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平成28年度精度管理結果

更新日:2018年9月21日 印刷ページ表示

1.目的

 本精度管理は、水道事業者及び登録検査機関における水質検査の正確さや検査結果の信頼性を確保することを目的に、複数の検査機関が同一の共通試料を測定し、その結果を基に、個人差、品質管理、誤差要因などの解析を行うために「群馬県水道水質管理計画」に基づいて実施するものである。

 平成28年度は、対象項目を「鉄及びその化合物」、「鉛及びその化合物」として実施した。

2.参加機関

 参加機関は、水道事業者5機関、水道用水供給事業者4機関(うち3機関は「鉄及びその化合物」のみ参加)、水道法第20条に基づく登録検査機関18機関の計27機関であった。

平成28年度精度管理参加機関一覧
番号 区分 機関名
1 水道事業者 前橋市水道局
2 水道事業者 渋川市水道部
3 水道事業者 桐生市水道局水質センター
4 水道事業者 富岡市ガス水道局
5 水道事業者 安中市上下水道部浄水課
6 水道用水供給事業者 群馬県水質検査センター
7 水道用水供給事業者 群馬県県央第二水道事務所
8 水道用水供給事業者 群馬県新田山田水道事務所
9 水道用水供給事業者 群馬県東部地域水道事務所
10 登録検査機関 (一社)群馬県薬剤師会 環境衛生試験センタ-
11 登録検査機関 (一社)上田薬剤師会
12 登録検査機関 (一財)新潟県環境衛生研究所
13 登録検査機関 (一社)新潟県環境衛生中央研究所
14 登録検査機関 内藤環境管理(株)
15 登録検査機関 (株)江東微生物研究所
16 登録検査機関 平成理研(株)
17 登録検査機関 (株)群馬分析センター
18 登録検査機関 オーヤラックスクリーンサービス(株)
19 登録検査機関 いであ(株)
20 登録検査機関 (株)那須環境技術センター
21 登録検査機関 (株)総研
22 登録検査機関 (株)ビー・エム・エル
23 登録検査機関 アクアス(株)
24 登録検査機関 (株)新環境分析センター 新潟県分析センター
25 登録検査機関 (株)環境技研
26 登録検査機関 (株)保健科学東日本
27 登録検査機関 (株)総合環境分析

3.実施方法

 群馬県衛生環境研究所の協力を得て、平成28年11月14日に試料配付を実施した。なお、希望する検査機関には、同日着で郵送(4度保存)した。

 配付試料の調整、配付容器への分注は関東化学株式会社が実施した。
 鉛標準液(Pb-100、化学分析用(JCSS)、Cat.No.2420-1B)、鉄標準液(Fe-1000、化学分析用(JCSS)、Cat.No.20247-1B)及び硝酸1.38(特級、
Cat.No.28163-00)を使用し、溶液中濃度が鉄0.4mg/L、鉛0.018mg/L、硝酸1v/v%となるように超純水に混合したものを配付試料とした。

 配付試料を100倍希釈した溶液を測定試料とし、測定試料について分析を行うこととした。分析は、通常の業務において対象項目の分析を担当する者が通常の業務と同様の分析方法で5回の併行試験を実施することとした。

4.測定結果について

測定結果の集計方法

  • 各機関の測定結果から、平均値、回収率(*注1)、変動係数、Zスコア(*注2)等を算出した。

*注1 回収率:平均値/設定濃度×100
*注2 Zスコア:Z=(x-μ)/σ

  • x:個別のデータ
  • μ:母集団の平均値
  • σ:母集団の標準偏差

 Zスコアによる評価の基準

  • |Z|≦2:測定結果は合格
  • 2<|Z|<3:測定結果は疑わしい
  • 3≦|Z|:測定結果は不合格

各機関のZスコアによる評価について

鉄及びその化合物

 Zスコアが不合格となった1機関の分析結果は、室内変動係数が8.81%と大きく、回収率が57.0%と低いため、解析結果に与える影響が大きいことから、外れ値とした。
 外れ値を除いた各機関の分析結果は0.357~0.450 mg/Lであり、平均値0.398 mg/L、中央値0.396 mg/Lであった。室間変動係数は4.35%、回収率は89.4~112.5%、平均値99.5%であった。
 また、外れ値を除いた Zスコアについては、「合格(|Z|≦2)」24機関、「疑わしい(2<|Z|<3)」2機関であった。

鉛及びその化合物

 各機関の分析結果は0.0163~0.0189 mg/Lであり、平均値0.0178 mg/L、中央値0.0179 mg/Lであった。室間変動係数は2.97%、回収率は90.8~104.8%、平均値99.1%であった。
 また、Zスコアについては、「合格(|Z|≦2)」23機関、「疑わしい(2<|Z|<3)」1機関であった。

5.まとめ

 鉄及びその化合物では、Zスコアによる評価で1機関が不合格となった。この機関の分析結果は回収率が57.0%と低く、解析結果に与える影響が大きいためSmirnov-Grubbs 検定を実施した。その結果、この機関の分析結果を外れ値として棄却することとした。外れ値棄却後に各評価項目を再計算し、各機関の分析結果等を評価した。Zスコアによる評価では24機関が合格となり、2機関が疑わしいとなった。室内変動係数及び回収率による評価では全機関が合格となった。
 鉛及びその化合物では、Zスコアでの評価で23機関が合格となり、1機関が疑わしいとなった。室内変動係数及び回収率による評価では全機関が合格となった。
 Z スコアでの評価が疑わしいとなった3機関(鉄及びその化合物:2機関、鉛及びその化合物:1機関)については、その他の評価項目は合格であるため精度管理に問題があるとは断定できないが、注意する必要があると思われる。

 なお、測定結果が不合格となった検査機関については、精度管理実施後、個別に不合格となったことについての原因分析を依頼し、分析に使用する器具の精度によるものと判明したことから、器具類を買い換えるなどの対応を行い、良好な検査結果が得られるようになったことを確認した。

検査結果の詳細についてはこちらをご覧下さい。

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