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平成30年度 病害虫発生予察特殊報 第3号 ネギネクロバネキノコバエ

本県において、ニラでネギネクロバネキノコバエによる被害が初めて確認されました。

* 特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。

1 特殊報の内容

  1. 対象病害虫名 : ネギネクロバネキノコバエ
  2. 学名 : Bradysia sp.(学名未確定)
  3. 発生植物 : ニラ
  4. 発生地域 : 県中部地域

2 発生概況

1.発生確認の経過

平成30年11月、県中部地域のニラで地下部の茎葉を加害するクロバネキノコバエ科幼虫が確認されました。採取した幼虫を群馬県農業技術センター内で羽化させたところ、成虫の形態がネギネクロバネキノコバエと酷似していました。そこで、農林水産省横浜植物防疫所に詳細な診断を依頼したところ、形態観察及び遺伝子診断からネギネクロバネキノコバエと同定されました。

2.国内の発生状況

平成26年に埼玉県北部のネギ、ニンジンにおいてクロバネキノコバエ科幼虫による被害が発生しました。本種はその後、我が国ではこれまでに確認されていない種である可能性が高いことが判明し、平成28年6月に埼玉県から特殊報が発表されました。その後、平成28年12月、群馬県東部地域のネギにおいても同種のクロバネキノコバエ科幼虫の発生と被害が確認されたことから、平成29年3月に本県においても特殊報を発表しています。

3 形態および生態

  1. 成虫の体長は、雌雄ともに2~3mm程度です(図1)。幼虫は白色を帯びた透明の体で黒色の硬い頭部を持ち、老熟幼虫の体長は4~6mm程度です(図2)。既知種のチバクロバネキノコバエ B.impatiens とは雄の触角第4節の長さと幅の比が異なってる等から区別できます。
  2. ネギにおいては、夏期も含めて断続的に寄生しています。成虫は初夏と秋にほぼ1カ月程度の周期で発生のピークがあり、幼虫は土寄せ前は主に盤茎に寄生していますが、土寄せ後は葉鞘に移動し加害します。ニラにおける生態は調査中です。

4 被害の特徴

幼虫が地下茎葉部を加害することで(図3)、加害された株は生育不良になります。地下部を激しく加害されると地上部の茎葉が萎れて枯れてしまいます(図4)。ただし、寄生頭数が少ない場合には地上部から被害の有無を判別することは困難です。

5 防除対策

  1. 本種のまん延防止のため、収穫終了後は可能であれば土壌消毒、またはキルパーによる古株枯死処理を実施してください。すき込むときは、石灰窒素による植物残渣の腐熟促進等の処理を徹底してください。
  2. 次作のニラを作付ける場合は、一世代相当期間(20度で40日間程度)空けてください。
  3. 近隣に秋冬ネギ圃場がある場合は、ニラとネギの間で本種が周年で生存できる環境になるので、ネギ栽培での防除を徹底してください。
  4. 現在、ニラにおけるクロバネキノコバエ類の登録薬剤はありません。
ネギネクロバネキノコバエ成虫の写真。左が雄、右が雌の写真
図1 本種の成虫(左:雄、右:雌)
ネギネクロバネキノコバエの幼虫の写真
図2 本種の幼虫 
ネギネクロバネキノコバエの幼虫に加害されたニラ地下部の写真
図3 幼虫に加害されたニラ地下部
ハウス栽培でのニラのネギネクロバネキノコバエによる被害状況の写真
図4 ハウスニラにおける本種の被害

*ニラは地上部を収穫することから、収穫物に本虫が混入する可能性は低いですが、出荷調製時に本虫の付着がないことを十分に確認してください。なお、本虫が付着した農産物を食しても人の健康を害することはありません。

参考資料:農研機構(2018)ネギネクロバネキノコバエ(Bradysia sp.) 防除のための手引き-2018年改訂版

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