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排水機能の向上により、安定した営農と地域の安全を確保

更新日:2015年4月2日 印刷ページ表示

“岡登地区”では、湛水防除事業で用排水路を改修し湛水被害が軽減したほかにも、用水の複雑な管理が不要になり、水田でのハウス栽培も可能になりました。
本地域の担い手として活躍している農業者と土地改良区の取り組みについて紹介します。

排水能力の向上によりナス栽培の挑戦 ~担い手農家 福田氏の取り組み~【群馬県太田市】

担い手農家の福田氏写真
担い手農家の福田氏

事業前の営農環境 ~事業前はどのような営農環境でしたか。

排水及び配水に苦慮

今回の湛水防除事業の前に基盤整備事業(昭和56年~平成元年)があり、農業機械を使うことのできる四角い田んぼになったため耕作しやすくなりました。
一方では、国道50号の拡幅や農用地の宅地化などによる急激な社会情勢の変化により、大量の雨水が水路に流れ、すぐに水があふれるようになり、田んぼの中に大量の水が流れ込むようになりました。
また、用水路としての機能が不十分のため、端の方の田んぼでは、水が回らないところがありました。

事業前の農地の被害状況写真
事業前の農地の被害状況

事業による営農環境の変化 ~事業により営農環境はどのように変わりましたか。

営農環境は事業前に比べ画期的によくなった。

基盤整備事業では、いつでも水が使えるようになったため、農家が営農の予定を組めるようになっていました。
その後に取り組んだ湛水防除事業では排水がよくなり、大雨時の農地の湛水被害や家屋への浸水被害の防止、また道路の冠水も防げるようになりました。
このような事業を行ったことにより、営農環境は事業前に比べ画期的によくなりました。

湛水排除により水田でのナス栽培

水路を拡幅したことにより排水がよくなりました。
また、水路が整備されたことで用水を地区の隅々にまで行き渡らせる事ができました。
湛水の心配がなくなったので、自分の田んぼに15アールほどビニールハウスを作りナスの栽培を行っています。
効率よく反収をあげるためナスかイチゴの栽培を考えました。周りにナスを栽培している農家が多かったのでナス作りを始めました。
実際に作ってみると、元々田んぼであるためか、地力があり、病気も少なくツヤのある良いナスが取れました。
1月に定植し、11月までに収穫しています。

事業により営農環境は大きく改善 ~岡登堰土地改良区 小林理事長・福田理事~

岡登堰土地改良区、小林理事長(左)と福田理事(右)写真

岡登堰土地改良区、小林理事長(左)と福田理事(右)

事業が必要と感じたきっかけ ~事業前、この地区はどのような状況でしたか。

「水」に苦労した地域

この地区は番水が大変で、7月まで田植えをできないことがありました。
また、配水を巡って農家同士で刃傷沙汰になったことがありました。
田植えが遅いので稲の育ちも悪く、米の収量は現在の半分くらいでした。
このように用水に不自由していました。
また、水路の幅が狭かったので、大雨になるとそこら中に水があふれ出しました。
水があふれるのは田んぼの中だけではありません。
身無川のそばに親戚が住んでいるのですが、その家では川の水があふれて屋内に流れ込んでくるのを防ぐため、大雨のたびに家の前に土のうを積んでいました。
こんな具合で水には大変苦労しました。

事業後、地区で変わったこと~事業によりどのような効果がありましたか。

湛水被害の解消

正直なところ、土地改良区としては、排水の事はあまり考えにありませんでした。
しかし、大雨時、田んぼに水が入りにくくなったので、田んぼでハウス栽培もできるようになりました。
また、家屋への浸水被害や道路の冠水等が防げるようになりました。

湛水被害の解消状況、平成14年台風6号写真
湛水被害の解消状況、平成14年台風6号

少ない農業機械で大規模に効率よく

湛水防除事業により岡登用水をコンクリート3面水路に改修し拡幅を行ったことで、排水路としての機能が向上しました。
また、同時に取水施設の整備も行われ、用水管理に余裕が出来ました。
それまでは取水のために徹夜を行うなど取水に振り回されていました。
今では水争いもなくなり、それぞれの農家が農作業計画を立てられるようになりました。
基盤整備事業と湛水防除事業により、少ない農業機械で大規模に効率よく、計画的に米作りができるようになりました。

地区としての将来 集団化・大規模化

後継者のいない農家が多い中、大規模に営農している農家は会社勤めしている息子が手伝ったりするなど後継者がいます。
今のところほとんど休耕地も耕作放棄地もありませんが、将来、集団化や大規模化しないとやっていけないと思います。
現在、土地改良区の受益地245ヘクタールのうち60ヘクタールほどについては、認定農業者が耕作しています。
このような若くて元気な農業者が2~3人出てきて、大規模に行ってくれたらよいと考えています。

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