本文へ
表示モードの切替
印刷

ニホンジカの森林内行動の研究(赤城山鳥獣保護区内のニホンジカの増減)

予算区分:県単  研究期間:平成25~27年度
担当:坂庭 浩之

1 はじめに

 赤城山鳥獣保護区内のニホンジカの増減を把握するため、ライトセンサスによるニホンジカの動向を調査してきた。赤城山で行われている捕獲事業の評価や、分布拡大や密度の増加を把握するため重要な指標となる基礎調査であり、林業試験場での調査研究に加え、自然環境課におけるニホンジカの動向把握調査として共同で実施しているものである。

2 方法

 毎月末に2日間のライトセンサス調査を行った。調査ルートは図-1による。

  1. 調査期間 2009年1月~2015年12月
  2. 場所 赤城山鳥獣保護区、東大河原鳥獣保護区と周辺
  3. 方法 手持照明装置(Brinkman Q-Beam Max Million 3)を使用し、移動する車両から周辺を調査し発見頭数と位置を記録した。
  4. 分析方法 調査エリアにおけるシカの毎月の発見頭数と発見位置を分析した。得られたデータは、「フリーでオープンソースの地理情報システム」QGIS(外部リンク)(バージョン2.2: URL:http://qgis.org)により地図化すると共に地域毎の発見頭数の増減を分析した。
図1 調査エリア画像
図1 調査エリア

3 結果及び考察

  1. 調査エリア全体
     調査エリア全体では目撃頭数は2014年以降減少し、目撃地点数は2015年以降減少に転じた。(図-2)。このデータのみでは詳細で正確な増減傾向が分析できないため、高標高と低標高に分け、分析を行った。
  2. 高標高(白樺牧場~大沼周辺:標高1,300メートル近辺)におけるシカの動向について
     高標高エリアで最も目撃頭数が多い5メッシュを評価した(図-3)。この場所では環境省生物多様性実証事業の受託を受け2010年から100頭/年を目標にニホンジカの捕獲が行われた。目撃頭数は2012年をピークに減少傾向を示した。目撃地点数も2013年をピークに減少に転じた。これは、2010年から継続した捕獲の効果によると推測された。
  3. 低標高(標高1,000メートル以下)におけるシカの動向について
     調査エリアの中で標高1,000メートル以下の調査地点で2009年以降で最も目撃地点数が多かったメッシュを抽出して評価した(記号の7メッシュ 図-5)。
     目撃頭数の増加は顕著で、2009~2014年までの平均増加率は前年比1.4倍であり、シカの生物的な増加率である1.2倍を超える増加率であった。目撃地点数も増加しており、2015年まで一貫して増加傾向を示した。また、目的頭数と目撃地点数の動向に乖離が見られた。原因として赤芝牧場へのメガソーラー施設、大型囲いわなの建設により観察可能面積が減少したことによる目撃頭数が減少が原因であり、同時にシカの分散化が生じたと推測された。
     2009年からの出没状況を分析した結果、赤城山での低標高側でのシカの増加が顕在化していることが確認された。今後も低標高域でシカの個体数の増加が続いた場合には、農業被害や生活環境被害の発生が懸念されることから、鳥獣保護区外での捕獲目標を設定した計画的な捕獲が必要であることが確認された。
図2 目撃頭数と地点数の推移画像
図2 目撃頭数と地点数の推移
図3 高標高地点の評価メッシュ画像
図3 高標高地点の評価メッシュ
図4 高標高地点の目撃状況の変化画像
図4 高標高地点の目撃状況の変化
図5 低標高地点の評価メッシュ画像
図5 低標高地点の評価メッシュ
図6 低標高地点の目撃状況の変化画像
図6 低標高地点の目撃状況の変化

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe社「Adobe Reader」が必要です(無料)。
下のボタンを押して、Adobe Readerをダウンロードしてください。 Get ADOBE Reader

このページについてのお問い合わせ

林業試験場
〒370-3503 北群馬郡榛東村新井2935
電話 027-373-2300
FAX 027-373-1036
E-mail rinshi@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。