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第2部第5章第1節 環境教育・環境学習の推進

第1項 人材の育成

1 国が主催する環境教育研修への教員の派遣

 今日、環境問題を解決し、持続可能な社会を構築していくためには国民の環境に対する意識を高め、一人一人が環境に配慮した行動をとることが重要であり、その基盤となる環境教育・環境学習を推進することが重要であると考えます。
 そのため、県教育委員会では、各学校・地域で中核となる教員を国が主催する環境教育研修へ派遣し、環境問題に関する専門的な知識と児童生徒への指導力を備えた教員の養成に努めています。

2 教員向け研修講座(環境教育研修講座)の実施

 県では、各学校で環境教育を効果的に推進できる教員を養成するため、教員を対象とした研修講座を実施しています。

(1)講座の目的及び特徴

     
  • 自然観察や教材製作、施設見学などを通して、児童生徒に実体験を伴った環境学習が実践できる指導力の向上を図ります。 
  • 生物、化学、エネルギーといった視点から環境を捉え、体験・分析・見学という形でバランスよく講座を展開します。

(2)講座の概要

ア 自然体験分野
     
  1. 日時 平成24年7月26日 
  2. 場所 赤谷の森 いきもの村(みなかみ町) 
  3. 内容及び講師
     
  • 講義「赤谷プロジェクトの概要」 
  • 体験と見学
     「赤谷の森における生物多様性の復元に向けた取組」
     [茂倉沢2号ダム撤去現場、小出俣自然再生試験地、ホンドテンモニタリング調査、センサーカメラ]
     講師 林野庁関東森林管理局 赤谷森林環境保全ふれあいセンター所長、自然再生指導官
イ 環境測定分野
     
  1. 日時 平成24年10月12日 
  2. 場所 県衛生環境研究所 
  3. 内容及び講師
     
  • 講義と実習
     「身近な水辺の環境調査とその理解」
     [水環境保全への取組や調査方法、河川水の透視度測定、DO及びCODの簡易測定、パックテストの応用例(ホルムアルデヒドの測定)]
     講師 県衛生環境研究所 水環境係長
ウ エネルギー分野
     
  1. 日時 平成24年11月16日 
  2. 場所 (独)日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所 
  3. 内容及び講師
     
  • 講義「放射線の基礎を学ぶ」 
  • 見学と説明
     「日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所」
     [サイエンスプラザ、コバルト60照射施設、1号加速器棟、イオン照射研究施設]
     講師 日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所(放射線利用振興協会)
エ その他

 上記のほかにも、小・中学校初任者研修において、尾瀬自然体験研修として、県総合教育センターを会場に講義及び現地研修を実施しています。

第2項 推進体制の充実

1 環境学習の推進

(1)地域環境学習の推進

 県民に身近な地域での環境学習の機会をより多く提供するため、県が平成11年度から民間で活躍する環境ボランティアの群馬県環境アドバイザー、環境カウンセラー、NPO法人に委託し、環境教育事業を行っています。身近な環境問題のテーマの環境学習会をより多く行うことで、県民の環境問題に対る関心を高め、環境保全活動への参加促進を図ります。
 地球温暖化問題から自然観察会、川の生き物調べ、ごみ減量策など、毎年多くの企画が寄せられ、県事業として適当であると認められた企画を採用して県と実施主体との委託契約で実施しています。
 平成24年度までの14年間で、延べ339団体に委託して1,088回の講座を開催し、約5万4千人の県民の方に参加していただきました。
 今後も県内各地で様々な事業が実施され、多くの県民が地域での環境学習へ参加することが期待されます。

平成24年度実施状況
     
  • 委託数 20件(応募数28件) 
  • 講座数 37回 
  • 参加者 延べ 1,266人

(2)移動環境学習車「エコムーブ号」の運営

 エコムーブ号は、屋根に太陽光発電パネルを設置し、様々な環境学習機材を積んだ移動環境学習車です。燃料は天然ガスで、環境にもやさしい車です。
 地球温暖化をはじめ、水の汚れ、大気の汚れなどを調べる実験やごみのリサイクル、水生生物の観察などの器具もそろっています。学校や公民館、イベント広場などが、環境教室に早変わりして、楽しく体験しながら学習できます。

平成24年度実施状況(計80件)
     
  • 学校 75件 
  • 行政機関 4件 
  • その他 1件

(3)こどもエコクラブへの支援

 こどもエコクラブは、幼児から高校生までなら誰でも参加できる環境活動のクラブです。2人以上の子どもと、子どもたちをサポートする1人以上の大人でクラブをつくることができ、県がこのクラブの活動を支援しています。
 環境省のバックアップのもと全国で取り組まれており、全国大会も開催されています(平成23年度より日本環境協会が運営)。群馬県では平成8年からこどもエコクラブが結成されています。平成24年度の登録状況及び事業状況は次のとおりです。

 平成24年度の登録状況
     
  • クラブ数 32クラブ 
  • 会員数 3,027名 
  • サポーター 309名
ア 群馬県こどもエコクラブ学習会

 県内のエコクラブが一堂に会し、合同体験学習交流会を行いました。平成24年度は太田市で開催しました。

  1. 日時:平成24年8月11日(土) 
  2. 場所:群馬県立東毛青少年自然の家(太田市) 
  3. 参加者:85名 
  4. プログラム:エコクッキング、ポスト探しゲーム
イ 群馬県こどもエコクラブ交流会

 県内各クラブの1年間の活動の成果を発表し、相互の交流を図るため、交流会を行いました。

  1. 日時:平成25年1月19日(土) 
  2. 場所:前橋市立児童文化センター(前橋市) 
  3. 内容:
     活動発表(8団体)
     ・元総社エコクラブ「わんぱく探検隊」(前橋市)
     ・高崎北小エコクラブ地球防衛隊(高崎市)
     ・スター☆クラブ(太田市)
     ・なんきつ子どもエコクラブ(前橋市)
     ・しらさわエコキッズクラブ(沼田市)
     ・まなやんず&KSW48(伊勢崎市)
     ・前橋市児童文化センター環境冒険隊(前橋市)
     ・前橋市時沢小学校緑の少年団(前橋市立時沢小学校)
     壁新聞・絵日記展示(7クラブ)
     ・しらさわエコキッズクラブ
     ・前橋市児童文化センター環境冒険隊
     ・なんきつ子どもエコクラブ
     ・スター☆クラブ
     ・元総社エコクラブ「わんぱく探検隊」
     ・高崎北小エコクラブ 地球防衛隊
     ・前橋市立元総社北小エコクラブ(前橋市)
     体験ブースの出展(4クラブ)
     ・前橋市児童文化センター環境冒険隊
     ・なんきつ子どもエコクラブ
     ・元総社エコクラブ「わんぱく探検隊」
     ・まなやんず&KSW48 
  4. 館内エコ施設見学ツアー・おもしろ科学実験
     参加者を2グループに分けて、交互に活動しました。前橋市立児童文化センター内の屋上・壁面緑化や太陽光発電設備見学などの館内ツアーを行いました。
     また、湯本善太郎先生ほか5名の講師の方をお招きして、「ペットボトルの顕微鏡づくり」や「レプリカ法によるプレパラートづくり」のおもしろ科学実験を行いました。

2 環境学習推進基本指針の普及

 県では、平成18年3月に「群馬県環境学習推進基本指針」を策定しました。
 これは、「群馬県環境基本条例」や「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」等に基づき、県内における環境教育・環境学習が、関係者の連携、協力により、一層体系的かつ総合的に推進できるよう指針を定めたものです。

【環境学習の目標】

 環境に関心をもち、「人と環境」の関係について総合的かつ科学的な理解を深め、環境に責任と誇りをもって、主体的に行動できる人を育てる。

【環境学習を効果的にする3つの視点】

  1. 環境への関心を高める 
  2. 正しい知識を習得する 
  3. 自ら考える態度を養う

【5つの基本方針】

  • 成長段階に応じた体系的な環境学習 
  • さまざまな場面における多様な環境学習(家庭、学校、職場、地域) 
  • 現実を知り、体験を重視した主体的な環境学習 
  • 科学的な理解に基づく総合的な環境学習 
  • 関係者の交流・連携による効果的な環境学習(県民、事業者、NPOボランティア団体、行政)

 環境学習の推進にあたっては、関係者が、共通の認識に立って、連携、協力して取り組んでいくことが大切です。
 なお、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が、平成23年6月に改正(改正後の題名「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」)され、平成24年10月から完全施行となったため、「群馬県環境学習推進基本指針」の見直し等を予定しています。

3 緑の少年団への支援

 緑の少年団は、緑と親しみ緑を守り育てるなどの活動を通して、自然を愛し人や社会を愛する心豊かな人間に育てることを目的に、県内の小学校を中心に組織された団体であり、現在333団体、約6万人の子どもたちが活動しています。
 学校林の整備や森林の学習会、地域の施設へのプランターの寄贈や清掃活動等、学校や地域の実態に応じて様々な活動が展開されています。県では広くこの活動を支援し、体験活動や学習機会を提供することを通じて森林環境教育を推進しました。

4 小・中学生のためのフォレストリースクールの開催

 小・中学校での講義や体験活動等を通じて、森林や緑化の重要性を認識させ、森林保全や環境保護への意識啓発を図るため、県内各地で実施しました。近隣の里山の自然観察や林業体験、校庭の木々を生かしたネイチャーゲームやクラフト等を実施するために講師を派遣して、学校の授業を支援しました。
 また、夏季休業中に憩の森森林学習センターにおいて、「夏の森林教室」を実施し、児童と引率の教員に対して、間伐や「ツリーイング」を体験してもらい、森林や林業について幅広く学ぶ場を設定しました。

5 教育現場での環境教育の充実

 各学校で環境教育の充実を図るには、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間それぞれの特質に応じて、環境に関する学習が行われるようにすることが必要です。
 そこで県教育委員会では、発達段階に応じて系統的な取組ができるよう、各学校に環境教育全体計画の作成、見直しを働きかけています。
 また、県内の環境教育の特色ある取組を広く紹介するため、環境教育実践事例集「みんなの環境わたしたちの実践」を毎年2月に作成し、県総合教育センターのWebページに掲載しています。この実践事例集では、小学校、中学校及び高等学校の優れた取組を1校ずつ紹介しています。

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