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平成30年度 病害虫発生予察特殊報 第2号 レタス黒根病(仮称)

* 特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。

1 特殊報の内容

  1. 対象病害名 : レタス黒根病(仮称)
  2. 病原菌名 : Thielaviopsis basicola (Berkeley & Broome) Ferraris
  3. 発生作物 : レタス
  4. 発生地域 : 県北部

2 発生概況

発生確認の経過

 平成28年8月、県内のレタスほ場において、外葉の黄化、萎れ、生育遅延などの症状を示す生育不良株が発生し、根から糸状菌が分離されました。分離菌を用いて接種試験を行ったところ同様の病徴が再現され、根から接種菌が再分離されました。分離菌を千葉大学に同定依頼した結果、Thielaviopsis basicola と同定されました。本菌によるレタスへの病害は国内で初めて確認されたため、レタス黒根病(仮称)とすることを提案しました。

3 病徴および被害

 地上部は、外葉の黄化、萎れ、生育遅延などの症状を呈し、症状が進むと結球しないなどの著しい生育不良となります。
 また、根部において、軽症株では、根の一部が帯状に黒変、隆起し根表面に亀裂が生じます。症状が進むと、根全体が黒変し、細根が腐敗脱落します。主根内部の褐変はほとんど観察されませんが(図2)、一部の株では、褐変することもあります。

4 病原菌と発生生態

 病原菌は、糸状菌の一種で、不完全菌類に属します。土壌中に生息する土壌伝染病菌で、罹病部に内生分生子や厚膜胞子を形成し、罹病残渣とともに土壌中に残り伝染源となります。なお、厚膜胞子は、土壌中に長期間生存できるとされています。
 本菌は、ナス科、ウリ科、マメ科、セリ科作物など広範な植物に寄生する土壌病原菌です。これまで、国内においてレタスでの発症事例はありませんでしたが、海外では、豪州、米国において報告されています。また、国内では、オクラ、タバコ、スイートピー、ミツバ、パンジーなどで、本菌による病害が発生しています。

5 防除対策

  1. 現時点では、本病に対する登録農薬はありません。
  2. 発病ほ場の土壌は、ほ場外に持ち出さないでください。発病ほ場での作業は、最後になるように計画し、作業終了後はトラクター等の農機類や長靴等の洗浄を徹底してください。
  3. 強風や大雨等により、被害残渣や発生ほ場の土壌が飛散・流出すると、発生地域を広げる原因となります。ほ場周縁部や休耕地には麦類を栽培したり、防風ネットを張るなどして、雨風による土壌の拡散を防止してください。また、ほ場には明きょを設け、大雨による土壌の流出を防いでください。
  4. 発病に対し、品種間差があることが示唆されています。
図1レタス黒根病(仮称)発症ほ場の写真
図1 レタス黒根病(仮称)発症ほ場
図2発症株の主根横断面の写真
図2発症株の主根横断面
図3発症株の根の外観の写真
図3発症株の根の外観

左:比較的症状が軽い株、中:病徴部拡大、右:重篤(著しい生育不良)株

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