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冷水病耐性アユの作出と種苗性

研究のねらい

 冷水病は未だに県内で散見され、アユ漁業に被害をもたらしています。河川などに冷水病菌が侵入しても発病しない種苗を作出できれば、漁業被害を軽減することが可能となります。また、河川放流用の種苗は、友釣りで高率に漁獲されるという種苗性を有していることが求められます。そこで、冷水病耐性アユの作出を試み、その系統の種苗性を確認しました。

技術の特徴

1  冷水病耐性アユの作出

 利根川支流の江戸川下流で採捕したアユに冷水病菌を感染させ、生残したアユを親魚として種苗を生産しました(以下、冷水病耐性系という)。この種苗を用いて冷水病感染実験を行ったところ、水産試験場で42代目となる系統(以下、継代系という)よりも高い生残率となり、冷水病耐性を有していることを確認しました(図)。

図 冷水病菌接種20日後の生残率(CFU:攻撃菌数)
冷水病菌接種20日後の生残率(CFU:攻撃菌数)

2 冷水病耐性アユの種苗性

 冷水病耐性系を河川に放流し釣獲試験を行ったところ、冷水病耐性系の放流尾数は全放流尾数の8.3%でしたが、釣獲尾数のうち10.2%を占めました。また、冷水病耐性系は放流地点から上流へ約9キロメートル、下流へ約3キロメートル分散していました。これらのことから、冷水病耐性系は従来種苗と遜色ない釣獲率と遡上性があると考えられました。
 さらに、水槽内で縄張りを形成させ、そこへ侵入者に見立てたモデル(アユ型ルアー)を投入し、それへの攻撃頻度を計数する試験を行いました(写真)。平均攻撃回数は継代系が40.6回、冷水病耐性系では42.4回となり、冷水病耐性系は従来種苗と遜色ない縄張り形成能力があることがわかりました。

写真 モデル(手前)を攻撃するアユ
モデル(手前)を攻撃するアユ

今後の取り組み

 多様な河川環境でも、冷水病耐性が発現できるよう更に選抜を行うとともに、実験や調査を重ね、冷水病耐性の強化と種苗性の向上を実現していきます。そして、冷水病被害を軽減させ、アユの漁獲量増大と釣り人口拡大を目指します。
 (執筆者:小林 保博)

連絡先

水産試験場 生産技術係 (電話027-231-2308)

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