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平成25年5月定例県議会 知事提案説明

更新日:2013年5月27日 印刷ページ表示

5月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち、一言申し上げます。

 5月も終盤を迎え、多くの企業で今年3月期の決算発表が行われました。東日本大震災や円高の影響により厳しい経営を強いられた企業が相次いだ状況が一変し、大企業を中心に増収増益となる企業が目立つようになり、国内の景気は緩やかに持ち直しております。
 これまで、リーマンショック、福島第一原子力発電所事故に伴う風評被害等の影響を受けてきた県内経済に目を移しても、年末から続く円安の進展、これに伴う株価の回復を背景として、自動車関連産業を中心に景気は持ち直しつつあります。
 また、ゴールデンウィーク期間中における県内観光地への入込客数が、昨年に比べて大幅に増加するなど消費者心理の改善も見られ、今後に期待が持てる状況になって参りました。
 しかしながら、景気回復の動きが中小企業にまで十分には波及していないこと、有効求人倍率が3か月連続で前月を上回るなど雇用環境は改善しているものの、賃金アップにはつながっていないことなどから、本格的な回復にはまだ時間がかかると考えております。
 県としても、県内景気の回復を確実なものとするため、平成25年度当初予算及び平成24年度2月補正予算の早期執行に努め、今年度を「真の復興の年」とするべく、全力で取り組んで参ります。

 次に、東アジアの活力を取り込むことを目的とした国際戦略の拠点となる「上海事務所」がオープンし、4月から業務を開始しました。今後、本県からの進出企業や県人会等とも連携しながら、観光誘客をはじめ、県産品の販路拡大支援、県内企業のビジネス展開支援などに積極的に取り組んで参ります。
 とりわけ、現在でも続いている、中国や台湾などにおける農林水産物等の輸入規制については、その早期解除に向け政府間交渉を一層強化するよう国に要望することを、先に開催された関東地方知事会議において、本県から提案したところであります。

 さらに、特別支援学校に通う生徒の保護者の負担軽減を図るため進めてきた、特別支援学校の未設置地域解消の第一歩として、この4月に、「県立みやま養護学校富岡分校」が開校しました。
 これは、富岡中学校の校舎の一部を活用して整備したものであり、両校の子どもたちが、日々、触れ合いながら交流し、共に学び、成長していくことができる環境にあります。
 今後、近隣の小中学校や地域の子どもたちとの交流を通じて、『お互いに個性を尊重し認め合う思いやりの心』が育つよう、期待しております。

 さて、ご案内のとおり、国は地方に対し、国家公務員の給与減額措置を踏まえ、国に準じて地方公務員の給与を削減するよう要請してきております。さらに、地方公務員の7月からの給与引き下げを前提とした改正地方交付税法及び平成25年度予算が成立したところであります。
 私は、今回の要請は、人事委員会による勧告制度に反するものであると同時に、本県を始めとした地方のこれまでの行財政改革の努力を考慮せずに行われたものであること、さらに、地方との十分な協議を経ずに一方的に行われ、地方固有の財源である地方交付税を給与削減を行わせる手段として用いたという点で、極めて問題があると考え、これまで発言して参りました。現在も、その考えに変わりはありません。
 そもそも、地方公務員の給与は地方が自主的に決定すべきであり、国が削減を強制することは、地方自治の根幹を揺るがす問題であります。
 今後、この様なことが二度と行われることのないよう、全国知事会など地方六団体共同で国に強く要請したところでありますが、引き続き、国会議員との県政懇談会や国への政策要求など、機会あるごとに、地方の声を堂々と主張して参りたいと考えております。
 しかしながら、主要な財源である地方交付税等の大幅な削減が見込まれる中、熟慮を重ねた結果、県民サービスに与える影響を回避するため、やむを得ず、県職員の給与を今年度に限り、7月から削減することとし、関係条例案及び補正予算案を今議会に提出するに至ったところであります。

 それでは、5月定例県議会に提出いたしました議案の大要について、御説明申し上げます。
 今回の提出議案は、予算関係8件、事件議案21件の合計29件であります。

予算関係

 はじめに、予算関係であります。
 一般会計の補正予算額は、72億6,491万円の減額となり、現計予算額と合算すると、6,591億2,208万円となります。

 主な内容ですが、知事等の特別職及び一般職にかかる給与費の減額のほか、今年度で事業期間が終了する経済危機対策関連基金事業、及び、当初予算編成後に制度概要が判明した国庫補助事業について、早期の執行を可能とするため、予算化しようとするものであります。
 債務負担行為の補正については、期間が来年度以降にわたる契約を締結しようとするものであります。

事件議案

 次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
 第86号議案は、「子ども・子育て支援法」の制定に伴い、子ども・子育てに関連する施策を調査審議する附属機関を設置しようとするものであります。
 第87号議案は、本県における生活環境を保全するとともに、県民生活の安全を確保するため、土砂の埋め立て等に関する県独自の規制を導入しようとするものであります。
 第99号議案及び第100号議案は、群馬県育英会が設置・運営する学生寮「上毛学舎」の整備に必要な手続きを進めるに当たり、議会の議決を求めるものであります。
 第101号議案は、内閣総理大臣など数多くの要職を歴任し、日本の政治の中心で長期にわたり活躍された福田康夫氏の功績を称え、名誉県民の称号を贈ろうとするものであります。
 第109号議案及び第110号議案は、特別職及び一般職にかかる給与を臨時・特例的に削減しようとするものであります。
 第111号議案及び第112号議案は、議会の議員のうちから監査委員を選任しようとするものであります。

 以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。

 なお、第101号議案、第111号議案及び第112号議案については、事案の性質上、早急に御議決くださいますよう、お願い申し上げます。