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農業技術センター研究報告第14号

特徴の異なるイチゴ酢製造方法の検討

【要旨】

 イチゴの特徴である香り、色、味を活かした醸造酢製造を目的とし、3種類の製造方法の検討を行った。1つは、アルコール発酵および酢酸発酵を行ったイチゴ酢製造(従来法)、2つ目は、イチゴ酢にドライやよいひめを添加したイチゴ酢製造(ドライやよいひめ添加法)、3つ目は、アルコール発酵を行わずにアルコール添加後酢酸発酵を行うイチゴ酢製造(アルコール添加法)である。各製法におけるイチゴ酢の品質はそれぞれ特徴的であり、従来法によるイチゴ酢は、色調はオレンジ色、糖類はほとんど含有せず、香りの評価が高い結果であった。ドライやよいひめ添加法によるイチゴ酢は、色調は赤色、糖類を含み、色の評価が高い結果であった。アルコール添加法によるイチゴ酢は、色調は褐色、糖類を多く含み、味の評価が高い結果であった。これらのことから、従来法では「香り」に、ドライやよいひめ添加法では「色調」に、アルコール添加法では「味」に特徴が現れると考えられた。

農産加工係 石原 智

微粒剤および粉剤が均一に散布できる新型ロータリーソワーの開発

【要旨】

 群馬県の夏秋キャベツ生産において、主に根こぶ病防除薬剤の処理には同粉剤を散布しつつ土壌と混和する「ロータリーソワー」が広く普及している。近年、根こぶ病防除薬剤では、浮遊や粉立ちの防止、ドリフトしにくい微粒剤が開発されているが、従来のロータリーソワーではこれらの異なる剤型を均一に散布することが困難であった。そこで、松山株式会社との共同研究により、従来の粉状に加え粒状等の資材を均一に散布・土壌混和することのできる新型ロータリーソワーを開発した。

高冷地野菜研究センター 小林逸郎

トマト新系統「群馬交2号」の育成

【要旨】

2001年に「ラークナファースト」と「群馬甘赤2号系統」を交配し、両親系統を固定した後、2013年に促成栽培向きトマトF1系統の「群馬交2号」を育成した。果実は、球形で果頂部が突出し、完熟果の色は赤であり、果重は平均約50グラムで、単為結果性を有する。2月から6月上旬の収穫期間中における果実糖度(Brix %)は、8~11度程度である。本系統は、萎凋病レース1に対し抵抗性を有する。

野菜第一係 渡邉 香

スモモの樹体ジョイント仕立てにおける作業機械の利用が作業性に及ぼす影響

【要旨】

 スモモの樹体ジョイント仕立て栽培において自動走行車を利用した収穫、せん定作業の省力化、アシストスーツ、バッテリー式せん定ハサミ、バッテリー式誘引結束機利用による管理作業の軽労化について検討した。機械化作業体系は、慣行のジョイント栽培に比べて収穫作業時間を約8%、せん定作業時間を約27%削減できた。これにより、年間作業時間は慣行棚栽培(平成26群馬県農業経営指標)に比べて約17%、慣行のジョイント栽培に比べて約7%削減となった。また、かさ掛け、せん定作業にアシストスーツ、バッテリー式せん定ハサミを使用することで首、肩、腕の疲労を軽減できた。

果樹係 平井一幸

ブドウ「シャインマスカット」の省力栽培技術の開発

【要旨】

 ブドウ「シャインマスカット」の短梢栽培では、短期間に多くの作業が集中し、栽培面積拡大の抑制要因となっていることから、各管理作業の省力化技術について検討した。花穂整形器の利用や1新梢2果房利用技術等を組み合わせることで、果房管理作業を約35%省力化することができた。また、新梢管理作業ではメピコートクロリド液剤を散布し、果実軟化期以降の新梢管理を省くことで、約65%省力化することができた。これらの省力技術によって、果実品質を低下させずに開花から収穫期の作業時間を約35%短縮できた。

果樹係 柚木秀雄

給餌器の利用が施設栽培におけるセイヨウミツバチの混乱軽減に及ぼす効果

【要旨】

 花粉媒介昆虫として施設栽培に利用されるセイヨウミツバチの放飼初期の活動において、混乱による死亡の軽減と訪花活動の安定を図るため、給餌器の利用を検討した。給餌器として、糖液を含んだ脱脂綿を装着した造花型の短期給餌用とケース内に糖液を充填した長期給餌用の2種類を作製した。また、供試した給餌器は黄色で目立たせ、糖液には香料を添加し、匂いをつけた。セイヨウミツバチをナスの栽培ハウスに放飼した後、混乱状態の働き蜂がみられた屋根面に短期給餌用の給餌器を設置したところ、放飼当日から摂取個体があらわれた。巣箱の前に長期給餌用の給餌器を設置したところ、放飼7日後まで盛んな摂取行動がみられた。給餌器の設置によって、放飼7日後の群当たりの蜂の残存率は高くなった。また、ナスへの訪花開始が速くなり、放飼7日後の訪花活動数は慣行と同等以上であった。以上のことから、給餌器の利用は、放飼初期のセイヨウミツバチの消耗軽減と訪花活動の安定に効果があることが明らかとなった。

野菜係 宮本雅章

施設キュウリでの赤色防虫ネットの利用がタバココナジラミの侵入に及ぼす影響[短報]

【緒言】

 施設キュウリにおいて、ミナミキイロアザミウマおよびタバココナジラミはウイルス病を媒介する難防除害虫として知られている。近年市販された赤色防虫ネットは、ミナミキイロアザミウマに対して従来使用されている防虫ネットと比べ高い侵入抑制効果が確認されている。しかし、タバココナジラミに対しては目合い0.8mm赤色防虫ネットでは抑制効果は低く、ネットの目合いによる影響が大きいとしている。赤色防虫ネットは、目合い0.6mmの規格も販売されており、赤色防虫ネットの普及に向けて本規格による侵入抑制効果を明らかにしておく必要がある。
そこで、目合い0.6mmの赤色防虫ネットを用いてタバココナジラミの侵入抑制効果を従来の防虫ネット等と比較検討したので報告する。

病害虫係 吉澤仁志

 ヤマノイモ「ぐんまとろりん」の効率的な種イモ増殖法[短報]

【緒言】

 ヤマノイモは栄養繁殖性作物であり、親芋を分割して種芋とする。ヤマノイモ生産に用いる種芋の標準的な分割法は首部50グラム、胴部60グラム、尻部70グラム(以下、慣行法)とするものであり、増殖効率が低く、翌年の種芋として多くの親芋を確保する必要がある。
 群馬県農業技術センターでは、棒形状の割合が高く、生産性および市場性に優れるヤマノイモ品種「ぐんまとろりん」をイチョウイモ(Dioscorea opposita Thunb.)から選抜育成し、2014年に品種登録を完了した(第23474号)。 「ぐんまとろりん」の育 種法は、既存の遺伝変異を評価して優良個体を選抜し、無性的に増殖を行う栄養系分離法によるものであり、増殖はもとの親芋1個体から毎年、分割を繰り返して芋数を増やす必要がある。慣行法による増殖では効率が悪く、現地への種芋供給には時間がかかりすぎる懸念が生じたことから、ヤマノイモは種芋が小さいほど新芋の初期生育が促進されることに着目して、慣行法より種芋を小さく分割する増殖法を検討したので報告する。

野菜第一係 畠山雅直

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