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平成24年2月定例県議会 知事提案説明

2月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。

 我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、1年が経過しようとしております。

 被災地、被災者の方々にとっては、国の復旧・復興に向けた取り組みに、まだまだ不安と焦りを感じておられるのが、率直なお気持ちではないかと、これまで支援に取り組んできた群馬県としても、心配しているところであります。

  喫緊の課題である、原子力発電所事故による放射能汚染への対応を含めた東日本大震災からの復興に加えて、景気の回復、人口減少社会への対応、社会保障と税のあり方など、現在の我が国には、国民生活に関わる多くの課題が山積しております。

 さらに、我が国の経済と密接不可分な海外の情勢に目を転じても、ギリシャを発端とする欧州の債務危機による景気の先行きリスクや、TPPを始めとする国際貿易の問題など、我が国の経済にも大きな影響を及ぼす多くの課題を抱えているのが現状であります。

 こうした様々な課題に対する現在の政権の対応には、多くの国民が不安を抱えております。

  群馬県政としては、県民生活の安全・安心を確保することが最大の使命であります。そのためには、総合計画『はばたけ群馬プラン』を着実に推進することが重要であると考えております。

  このような考え方を基本として、平成24年度予算の編成に取り組んで参りましたが、振り返ってみますと、昨年は、平成23年度当初予算が成立した翌日に東日本大震災が発生し、県内においてもあらゆる産業が大きな打撃を受けました。

 そのため、県としても、「がんばろう群馬!産業支援総合対策」や、数次にわたる補正予算などにより、被災地・被災者への支援と、県内経済の回復に全力を挙げて参りました。

 3月19日には待望の北関東自動車道が全線開通し、また、7月から9月には市町村や農業、商工業、観光業など全ての団体が協力して群馬DCを成功に導くことが出来たこと、さらに、夏以降の自動車関連産業等の生産水準回復への動きもあり、県内の景気は持ち直して来ております。

 この県内経済の回復の動きが、より着実なものとなるよう、県としてしっかりと下支えするため、全力で取り組んで参ります。

 さて、私は、去る2月9日から12日にかけて、台湾と韓国を訪問して参りました。どちらも、本県への旅行者数も多く、より一層の誘客促進への取り組みが必要であると、あらためて強く感じたところであります。

 最初に訪問した台湾では、日本の国会に当たる立法院院長を始め、外交部亞東関係協会の秘書長、台北市長、彰化県の県長など、関係機関の方々とお会いし、本県への観光誘客の促進を図るとともに、農畜産物の輸入制限の早期解除に向けた支援、協力を強くお願いして参りました。

 また、「ビジットぐんまキャンペーンin台湾」を開催し、本県の旅館やホテル関係者等にも参加をいただき、具体的なツアーの商品化に向けた現地旅行会社との商談会を行ったところであります。

 次いで訪れた韓国では、韓国の政治・経済界に広い人脈を持ち、草津温泉を訪問されたこともある高麗大学の教授や、メディア関係者等と会談をいたしました。古墳時代から本県と朝鮮半島との交流があったことを踏まえ、歴史文化を切り口とした観光誘客について意見交換したほか、韓国メディアを活用した観光PRについても、助言・協力をいただけることとなりました。

 また、日本政府観光局ソウル事務所長や大手旅行会社の責任者の方々ともお会いし、韓国からの誘客促進に向けた協力関係を構築して参りました。

 昨年11月の中国訪問に加え、今回の台湾・韓国への訪問の成果も踏まえ、しっかりとした国際戦略を平成23年度中に策定し、新年度においては、組織体制を強化するとともに、築いた人脈を十分に活かし、各種施策を推進して参りたいと考えております。

 それでは、平成24年度当初予算案をはじめ、提出議案の大要について御説明申し上げますとともに、併せて、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べます。

〔当初予算編成の基本方針〕

 平成24年度当初予算の編成に当たっては、「先人から受け継いできた群馬の限りない可能性を大きくはばたかせる」ことを基本理念とする、第14次総合計画『はばたけ群馬プラン』に掲げる3つの基本目標を、着実に推進することを基本方針といたしました。

 平成24年度は、計画の2年目ではありますが、東日本大震災後の新たな出発の年と位置付け、基本目標である、

  • 「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」
  • 「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」
  • 「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」


を推進する施策に、積極的に取り組んで参ります。

 特に、北関東自動車道の全線開通により、高速道路の十字軸が完成し、本県の優位性は、これまで以上に高まっております。その効果を、県内の全ての地域、全ての産業の発展に活かせるよう、7つの交通軸をはじめとする社会基盤整備を進め、企業誘致や観光誘客、県産品の販路拡大などに積極的に取り組み、県内経済の活性化を図って参ります。

 こうした取り組みの推進により、県内経済の回復の動きを着実なものとし、群馬県をより元気に、より大きくはばたかせたい、との思いを込めて『群馬・元気増進予算』といたしました。

〔当初予算の規模〕

 平成24年度の一般会計当初予算の総額は、6,653億8,800万円であります。

 平成23年度当初予算に比べて0.7%の減となりましたが、地方財政計画の伸び率である「マイナス0.8%」を上回る規模を確保いたしました。

 なお、制度融資を特別会計に移管した平成20年度以降では、平成23年度に次いで2番目の規模の予算額としております。

〔当初予算の財源〕

 次に当初予算の主な財源についてであります。

 県税収入は、平成23年度当初予算では、ようやく明るさが見え始めた県内経済の状況を踏まえ1,950億円、前年比140億円の増を見込みましたが、その後、東日本大震災や円高の影響などにより、大きな減収が懸念されました。

 しかし、年度後半からは回復の動きが出てきたため、最終的には約1,935億円を確保できる見通しとなっており、そうした動きを踏まえ、平成24年度の県税収入予算額は、1,960億円を見込んでおります。

 その他の財源としては、国からの交付金を積み立てた「経済危機対策関連基金」が大幅に減少する中で、財政調整基金などの繰入れ可能な基金をすべて取り崩すとともに、県内経済の活性化や県民生活の向上など、将来を見据えた投資的事業費を確保するため、通常債の発行額を増額することにより、財源の確保を図ったところであります。

〔3つの基本目標〕

 それでは、総合計画の3つの基本目標に沿って、重点施策を申し上げます。

〔人づくり〕

  基本目標の一点目は、「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」であります。

 まず、学校でのいじめや不登校など、心の問題に対応する「スクールカウンセラー」を大幅に増員するとともに、群馬県独自の少人数学級指導である「さくらプラン」、「わかばプラン」を継続実施し、次代を担う人材づくりを推進いたします。

 特に、特別支援学校については、未設置地域への開設及び市立学校の県立移管に向けた市町村との協議を早急に進め、協議が整い次第、必要な経費について、補正予算での対応を検討して参ります。

 また、海外で活躍できる人材を育成する「ぐんまグローバル塾」の実施や、農業の担い手確保のため、意欲ある若い農業者を対象に開設する「ぐんま農業フロントランナー養成塾」など、群馬の飛躍を支える産業人材の育成を推進いたします。

 次に、医師、看護師に対する修学資金の貸与などにより県内医療人材の確保を推進するとともに、特にがん検査の技術向上を図るため、県民健康科学大学にMRIを整備し、現役の診療放射線技師の技術向上にも活用するなど、地域の安心を支える医療・福祉人材を育成・確保します。

 また、高齢者が活躍できる社会をつくるため、65歳以上の高齢者を対象とした、商品の割引などが受けられる優待制度「ぐんまちょい得シニアパスポート(仮称)」を創設いたします。

〔安全安心な暮らしづくり〕

 基本目標の二点目は、「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」であります。

 まず、医療先進県ぐんまを推進するため、健康福祉部に「がん対策推進室」を新設し、予防、早期発見から医療、相談、緩和ケアに至る総合的ながん対策の充実を図ります。具体的には、がん検診の受診率向上のための市町村の先進的な取り組みへの支援、がん診療連携拠点病院・推進病院の指定によるがん医療・相談体制の強化、県立がんセンターへの緩和ケア病棟整備などを積極的に進めて参ります。

 また、救急医療対策としては、総合太田病院を新たに「地域救命救急センター」に指定し、重篤な患者の受入れ体制を整備するとともに、県内の全ての救急車がリアルタイムに救急搬送情報を共有できるシステムを導入いたします。

 次に、誰もが安心して生活できるよう福祉を充実するため、一般の歯科診療所では対応が難しい障害児・障害者のための歯科診療体制を拡充するとともに、高齢者保健福祉計画に基づく特別養護老人ホームや、障害福祉計画に基づく障害者グループホームなど、社会福祉施設の整備に引き続き取り組んで参ります。

 また、若年性認知症患者及び家族を支援するため、就労型デイサービスの導入も促進いたします。

 次に誰もが安心して働ける労働・雇用環境づくりを推進するため、緊急雇用創出基金を活用し、離職を余儀なくされた方への新たな雇用を創出するとともに、「ジョブカフェぐんま」で、若者などの就職支援をきめ細かく実施いたします。

 優れた群馬の環境を守り未来へ継承するための取り組みとしては、長い日照時間や豊富な水力などの強みを活かし、住宅用太陽光発電設備に対する補助を継続するとともに、市町村等が実施する小水力発電設備の導入や地中熱利用のモデル事業に対し支援を行います。さらに、企業局で「田沢発電所」の建設を開始し、再生可能エネルギーの活用を促進して参ります。

 また、汚水処理人口普及率ステップアッププランでは、平成23年度限りの予定であった単独浄化槽から合併浄化槽への転換を促進する「浄化槽エコ補助金」について、1年間延長して実施いたします。

 次に、災害に強い県土を築くため、県立学校耐震改修計画に基づき、県立学校の耐震補強工事を計画的に実施するとともに、警察署や県立図書館についても、順次、耐震化を進めて参ります。

 また、安全な暮らしを実現するため、大規模地震が発生した場合の被害想定調査結果に基づき、減災目標を設定し必要な施策等を定める「地震防災戦略」を策定いたします。

 特に放射線に関しては、環境保全課に「放射線対策係」を新設し、県民からの相談窓口の一元化、市町村との連携強化を図るとともに、放射線検査体制の強化、県有施設の除染を実施いたします。

 さらに、警察体制を強化するため、警察官を10人増員するとともに、渋川警察署の移転整備を進めて参ります。

 また、地域住民の生活を支える「地域力」を強化するため、地域住民の活動拠点となる集会施設の新設、建替えに対する補助制度を創設いたします。

〔産業活力の向上・社会基盤づくり〕

 基本目標の三点目は、「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」であります。

 はばたけ群馬の経済戦略としては、まず戦略的な国際施策を推進するため、企画部に「国際戦略課」を新設するとともに、海外からの観光誘客促進や、海外への農畜産物等の販路拡大、企業のビジネス展開支援などの取り組みを効果的に推進するため、海外事務所の設置準備などを進めます。

 また、群馬DCの成果を活かし、JR東日本と連携した「ググっとぐんま観光キャンペーン」を開催するとともに、日本政府観光局香港事務所への職員派遣や、海外旅行展への出展、海外向け観光情報発信の強化などにより、海外からの観光誘客にも積極的に取り組んで参ります。

 さらに、企業誘致推進補助金の対象となる業種や施設を拡大するとともに、東京から100キロ圏に位置し、高速交通網が整い災害も少ないという優位性を活かし、物流拠点やバックアップ機能の誘致を積極的に進めます。

 農林業の振興としては、まず「林業県ぐんま」の実現に向け、林内路網整備、高性能林業機械の導入支援などに加え、群馬県独自の補助率上乗せによる間伐の促進により、木材生産体制を強化するとともに、「ぐんまの木で家づくり支援」等により県産木材の利用を促進いたします。併せて、製材時に大量に発生するバークの利用拡大を図るための実証試験も実施して参ります。

 また、「野菜王国・ぐんま」総合対策による野菜生産の振興を図るとともに、野菜生産農家の経営安定のため、野菜価格安定制度への加入率の向上を図って参ります。

 次に、ぐんまのイメージアップを図るため、東国文化の中心地であり、東日本最大の古墳大国であった本県が持つ、全国に誇れる歴史文化遺産について、県民自身にその価値を再認識していただくとともに、その魅力を全国に積極的に発信して参ります。具体的には、まず県内の全ての古墳について数年を掛けて調査を実施し、今後、どのように整備・保存・活用できるか検討いたします。

 また、「富岡製糸場と絹産業遺産群」については、平成26年度の世界遺産登録を目指し、推薦書の作成や、構成資産の保存、機運醸成のためのイベント開催などを、引き続き実施いたします。

 次に、はばたけ群馬の社会基盤づくりを推進するため、北関東自動車道の全線開通による県内高速交通網の効果を最大限に活かせるよう、高速道路へのアクセス道路となる「7つの交通軸」を重点的、計画的に整備いたします。

 なお、八ッ場ダムについては、政府予算案に計上された建設費にあわせ、本県分の負担金を予算計上するとともに、生活再建に向けた事業を着実に推進いたします。また、吾妻地域の自立促進・活性化のため、上信自動車道についても重点的に建設を促進して参ります。

〔平成24年度関係その他の議案〕

 このほか、特別会計については、母子寡婦福祉資金貸付金会計など10件を、企業会計については電気事業会計など6件を提出しております。

 事件議案は、41件を提出しており、このうち、第12号議案は、文化振興に関する施策を総合的に推進し、心豊かな文化に溢れた活力ある地域社会を実現するため、「群馬県文化基本条例」を制定しようとするものです。

 また、第18号及び第19号議案は、知事等特別職並びに管理職職員の給料を引き続き減額しようとするものであります。

〔平成23年度関係議案〕

 続いて、平成23年度関係についてでありますが、予算関係では13件を提出しております。

 このうち、一般会計補正予算案については、国の補正予算に伴って各種経済危機対策関連基金への積み増しを行うなど、所要の補正を行うものであります。

 事件議案としては、各種経済危機対策関連基金の事業期間の延長や、回収の見込めない債権の放棄など、27件を提出しております。

〔おわりに〕

 群馬県は、豊かな自然環境に恵まれるとともに、古代から東国文化の中心地として続いてきた歴史と文化を備え、立地条件にも恵まれるなど、多彩な魅力に満ちた地域であり、さらに大きくはばたく力を持っています。

 私は、県民一人ひとりが、先人から受け継いできた群馬の限りない可能性を再認識し、郷土を愛するとともに、誇りと自信を持って暮らせるような「ふるさと群馬」を実現する決意であります。

 県議会、県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

 以上、県議会の開会に当たり、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べるとともに、提出議案の大要について御説明申し上げました。

  何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。
 

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