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「前橋市新清掃工場整備事業に係る環境影響評価準備書」に対する意見について

更新日:2012年4月12日 印刷ページ表示

1 大気環境について

  1. 福島第一原子力発電所の事故により、東日本の各地に放射性物質が飛散した結果、群馬県内の多くの清掃工場で、焼却灰及び飛灰に事故由来の放射性セシウムが含まれることとなった。こうした状況を踏まえ、新清掃工場における放射性物質に関する考察を行い、その結果を評価書に記載すること。
  2. 焼却灰及び飛灰の処分について、最終処分場での埋立としているが、施設搬出時における飛散防止の措置について、評価書に記載すること。
  3. 地上気象観測の調査期間が1年間であるのに対して、上層気象観測の調査期間は各季節毎に1週間と短いため、観測期間が各季節において代表性のある期間であることを検証し、その結果を評価書に記載すること。

2 水環境について

  1. 計画地に隣接する広瀬川は、過去に少数ながらサケの遡上が確認されているため、その旨を評価書に記載すること。
  2. マルタニシ等の移動力のない生物を他の場所に移す場合は、十分慎重に取り扱うこと。
  3. 水質汚濁物質濃度について、春、夏、秋、冬の4季で測定しており、これにより水質環境基準項目(健康項目)は年平均値でも評価できるため、評価書では各季節ごとの評価に加え年平均値でも評価すること。
  4. 地下水汚染については、工事に際して周辺地下水の汚染を生じない工法を採用し、また、ごみピット等から漏水によって地下水を汚染することのない構造とするため、環境影響評価項目として選定していない。したがって、地下水汚染の防止が確実に図られるように、新清掃工場の設計にあたっては、適切な工事工法及びごみピット等の構造を検討すること。

3 地盤環境について

  1. 計画地は、想定される震源によって液状化指数が0.1~5(危険度が小さい)および5~10(危険度がやや高い)の地域に該当するため、新清掃工場の設計にあたっては、適切な液状化対策を検討すること。

4 生物環境について

  1. 鳥類については、8~9月に調査を実施していないが、計画地周辺にある水田・休耕田では、その時期シギ・チドリ類及びサギ類が飛来すると思われるため、8~9月に鳥類の調査を実施すること。
  2. ビオトープについて、事業により影響を受ける動植物が生育・生息するのにふさわしい環境にするとともに、事後調査を実施し、その機能の検証を行うこと。また、どのように整備するのか基本的な考え方を評価書に記載すること。なお、ビオトープという言葉については、人により受け取り方が異なるため、評価書では表現を見直すこと。
  3. 緑地へ植栽する木本及び草本については、計画地周辺の現存植生や潜在自然植生に配慮すること。
  4. 野生動物の生息・生育環境の連続性が保たれ、移動経路を分断せず、また、植物の自然遷移を可能とするため、敷地境界のフェンスや壁の設置にあたっては、野生動植物の移動や遷移を妨げない構造のものを用い、配置に配慮すること。
  5. 絶滅のおそれのある野生動植物の情報は違法捕獲や盗掘を招くおそれがあることから、情報保持の徹底を図ること。
  6. 植物・動物の評価について、前橋市環境基本条例及び環境基本計画との整合が図られているとしているが、調査地点は伊勢崎市に近接することから、伊勢崎市の環境基本条例及び環境基本計画との整合を図ること。

5 人と自然とのふれあいについて

  1. 「第3章 計画地周辺の状況-1自然的状況-(2)過去の災害等の状況-ア地震災害」について、史書に記された地震災害の記録を補完し客観的に評価するため、地震災害遺跡(断層、地割れ、噴砂遺跡、泥流埋没集落・田畠等)の分布について評価書で記載すること。また、同様の理由により、火山災害についても調査し、評価書に記載すること。
  2. 広瀬川、荒砥川を入れた近場の眺望点からの景観予測を実施し、予測結果を評価書に記載すること。
  3. 住宅地に面する側(北側、北西側)の計画地外周部には、高木を中心とした樹木を多く植栽するとしているが、赤城山山系の良好な眺望を保全するため、計画地の東南から南西にかけての外周部についても、高木類による遮蔽植栽を検討すること。
  4. 景観について、前橋市景観条例及び前橋市景観計画との整合が図られているとしているが、計画地は伊勢崎市に近接することから、伊勢崎市の景観条例及び景観計画との整合を図ること。

6 その他

  1. 予測結果の表示桁数について、有効数字4~5桁の値が数多く見られるが、有効数字の書き過ぎは値の信頼性を失わせることになるため、評価書では表示桁数を見直すこと。
  2. 計画地は堤防が整備された集落の一角であるが、広瀬川と荒砥川の合流点に近く、また、前橋市から伊勢崎市に及ぶ広瀬川低地帯という旧利根川の氾濫原に位置している。さらに、前橋市作成ハザードマップで2~5メートルの浸水が想定されている地域であるため、新清掃工場の設計にあたっては、適切な浸水対策を検討すること。また、計画地は、伊勢崎市に近接していることから、伊勢崎市の洪水ハザードマップも考慮すること。
  3. 「第11章 事後調査計画」の「水質」及び「水生生物」の項目について、現地調査を選定しない理由を評価書に記載すること。また同様に、現地調査を実施する各項目については、調査内容、調査対象時点・時期・頻度、調査地域及び調査地点、調査方法を記載すること。
  4. 防災計画について、「大地震発生時にも大きな補修を行うことなく使用できることが可能な設計とする。」としているため、新清掃工場の設計にあたっては、適切な耐震構造を検討すること。また、耐震設計時に適用する基準について、評価書に記載すること。