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燻煙炉及び燻煙処理木材の調査研究

木材係 工藤康夫

1 目的

 燻煙処理は木材の燃焼エネルギーをそのまま利用できることから、燃料コストが安く、環境負荷が少ないといった利点を持つ反面、温度や湿度の細かな制御が難しいことから一般的には仕上げ用の乾燥処理には不向きとされているのが現状である。
 株式会社斉藤林業では独自の方式によって木材を燻煙処理し、自社で請負う住宅用構造材に使用している。燻煙処理施設の性能調査と燻煙処理木材の品質調査を行い、この燻煙処理方式の乾燥能力を明らかにするための調査を斉藤林業からの受託研究として実施した。

2 方法

 燻煙処理する木材の中から断面寸法が異なる4つのロット(120mm角、130mm角、130×195mm、135×250mm)を選んで試験材とした。処理前、処理了後に全ての試験材の重量を測定し、各ロットからそれぞれ試験材3体を用いて全乾法による含水率測定を行った。
 また燻煙炉の乾燥能力と処理スケジュールを評価するため、乾球温度と湿球湿度、および炉内各箇所における温度分布を測定した。
  乾燥の評価は「ぐんま優良木造住宅建設基準」に定める仕上含水率20%以下を基準とした。

3 結果及び考察

 時間の経過による極端な温度変化は認められず、炉内各箇所間の温度差もほとんど発生していなかった。また炉内の温度と関係湿度の経過を図-1に示す。一般的なスギ柱材の人工乾燥スケジュール終盤に与えられる乾燥条件とほぼ同じ雰囲気を14日間維持しており、この燻煙処理方式が木材の乾燥能力を備えていることが確認できた。
 また、120mm角、130mm角、及び130×195mm材では仕上含水率が20%以下となった試験材が全体の7割以上であり、ほぼ適正な乾燥が行われたが、135×250mm材は仕上含水率が20%以下の試験材は全体の3割であった。大断面材の乾燥については処理時間を延長するなどの検討が必要である。  
 一般的に燻煙乾燥は仕上乾燥には不向きとされているが、このように乾燥に必要である温度や関係湿度などの条件が維持され、かつ処理時間が十分に確保されていれば、仕上乾燥にも対応が可能であることが確認できた。

図-1 燻煙炉の乾湿球温度

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