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「(仮称)バイオパワーおおた整備事業に係る環境影響評価方法書」に対する知事意見について

更新日:2021年3月3日 印刷ページ表示

1 大気環境について

  1. 排出ガスについて、バグフィルターで処理された後の粒子は、微小粒子状物質(PM2.5)の占める割合が高くなるため、浮遊粒子状物質よりもむしろ環境への負荷が大きく、重要な評価項目だと考えられる。微小粒子状物質(PM2.5)についても、推定モデルが開発されているため、予測が可能か検討すること。また、準備書作成までに予測手法が確立された場合には、予測・評価を実施すること。
  2. 足利市の気象データの記載を検討すること。
  3. 建屋等は住宅地からできるだけ離れた場所に設置した方が騒音や振動の問題を回避できるため、考慮すること。
  4. 高さのあるボイラーは、半径200~300メートルの周辺住民に低周波音振動が起きる可能性があるため、低周波音振動に注意して設計すること。機械類は住宅地から遠ざけておくこと。
  5. 風向・風速について、桐生市観測所及び館林観測所のデータを使用しているが、太田市消防本部観測のデータがあるため、確認のうえ、そちらのデータの使用を検討すること。
  6. 大気質の調査時期・期間について、四季ごとに7日間(連続)で行うとされているが、八王子丘陵が近くにあるため、太田市消防本部の観測データと相違が出る可能性がある。基礎データにもなるため、1年を通じて行うことを検討すること。
  7. 低周波音対策について、遮音壁を作るだけでなく、立体的な設計を検討すること。
  8. 排ガス拡散状況等把握のため、上層気象(逆転層の出現)の調査を行うことを検討すること。
  9. 廃棄物を焼却する場合、ばいじん等の規制基準を変更し、塩化水素、水銀(水銀排出施設)に係る規制基準を追加することを検討すること。また、ダイオキシン類対策特別措置法に係る記載を追加することを検討すること。

2 水環境について

1.1時間あたり100トン(1600リットル/毎分)の取水(揚水)量は地下水位の低下や地盤沈下等、多大な影響を及ぼすことが心配される。地盤沈下に係る調査対象を、地下水位、取水量(揚水量)及び揚水地点の地盤沈下量にすることを検討すること。

3 地盤環境について

1.方法書119頁「表4-2-1(3) 環境影響要素の抽出」について、土壌環境中の土壌汚染物質を環境要素として抽出していない。事業対象地は銅指定地であったが、対策工事により指定解除されている。そのため、当時の対策工事の客土量である16センチメートルを超える掘削を行う場合は、事業対象地中の土壌物質について評価項目として選定することを検討すること。なお、評価の際は「農用地土壌汚染対策地域の指定要件に係る銅の量の検定の方法を定める省令(昭和47年総理府令第66号)」で定める方法により調査等の実施を検討すること。

4 生物環境について

  1. 計画地は八王子丘陵にも近く、造成地であっても希少種等が生息する可能性があり、既存文献からの引用だけでなく、計画地での動植物調査を行い、希少種が確認された場合は、その保全対策を検討すること。また、水生生物への影響について「施設の稼働に伴い排水が排出するが、排出先である休泊堀の改変はない。」としているが、土工による影響について述べているのみで、排水による水環境への影響を考慮していない。どのような物質が含まれる排水が休泊堀に排出されるのか、水生生物への影響が全く出ないと言い切れるのか、さらに周辺農地等への影響がないのか検討すること。
  2. バッファゾーンの設計は、在来のものを使用するのが基本である。八王子丘陵から連続した生態系をもっているというような提案を検討すること。
  3. 動植物との共生、自然と調和した設計という視点が抜けているため、検討すること。また、緑地について、おざなりになっているため、修正したうえで計画を進めること。
  4. 注目種について、水田環境をもとにリストにしているため、造成地(草原)にいないのは当然であり、見直しを検討すること。
  5. 排ガスについて、排ガスは造成地にとどまらず、周囲に流れるため、造成地に接する丘陵の植生調査を検討すること。
  6. 植栽について、計画地は土質があまりよくない地域であり、どのような樹木が適切かという選定は難しいと考えられる。場合によっては土を入れ替えることも検討すること。
  7. 事業地内で特定外来生物等を確認した場合には、本件事業の実施により周辺に生息域を広げないよう適切な防除対策を実施すること。

5 人と自然とのふれあいについて

  1. 工作物ができあがった後の景観の評価に当たり、中景、近景も検討すること。
  2. 計画地の西側に住宅地があるため、施設との緩衝地帯となる緑地は西側を中心に配置すべきであり、植栽樹種は本地域の潜在自然植生を踏まえた常緑広葉樹を選定すること。なお、稼働施設について、できるだけ住宅地から距離をあけた配置を検討すること。
  3. 緑地帯の設計ができていないため、緩衝地帯の検討をすること。
  4. 必要に応じて足利市における適切な調査・予測地点の追加を検討すること。

6 その他

  1. 建設廃棄物を燃料として使用するのであれば、具体的に内容を明記すること。
  2. 使用する燃料については、物の性状、取引価値の有無等、詳細な内容を明記するとともに、廃棄物該当性については、関係課に協議すること。
  3. 工事関係車両の通行にあたって、24時間稼働であれば、周辺環境への影響が大きい。国道50号からの出入り口を含め、団地内で車両の順番待ちとなる設計をし、効率的な運行によって車両台数の抑制や平準化を図り、沿道の生活環境に配慮すること。
  4. 「(仮称)バイオパワーおおた整備事業」という名称について、燃料としてバイオマス燃料以外も使用する予定ならば、「バイオパワー」ではなく別のわかりやすい表現への変更を検討すること。
  5. 地元住民(周辺住民)を対象として、制度・許可の内容や今後のスケジュールについて説明会等を開催するなどして周知を徹底し事業を進めること。

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