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ドジョウ類

更新日:2011年3月22日 印刷ページ表示

ドジョウ類の画像

 ドジョウは日本のどこでも普通に見られ、民謡や唱歌などで歌われて親しまれています。また、食用としてドジョウ汁や柳川鍋などに利用され、昔から庶民的な食べ物としても知られています。一般にドジョウと呼ばれているのはマドジョウのことで、コイ目ドジョウ科に属し、仲間にはホトケドジョウ、シマドジョウ、スジシマドジョウ、エゾボトケ、アユモドキなどがいます。本県には、ドジョウ、ホトケドジョウ、シマドジョウの3種類が生息していることが、これまでの調査で確認されています。

 ドジョウは温水性の魚で、10本の口ひげを持ち、柔らかな泥の多い沼、池、水田などに生息し、水底に静止していることが多いですが、時には泥の中にもぐることもあります。呼吸は鰓(エラ)だけでなく、消化管末端部の直腸部でも行われます。時々水表面に浮かび上がって空気を飲みこみ、肛門から気泡を放出します。これが腸呼吸と言われるもので、この魚の特徴となっています。

 産卵は4月から7月頃まで行われ、ピークは梅雨の頃。生後2年を経過した雌が水のきれいな浅場で産卵します。1尾の雌の体に、数尾の雄が口で吸い付き、その中の1尾が雌の腹部を締めつけて放卵させ、同時に雄も放精します。産み出された卵は弱い粘着性があって、水草等にも付着しますが、ほとんどは泥の底に落ちます。1尾の雌が、7千粒から1万粒くらいの卵を生み、水温20度の場合で約2、3日でふ化し、さらに4、5日すると泳ぎ始めて、動物プランクトンを食べるようになります。

 ドジョウは雑食性の魚といわれていますが、体長が5cm以下のときは小甲殻類を食べ、5~8cmになると、甲殻類のほかにイトミミズなども食べるようになります。また、8、9cmに成長すると、植物の茎、根、種子なども利用するようになり、生まれて1年以上を経過した9cm以上のものでは、動物質より植物質を多く食べるようになります。

 ドジョウ養殖は、農業の副業として行われていますが、最近になってある程度の規模で行う経営体も増えています。しかし、養殖の歴史がまだ浅いため、配合飼料の適正な成分組成や給餌量、種苗の適正放養密度など、解明されていない点も多いのが現状であります。