【9月】耕作放棄地を未然に防ぐ仕組みづくり
~酒米・地酒生産販売の先進地を視察~
平成30年9月19日発
東部農業事務所 桐生地区農業指導センター
耕作放棄地対策の一環として推進している酒米生産・地酒づくりの参考とするため、8月17日(金)、みどり市地域農業再生協議会事業として、みどり市酒米生産組合や酒米づくりに関心のある生産者候補、みどり市・指導センター職員計10名で、先進地である加須市へ視察研修を行い、生産や販売活動、組織運営のあり方等について学びました。
1 ねらいと背景
中山間地域では、農業の担い手不足、鳥獣被害が年々増加しており、耕作放棄地の発生につながる大きな問題となっています。また、30年産から新たな米政策が始まり、農業者は市場動向や自らの販売実績等を踏まえ、作物をどれだけ生産し、誰にどのように販売するのかという戦略に基づいた活動がますます重要となってきています。
そこで、新たな需要を地元で掘り起こし、実需との事前契約で安定的に生産する仕組みづくりが耕作放棄地を未然に防ぐ取組につながると考え、指導センターでは生産者、みどり市、地元酒造会社、精米会社、JA等関係機関とともに酒造好適米(酒米)の生産と地酒づくりを支援してきました。酒米生産・地酒づくり先進地の組織体制や生産販売活動の視察を行い、今後の生産販売に関する組織づくりや活動方針の策定に活かします。
2 取り組み内容
みどり市大間々地区では、現在3名の生産者が酒造好適米「舞風」を作付し(平成30年度1.34ヘクタール)、地元の酒造会社へ出荷しています。7月23日には、生産者、地元酒造会社、市、指導センターで生産販売実績検討会を開催し、今年の栽培や4月以降の地酒「山紫」の販売状況、今後の生産販売に向けた課題・要望等について意見交換をしました。
今後、生産から販売までを軌道に乗せ、生産の普及拡大を進めるため、8月17日に「加須市酒米生産者協議会」および「加須市の酒米と地酒協議会」、「加須市の酒造会社」を訪れ、品種(五百万石、山田錦)や栽培方法、生産や販売に関する組織体制、活動内容について学んできました。視察はみどり市地域農業再生協議会が主催し、既存の生産者3名の他に、近隣の新たな生産者候補3名が参加しました。研修やほ場視察では非常に丁寧な説明をいただき、多くの事を学ぶことができました。
3 今後の取り組み
先進地の体制や活動を参考に、当地域でも農(業)・商(業)・工(業)・観(光)・官が連携した協議会等、体制づくりを行い、酒米の生産拡大と活用(1.9ミリメートル以下米、吟醸粉活用も含む)、流通販売支援で地域産業の活性化につなげます。

