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第7回定例記者会見要旨(9月18日)

更新日:2019年9月18日 印刷ページ表示
  • 日時 令和元年9月18日(水曜日)午後14時00分~14時48分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 21人
  • 記録作成 広報課(報道係)

令和元年9月18日の記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

会見要旨

知事発言

 まず冒頭、豚コレラ対策に関する新たな方針をお話をさせていただきたいというふうに思います。まず、豚コレラ対策ですが、国内有数の生産県である群馬県の養豚業を守るために、皆さんよくご存じのとおり、県として今できる最大限の対策として、「豚コレラ対策緊急総合支援」を9月5日付けで知事専決をさせていただきました。支援を行うにあたっては、これも記者会見で申し上げましたが、両副知事、関係部長とも手分けをして全ての関係市町村を訪問し、県の取り組みへの協力を依頼をさせていただきました。
 結果、多くの市町村から前向きの回答をいただいております。私が知る限り現時点で14市町村ぐらいでしょうか、それぞれやり方は違うところもありますが、(補助率)4分の1を確保したいということで協力をいただいたということを感謝申し上げたいと思いますし、関係者一丸となってこの対策に取り組んでいる状況になっていることはよかったというふうに思っています。飼養豚への予防ワクチンの接種に関してですけれども、皆さんよくこれもご存知のとおり、ワクチンを打った場合、清浄国認定が取り消されて輸出が難しくなるだろうということとか、あるいは他の非清浄国からの輸出圧力がなかなか厳しい、この輸出圧力に抗し難くなるんじゃないかというような見方もあったり、あるいはさらに深刻なのは、もともと豚肉の流通体系というのは、広域流通でなおかつトレーサビリティを確保するっていうのは非常に難しいということもあって、地域限定の流通制限っていうのは極めて難しいということがあったり、あるいは摂種した場合の流通の麻痺や、あるいは風評被害による販売価格の下落等が予想されるわけであって、これは養豚農家の経営に重大な影響を与えるだけではなくて、県産のブランドとしての豚肉をなかなか守ることができないんじゃないかというようないろんな理由があって、少なくとも当面、これは実施は困難だろうという見方もあって、そういう分析も踏まえて、今でき得る対策として、先般、豚コレラ対策緊急総合支援事業というものを専決でやらせていただいたということでございます。
 まず体制を整えて、しっかりと豚コレラの発生を食い止めるということを考えておりましたが、豚コレラのその後の状況を見ると、感染拡大のスピードが予想以上に早いと。皆さんご存知のとおりだと思いますが、9月13日に埼玉県の養豚場で、14日、翌日には長野県の畜産試験場で立て続けに発生が確認されました。17日、埼玉県で2例目が発生しているということで、豚コレラウイルスの侵入リスクは一段と高まっているということを認識をしています。新たなステージに入ったと言ってもいいんじゃないかと思います。
 昨日も前橋市の養豚農家から要望を受けました。切実な現場の声というものをお聞きをして、県としてはさらなる対応として消石灰の配布を前倒しをさせていただいて、昨日、17日ですけれども、秩父市と隣接する西毛地域の重点エリアでは優先的に資材の配布を行ったということです。こうした状況、あるいは昨日の養豚農家の皆さんからの要望等々、いろんなことを踏まえた上で、新たな対策としてウイルスの侵入リスクを軽減させるための消毒ポイントを設置するという方針を決定いたしました。これは埼玉県、長野県から本県に入る畜産関係車両の消毒を徹底するということです。詳細については、消毒ポイントの設置について、メディアの皆さんにも1枚紙で配っておりますが、そこに書いてあることが主な内容ですけれども、詳細については現在検討中のところもあります。なお、予防目的の消毒ポイントの設置というのは、まだほとんどどこもやってないんですけれども、調べたところ静岡県が1カ所でやっているということで、これはおそらく愛知県からの侵入を防ぐという目的だと思います。今回、県境に複数設置するということになれば、これは群馬県が初めてであるというふうに認識をしています。
 さらに先ほどちょっと言及をさせていただいた、飼養豚への予防ワクチンの接種に関してですけれども、豚コレラウイルスの侵入リスクが、先ほど申し上げたとおり、危機的に高まったという状況も踏まえて、従来の判断のままでは養豚農家を守れなくなるのではないかということもあり、あるいは現場の本当に切迫した要望をお聞きしたということもあり、協議を重ねた結果、本県としては国に対して、流通対策等を講じた上で、全国一律のワクチン接種の要望をさせていただきたいと、これが必要だという判断に至ったわけです。今後、知事である私自身ができるだけ早く上京して、国に対して要請を行いたいというふうに考えています。まだ詳細は決まっておりませんけれども、出来るだけ早く上京させていただこうと思っておりますし、また関東近県、北関東には養豚県がありますので、こうした近県との連携についても検討させていただきたいと思います。
 改めてちょっとご説明いたしますが、消毒ポイントの設置ですけれども、目的は、今この豚コレラの発生リスクというものが非常に高まっていると、新たな段階に入っているということで、埼玉県と長野県から群馬県に入る畜産関係車両の消毒を行って、県内の豚コレラウイルスの侵入リスクの低減を図ることが目的です。概要は、そこにも書いてありますけれども、埼玉県及び長野県との県境近辺に消毒ポイントを設置し、養豚農場に出入りする畜産関係車両の消毒を行うということで、候補地はいくつかありますけれども、まだこれからどうなるか分からないので、いろんなことを検討して総合的に決めていきたいというふうに考えております。以上が豚コレラ対策に対するご報告です。後でまたいろいろとご質問は受けさせていただきたいと思っています。
 続けて台風15号災害に係る支援について、言及したいと思います。このたび、台風15号によって被害に遭われた方々に対しては、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。皆さんご存じのとおり、現在でも千葉県では停電、断水が継続しておりまして、多くの方々が不自由な生活を余儀なくされているということです。被災した千葉県に対しては国とか、あるいは近隣都県が支援を実施しておりますけれども、群馬県としても、これまで大きくいうと三つ実施しておりまして、一つは、厚労省の要請に基づいて、DMAT(災害派遣医療チーム)を7チーム、DPAT(災害派遣精神医療チーム)を2チーム、千葉県に派遣中です。(※実際は、DMATについては9日~14日まで、DPATについては10日~12日まで派遣)
 さらには、関東知事会の要請に基づいて災害支援物資としてブルーシート620枚を千葉県に提供させていただいています。
 加えて、3番目として、これも厚労省からの要請に基づいて、本日から保健師のチームを鴨川市に派遣をしているということでございます。引き続き、国、被災した千葉県と連携しながら、人的・物的支援について、また追加の要請があれば、私たちとしても迅速に対応させていただこうと思います。
 もう一つあります。県立女子大学における講義についてです。これもメディアの皆さんに1枚紙を配付させていただきました。10月から知事が群馬県立女子大の客員教授になって、「知事と語り合う地域政策論~今そこにある課題を激論!~」と副題がついてますけれども、これをテーマにして県庁の部課長と共に全15回の講義を行いたいと考えています。講義の狙いは、ご覧の四つです。
 一つは、全国に四つしかない国公立の女子大学の一つである県立女子大で講義をするということで、この県立女子大の素晴らしさというものを内外にアピールし応援をしたいと。今、女子大は国立が確か御茶ノ水と奈良女子大、県立は確か福岡と群馬県にしかないということです。これも群馬県の重要なコンテンツとして十分発信できるというふうに思っています。
 二つ目は知事と学生が、今地域にある生の課題を主体的に議論することによって、女性リーダーを育成するということです。
 三つ目は、県政を身近にと書いてありますが、地域社会、政策課題に関係する部課長も講義に参加をしてもらうと。今そこにある問題を、しっかりと議論してもらうということで、県民との距離を縮め、そして県政を身近に感じてもらいたいという狙いもあります。
 四つ目として、この講義で取り上げるテーマによって、県立女子大の学生が本県の魅力に気づいて、県内に就職するのを後押ししたいと。これは県立女子大の方でも、このぐらいの学生に群馬県で就職をしてほしいという確か目標を立てていると思いますので、それもしっかりと後押しをしていきたいというふうに思います。
 客員教授になって現職の知事が講義連続15回ですけれども、これはおそらく全国的にも例がないというふうに思います。やはり人材育成っていうのは、知事が先頭に立って、県庁が先頭に立ってできることをやっぱり進めていきたいというふうに思いますし、県庁のいろんなインスティチューション・メモリー(機関の記録=組織文化)とか、あるいは県庁職員の実績、経験というものは、こういう形で人材育成、教育にも生かせると、こういうことも発信をしていきたいというふうに思います。同時に、1番のポイントは私は客員教授ですけれども、場合によって2人の副知事とか、あるいは部課長、若い人もそうですけれども、課長クラスにも来てもらって、それぞれのテーマを語ってもらうっていうことで、県庁職員の表現力を伸ばすと、こういう密かな狙いもあるということも付け加えたいと思います。なお、初日の10月3日に県立女子大学で記者会見を予定しております。中身は、そこに配ってあるテーマでやらせていただこうというふうに思います。ということで、冒頭のお話はここまでにしたいと思います。何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

内閣改造について

(記者)
 内閣の大幅改造がありましたけれども、その顔ぶれへのご感想と、もしまた今後会いに行かれるとした場合には、どなたと優先的に会って、どんな話をされたいのかっていうところをまず聞かせてください。
(知事)
 内閣改造でずいぶん大臣も代わられたので、どっかのタイミングでやはり群馬県に関係のある主要な大臣には、ぜひお目にかかりたいなというふうに思っております。
 内閣改造の感想はどのぐらい長くしゃべっていいのかって、1時間ぐらいかかるけれども、短くざっと言わせていただくとですね、まず小泉進次郎環境大臣、ものすごく期待しています。小泉進次郎議員は、実は昔、私の直滑降ストリームにも出演してもらったんですけれども、一言で言うと、自民党一座の天才名子役だった時代があって、その後、天才名子役が、気鋭の期待の若手俳優になって、いよいよ今回初めておそらく主役級の舞台を踏むということですね。段階を踏んでここまで来たのかなと思うのですが、何か次の総理にみたいな話があるんですけれども、政界に24年間いて、小泉進次郎衆議院議員にも注目してきた感覚から言うと、焦らずに本当に修行を積んで50代ぐらいでしっかりと総理になってほしいなというふうに思います。とても大事な人だと思います。
 河野防衛大臣、30年来の親友なんですけれども、河野太郎大臣には、できるだけ早く会いに行きたいというふうに思っています。やはり外務大臣から今度防衛大臣、重要閣僚を続けてやるっていうことなんですが、総理がそれだけ河野大臣を評価しているというのはとっても嬉しいし、ある意味、何度も言ってるように24年間いろんな外務大臣を見てきましたけれど、ナンバーワンだと思いますね、発信力も含めて。今はもうネットの世界でもこの間、話がありましたけれども、アスク太郎をやってからのネットの存在感っていうのは、ずば抜けてるので、政治家の中では。やはり防衛大臣としてもその発信力も生かして、その知識も生かして大活躍をしてほしいと思いますし、これからも、大臣になろうとなるまいと、政治家であろうとあるまいと河野太郎とは親友だと思ってるんで、ずっと群馬県からも応援したいし、群馬県にも防衛大臣として、ちゃんと私の番組に出るために来てもらいたいというふうに思ってます。
 それから茂木外務大臣。私は河野太郎大臣の続投が国益だと言ってきましたが、河野大臣の後できるとしたら、茂木さんしかいないと思っていたので、茂木大臣の国際感覚を生かしてぜひご活躍をいただきたいと思います。
 すごくいい人事だなと思ったのは、やはり党の中で本当にまじめに活動して専門知識がとてもある二人が大臣になったと。一人は江藤拓農水大臣。江藤さんは本当に自民党の部会の中で地道に活動してきて、農政ものすごく詳しい。やはりこれから攻める農業を安倍内閣でやっていかなきゃいけない。あるいは豚コレラみたいな問題にも対応していかなきゃいけない。こういう時期に江藤拓大臣のように、本当に政策をまじめに勉強してきた人が農水大臣になったっていうことは、地域にとっても、これから農業振興していく地域にとっても、とっても心強いことだと思っています。
 それから菅原一秀経産大臣にもどこかで必ず会いに行かなきゃいけません。宇留賀副知事を選んでくれた中心人物は世耕幹事長なんで、もちろん世耕さんの所にも行きますが、菅原大臣に会って、まず経産省から素晴らしい人材を送ってもらったと。本当に活躍していただいているということは、報告に行きたいと思ってます。一秀さんも二世議員ではなくて、毎日街頭に立って、叩き上げでここまできたと。経産部会で本当にまじめに活動を積み重ねてきたということで、菅原一秀さんも仲間の一人なんで本当に嬉しいと思いますし、一秀経産大臣にもできるだけ早くどこかで会いに行きたいなというふうに思っています。
 それからさらに嬉しいのは、仲間である橋本聖子議員会長がオリンピック・パラリンピック担当大臣になったと。まさしく適材適所だと思います。ぜひ聖子さんには、五輪担当大臣、オリパラ担当大臣として、群馬県に来てほしいし、あるいはもう1回言いますが、番組にも出てもらうというふうに思っています。
 それから2度目になるんでしょうか、高市早苗総務大臣。高市早苗総務大臣にも、どこかでお目にかかりたいと思いますし、特に総務大臣ですから、ぜひ地方自治について、群馬県についても応援して欲しいなと思ってます。
 最後に経産大臣を退いた世耕弘成参院幹事長ですけれども、ずっと世耕さんといろんなことを一緒にやってきて、経産大臣の3年間を見て、これから幹事長に戻ってくるっていうことなんですけれども、吉田博美参院幹事長は親友で大好きな人で、本当に名幹事長だったというふうに私は思っていますが、世耕さんは、なかなか今までにない、歴代でも強力な幹事長になると思うんですね。政策が抜群にできると。さらに政局もできる。一緒に何度もやってきたんで、政策がこれだけできて、政局ができて、メディアへの発信力もあり、なおかつ今、参議院の大勢力図を見ると、やはり清和政策研究会がすごく多いんですね。なおかつ総理にも繋げるっていうことなんで、いろいろな総理の影響力が強まるみたいなことを言ってる人もいますが、総理とのパイプも生かして安倍政権を支えつつ、なおかつ、参議院の独自性を発揮する、存在感を高めると。これは世耕幹事長ならできると思うんで、世耕さんにもどこかで会って、いろいろ群馬県のこともお願いしていきたいというふうに思います。これ以上やってると1時間ぐらいかかっちゃうんで、これぐらいにさせてください。

豚コレラ対策について

(記者)
 豚コレラの件なんですけれども、確認なんですが全国一律のワクチン接種を国に要望していくっていうことでよろしかったでしたっけ。
(知事)
 ワクチン接種は例えば一部で、地域限定でやったらどうかっていう議論も出てると。地域限定でやって、ワクチンを打った後は、その地域限定で流通させればいいじゃないかっていう話があると思うんですけれども、これはちょっとブログにも書いたんですが、養豚関係者はみんな知ってると思うんですけれど、例えば群馬県の場合、ワクチン打たせていただきますと、県内流通でやりますっていうことは不可能です。ほとんどのおそらく養豚県で、県内でまず流通させるみたいなことは極めて難しい。地域でできるかっていうとそれも大変難しい。ですから、もし国がやると決めるんであれば、やっぱり全国一律にワクチンを打ってもらうっていうのがいいと思います。
 ワクチンを打たない非清浄地域と清浄地域が出るっていうことは、それだけで極めてワクチンを打ったところが不利な状況に置かれるということもあるので、これは本当に群馬県の養豚業のブランドを守るっていう意味でも死活的に大事だというふうに思ってます。
(記者)
 それは県単独で要望していくのか、他と何か一緒になって要望していくのでしょうか
(知事)
 それはいろんなやり方があると思うんですけれども、これから特に養豚県、近くに茨城県も、それから栃木県もありますから。埼玉、群馬県に比べたらそんなに多くないかもしれませんけれども、ここでも確認されてますので、ここら辺の知事との連携は、一緒にできることがあるかっていうのは、これから模索していきたいと思います。
(記者)
 豚コレラの関連で伺いたいのですが、消毒ポイントの設置に関しては予算の規模としてはどれぐらいになりますか。
(知事)
 それはまだこれからですね。消毒ポイント数は何カ所になるかわからないんですけれども、これはきちっと設けたいと思うんですけれども、100%リスクを遮断するってことはできないと思うんですよね。ただ、昨日も養豚農家の方々とのお話の中でもあったように、例え3分の1でも、4分の1でも、5分の1でも、やっぱりリスクを軽減できることを県としてはやるべきだという結論に達しました。個々の養豚農家の方々は相当努力してますから、でも養豚農家だけでできることも限られてる。そういう中で県として何ができるかっていうことを考えた時に、今言ったようにリスクを少しでも軽減する手段として、消毒ポイントっていうのは考えられるんじゃないかと。何カ所に、どこら辺に、数カ所になると思いますけれど、設置するかっていうのは、これからよく検討して決めていきたい。さっき言ったように候補地がありますけれども、まだちょっと状況によっては、変わりうると思うんで、そこはしっかり考えたいと思うのと、高速道路は無理だと思います。ただし、高速道路を走ってる畜産関係の車っていうのは、さっき農政部長に聞いたら、どうも台数が限られてるっていうことなので、そういう例えば会社とか、飼料を扱ってるところもあれば、おそらく運送しているとこもあると思うんですけれども、そういう会社にはしっかり呼びかけて、できる限り群馬県に入る時はですね、その消毒ポイント通ってもらうような、この働きかけは、絶対やらなきゃいけないと思いますし、県がその連絡をこれから始めるというふうに思ってます。
(記者)
 ワクチンの接種を国に要望されるというのは、昨日伺った時点だと福井と三重の知事さんが正式に要望されていると聞いてまして、まだ非感染県である都道府県としては、初めてという理解でよろしいでしょうか。
(知事)
 今おっしゃったようにはっきりと明確に言ってるのは福井と三重ですよね。埼玉は会見か何かの模様をちょっと聞いたんですけれども、メリットとデメリットを政府に早く整理してくれみたいなこと言っていて、はっきり言ってない。それから長野もいろいろ言ってますけれど、まだそこまでは明言しないということで、つまりそれだけやっぱりワクチンの接種っていうのは難しいと、みんなわかってるんだと思うんですよね。その後の流通の展望がない中で、それぞれの県の知事も葛藤してるんだというふうに思います。ただし、こうした発生県と比べて群馬県の場合は何度も言ってるように、全国4位の養豚県ですから、それからこの豚肉のブランドの価値等を考えると、万が一、群馬県内で豚コレラが発生した場合の影響、これはもう計り知れないものがあるということで、今言ったいろんな条件のもとで、これはもう私自身が要望しようというふうに決断をいたしました。非感染県ではおそらく初めて、もし要望するとすれば。
(記者)
 非常に政治的な判断だと思うんですけれども、いろんな憂慮がおありだったと思うんですが、ワクチン費用については、農家さんの負担がないようにというようなことはお考えでいらっしゃいますか。
(知事)
 ワクチンの費用。まだそれは、ワクチン使われているわけではないから、その段階でまたいろいろあると思いますけれど、今の段階でそこまでの議論はしてません。
(記者)
 デメリットっていうのがいろいろ言われている。迷われる要素がたくさんあるんだと思うんですけれども、そこに関しては知事としてはある程度クリアというか、何とかなるだろうというふうにお考えですか。
(知事)
 確実にそういうデメリットがクリアできるっていう、そういう確信はありません。それでも今、全体の状況を見た時に、これだけの養豚県である群馬県に、これだけ豚コレラの危機が迫っていると。なおかつ、現場で養豚をやっている方々が本当に不安に思っていると。本当に豚コレラが発生したらやめざるを得ない方々もいるわけであって、そういう中で今、県として何ができるかっていうことをギリギリ考えた上で、政府に対しては、きちっと流通の方も確保してくださいということをしっかりと要望していくということが今の段階では、あるべき方向かなというふうに考えたということです。
(記者)
 全国一律のイメージなんですけれども、感染県だけではなくて、例えばその北海道ですとか、鹿児島ですとか、そういうところも含めて一律に接種すべきだという理解でよろしいですか。
(知事)
 本当に国が豚コレラのワクチン接種を強化するっていうことであれば、やはり全国一律でやっていただくということがいいと思います。
(記者)
 先ほど知事がおっしゃられた全国一律の接種の条件ですね。流通対策を講じた上でというようなことをおっしゃられたかと思うんですが、具体的にはどういった内容で、どういった狙いの流通対策を求めていかれるということなんでしょうか。
(知事)
 流通対策というかさっき申し上げたとおり、豚肉を例えば群馬県が豚コレラのウイルスのワクチンを打った場合に、県内で限定して流通させるっていうことは、これは無理ですから。だから当然、流通経路を確保してもらえないと、もちろん風評被害も出てくるし、これはなかなか養豚業が成り立っていかなくなるということなんです。少なくとも例えば、全国一律でワクチン接種っていうことになった場合は、輸出はなかなかしにくくなると思いますし、あるいはさっき申し上げたとおり、非清浄国からの輸入圧力には、なかなか抗じづらくなることも事実だと思いますが、少なくとも国内の流通については、確保される可能性があるということなんで、そこはきちっとした流通対策を行ってくださいと、こういう意味です。
(記者)
 9月5日ですか、当初、補正を組まれた時は、ワクチンは考えていらっしゃらなかったということですけれども、昨日前橋をはじめとしてJAの方々いらして決断されたということなんですが、決断の大きな決め手となった理由というのを改めてお聞きしたいんですけれども。
(知事)
 それはさっき申し上げたとおり、当初はいろんな諸情勢を分析した上で、当面はワクチン接種の選択肢はこれはなかなか難しいだろうという判断の中で、今県ができる最大限のことは何かと考えた時に、豚コレラを食い止めるために最大限の対策を打つという話だったんですけれども、当初はイメージからいくと、全国でも最も手厚いと思われる対策を取ると。これで今、14市町村も、もうちょっと増えるかもしれませんけれども、対策に協力してくれて、養豚農家とも協力し、JAとも協力し、みんなで力を合わせて豚コレラの侵入を防ぐというシナリオだったわけですけれども、先ほど申し上げたとおりですね、やはり危機のレベルが思ったよりも早く上がってきて、埼玉でも見つかったみたいな話になってきてですね、長野の県境のことを考えてたのが、これから埼玉まで考えなきゃいけないということになって、明らかに脅威のレベルが、今そこにある危機になったと。そういう意味からいくと、やはりこのままではいけないんじゃないかということが1つ。
 それからもう1つはですね、この例えば消毒ポイントの話っていうのは、農政部内でも、おそらく既にいろいろと選択肢としては検討してたんだと思いますけれども、改めて昨日現場の養豚農家の方々の切実な声を聞いたと。これも大きな理由だと思いますけれども、そうしたいくつかの要素を踏まえての総合的な判断だということです。
(記者)
 私もあの後、養豚農家の方にお話を伺ったんですけれども実際、患畜が出たら廃業しかないっていうふうな、結構深刻な状況なんだということだったんですけれども、やはりそれが重く突き刺さったということでしょうか。
(知事)
 何か個別の事象というよりは、今養豚農家が置かれている状況、それから養豚農家の人たちの危機感、不安。そういうものを直接聞いて、それは胸に響いたということです。
(記者)
 消毒ポイントの設置のことで確認ですが、資料には実施時期について今定例会に予算議案を追加提案し、議決が得られ次第、着手する予定だとありますが、先ほどからの知事の説明ですと、危機的状況にあると、今そこになる危機をどうするかというところが大事だとおっしゃられていますけれど、消毒ポイントを設置することに関して、農政部の中での既存の予算をまず生かすような形で率先して始めてしまうという選択肢はないんでしょうか。追加でかかる費用等について、あるいはトータルで議案を作成して、その予算がどれぐらいになるという規模で議会に示すという手段もあると思うんですけれど、その辺りについてはどうでしょうか。
(知事)
 いくつかの選択肢があると思うので、それはよく検討して決めたいと思いますが、来週、本会議がありますから、本会議があれば追加議案というのは載せられるので、できることだったら、本会議があるんであれば、きちっと県議会に決めてもらって(から)、やる方がいいかなというような感じはありますけれども、おっしゃったようにいくつかの選択肢があるんで、どれが一番いいのかということはちょっと考えたいと思います。
(記者)
 本日から議会も始まっているという中にあってですね、議会にいろいろとご配慮もされているのかなというふうには思いますけれど、現場の皆さんの、養豚農家の皆さんからすると、できるだけ早く対策をとってほしいと。その間に豚コレラが県内に入ってきたら、どうするつもりなんだというふうに、いろいろ思うところもあるかと思うので、これからいろいろ考える中で、議会に提案するより前に、今週中にも着手するということはあり得ると考えてよいでしょうか。
(知事)
 それも選択肢の一つだと思います。いくつかの選択肢があるので、その中で一番適切だと思うものをしっかり選択したいと思います。
 農家の方々の気持ちはよく踏まえているし、昨日要望も受けて、ずっと議論してきましたけれども、こうして対策を決めましたし、それから知事自身が国に要請するということも決めたので、そこは我々としてもできるだけ早く対応したいという気持ちは同じです。ただそのやり方はいくつかあるので、それはちょっと早急に決めたいと思います。
(記者)
 豚コレラで上京するタイミングなんですけれども、議会が始まってしまっているタイミングなんですけれども、議会中休会の間を縫って行かれるのか、終わってからのか、それとも検討中か、お聞かせください。
(知事)
 それちょっとまだ分からないです。できるだけ早く行きたいので。
(記者)
 検討中だけれどもできるだけ早く。
(知事)
 できるだけ早く行きたいです。

群馬デスティネーションキャンペーンについて

(記者)
 プレDC(デスティネーションキャンペーン)の入り込み客数が昨日発表になって5%増ということになりましたけれども、知事の評価と今後の課題についてお伺いします。
(知事)
 我々、DCに手を挙げてDCをやるわけなんで、プレDCで入り込みが増えているというのはとてもいいことですから、この枠組みを生かして最大限に効果が得られるような方策をしっかりと打ち出していきたいと、もうこれに尽きると思います。
(記者)
 知事としての課題というか、今後、ここら辺に力を入れていきたいというようなところはありますでしょうか。
(知事)
 DCは、ある程度決まった枠組みなんでね。その中でどうやるかっていうことなんですけれども、今、言ったように最大限の効果が得られるような方策を打っていくと、このDCの枠組みの中でということですね。
JRも、もちろんとても大事にしながら、同時にインバウンドということになると、車で来る人も多いので、そこら辺のこともしっかり検討して対策を考えていくべきかなと、そういうふうに感じています。

県立女子大における知事による講義について

(記者)
 県立女子大の知事の講義の関係ですけれども、人材育成を知事が先頭に立って行われるという意思を表明されたわけなんですけれども、確認なんですが、これは女子にだけ開かれた講義になるということになりますか。
(知事)
 (県立)女子大の学生にということです。女子だけにという言葉がちょっと表現がよく分からないけれど意味が。県立女子大を知事として県が応援するっていうことは、全く問題ないというふうに思っているし、私自身がですね5年間か6年間、中央大学の公共政策学科の大学院の客員教授だったので、直接、何か自分の経験を伝えることによるインパクトというのは十分、分かっていますから、県全体でみんなで力を合わせてやっていくというのはとっても大きな意味があると思っています。
 なんで県立女子大なのかといったら、県立女子大が今、言ったような位置づけで、群馬県としても、もっともっとこの大学の素晴らしさを発信していこうという意味では非常に良い拠点になると思ったからであって、どの大学も大事ですけれど、やはり県立女子大でやるというのが1番正攻法かなと思いました。
(記者)
 県立の大学には県立県民健康科学大なんかもあるわけですけれども、例えばそちらの学生さんが希望されるようであれば、(講義を)聞ける、あるいは県内の大学生であれば、知事の講義を聴きたいという学生さんいれば、受け入れますとか、そういう予定は。
(知事)
 それは、今のところ考えていません。
 これを発表してから、発表したというかどこかの新聞が抜いてから、あっちこっちの大学から、うちに来てほしいと言われてるんですけれど、(知事は)1人しかいないし、とにかくまずここで、きちっと知事の講義、県庁のいろんなインスティテューション・メモリー(機関の記憶=組織文化)を使った生の授業というものが非常に効果的だと、意味があるということをまず示すことが大事だと思うんですよね。将来、こういうケースが他の大学に対してもできるかもしれないけれど、とりあえず、とにかく県立女子大で講義をしっかりと成功させたいと思います。
(記者)
 将来的にはさらなる発展の仕方というのもある。
(知事)
 それはまだ分かりません。まず成果を出さないといけないと思うし、ちゃんとした評価を得ないと続かないと思っています。

防災ヘリコプター墜落事故に関する慰霊登山について

(記者)
 今月の定例会見でお話が出ていたらすみません。以前、お話されていた防災ヘリの墜落事故の慰霊登山なんですけれども、9月にやられるとお話されてたと思うんですけれども、日程は決まりましたでしょうか。
(知事)
 ちょっと確認させてください。後でお答えします。
(記者)
 まだ、今のところでは知事に日程っていう形では降りてきていないということでしょうか。
(知事)
 ご家族の方がということですよね。
(記者)
 知事も行かれると言っていましたよね。知事も登られるのではなかったでしたっけ。
(知事)
 それは多分言っていないです。
 ご家族の方は行かれたらしいです。
 私がそこに慰霊登山するということは言っていません。
(記者)
 慰霊登山の関連なんですけれど、私が聞いた範囲ですと今月、既に行って、ご家族の方が登られていると。ただし、報道機関が同行することに対して、ご遺族の方から否定的な意見が出たということで、我々の方にも、いつ行いますというアナウンスがなかったようなんですけれど、行かれたのであれば、以前知事もお話になっていて、9月にも行いたいというようなことをお話しになっていたので、こういった概要でなん家族の方が何人、いつ登られてどういったことをされたのか、また往復の所要時間どれくらいでというような内容について、我々の方に開示していただければと思うんですけれども。
(知事)
 それは、登られた方々のご意向も確かめた上で、了解を得られれば、ちゃんとお話しします。やはり、今回登られた方々は、本当に内々にやりたいというお気持ちがとても強かったんだと思うので、私もちらっと聞いていましたけれども、今おっしゃった話は、登られた方々のご了解も得た上で、それを踏まえて、出せる情報は公開したいと思います。

県立女子大における知事による講義について

(記者)
 県立女子大の話に戻るんですけれども、客員教授の任期っていうのは。もう就任されたということなんですか。
(知事)
 客員教授は、おそらく10月3日に講義の前に客員教授の任命をいただけるんじゃないかというふうに思います。おそらく客員教授は普通、教授会か何かにかけてやるんだと思いますが、10月3日の最初の授業の前に客員教授に任命していただけるような話だと伺っています。
(記者)
 それはあくまで、その講義が終わる1月30日までということなんですか。それとも知事の任期中ずっとということでしょうか。
(知事)
 それは決まってないですね。ちょっと大学側とよく確かめさせてください。とりあえずこの授業の間は、客員教授やってないと困るので授業の間は客員教授です。ただ、その後、客員教授の任期はどのぐらいなのかっていうのは、まだ細かく伺ってないので確かめます。すいません。
(記者)
 確認なんですけれども、15回の講義を全て知事が出席されるということですか。
(知事)
 出来る限り。万が一、例えば大きな災害が起こるとか、あるいはどうしても外せない日程があるっていう時には、出来るだけ私がやるつもりですけれども、副知事にやってもらうっていうこともあると思うんですね。学生たちのことを考えてみれば、例えば、宇留賀副知事の最先端のITの授業を受けられるっていうのはとても意味があると思うし、県政の財政から総務まで熟知している津久井副知事の話を聞くってのはとても意味があると思うので、その時は副知事どちらかにやっていただこうと思ってますけれど、基本的には何とか全部自分でやらせていただきたいなと思ってます。
(記者)
 副知事が担当される回でも知事も同席されるのか。
(知事)
 場合によりますよね。最初のオリエンテーションは、なぜこの授業をやるのか、あるいはなぜ知事として客員教授になるというお話を受けたのか、どういう目的を持っているのかっていうことを、まずこの講義を今多分募集しているわけなので、取っていただいた学生の皆さんにきちっと説明しなきゃいけないので、その最初の講義には宇留賀副知事とか津久井副知事には来てもらうというふうに思っています。その後は、せっかく宇留賀知事の最先端の話もあるんで、何回か宇留賀副知事に少しプレゼンやってもらう授業もしたいと思いますけれど、基本的に全部私が統括するので、あとそれぞれのテーマをおそらく各課の課長とか局長とかわかりませんけれども、それぞれの担当課に来てもらうので、そこはきちっと背景説明もしてもらって、その背景説明も踏まえて、もちろん県庁の職員にもきちっと講義に参加してもらい、なおかつ学生も巻き込んでいくというスタイルにしたいと思いますが、基本的には私が担当教授として授業を持つということです。

豚コレラ対策について

(記者)
 豚コレラの消毒ポイントの件なんですけれども、例えば主要な国道沿いとか公共用地を使うとか、もし具体的なイメージをお持ちであれば。
(知事)
 そこら辺のところもさっき言ったように検討してるので。候補地はあるんですけれども、まだ確定してないんで。そこはちょっとコメントを差し控えたいと思いますが、おっしゃったようにそういうようないろんな条件を踏まえて、これからきちっと決めていきたいと思います。

県立女子大における知事による講義について

(記者)
 女子大での関係でお伺いしたいのですが、この講義は、単位が出る講義ですか。
(知事)
 単位が出る講義だと思います。
(記者)
 評価とかも知事がやられるのですか。
(知事)
 もちろんです。もちろん評価もさせていただきます。
(記者)
 受講生が何人か分からないですけれど、結構大変じゃないですか。公務との兼ね合いとかは大丈夫ですか。
(知事)
 それは、まだどのぐらいの規模になるか分からないけれど、そんなにものすごい数にはたぶんならないんじゃないかなと思いますね。そんな何百人とかという話じゃないと思うんで、評価もきちっとやらせていただこうと思います。授業を持つからには。
 中大の大学院の時は、だいたいいつも20人ぐらいだったんだけれど、きちっと評価もつけさせていただきました。

豚コレラ対策について

(記者)
 豚コレラで要望に行かれる件なんですけれども、江藤農水大臣に要望に行かれるという理解でいいですか。
(知事)
 まだ分からないです。誰に会えるか、いつどうするかっていうのは、まだ分からないんで、ただ今のところは、できるだけ早く行きたいと。
(記者)
 農水大臣とは限らないけれど、政府の方にできるだけ早く会いに行くと。
(知事)
 まだ誰が会えるかっていうのは分からない。
(記者)
 豚コレラの消毒ポイントの確認ですけれども、さっきもちょっと話していたと思いますが、今日にも明日にも来るかもしれなくて、そしたら後手に回ったとなってしまうと思うんですけれど、知事としたら、数日中とか、今週中とか、来週中とか、できるだけ早くとか、お言葉としたらどうでしょうか。
(知事)
 できるだけ早く。できるだけ早くやるために、いくつかの選択肢があるんで、それを早急に決めたいと思います。後手に回ったとは思わない。全く後手に回ったとは思わない。そうは思っていないです。
 緊急対策もできる限り早くやったつもりだし、今回のも、今の状況を受けて、できるだけ早い対応をしたいと思います。その選択肢はいくつかあるので、それは早急に決めたいと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、広報課において加筆したものです。