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集落環境診断による鳥獣害対策
平成30年1月23日発
吾妻農業事務所普及指導課
要約
東吾妻町松谷地区において鳥獣被害対策のための集落環境診断を実施し、今後の対策の礎としました。
1 ねらいと背景
東吾妻町松谷地区ではサルの発生・農業被害が増加してきており、農家の生産意欲の低下や耕作放棄地拡大の要因となっています。そこで被害を減少させるため集落周辺における獣の生息からみた環境を点検し、対策の足がかりとするための集落環境診断を実施しました。
2 取り組み内容
甲斐けもの社中の山本圭介先生を講師として招き、11月24日に鳥獣被害対策支援センターの高度専門研修の一環として14名参加の下集落環境診断を行いました。当日は松谷地区の区長や地域住民にも参加してもらい実施しました。調査は参加者各個人が集落周辺を実際に一周してみて、農作物の作付状況や被害状況、防護柵、侵入経路、痕跡、誘引物等の状況について確認した後、状況を大きな地図に落とし込み全員で内容を共有しました。その後、どんなことが課題であるか、いつまでにどんな対策を行っていくべきか等具体的に話し合いを行いました。当集落においては、収穫残渣や生ゴミ等の誘引物をなくすことや電気柵の点検をしっかり行う事など、まずは基本的な対策が求められることがわかりました。
3 今後の方向
鳥獣被害対策は地域ぐるみで行っていくことが重要となっています。今回の集落環境診断で得られた結果については地区の集会所に掲示してもらい、集落内で共有できるようにしました。農業事務所としては「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」などをうまく活用しながら、市町村やJA等関係機関と連携しながら支援を行っていきます。
集落周辺を調査する様子
地図に状況を落とし込み対策を検討する様子