関して、定時制や通信制であったり、全日制でのいろいろな配慮であったりとかを挙げていただいているが、そのような中でうまく対応していただければ有り難い。通常の学校に在籍している中学校段階の生徒の意見を聞く機会があったが、やはり昼間の高校に通いたいという思いを強く持っているようである。また、幼稚園段階から支援の制度が整えられてきているので、幼小中で受けてきた支援を、高校までつなげていければという流れの中で、高校でも今後、いろいろな種類の支援が、生徒や保護者から求められるような時代になるのではないかと思う。そういった御配慮をしていただけると有り難い。

(委員)
 介護福祉士会の立場からであるが、山間部等で子供の数が減っていて、逆に高齢者が増えているという状況の中で、地域から中核地域の高崎、前橋へ出て行ってしまうということだが、出口の部分が重要になってくるかなと思う。先ほど、下仁田高校という話もあったが、そのような、今ある、地域の高校がしっかりと残れるような方法も考えていかないと、地域を支える人がいなくなるという大変な状況になると思う。高校が減るのは仕方がないことだが、支える人をどのように育成していくのか、ということも考えていかなければならないと感じた。

(委員)
 私は小学校、中学校、高校とで、スクールカウンセラーをしており、自分の子供は高校に通っている。皆さんのお話を伺っていて感じたことをお話させていただく。
 私の子供は幸い、自転車で15分程度の高校に進学できて、大変助かっている。もし、高校が統廃合となるような場合には、通学手段を考慮し、通いやすいように、スクールバスなどについて考えてもよいのではと思った。
 小学校で特別支援学級に在籍している情緒障害のお子さんに関しては、特別支援学級から協力学級に授業を受けに行くことができる。何かあれば特別支援学級に戻って気持ちを落ち着かせる、ということを練習しているわけである。中学校でも協力学級に授業を受けに行く。これが高校進学となると、情緒障害の場合、もし特別支援学校の高等部を選ぶなら、療育手帳を取得しないといけないということになり、保護者の方は高校の進学をどうしたらよいのかと悩んでいる。知能検査をしても、療育手帳がとれるほどではない場合もあるが、学力がそれなりに高いからといって、そのまま高校に入ったところで、コミュニケーションが周りとうまくいかなければ、特別な支援が行き届かずに、残念ながら学校を去って、私立の通信制高校を選ばれるケースもある。このような問題は、この先考えていかなくてはならないと感じた。
 また、不登校になるお子さんというのは、大集団の中で、他者とのコミュニケーションなどに困難さを感じている人が多くて、中学校で一生懸命勉強して、高校に進学しても、つまずく場合が多い。だからと言って、通信制で一人で勉強しても、社会に出たときにどうなのか、とも思う。通信制でも通える教室があって、少ない人数で、人との関わりを練習できるような環境で、きめ細やかに見てもらえるような体制が、高校にもあると理想だなと思う。

(委員)
 資料を見ると、義務教育と違って、高校は、全ての高校を同じ枠組みで見ていくことは難しいのだと思う。中核校は中核校として、中堅の学校は中堅の学校として、専門高校は専門高校として、あるいは山間地域の学校として、どんなふうに扱っていくかという、別々の見方で見ていくことが良いのだろうと思う。いずれにしても、教育内容もかなり学校によって違うということもあるので、同一条件で必ずしもできないが、その学校に合った方法を考えていけるとよいと思う。

(委員長)
 多岐に渡る議論だったが、これで協議を終わりにしたい。なお、御意見はいつでも事務局で受けているということなので、今日の御発言に追加する御意見があれば、事務局の方にいただきたい。また、1月に第5回の検討委員会があるので、今回までの総まとめをしようと思うが、その時にも全体の御意見ということで、発表していただいても結構なので、よろしくお願いしたい。

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