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第2部第1章第2節 再生可能エネルギーの普及・拡大

更新日:2018年11月13日 印刷ページ表示

主な指標と最新実績

  • 再生可能エネルギー導入量(平成28年度)47億kWh/年
  • 燃料用チップ・ペレット生産量(平成29年次)38,607立方メートル

第1項 再生可能エネルギーの普及・拡大

1「群馬県再生可能エネルギー推進計画」の推進【環境エネルギー課】

本県は日照時間が長く、豊富な水資源や県土の3分の2を占める森林など、多くの再生可能エネルギー資源に恵まれています。これらの資源を活用した再生可能エネルギーの計画的な普及を推進するため、平成28年3月に「群馬県再生可能エネルギー推進計画」を策定しました。

(1)基本方針

再生可能エネルギーの資源量や特性を踏まえ、太陽光発電を中心に、小水力発電、木質バイオマス利用の重点的な導入を促進し、ほかの再生可能エネルギーについても導入可能性を検討することとしています。
また、消費地の近くでエネルギーを創る自立分散型エネルギーの推進や、蓄電池等を備えたエネルギー自立型住宅の普及を進めるなど、再生可能エネルギーの効率的な利用を図ることとしています。

(2)導入目標値

大規模水力発電(出力1,000kW超)を除く再生可能エネルギー発電の導入量は、平成28年度末時点で、設備容量にして135万kW、発電量は年間16億kWhと推計され、大規模水力の発電量31億kWhと合わせると、再生可能エネルギー全体では47億kWhになります。
計画の終期である平成31年度までに、大規模水力を除く再生可能エネルギーの発電量を21億kWhに伸ばし、大規模水力と合わせた再生可能エネルギー全体の発電量を52億kWhにすることを目標としています。

2 太陽光発電の導入促進【環境エネルギー課】

本県は年間の日照時間の長さが全国上位で、太陽光発電に適した地域です。
県では、引き続き太陽光発電の導入を促進するため、住宅用太陽光発電設備を設置する個人を対象とした低利の融資制度を実施しています。この制度では、創った電気を自分で使うという「自家消費」目的による導入を積極的に支援するため、太陽光発電設備と併せて蓄電池を設置する場合も融資の対象としています。平成29年度は21件の融資認定を行い、導入を支援しました。

3 水力発電の導入促進【環境エネルギー課、(企)発電課】

(1)小水力発電

利根川の水源を持ち、首都圏の水がめとして豊富な水資源に恵まれていること、山間部には急峻な地形が広がっていることなどを背景に、本県では古くから水力発電所が数多く作られてきました。
小水力発電は、周辺への環境負荷が小さく、低落差、少水量でも発電が可能なことから、今後は山間部の小河川や平地の農業用水路などへの導入が期待されています。

ア 有望地点調査

小水力発電を導入するためには、発電に適した場所の選定と設置費に見合った発電量が見込めるかどうかの判断が重要です。
県では、民間企業等による事業化検討の一助となるよう、平成28年度に県内に多数ある砂防堰堤の落差を利用した小水力発電の可能性について調査を行い、平成29年度に売電による概算収支を試算した小水力発電モデルを公表しました。今後は、この調査結果を活用して事業者に対する情報提供を行います。

イ 事前調査費の補助

平成24年度から平成28年度にかけて、小水力発電を導入しようとする市町村や非営利団体に対し、事前調査費を補助しました。この補助制度を活用した4か所の小水力発電所が、平成29年度から運転を開始しています。

ウ 市町村等への助言・支援

県企業局は、地域における再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、市町村等が取り組む小水力発電等に対して、技術的内容及び事務手続き等について助言や相談に応じるなどの協力や支援を行っています。

(2)県企業局の取組

県企業局は、水力発電の導入促進として、国の建設する八ッ場ダム直下流左岸に最大出力11,700kWの八ッ場発電所の建設を進め、平成32年度の運転開始を目指しています。

また、水力発電の事業化調査として、候補地の現地調査や河川の流量観測を継続し、条件が整ったものがあれば開発を行います。

4 木質バイオマスエネルギー利活用施設の整備支援【林業振興課】

戦後に植林されたスギ、ヒノキなどは住宅の柱などの建築用材として育てられ、曲がり等の低質材は用途が少なく、また運び出すコストもかかるため、利用されませんでした。しかし最近は、再生可能エネルギーの普及・拡大が進む中で、低質材や製材端材等は木質バイオマスとして発電や熱への利用が期待されています。森林に捨て置かれ、利用されなかった低質材等が、木質バイオマスとして利用されることで、森林整備の推進や森林資源の活用が進み、林業や山村地域の活性化につながることから、燃料用チップや木質ペレット等の生産施設や利用設備の整備に対し支援を行っています。平成29年度は前橋市や川場村で木質バイオマス利活用施設の整備などを行いました。

5 木質バイオマス集荷体制の整備【林業振興課】

木質バイオマスの利活用には、燃料となる低質材等を安定的に供給することが必要となりますが、価格面で既存の化石燃料等と競合します。このため、森林内に散在する価格の安い低質材を効率的に集めたり、運搬のコストを削減することが重要になります。一般的に木材の利用には、伐採・搬出するための作業道の整備や、伐採地に近い場所で材を集荷・選別し、大型車両に積み替えるための土場が必要となります。その中でも低質材は良質材に比べて空隙が増え、集荷・運搬コストの縮減が重要となることから、その集荷体制の整備を進めています。

6 再生可能エネルギーの普及促進【環境エネルギー課】

(1)太陽光サポート体制構築事業

平成24年に開始された固定価格買取制度の後押しもあり、県内には多くの太陽光発電設備が設置されています。
県では、太陽光発電設備による長期安定的な発電の確保を図ることを目的に、発電設備の保守点検の必要性を啓発するとともに、県内事業者による保守点検の実施体制の整備に取り組みました。
ア 太陽光発電保守点検事業者のデータベース作成県内の保守点検事業者の一覧を作成し、発電事業者に提供する仕組みを構築するため、保守点検事業者登録制度を新設しました。

イ 保守点検スキルアップ研修会 太陽光発電保守点検事業者を対象に、適切な点検を実施するための研修会を開催し、保守点検の技術向上を支援しました。

ウ 太陽光発電事業者向けセミナー 太陽光発電事業者を対象に、固定価格買取制度の改正や安定的な発電の確保についてのセミナーを開催し、保守点検の必要性に係る理解を広めました。

エ 広報・啓発 県ホームページにおいて、太陽光発電に関する情報を集約し、固定価格買取制度の改正に関する情報や太陽光発電の設置に係る関連法規、各研修会の開催案内などを掲載したほか、県広報媒体(新聞・ラジオ)やメールマガジンなどを用いて情報提供を行いました。
また、発電事業者から集めた設備の不具合や保守点検の実施状況などの情報を県ホームページに公表しました。

(2)再生可能エネルギーの事業化促進

再生可能エネルギーの事業化を促進するため、資源エネルギー庁が実施する再エネコンシェルジュ事業と連携し、事業者や自治体が再生可能エネルギーの利用や事業化に関して専門家と個別相談できる場を設けました。

(3)小型風力発電風況調査

本県における小型風力発電の導入可能性を検討するための風況調査を行っています。これまで、ぐんまフラワーパークと奥利根水質浄化センターで調査しましたが、十分な適性が認められなかったため、平成29年度から桐生市新里支所とみなかみ町新治東部簡易水道浄水場の2地点を再選定し、調査を継続しています。

7 再生可能エネルギーの理解促進【(企)発電課】

県企業局では、水力・風力・太陽光発電の理解を深めるため、県営発電施設の見学案内を行っています。

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