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ニジマス

更新日:2017年6月20日 印刷ページ表示

ニジマスの写真

 この種は、体側に虹のかかった様相を示す帯状の部分があることからニジマスと呼ばれ、腹部を除いた体および背びれ、尾びれに小黒斑が散在しています。

 日本に登場したのは明治10年、アメリカ・カルフォルニア州の河川に産卵した卵1万粒を、米国から寄贈されたのが最初で、明治20年以降、何度も移入され、日本各地で放流や養殖が行われてきましたが、河川またはダム湖へ定着した例が少ないのもこの種の特徴です。その理由として、日本の河川は急勾配のため本種の生息に適さず、また、ヤマメ・イワナなどの生態研究が進むにつれ、在来種との競合に弱いためとも考えられてきました。

 この種には陸封型と降海型(スチールヘッドトラウト)があり、基本的にはサケと同じで、海と川を行き来する回遊魚です。河川では比較的上・中流域に生息し、なわばりをつくることが多い。好適水温は成長段階で異なりますが、稚魚から成魚期は18度前後で、温度変化に対する適応力は強い。近年、高温(27度)で採卵可能な高温耐性種も開発されています。活動水温の下限は5度位です。

 食性は水生・陸生の昆虫、小型甲殻類、貝類、小魚などを捕食します。降海型には夏に海へ下る群と、冬に下る群があり、海で過ごす期間は1~4年です。日本での産卵期は一般に12~3月ですが、寒冷地では5、6月に行われます。一方、養殖親魚からの採卵は10~3月が主で、夏季に採卵可能な親魚も育成されています。卵の直径は3.0~5.7mmの球形で、水温5~14度で、90~20日位でふ化します。稚魚のパーマークは8~13個で比較的少なく、成長は生息環境によって著しく異なり、成熟年齢も雄で1~5年、雌で2~6年と幅が広く、産卵は数年にわたって行われます。人工ふ化は容易で、高水温にも強いのでサケ科魚類の中で最も多く養殖され、一般食用に供されるほかに、釣り堀や渓流を利用した釣り場の主な対象魚種となっています。

 県水産試験場でも、3年成熟系ニジマス「ギンヒカリ」や遊漁用ニジマス「ハコスチ」のように、一般消費者のニーズに合ったブランド魚を開発しました。

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