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病害虫発生予察情報 第5号(令和3年8月予報)

予報の概要

予報の概要一覧
作物名 病害虫名 対象地域名 発生時期 発生量
イネ いもち病(穂いもち) 早期・早植栽培地帯  
いもち病(葉・穂いもち) 普通期栽培地帯  
紋枯病 早期・早植栽培地帯   やや多
普通期栽培地帯   やや多
縞葉枯病 感受性品種栽培地帯  
イチモンジセセリ第2世代幼虫(イネツトムシ) 普通期栽培地域  
セジロウンカ 栽培地帯全域  
斑点米カメムシ類 早期・早植栽培地帯   やや多
普通期栽培地帯  
フタオビコヤガ 栽培地帯全域   やや少
果樹類全般 カメムシ類(チャバネアオカメムシ) 栽培地帯全域   やや少
ハダニ類 栽培地帯全域   やや多
リンゴ 斑点落葉病 栽培地帯全域  
炭疽病 栽培地帯全域  
スモモヒメシンクイ 栽培地帯全域  
キンモンホソガ 栽培地帯全域  
ハマキムシ類 栽培地帯全域  
ナシ 黒星病 栽培地帯全域  
ナシヒメシンクイ 栽培地帯全域  
ダイズ
野菜類
花き類
ハスモンヨトウ 平坦地域  
野菜類
花き類
オオタバコガ 栽培地帯全域   やや多
キャベツ コナガ 高冷地栽培地域  
夏秋ナス ハダニ類 栽培地帯全域  
アザミウマ類 栽培地帯全域  
ネギ 軟腐病 栽培地帯全域  
シロイチモジヨトウ 栽培地帯全域  
ネギアザミウマ 栽培地帯全域  
レタス 腐敗病 山間高冷地帯   やや多
軟腐病 山間高冷地帯   やや多

※ 発生時期の空欄は、連続発生を意味する。

主な病害虫の発生予報

1 イネ

いもち病
対象 発生地域 発生時期 発生量
いもち病(穂いもち) 早期・早植栽培地帯  

1 予報の根拠

  1. 現在までのいもち病(葉いもち)の発生は、早期・早植栽培地帯で平年並~やや多く、一部でずり込み症状が見られる。
  2. 7月中旬に実施したいもち病(葉いもち)発生状況調査の結果、県平均の発生は平年並~やや多かった(令和3年7月29日発表 発生予察情報)。
  3. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、気温は高い確率が60%、降水量は多い確率が40%、日照時間は少ない確率40%である。

《発生しやすい条件:気温が25度前後で、葉いもちの発生が多く、特に上位葉への病斑の形成が多い場合。また、出穂期頃の降雨は胞子形成を多くし、多発させることが多い。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 葉いもちの病斑が大きくなっていたり、上位葉に葉いもちの発生が多いと穂いもちの発生に移行する可能性が高いので、穂ばらみ期と穂ぞろい期に薬剤散布を行う。
  2. 発生の見られるほ場や葉色の濃いほ場は、穂肥等窒素肥料の施用を控える。
いもち病
対象 発生地域 発生時期 発生量
いもち病(葉・穂いもち) 普通期栽培地帯  

1 予報の根拠

  1. 現在までのいもち病(葉いもち)の発生は、普通期栽培地帯では平年並である。
  2. 7月中旬に実施したいもち病(葉いもち)発生状況調査の結果、県平均の発生は平年並~やや多かった(令和3年7月29日発表発生予察情報)。
  3. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、気温は高い確率が60%、降水量は多い確率が40%、日照時間は少ない確率40%である。

《発生しやすい条件:葉いもちについては平均気温19~25度で、降雨頻度が高く、多湿であること。夜間の風が弱く、朝露の乾きが遅く、イネが軟弱徒長気味で葉色が濃い場合。穂いもちについては気温が25度前後で、葉いもちの発生が多く、特に上位葉への病斑の形成が多い場合。また、出穂期頃の降雨は胞子形成を多くし、多発させることが多い。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 常発地、いもち病に登録のある箱施用剤を使用していないほ場、葉色が濃いほ場、水口付近などは発生しやすいので、特によく観察し、早期発見に努める。
  2. 補植用等の取り置き苗は、葉いもちの発生源になりやすいので、すみやかに処分する。
  3. 葉いもちの発生が認められた場合はただちに防除する。特に「進展型病斑」が認められる場合には、被害が拡大する恐れがあるため早急に薬剤散布を行う。
  4. 発生の見られるほ場や葉色の濃いほ場は、穂肥等窒素肥料の施用を控える。
  5. 葉いもちの病斑が大きくなっていたり、上位葉に発生が多いと穂いもちの発生に移行する可能性が高いので、穂ばらみ期と穂ぞろい期に薬剤散布を行う。
紋枯病
発生地域 発生時期 発生量
早期・早植栽培地帯   やや多
普通期栽培地帯   やや多

1 予報の根拠

  1. 前年の発生量は平年並~やや多かった。
  2. 現在までの発生量は平年並である。
  3. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、気温は高い確率が60%、降水量は多い確率が40%である。

《発生しやすい条件:前年の発生量が多い場合。高温(適温28~32度)、多湿、多肥栽培で生育が旺盛な場合。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 薬剤防除は幼穂形成期~出穂期に行う。粉剤・乳剤等を散布する際は、落水して株元の病斑に薬剤が到達するようにする。
  2. 特に昨年発生が多かったほ場では、前年のイネで形成された菌核が圃場にとどまり次作の伝染源となり発生しやすい条件となるため注意する。
斑点米カメムシ類
発生地域 発生時期 発生量
早期・早植栽培地帯   やや多
普通期栽培地帯  

1 予報の根拠

  1. 7月6半旬の斑点米カメムシ類定点すくいとり調査の結果、主要斑点米カメムシであるホソハリカメムシ、クモヘリカメムシは、水田内では平年並であったが、畦畔又は休耕地内(以下「畦畔等」)では平年並~やや多く、特にイネ科雑草が出穂した畦畔等で多く捕獲された
    (令和3年8月5日発表発生予察情報)。
  2. アカヒゲホソミドリカスミカメは、水田内では概ね平年並、畦畔等では平年よりやや多かった(令和3年8月5日発表発生予察情報)。
  3. 山間部の一部地域では、水田内へ侵入が確認されている。
  4. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、気温は高い確率が60%、降水量は多い確率が40%である。

《発生しやすい条件:高温、少雨の場合。栽培地帯の中でも出穂が早いほ場。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 出穂期~収穫期の畦畔、休耕地等の草刈りは、斑点米カメムシ類を水田に追い込み、被害を助長する場合がある。出穂2週間前以降の除草は控える。
  2. 防除適期は穂揃期~出穂後10日である。その後も斑点米カメムシ類の生息が認められた場合は、7~10日間隔で追加防除を行う。
  3. 周辺より出穂が早い水田は、被害が集中する場合があるので注意する。
  4. 薬剤散布を実施する場合は、広域的に一斉に行うと効果が高い。
  5. 普通期栽培地帯においても、イネ科雑草が出穂した畦畔等に生息が見られるので雑草管理に注意する。

2 果樹類全般

ハダニ類
発生地域 発生時期 発生量
栽培地帯全域   やや多

1 予報の根拠

  1. 現在の発生は増加傾向にあり、一部の地域では平年よりやや多い。
  2. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、天気は数日の周期で変わり、気温は高い確率が60%、降水量が多い確率40%である。

《発生しやすい条件:気温が高く、雨が少なく乾燥している場合。》

2 防除上注意すべき事項

  1. ハダニ類は非常に繁殖能力が高く、高密度になると防除が困難になるので、早期発見に努める。
  2. 薬剤散布は丁寧に行う。特にほ場の周縁部など薬液のかかりにくい部分に対しては、手散布等を行う。また、雑草に寄生するハダニは草刈り後は樹上に移動するため、草刈り後の1~2日以内の薬剤散布が効果的である。
  3. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統の薬剤を続けて散布しない。

3 野菜類・花き類

オオタバコガ
発生地域 発生時期 発生量
栽培地帯全域   やや多

1 予報の根拠

  1. 県内のフェロモントラップ調査では、第二世代成虫の誘殺数が7地点中4地点で平年よりやや多い。
  2. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、天気は数日の周期で変わり、気温は高い確率が60%、降水量が多い確率40%である。

《発生しやすい条件:高温、乾燥条件で多発する傾向があり、梅雨期に降雨が少ない年には発生が多くなる。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 幼虫は生長点付近の茎葉・蕾・花・幼果に食入する。組織内に入り込まれてからでは防除が困難になるため、ほ場をよく見回り、幼虫は見つけしだい捕殺する。薬剤防除を行う場合は、発生初期に実施する。
  2. 施設開口部は防虫ネットで被覆し、成虫の侵入を防ぐ。
  3. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。

4 キャベツ

コナガ
発生地域 発生時期 発生量
高冷地栽培地域  

1 予報の根拠

  1. 現在までの嬬恋村でのフェロモントラップによる誘殺数は一部やや多い(注)が、平年並である。
  2. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、天気は数日の周期で変わり、気温は高い確率が60%、降水量が多い確率40%である。

《発生しやすい条件:少雨条件で発生が助長される。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 生育初期の防除を徹底し、初期密度を下げることにより、生育期中盤の被害拡大を防止するとともに、生育期終盤に発生する次世代の密度低減を図る。
  2. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。本県ではジアミド系殺虫剤抵抗性を持った個体が確認されているため、薬剤の選択には注意する。
  3. アブラナ科雑草にも寄生するので、ほ場周辺の雑草を除去する。
  4. 収穫残さは増殖源になるので、すみやかに片付ける。
(注)JA嬬恋村からの情報提供

5 レタス

腐敗病
発生地域 発生時期 発生量
山間高冷地帯   やや多

1 予報の根拠

  1. 現在までの発生量は、平年よりやや多い。
  2. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、天気は数日の周期で変わり、気温は高い確率が60%、降水量が多い確率40%である。

《発生しやすい条件:発生適温は20~30度、高温多湿の場合。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 多湿により発生が助長されるため、ほ場の排水をよくする。
  2. 耐性菌の発生を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。
軟腐病
発生地域 発生時期 発生量
山間高冷地帯   やや多

1 予報の根拠

  1. 現在までの発生量は、平年よりやや多い。
  2. 向こう1か月の気象予報(8月5日発表)によると、天気は数日の周期で変わり、気温は高い確率が60%、降水量が多い確率40%である。

《発生しやすい条件:本病原細菌の生育適温は30度前後、高温多湿条件で発生しやすい。主に風雨等による茎葉のこすれ、害虫による食害痕等の傷口から病原細菌が侵入・感染する。》

2 防除上注意すべき事項

  1. 雨水がたまりやすいほ場は排水溝を掘り、ほ場の排水に努める。
  2. 発病後の防除効果は低いので、予防的な防除を重点に行う。
  3. 降雨によってはね上がった土の飛沫が作物の傷口に付着することで感染が助長されるため、特に強雨や長雨後は適用薬剤による防除をおこなう。
  4. 被害残さは感染源となるため、被害株は速やかに抜き取り、ほ場の外に持ち出し適切に処分する。
  5. 耐性菌の発生を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。

その他の病害虫の発生予報

その他の病虫の発生予察情報一覧
作物名 病害虫名 発生時期 発生量 特記事項
イネ 縞葉枯病   現在までの発生量は平年並。
7月6半旬のすくい取り調査によるヒメトビウンカの捕獲数は平年より少なく、7月の予察灯調査による誘殺数も平年より少ない。また、ヒメトビウンカ越冬世代幼虫のイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率は平年より低い。
イチモンジセセリ第2世代幼虫(イネツトムシ)   現在までの発生量は平年並。
トラップ調査による誘殺数は平年より少ない。
セジロウンカ   7月6半旬のすくい取り調査では平年並、7月の予察灯調査では平年より少ないが、8月に飛来のピークを迎えるので注意が必要である。
フタオビコヤガ   やや少 現在までの発生量は平年並。
7月の予察灯調査、フェロモントラップ調査による誘殺数は平年より少ない。
果樹類全般 カメムシ類(チャバネアオカメムシ)   やや少 予察灯調査、フェロモントラップ調査による誘殺数は、平年より少ない。
リンゴ 斑点落葉病   現在までの発生量は平年並。
炭そ病   現在までの発生量は平年並。
高温多湿条件で発生しやすく、特に果実の濡れ時間が長いと感染しやすいので注意する。
スモモヒメシンクイ   フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。スモモヒメシンクイの重点防除時期は、リンゴ園への飛来が多くなる7月下旬~9月上旬である。
キンモンホソガ   フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。
ハマキムシ類   現在までの発生量は平年並。
ナシ 黒星病   現在までの発生量は平年並。
ナシヒメシンクイ   フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。
ダイズ
野菜類
花き類
ハスモンヨトウ   現在までの発生量は平年並。
フェロモントラップ調査による誘殺数は平年よりやや多い。
夏秋ナス ハダニ類   現在までの発生量は平年並。
高温乾燥条件で発生が助長されるので、注意する。
アザミウマ類   現在までの発生量は平年並。
ネギ 軟腐病   現在までの発生量は平年並。
高温多湿条件で発生が助長されるので注意する。
ネギアザミウマ   現在までの発生量は平年並。
シロイチモジヨトウ   現在までの発生量は平年並。

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