本文へ
表示モードの切替
印刷

里山等における広葉樹林の新たな管理技術の検討(1)

里山等広葉樹林の現状把握(1)

予算区分:県単 研究期間:平成23~25年度
担当:森林科学係 竹内 忠義

1 はじめに

 里山の森林は、エネルギー源としての薪炭の採取や落葉を肥料にするなど、利用することで維持してきた。しかし、エネルギー源の化石燃料への切り替えや、化学肥料への転換などにより里山は利用されず、放置されるようになってきたため、高齢化し、大径木になった樹木が増えてきている。県内で発生が確認されたナラ枯れは、大径木に被害が多い傾向があり、大径木化したナラ類が存在する里山では、今後被害が拡大することが懸念される。
 大径木化した広葉樹林の管理技術は不明な点が多く、里山等広葉樹林の状況や問題点を把握し、現状にあった新たな管理方法について検討する必要がある。そのため、里山等広葉樹林の調査を行った。

2 方法

 調査は、県林政課で1999年度から2009年度まで実施した、本県民有林分の森林資源モニタリング調査結果を解析した。森林資源モニタリング調査は、国土調査法施行令で規定する平面直角座標系により、座標系の適用区域毎に4キロメートル間隔で格子線を想定し、その交点が森林であるプロットが調査プロットとである。調査プロットは、146箇所あり5カ年で調査を完了するように調査年度が決定された。6年目からは、同一調査プロットを同様に5カ年で1巡するように調査を実施した。そのため、1999年度の調査地は3巡目、2000から2003年度の調査地は2巡目の調査が終了していることになる。
 解析に用いたのは、広葉樹が優占している48箇所分である。
 調査プロットでは、大円部(0.06ヘクタール)、中円部(0.03ヘクタール)、小円部(0.01ヘクタール)を設け、それぞれ調査対象木の基準が決められ毎木調査が行われた。今回使用したデータは、調査地の概況調査と、小円部と中円部の胸高直径5センチ以上の毎木調査のデータから、枯損木を除いたものを用いた。また、調査期間中に伐採が見られた調査地については、小円部の胸高直径5センチ未満のデータも使用した。

3 結果及び考察

 1巡目の調査以降、3調査地で伐採が行われていた。このうち2箇所は、コナラが優占していた林分で、皆伐されていた。伐採される前のデータをみると。胸高直径が10センチ台のコナラが多かった。伐採後の調査では、萌芽由来のものか不明であるが、コナラが確認されていた。若い林分であったため、萌芽が期待できると思われる。もう一つの伐採箇所は、その他広葉樹が優占する調査地で、林道の開設に伴う伐採であった。
 48箇所の優占樹種別調査プロット数を表に示す。コナラ、ミズナラのコナラ属が優占している箇所が半数を占めていた。そこで、コナラ属が優占している調査地を、詳細に検討してみる。コナラ属が優占していた調査地のうち、大径木化したコナラ属の個体(胸高直径30センチ以上)が出現していたのは、半数近い11箇所であり、20センチ台後半のものを含めると16箇所であった。このことから、コナラ属が優占している森林では大径木化しているものが多いことがわかった。
 このうち、1999年度に調査を行った2林分で大径木化した個体が見られたので、10年間のコナラの推移を図-1、2に示した。この2林分とも1999年の調査時に30センチ以上のものは見られていたが、10年間でその割合が増え、成長していることがわかる。今後利用されず、コナラ属が優占する他の森林でも同様な成長が進むと仮定すれば、大径木の割合が徐々に増加していくことが容易に予想できる。

表 優占樹種別プロット数
区分 優占樹種
コナラ ミズナラ クリ ブナ ミズキ その他
プロット数 18 6 6 2 2 14 48
伐採実績箇所数 2 0 0 0 0 1 3

注1:優占樹種は、最初の調査時のもの。
注2:施業実施箇所数は、最初の調査時以降のもので、プロット数の内数。

図-1 コナラ優占林分(A) におけるコナラの推移:図
図-1 コナラ優占林分(A) におけるコナラの推移
図-2 コナラ優占林分(B)におけるコナラの推移:図
図-2 コナラ優占林分(B)におけるコナラの推移

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe社「Adobe Reader」が必要です(無料)。
下のボタンを押して、Adobe Readerをダウンロードしてください。 Get ADOBE Reader

このページについてのお問い合わせ

林業試験場
〒370-3503 北群馬郡榛東村新井2935
電話 027-373-2300
FAX 027-373-1036
E-mail rinshi@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。