下水環境課事業概要
1 基本方針
(1)汚水処理施設整備の推進
下水道や農業集落排水、合併処理浄化槽などの汚水処理施設は、県民の日常生活や産業活動に伴い発生する汚水を処理するものであり、水源県ぐんまに相応しい良好な水環境を守るために欠かせない極めて重要な社会基盤です。
しかし、本県の汚水処理施設整備の状況は、全国に比べて立ち後れており、一部の河川では水質環境基準が達成されていない状況です。
このため、新たな「はばたけ群馬・県土整備プラン2013-2022」においても「汚水処理施設整備の推進」を環境部門の主要施策と位置づけ、県と市町村が連携し、汚水処理施設の整備を進めます。
【平成28年度に行う主な施策】
- 汚水処理人口普及率を向上させるため、市町村が行う「公共下水道、農業集落排水及び浄化槽事業」に係る県費補助による支援を、「汚水処理施設整備費補助」として継続します。特に、排水設備工事に対し、4年間継続して市町村と連携し補助を行います。あわせて、個人設置型を対象に合併処理浄化槽への転換に対する「浄化槽エコ補助金」を1年間延長します。
- 「下水道や農業集落排水の整備予定区域のうち、人口減少により効率的な整備が行えない区域等を合併処理浄化槽に変更すること」や「隣接する処理区域への統合によるコスト縮減」を市町村とともに進めていきます。
(2)汚水処理施設の長寿命化推進
人口減少社会が進展するなか、将来にわたり持続可能な汚水処理を推進するため、施設の老朽化に伴い増大する維持管理・更新費の縮減と予算の平準化を進める「長寿命化計画」に基づいて施設の改築や更新に取り組むほか、施設の耐震化にも重点的に取り組みます。
【平成28年度に行う主な施策】
- 奥利根、県央、桐生、西邑楽処理区では施設の更新の時期を迎えており、効率的な管理と併せて、設備の適切な改築更新を行います。
- 奥利根、県央、西邑楽処理区では、幹線管渠や汚水処理施設の耐震性能を向上させるため、耐震補強工事を行います。
- 老朽化した下水道や農業集落排水を有している市町村に「長寿命化計画」の策定を促します。
2 平成28年度主要事業の概要
(1)流域下水道建設事業
- 奥利根処理区
- 沼田水上幹線の耐震補強工事及び水処理第1系列の改築更新工事及び耐震化を実施します。
- 県央処理区
- 玉村渋川幹線外の管渠内調査及び耐震化工事、水処理第1系列及び第2系列の改築更新工事を実施します。
- 西邑楽処理区
- 邑楽幹線外の管渠内調査、事業計画変更、長寿命化計画策定及び、汚泥施設設計を実施します。
- 桐生処理区
- 新里笠懸幹線の管渠内調査、桐生水質浄化センターの自家発電設備及び水処理用水設備の改築更新を実施します。
- 新田処理区
- 薮塚新田幹線の管渠内調査を実施します。
- 佐波処理区
- 全体計画変更業務及び伊勢崎幹線の詳細設計を実施します。
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 | |
---|---|---|---|---|
補助 | 奥利根処理区 | 458,400 | 427,870 | 水処理設備更新及び耐震化 |
県央処理区 | 820,670 | 2,760,780 | 水処理設備更新及び管渠耐震補強 | |
西邑楽処理区 | 214,120 | 138,560 | 管渠内調査 | |
桐生処理区 | 231,800 | 433,980 | 管渠内調査、自家発電設備及び水処理用水設備改築更新 | |
新田処理区 | 31,190 | 5,090 | 管渠内調査 | |
佐波処理区 | 83,160 | 30,560 | 全体計画変更業務及び管渠詳細設計 | |
計 | 1,839,340 | 3,796,840 | ||
単独 | 奥利根処理区 | 10,504 | 2,020 | 流量計撤去及び水道補償 |
県央処理区 | 10,100 | 13,318 | 管渠更生工事 | |
西邑楽処理区 | 3,030 | 12,120 | 汚泥濃縮管設置 | |
桐生処理区 | 10,100 | 17,170 | フェンス設置 | |
新田処理区 | 25,034 | 12,120 | ひび割れ補修工事 | |
佐波処理区 | 1,010 | 3,030 | 全体計画変更 | |
計 | 59,778 | 59,778 | ||
合計 | 1,899,118 | 3,856,618 |
(2)市町村下水道費補助
榛名湖及び赤城大洞の水質改善のために施設建設の一部に補助します。
また、市町村が行う単独管渠整備費への補助は昨年度の見直しを継続して、下水道処理人口普及率向上の観点から、流域関連公共下水道への補助率を引き上げます。
更に流域関連公共下水道への接続を増やし、料金収入の増加で経営を向上させて面整備の促進につなげるため、個人が行う「排水設備工事」に対し、市町村が補助制度の新設や補助額の増額を行う場合に、県がその一部を負担する事業を4年間継続します。
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
特定環境保全公共下水道費補助 | 11,700 | 11,700 | 2市(榛名湖、赤城大洞) |
単独管渠整備促進費補助 【汚水処理施設整備費補助】 |
150,550 | 150,550 |
|
(3)流域下水道管理
奥利根処理区・県央処理区・桐生処理区・西邑楽処理区は県が維持管理を行います。新田処理区は太田市、佐波処理区は伊勢崎市が維持管理を行います。
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
奥利根処理区下水道管理 | 383,040 | 388,985 | 沼田市、みなかみ町 |
県央処理区下水道管理 | 2,593,695 | 2,557,907 | 前橋市他9市町村 |
西邑楽処理区下水道管理 | 315,990 | 325,089 | 太田市他3町 |
桐生処理区下水道管理 | 494,206 | 498,746 | 桐生市、みどり市 |
新田処理区下水道管理 | 14,868 | 13,766 | 太田市 |
佐波処理区下水道管理 | 1,340 | 21 | 伊勢崎市 |
合計 | 3,803,139 | 3,784,514 |
(4)流域下水道計画調査
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
下水道計画策定 | 67,167 | 42,526 |
下水道関係団体等負担ほか |
(5)流域下水道周辺対策
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
県央処理区 | 2,644 | 19,826 | 玉村町道路整備補助 |
(6)農業集落排水事業
市町村が実施する農村地域の汚水処理施設や汚泥等の資源循環施設の建設及び改築・更新などに要する費用に対して補助を行います。
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
農業集落排水事業費補助 | 295,106 | 463,560 | 21地区13市町村(事務費含む) |
※「28年度予算額」欄のうち【汚水処理施設整備費補助】分は238,506千円。
(7)浄化槽整備事業
生活排水による公共用水域の水質汚濁を防止し、汚水処理人口普及率の向上を図るため、市町村が実施する浄化槽設置整備事業(浄化槽を設置する個人に補助する事業)及び浄化槽市町村整備推進事業(市町村が浄化槽を設置し、維持管理を行う事業)に対して補助を行います。
また、平成28年度も、浄化槽設置整備事業により単独処理浄化槽等から合併処理浄化槽へ転換する場合、「エコ補助金」として通常の補助に加えて一律10万円の補助を行います。
区分 | 28年度予算額 | 27年度予算額 | 概要 |
---|---|---|---|
浄化槽対策費補助 【汚水処理施設整備費補助】 |
298,200 | 298,200 | 33市町村(事務費含む) |