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第26回定例記者会見要旨(2月6日)

更新日:2020年2月6日 印刷ページ表示
  • 日時 令和2年2月6日(木曜日)午後2時00分~3時7分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 34人
  • 記録作成 広報課(報道係)
  • 配布資料 令和2年度当初予算案について ←リンク先ページからダウンロードできます。

令和2年2月6日記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

会見要旨

知事発言

 それでは記者会見を始めさせていただきたいと思います。
 今日は当初予算の発表ということで、かなり中身が長くなりますけれども、大事なことなんで最後までお付き合いをお願いしたいと思います。
 (配布資料を基に説明)まずですね、思い切った事業の見直しによって、財政の健全性の確保に向けた一歩を踏み出すと同時に、県民の幸福度の向上に向けた新たな取り組みを推進する、こういう予算だという思いを込めてですね、3つぐらい今回の予算を象徴するキーワードを考えました。
 1つは、「改革+創造予算」。この改革というのは行政改革のことです。創造予算というのは、行政改革をやりつつも、しかし、県に新たなリソースを生み出すための施策・事業をしっかりやっていかなきゃいけないっていうことでですね、これを両方加味した予算という意味です。
 もう1つは、「新群馬創生始動予算」ということで、新しい群馬、一朝一夕ではできませんけれども、少なくとも新しい群馬県をつくっていくための仕事に着手したと、それが始まったという予算にしたいという思いで、こういうキャッチコピーにしました。
 そして、もう1つはですね、「前例踏襲脱却予算」ということで、今までの前例にとらわれていたら、やはり新しい道を開けないということでですね、これまでの、必ずしも前例にとらわれない考え方で、予算を作らせていただきました。
 なお、この予算をご審議いただく、令和2年第1回の定例県議会はですね、2月17日に招集する予定です。
 次いて、予算規模について、ご説明をしたいと思います。
 (モニターを指して)これですね、令和2年度当初予算案の総額は7,451億2,800万円です。社会保障関係費の増加に加え、消費増税に伴う税関係交付金等が大きく増加する中でも、投資的経費の抑制等によって、前年度に比べて60億円減少をしているということです。
 次に、歳入の状況について、ご説明したいと思います。
 県税や地方消費税の清算金は、消費税率の引き上げなどによって、増加が見込まれます。一方、県債の発行額については、特に投資的な経費を抑制したことによって、投資的経費の財源となる「その他の県債の発行額」をマイナス155億円と大きく減少させることができました。これは、コンベンション施設整備の終了等に加え、防災・減災事業の予算はしっかり確保しつつも、公共事業費の全体を抑制し、投資的経費全体を減少させたことによるものです。
 また、国の地方財政計画を踏まえると、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税についても、増加を見込んでいるところです。これに加えて、事業見直しの成果もあり、財源不足が改善したことから、財源対策としての基金の繰入金、取り崩しは減少をしています。
 次に、歳出の状況について、ご説明したいと思います。
 消費税の引き上げにより、消費税清算金支出とか市町村交付金などの税関係の交付金等については、大きな増加を見込んでいます。社会保障関係費についても、少子高齢化を反映し、引き続き増加が見込まれています。投資的経費は、これは繰り返しになりますけれども、Gメッセ群馬とか、あるいは八ッ場ダムの本体工事が完成したことに加え、公共事業を806億円、前年度比でマイナス68億円に抑制したことから、投資的経費全体で974億円、前年度比でマイナス296億円と大きく減少しています。こうした中でも、防災・減災事業の予算は十分に確保し、しっかり取り組んでいきたいと思います。同時に、県有施設の老朽化に対応するための長寿命化事業の予算も増額確保しています。
 次に、重点施策について、ご説明をしたいと思います。
 県民の幸福度向上のために、県民の安全・安心を支えるための防災・減災、医療・福祉等の取り組みは、しっかりと充実・継続したいと思います。さらに、本県に新たな富、先ほど申し上げましたリソースを生み出すための新たな仕掛けを行いつつ、思い切った事業の見直し等によって財政の健全性も確保する。こういう極めて難しい課題を両立させるように、令和2年度の当初予算の編成にあたりました。
 重点施策は次の4つです。
 (モニターを指して)ここに書いてありますが、第1に、「災害に強く、安心な暮らしと安定した経済活動の実現」です。2つ目は、「群馬県の魅力とブランド、ライフスタイルの構築と発信」。3つ目が、「共創とデータ活用による新しいリソースの創出」。4つ目が、「財政の健全性の確保」ということになります。
 後ほどご説明しますけれども、先ほどご説明をした投資的経費の抑制に加えて、事業の見直し、あるいは歳入の確保によって、基金残高を増やし、県債残高を減らすことができました。財政改革に向けて、大きな一歩を踏み出すことができたと考えています。
 それぞれの取り組みについて、ご説明したいと思います。
 まず、重点施策1。これはですね、県民の安全・安心を支えるための取り組みは、充実・継続をするということ。そして、本県に富を生み出すための新たな取り組みを行う。さらに、思い切った事業見直し等によって財政の健全性を確保する。これによって県民の幸福度の向上を図るということ、これが基本になっています。
 1番目としてですね、「災害に強く、安全な暮らしと安定した経済活動の実現」ということで、ハード・ソフト両面での防災・減災対策の集中的な実施。これは過去の記者会見でも何度もご報告してきたとおりです。さらには、医師確保に向けた取り組み、健康寿命の延伸、児童虐待への対応強化、さらに、この会見で発表させていただいた「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けた環境問題への取り組み、これが1番目でございます。
 2番目はですね、「群馬県の魅力とブランド、ライフスタイルの構築と発信」ということになりますが、これはトップ外交の展開、観光誘客、インバウンド推進、それから、ぐんまちゃんのブランド力強化、さらには、フィルムコミッション活動の支援、群馬暮らしのブランド化推進、多文化共生・共創「群馬モデル」、こういう形になります。
 3つ目ですけれども、「共創とデータ活用による新しいリソースの創出」ということで、これは具体的に言うとですね、地域課題解決ラボラトリーとか、あるいは、オープンイノベーションの推進、G-アナライズ&PRチームの活動とか、あるいは、新産業創出に向けたフォーラムの開催、さらには動画・放送スタジオを活用した情報発信、県庁舎32階フロアの整備、これは令和元年度の2月補正予算ということで手当てしたいと思います。さらに、Gメッセ(群馬)を活用したコンベンション産業の振興ということになります。
 続けて、財政の健全性の確保に移りたいと思います。
 事業をしっかりと見直していくということですが、令和3年度以降の予算に向けた事業見直しの継続的な検討もしっかりとやっていきたいというふうに思っています。当然、歳入を確保する、あるいは、基金残高の確保、県債残高の縮減を引き続き目指していきたいというふうに考えています。
 それでは、重点施策を1から細かく、もう少し具体的に、重点施策を説明していきたいと思います。
 最初に「災害に強く、安心な暮らしと安定した経済活動の実現」についてです。
 「ハード・ソフト両面での防災・減災対策の集中的な実施」によって、激甚化する気象災害の脅威への対応をさらに加速させていきたいと思います。併せて、「災害レジリエンスNO.1」の実現に向けて、現行の県土整備プランの見直しを行い、令和2年度からの5カ年で集中的・緊急的に防災・減災対策を推進していきます。これによって、2050年までに自然災害による死者「ゼロ」を目指してまいりたいと思います。
 (モニターを指して)具体的にこういう形に書いてありますが、続けてですね、「医師確保に向けた取組」等についても、ご説明をしたいと思います。
 この医師確保に向けた取り組みでは、若手医師の確保、医師の偏在を解消するために、「ドクターズカムホームプロジェクト」、DCHPと名づけましたが、これを推進したいと思います。特に、令和2年度予算においては、医学生修学資金の対象を県外出身者まで拡大するなどの取り組みを行います。また、健康寿命の延伸に向けて、健康ポイント導入の検討や「元気に動こう・歩こうプロジェクト」の普及などにも取り組んでいきたいと思います。
 それから、「児童虐待への対応強化」として、児童虐待防止条例の制定、令和2年4月1日開設予定の東部児童相談所一時保護所の体制整備などの各種対策を充実したいと思います。
 次にいきたいと思います。「ぐんま5つのゼロ宣言の実現に向けた環境問題への取組」です。
 昨年末、災害に強く、持続可能な社会を構築するとともに、県民の幸福度を向上させるため、2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」を行いました。この宣言を着実に実施するため、前述したハード・ソフト両面での防災・減災対策の集中実施をはじめ、ぐんま再生可能エネルギープロジェクト、水力発電所の整備、MOTTAINAI運動の推進、フードバンク・こども食堂の支援等に取り組んでいきたいと思います。
 令和2年度を「5つのゼロ」達成のためのスタートと位置づけて、様々な取り組みを着実に推進していきたいと思います。
 次にいきたいと思います。次は重点施策の2番目、「群馬県の魅力とブランド、ライフスタイルの構築と発信に向けた取り組み」です。
 「トップ外交の展開」においては、覚書を締結しているベトナムにおいて、群響(群馬交響楽団)による公演等を実施し、楽団や本県の魅力を発信し、これまでの経済・人材交流のほか、文化交流の促進に取り組んでいきます。また、放射性物質の影響を理由とする規制が緩和された香港で、中国への農畜産物輸出解禁も視野に、トップセールスを行いたいと思います。
 次に、「観光誘客・インバウンド推進」では、FIT、個人旅行客に対応するため、ウェイボーとの連携などを生かし、デジタル媒体を活用したプロモーションを新たに実施します。また、インバウンドの対応に積極的な観光施設について、本県独自の登録制度を実施するなど、受入環境の整備を図り、海外からの誘客を推進します。
 「ぐんまちゃんのブランド力強化」について言うと、この知名度の高い「ぐんまちゃん」を世界に売り込むプロモーションツールとして、新たにアニメーション動画を制作し、テレビ、インターネットを通じた配信を行っていきたいと考えています。
 「フィルムコミッションの活動支援」では、映画制作会社に対する撮影支援を行い、映像作品を活用した観光誘客や地域活性化につなげるための体制を新たに整備したいと思います。併せて、専用のホームページを構築し、撮影イメージに近い場所を検索できる機能を設けるほか、主な作品と撮影地を表示するロケ地マップ等も作成をして、ファンに対して撮影スポットを積極的に発信PRしていきたいと思います。加えて、群馬暮らしのブランド化を推進という点でいうと、首都圏から本県への移住を推進するため、ウェブ上での情報発信、相談体制を大幅に強化いたします。
 次、「多文化共生・共創『群馬モデル』」について、お話をしたいと思います。
 先に取りまとめました「多文化共生・共創『群馬モデル』」を推進するための取り組みも行います。外国人材の円滑かつ適正な受入れのために、ベトナムでの合同企業説明会や企業向け相談会等を開催します。新たな「多文化共生県ぐんま」を実現するために、外国人の日本語教育に関わる人材の育成、外国人児童生徒等の教育を充実させるための総合的な対策を行うほか、外国人と日本人、外国人同士の交流のためのフェスティバルを開催します。さらには、「共創」によって、日本人・外国人県民がともに輝くために、外国人の県内定着や起業を支援するための取り組みを行っていきます。
 次に、重点施策の3番目、「競争とデータ活用による新しいリソースの創出」について、ご説明をしたいと思います。
 民間の知恵・資金を活用し、ICTを活用した地域課題の解決に関する実証事業を行う「地域課題解決ラボラトリー」を実施したいと思います。また、県庁舎32階に整備するイノベーション・ハブの運営などによって、県、市町村、民間企業等の多様な主体による「オープンイノベーション」の創発を発信したいというふうに思っています。
 さらに、「G-アナライズ&PR」においては、「健康」をキーワードに県産農畜産物の成分分析を行い、その成果を消費者に伝えることで販売促進につなげるとともに、消費者の反応を生産現場に活かすサイクルを作りたいと考えています。これにより群馬の魅力発信と県民所得の拡大を図っていきます。
 新産業創出に向けては、「湯けむり創造フォーラム」を開催します。日本を代表する経済人や有識者を草津に招き、地域課題の解決策等の具体的提案を世界に向けて発信するとともに、本県経済の持続可能な発展を図っていきます。
 「動画・放送スタジオ」を活用して、県政情報、県の魅力を伝える動画を職員がローコストかつスピーディーに制作・配信し、情報発信を大幅に強化していきます。
 続いて、「リソース創造の拠点」について、ご説明をしたいと思います。
 潜在的な利用可能性に力を持っているもの、魅力を持っていながら十分に活用されていない県庁32階フロアをカフェやイノベーションスペースとして整備したいと思います。様々な分野の人々が常に集まり、交流を通じて様々な形で結びつくことで、新たなビジネスやまち作り活動等のリソースが次々に生まれてくるイノベーション・ハブの空間として活用したいと思います。財源については、国の地方創生拠点整備交付金、補助率が2分の1ですが、これを活用するとともに、残り2分の1の県負担についても、財源的に有利な補正予算債を活用し、実質的な県負担額は4分の1となる見込みです。ここを舞台に展開する「地域課題解決ラボラトリー」などについては、企業のふるさと納税等の民間資金を最大限に活用してまいります。この2億円のうち1.5億円は、国からの様々な予算を活用してやらせていただきたいと、残りの5千万円についてはですね、宇留賀副知事ともしっかりと協力をしながら、民間企業を巻き込んだり、あるいは企業版ふるさと納税等々を使ってですね、できる限り県の持ち出しを極小化しようと、そんなふうに考えています。
 加えて、「Gメッセ群馬」のオープンを県内外に周知するとともに、施設を核として、コンベンション産業の振興に取り組みたいと思います。こうした取り組みによって、群馬の魅力の向上、県民幸福度の向上、県内経済の活性化等につなげていきたいと思います。
 次にいきたいと思います。重点施策の4番目は、「財政の健全性の確保」です。
 今回の予算案では、財政の健全性を確保するために、行財政改革に取り組み、先ほどもご説明しましたが、投資的経費を抑制しました。それに加えて、熟慮断行チームを中心に、事業の見直しについても、時代の変化や費用対効果、他県との比較や役割分担等の観点から検討を行いました。その結果、計242件の見直しを実施し、13.6億円、一般財源ベースでは7.5億円ですが、この歳出を削減いたしました。主なものは、資料に記載されているとおりです。
 「ぐんまの木で家づくり支援」は、より効果的な県産材需要促進策について検討するために廃止にしますが、令和2年度に限り激変緩和として継続したいと思います。その際、対象を県産材の使用割合が90%以上のものに限定したいと思います。
 動画・放送スタジオの活用等によって、より低コストかつ効率的・効果的な情報発信を実施したいということで、これについても、様々な事業にこの動画(・放送)スタジオの活用を併せて考えたんですけれども、7千万円の予算を削減いたしました。
 「東毛広域幹線道路BRT整備」については、事業の効果や採算性等について一度立ち止まって検討するため、今回、予算計上を見送らせていただきたいと思います。
 事業の見直しについては、令和2年度から直ちに見直すことが難しいものなどでは、令和3年度以降の予算に向けて、今後も検討・調整を継続していきたいと思います。
 歳入の確保について、重ねてご説明したいと思います。
 事業見直しによる歳出削減とともに、歳入の確保にも積極的に取り組みました。ネーミングライツについては、令和2年度から、既存の6施設に加えて、新たに敷島公園水泳場に導入したいと思います。さらに、14施設について新たにネーミングライツの導入を検討しており、近く募集を開始したいと考えています。
 ふるさと納税についても、新たにクラウドファンディング型ふるさと納税を実施するなど、積極的に募集を行い、民間資金を最大限に活用していきます。
 また、県有施設のあり方について、費用対効果等の観点から、今後とも県有施設として維持していくべきか、他の効果的な活用方法はないかなどを検討するため、10施設について検討を進めたいと考えています。
 次に、財源不足への対応について、ご説明したいと思います。
 今回の予算編成においては、事業の見直しのほか、地方交付税の増が見込まれることもあり、財源不足が大きく改善いたしました。令和元年(度)、193億円から令和2年(度)123億円ということになったんですが、当初予算編成後の財政調整基金残高は、前年度の15億円を大きく上回る52億円を確保することができました。しかしながら、これは財政調整基金が災害等への備えとして極めて重要なものであることから、地域福祉基金、地域振興基金を合計で27億円取り崩したうえ、退職手当債や行政改革推進債という財源対策的な起債を合計で70億円行うなど、厳しい財政状況の中で何とか財源対策を行い、残高を確保したとこういうことです。また、令和10年の国体開催に備えた基金の積み立ても開始をいたしました。これ、5億円から始めたいと思います。
 さらに、臨時財政対策債や減収補てんを除く県債の発行を164億円抑制し、残高も令和元年度末、2月補正後に比べて、4億円減少できる見込みとなっています。
 このように行政改革を進めた結果、一定の成果を上げることができましたが、まだ一歩、踏み出したばかりです。財政の健全性を確保し、一定の基金残高を確保していくことの重要性について、県民の皆さまによく説明をし、ご理解をいただきながら、引き続き事業の見直しを進めてまいりたいと思います。
 各事業の検討について、「個々の組織、職員の能力・発想を活かす」ということで、1枚書かせていただきました。
 各事業の検討においては、全国の先駆けとなる政策「ぐんまモデル」の確立・発信を目指す、自我作古チームや若手職員を中心とした、政策プレゼンなど、個々の組織、職員の能力・発想を活かしました。
 自我作古チームの提案事業では、「中高生向け自転車用ヘルメットの着用モデル事業」や「小学校の校庭の芝生化」などを実施します。
政策プレゼン関連事業では、「フィルムコミッション活動支援」や「男性高齢者の活動支援」など、提案されたアイディアを事業に反映をさせていただきました。
 次に、組織改革について、ご説明をしたいと思います。
 新・群馬創造のために県庁組織を大幅に再建・再編したいと思います。令和2年度の組織改正は新・群馬の創造に向け、3部を新設いたします。「知事戦略部」は、政策立案、情報発信、トップセールスを戦略的、機能的に実施するために設置します。総合計画の策定やデータに基づく政策立案のほか、戦略的なメディアプロモーションなどを推進していきます。「地域創生部」は、ぐんま暮らしのブランド化を図り、文化、スポーツにより、活力ある地域作りを推進していきます。「生活こども部」は、児童虐待対策とDV対策の連携強化など、安全で質の高い県民生活・子育て環境を実現するために設置するものです。3つの部の新設によって、企画部、生活文化スポーツ部、こども未来部は廃止したいと思います。
 このほか、経済活性化の新たなコンテンツを発掘・育成し、国内外へ戦略的に売り込むため、産業経済部に「戦略セールス局」を設置するとともに、「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けて、環境部門の体制を強化したいというふうに思います。
 次に、県税の推移についても、ご説明したいと思います。
 令和2年度は、消費税率の引き上げによって地方消費税が大きく増加する一方、企業業績の落ち込み、法人関係税収が減少する見通しであることから、令和元年度と比べて微増を見込んでいます。
 次に、地方地方交付税等の推移についても、ご説明したいと思います。
 地方交付税と臨時財政対策債をあわせた実質的な交付税は、国の地方財政対策を踏まえると、前年度に比べ26億円の増加となる見込みです。
 次に県債予算額の推移についても、報告をしたいと思います。
 投資的経費の減少等によって、臨時財政対策債や減収補てん(債)を除いた「その他の県債の発行額」、(配布資料の)グラフのブルーの部分になりますけれども、これは545億円と、前年度と比べて164億円抑制いたしました。
 次に、県債残高の推移についても、ご説明したいと思います。
 臨時財政対策債と減収補てんを除く、「その他の県債」の残高について、令和元年度末に比べて4億円減少できる見込みとなっています。
 今後とも行財政改革を通じ財政の健全性を確保し、県債発行に頼らない財政運営を目指していきたいと思います。
 次に、プライマリーバランスの推移。
 県債発行額の減少に伴い、実質的なプライマリーバランスは、黒字を確保しました。48億円となっていますが、ここ数年赤字か、あるいは、ギリギリ黒字っていうところだったんですけれども、48億円まで黒字を伸ばせたということです。
 次、社会保障関係費の推移。
 社会保障関係費は、少子高齢化の進展や幼児教育無償化などの影響によって、(前年度に比べて)35億円と大きく増加しています。約10年前の平成22年度と比べて、約1.5倍の高い水準となっています。
 次に、公共事業費・投資的経費の推移についても、報告をしたいと思います。
 投資的経費が大きく、減少しました。296億円、この減少はですね、1つには、Gメッセ群馬の整備が完成したこと。2つ目には、八ッ場ダムの本体工事が完成したことなどが主な要因です。公共事業費については、前年度から大きく削減をいたしましたが、「災害レジリエンスNO.1」の実現に向けて、防災・減災事業については、しっかりと予算を確保させていただきました。公共事業68億円減りましたが、防災・減災の分は2億円の減というところにとどまりました。
 県債残高を着実に減少させつつ、真に必要なインフラ整備をしっかりと行っていくと、こういう方針のもとで、財政の健全性の確保と投資の両立を図っていきたいと思います。
 次に、群馬県の積立基金について、ご報告をしたいと思います。
 事業の見直しを通じて歳出の抑制を図り、前年度当初予算編成時の15億円を上回る52億円を確保いたしました。しかし、これは繰り返しになりますが、積立金が災害等への備えとして極めて重要だということから、地域福祉基金、地域振興基金を合計で27億円取り崩したうえで、様々な工夫をしてですね、厳しい財政状況の中で何とか財源対策を行って残高を確保したということです。さらに言うと、群馬県の財政規模とか、あるいは他県との比較などを踏まえると、この残高でも十分だとは言い難いというふうに思っています。財政の健全性を確保し、災害等への備えとして基金残高を確保していくことの重要性について、県民の皆さんにしっかり説明をし、ご理解をいただきながら、今後も事業の見直しや県有施設のあり方などの行財政改革に取り組んでまいりたいというふうに思います。
 ちょっと長くなりましたが、私からの説明は以上です。
 何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

令和2年度当初予算案について

(記者)
 知事の説明の中で既存の事業については、242件の見直し、それから、県有施設のあり方についても言及なさってますが、もちろん財政再建のためということですけれども、こうしたことでですね、県民サービスの低下など、悪影響があるのかどうか、その部分についてですね、どのようにお考えになっているかお聞きしたいと思います。
(知事)
 今回の予算編成にあたってはですね、これまでの既存の事業、もちろんですけれども、一つ一つ、事業についてですね、相当の時間をかけて議論しました。
 予算編成における方針、県民の幸福向上に繋がるものについては、これはスピーディーにやっていくと。しかしながら時代の要請にそぐわないものとか、あるいは十分な効果が期待できないものについては、これはしっかりとスクラップアンドビルドをやって、新しい事業を行う財源に回すということ。こういう方針に従ってですね、一つ一つの事業をかなり入念にチェックしました。合計すると、何十時間にもなると思います。2人の副知事にも入ってもらいました。これまでよりもずっと、一つ一つの事業の効果とか、あるいは展望について議論をして、その上で見直しましたので、ここを削ったことによって県民生活に何か大きな影響が出るということはないと思います。
(記者)
 2点お聞きしたいことがあります。
 まず、児童虐待の関係なんですけれども、今回、東部児相(児童相談所)がもうすぐオープンするということで、いろいろハード面の整備は進んでいるのかなと思うんですけれども、一方で群馬県は少し専門職の方がですね、全国と比べて少なくて、全国平均6割ぐらいのところですね、3割しかいなくて、埼玉県とか9割、福祉専門職の方が占めているという現状があります。
 今後、職員の質というか、ソフト面はどのように考えていらっしゃいますか。
(知事)
 児童虐待の問題についてはですね、まず1つは、ここでも予算をとらせていただいてますけれども、きちっとした条例を作りたいというふうに思ってます。
 この条例はですね、やはり群馬県として、一歩踏み込んだ条例をですね、しっかりと作っていきたいと。その中でソフト・ハードの必要性についての大きな方針みたいなものも出てくるというふうに思っています。「東部児童相談所一時保護所新設等の体制整備」ということで、今ちょっと振り返っていただければ、ここ(配付資料)にあるとおり、3億1千万円(正しくは、3千1百万円)の予算を計上させていただいているほか、「子どもシェルターを活用した被虐待児等への支援」ということでですね、約1億円(正しくは、約1千万円)、こういうものについて、しっかりと予算を計上しています。
 保育(福祉)に関わる専門人材が少ないという話については、これはもうちょっとよく研究させてもらいたいというふうに思います。
(津久井副知事)
 東部児相(児童相談所)の開設に併せましてですね、新年度、東部児相(児童相談所)、12人の職員を増員しております。しっかりと対応できるようにしてまいります。
(記者)
 2点目なんですけれども、今回、外国人との共生のところに力を入れていらっしゃるというのがよくわかりました。
 一方でちょっと気になったのがですね、逆に削られているところ、見直しをした事業の中に外国人のですね、未払医療費対策というのが、約4百万円ほどというのがですね、今年度限りで廃止するというのが決まったみたいで、(配付された)予算資料35ページの主な見直し事業一覧のところにあったんですけれども、これがあると、今後、例えば無保険の外国人とかが医療機関に行ったときに受診を拒否されるということが懸念されるんですけれども、このあたり外国人の安心というか、医療に対してはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
 今、記者さんがご指摘になったように、外国人との共生はですね、群馬県として大きな目標の1つに掲げてまして、これにはしっかりとした予算をつけたつもりです。今言った制度については、いろいろと議論したんですけれども、現状で言うと、あんまりもう規模もかなり少なくなってきてるし、あんまり区別しても意味がないということで、一応、今回からはなくすということにいたしました。
 今言った病院で拒否される可能性等々については、これはそういうことがないようにですね、またいろいろ対応していきたいと思いますけれども、制度を今の実態として調べたところ、もうちょっとこのまま続ける必要はないんじゃないかという、そういう実は分析でなくすことにしました。
(記者)
 新年度予算の新規事業と選挙戦で知事が掲げられた政策集を見比べてみますと、その多くが反映されていると思います。だいたい知事としてはどのくらいの割合で、今回、予算化、事業化できたというふうにお考えでしょうか。
(知事)
 なかなかいつものとおり、点数をつけるのは難しいんですけれども、やっぱり、行財政改革って一朝一夕にはいかないと思うんですよね。
 今回、相当、議論を重ねて予算の見直し、事業の見直しをやったんですね。それぞれ、どんな事業にもやっぱり始まった時の経緯もあるし、それに関わっている方々もいるし、さらには、いわゆる県議会の了解も必要なので、いろんな調整をしながら、ギリギリでやってきたんですけれども、さっき言ったように、最初の一歩を踏み出せたんじゃないかと。
 これまで行財政改革って口では言ってもですね、なかなか行革をやっていこうっていう、財政改革をやっていくというムードは、あまり群馬県には率直に言ってなかったと思います。
 そういう意味で言うとですね、やはり、これ本当に行財政改革をやっていかなきゃいけないんだというメッセージを発信する予算は作れたんじゃないかと。
 それから、厳しい財政状況の中でも、予算を見直してですね、リソースを生み出す、いろんな事業にこれを配分するっていうのは、かなり難しかったんですが、これも知事になって最初の年の予算にしてはですね、かなりできたんじゃないかと。これは、もちろん当たり前ですけれども、2人の副知事にも全ての協議に入っていただきましたし、外部のアドバイザーにもいろいろな知恵もいただきましたし、何よりも県庁の各部署、各部長はですね、今までのマインドセットを変えて、やはり、きちっと事業の見直しをしていかなきゃいけないっていうことを当事者として考えてもらったと。そういう彼らの協力もあって何とかできたかなということなので、もう1回言いますが、さっき言ったように新生群馬を始動させる予算、最初の一歩としては何とか要請には応えられたんじゃないかなという感触を持ってます。
(記者)
 あともう1点なんですが、見直しが行われた事業について教えてください。一つ一つに理由があると思いますけれども、改めて全体としてどんな基準で削減、見直しを行われたのか聞かせていただけますか。
(知事)
 まずですね、林業関係の事業を1つ大きく削ったんですが、これは今までのいろんな予算の実績を考えてみるとですね、やはり投じた予算額に比べて、なかなか成果が上がっていないということなんですね。例えば、この事業をやったことによって県産材の利用率はそんなに上がってないんです。
 だから、何度もみんなに言ったんですが、群馬県の林業、森林の産業っていうか、森林、やはり非常に大きな可能性があると思うし、これを軽視するつもりは全くないんですが、同じ予算額を使うとしたらですね、本当にその群馬県の林業の振興に役に立つものにしなきゃいけないと思うんですね。これはかなり相当時間をかけてみんなで議論したんですけれども、これが40年後の群馬県に、40年後の群馬県がこれをやらないと大変だみたいな話だったんですけれど、40年後って、あらゆるビジネスモデルが変わっていると思うんですよね。
 だから、本当はこの事業は1回、私はやめにして、それよりも本当に林業とか漁業っていうのは、日本以外の国では稼げる産業なんで、そういうベストプラクティスも十分研究したうえで、きちっと予算を積み上げた方がいいと思ったんですけれども、それはやはり、激変緩和という点からもですね、いろんな県議団からのご要望もあったので、そこは、事業、今回は半分にしていただいてということにさせていただきました。
 もう1回言いますが、林業はとても大事だと思っています。ただ、過去のいろんな実績も改めてこれから検証したいと思いますが、同じ予算をつけるんだったならば、本当に産業の振興になるものにつけたいと、こういう思いです。
 それから、「千客万来支援事業」っていうのがあって、私も旅館の息子なので草津温泉の。国会議員の時代から観光政策というのは、結構ライフワークの1つなんですね。もちろん、群馬県の観光産業振興、ものすごい大事だと思うんですけれども、ずっとメニューを見てきたら、ずっと今までの既存のメニューが並んでいてですね、決してスタンプラリーとか否定するつもりはないんですけれども、スタンプラリーみたいなことやって、どのぐらいの成果が上がったのかとかですね、そういうことをよく考えてみると、今までの固定化したメニューは整理して、その分はですね、例えば、これから32階に動画・放送スタジオも作りますから、そういうところに集約してもっと発信した方がいいんじゃないかということで、予算を少し削らせていただきました。必要だと思うものはしっかり残したし、この中にいろいろデジタル広告にさらにリソースを注ぐとかね、こういう大事なことは残してありますので、これもまた観光産業を軽視しているどころか、観光産業を重視しているからこそ、やはり今までのやり方を見直していかなければいけないんじゃないかというふうに考えています。
 それから主な見直し、特養(特別養護老人ホーム)の関係、これは特養の施設の補助金、これについては、いろいろと議論があったんですけれども、多分1億3千万円ぐらいつけていたんですけれども、基本的に特養の改修は、事業者がやるべきものなんだと思うんですね。加えて、いろんな税制措置についても優遇措置もあるので、これも本当に存続する必要があるのかっていう議論がありましたけれども、ここもやはり、これまでいろいろ事業を展開してきた方々の状況もあると思ったんで、これは激変緩和ということで、半分、7千万円の予算にさせていただきました。主な見直しは、そこら辺のところだと思います。
(記者)
 そういった削減されたりですとか、予算がつかなかった事業の再検討の余地っていうのはあるんでしょうか。
(知事)
 再検討っていうか、予算を例えばゼロ査定にした事業は、これは続けてもやはりもう意味がないということなので、これをそのまま復活するってことはありません。それは今回の事業見直しで、ゼロ査定にしたものをまた復活させるっていうことは考えていません。
(記者)
 事業の見直しについて引き続きお尋ねします。我々に公開していただいた資料の中ですと、242件の見直しのうちの一部しかなくてですね、どういった事業が全体的に見直されたかというのを何か今後ホームページ等で公表などされる予定はあるんでしょうか。
(知事)
 これは細かいやつは特に載せなかったっていうことなんかな。
(財政課長)
 はい。242件の中に非常に細かい事業の一部縮小みたいなものもかなりありますので、すべて公開すると細か過ぎるのかなということでですね、主な見直し、大きな見直しを行ったものを資料としてつけさせていただきました。
(知事)
 中にはね、20万円とか30万円もあるんですよね。そういうものまで全部、全て書く必要ないんじゃないかと思って、主なものだけにさせていただきました。
(記者)
 あるいは、どういった分野において、これぐらいの削減効果が見込まれるというような大枠を含めたところはいかがでしょうか。
(知事)
 それは、今の話。
(記者)
 いや、事業を減らす、こういう分野でこういう見直しをしましたよというふうな公表の仕方というのは。
(知事)
 それは別にできると思うけど、細かすぎるから外しただけだからね。かなり細かいから。何か少しまとめて、例えばこういう分野をこういうふうに削ったっていう整理がつけば、それは別に資料として作っても構いません。
(記者)
 あと事業の見直しの中で、ちょっと6千万円を超えるものなのでちょっとお尋ねしたいんですが、群馬テレビで放送をされている教育放送を本年度限りで廃止をすると。それと加えて動画・放送スタジオ等を活用して、より低コストに情報発信をしていくということなんですが、同様の趣旨の番組というのを群馬県が独自に作って発信していくようなことをお考えなっているんでしょうか。
(知事)
 同様の趣旨かどうかわかんないんですけれども、少なくとも群馬県でやっているその教育テレビ(番組)の話。中身をいろいろと見てみたんですが、これだけの予算を使って発信するっていうよりは、やはりその今回の動画・放送スタジオを使って、こういうなんていうんでしょうか、同じ趣旨なのかどうかあれなんですけど、同じようなメッセージを発信した方が十分効果があると、もっと効果があるというふうに判断しました。
 今回、動画・放送スタジオを整備して、ここでいろんな今までできなかった動画、例えば県民に対する啓発から含めて、そういうものをローコストでできるようになるっていうことでですね、相当いろんな事業の、いわゆるこれまでだったら、そのまま続いてきたようなものを削ることができたと思っています。
 これはやはり動画スタジオでいろいろ一緒にコンテンツを作る中でやっていけばいいじゃないかと。例えばセミナーも必要になるものとないものとあると思うんですけどね、こういうセミナーを例えばあちこちでやるんだったら、これは、例えばいろんなコンテンツを整備して、動画・放送スタジオで発信していけば、これはメディアミックス、いろいろ考えていくんで、そっちの方がいいじゃないかっていうことで、実は動画・放送スタジオを整備することによって、相当削られた予算はあると思ってます。
 それから、教育番組についてもあまり細かく言いませんけれども、群馬テレビで作ってもらっているやつだよね。それは群馬テレビで作っているものが、どのぐらいの人に見てもらってるのかと。そういうことについてもですね、細かいこと言いませんけど、十二分に分析しました。その結果、これは続ける必要はないだろうというふうに話しました。
(記者)
 あともう1点お尋ねします。今回の予算について、この資料でも3つのキャッチフレーズですかね、設けていらっしゃいますが、この3つのうち、何か1つに集約できなかった理由というのは、何かあるんでしょうか。
(知事)
 いや、それぞれ多分メディアの方の捉え方が違うと思ったんで、3つ出した方が親切かなと思ったんですが。記者さんがどれがいいかなと思ったら、それを選んでいただければいいんじゃないでしょうか。
(記者)
 特に1つ選ぶとしたら。知事としての思いが1番強いというのはどれだっていう。
(知事)
 いや、もう3つともすごく大きな思いがあります。これはとにかく、本当にこの予算を一言で言えといえば、もう財政改革にとにかく一歩踏み出すというのと同時に、しかし、その苦しい情勢の中でも、将来、群馬県で新しい動きを想像できる、リソースも含めて、そういう予算にしたいという意味でいうと(モニターを指して)これ(「改革+創造予算」)だし。
 しかし、まだ一歩ですよと。これ始まったばっかりなんで、財政改革本当にここまで大変だったんですよ。でも残念ながらここで終わったわけじゃないんで、これはあくまでも第一歩なんだということを言うと、やっぱり「始動した」っていうことを言いたいし。
 それからやっぱりですね、今回、予算だけじゃないんですけど、特に予算の編成、予算案をつくる段階で思ったんだけど、やっぱり前例踏襲が多すぎるんですね。やっぱり、今までやってたからやるとか、大きな枠組みにのってやれば安心だとか、なんとなくプロジェクトやっていれば成果が出てるって思ったりしているみたいなところがあるから、やっぱり前例踏襲から脱却しないといけないっていうことでいうと、これもすごく私にとって思い入れのある言葉なんですよね。「脱却」ってすごく緩やかにしました。やさしく。「前例踏襲脱却予算」。その中で記者さんが1番いいと思うものを選んでいただければいいんじゃないでしょうか。
(記者)
 事業見直しの件で、まず1点、お伺いしたいのが、金額が今回算出されて、事業の見直しによって効果額13.6億っていうことですけれども、この額を知事がどのようなふうにとらえていらっしゃるかっていうのをまず一点お伺いしたいです。
(知事)
 もっと出ればよかったと思うけれど、本当に大変だった。やっぱり新規の事業、まず新規の事業の要望もいっぱいあって、これをさばくのもとても大変だったし、やはり既存の事業っていうのは、いろいろ理由があってできたものでもあるし、いっぺんにゼロ査定にしてしまうと、やはり影響があるものもあるので、みんなで全力を尽くした結果、こうなったということで、かなり頑張ったと思います。
 ただ、これで十分だったかっていうと、もう少し何て言うのでしょうか、見直しができたらなという思いもありますが、今の状況の中でいうと、相当頑張って、なんとかここまで切り出したなという気持ちです。
(記者)
 あともう1点、先ほど財政調整基金の残高の件で、今回52億円を積み増しましたというお話ありましたけれれども、今後、引き続き、現状はまだ県としては足りないという考えで、例えばこれぐらい今後積み増したいみたいなもの、金額があればちょっとお伺いしたいです。
(知事)
 これで十分かっていうと十分じゃないと思います。財政調整基金はおそらく決算、3月になったら、もうちょっと増えるかもしれないですが、とりあえず当初予算で、このぐらい3倍以上増やしたというのは、意味があったと思うんですが、これで十分かっていうと十分じゃないと思います。さらに増やしていけるように、とにかく頑張っていきたいし、やはり栃木県とか茨城県と比べたら低いですから、これは伸ばしていきたいと思います。
 今のところ、どのぐらいっていう具体的な目標はなかなか言いづらいんですけれども、少なくともやはりまず3桁に乗せるぐらいまでのところにはですね、100億円レベルには行けるように努力をしたいというふうに思います。
(記者)
 ありがとうございます。
 最後にちょっと予算とは関係ないんですけれど、ブログで食中毒になられたという話がありました。体調の件、ちょっとお伺いしたいと。
(知事)
 体調、大丈夫です。あそこに書いたとおりなんで、ちょっと体調崩してたんですけれど、今日はもう朝から元気だし、ほとんど治りました。完全じゃないけど。まだ毒物がかなり残ってるんだと思うけれど、でも、ほとんど健康は回復しました。
 私、ほとんど実は生まれてから入院したことがないんで、4、5年前に、ちっちゃい2ミリぐらいのポリープが声帯にできて、これ歌手と同じだって先生に言われたんですけれど、歌いすぎじゃないですけれど、喋りすぎたのか知らないんですけれど、もちろん陽性だったんですけれど、これを実は手術する時に2日間入院しろって言われて、1日前の検査と手術した日は泊まってくださいって言われてですね、2日間入院したんですけれど、その時にベッドで目が覚めたの、病院のベッドで目が覚めたことが初めてだって気がついて、62年間でだから2日間しか入院してないんですね。だからなんとなく自分の体力を過信してですね、寝不足でも、どんどんどんどん頑張っちゃうんですけれど、今回やっぱりちょっと疲れて、もしかしたら免疫が落ちたかもしれないんで、そこは反省しました。やっぱり私が体調崩すと、Gメッセ群馬の視察が延期になったりするんで、これも十分、これから知事として健康管理に気をつけたいというふうに思います。
 あの体調もまだ万全じゃないんですけれど、ほとんど回復いたしました。
(記者)
 県庁32階のイノベーションエリアを作ってですね、スタートアップ支援や地域課題解決ラボラトリーなどイノベーションに向けてかなり予算を割いていると思うんですけれども、そこら辺の思いをお聞かせください。
(知事)
 (県庁)32階はですね、大きな可能性があると思います。
 今もう整備が始まってるんですけれども、動画(・放送)スタジオが4月にできると。おそらく32階の整備もですね、年内には終わらせるように、できるだけ早めたいと思いますが、年内におそらくスタートできると。そこにきちっとしたカフェもできるし、起業家を集めていろいろセミナーやったりとか、意見交換するイノベーション・ハブみたいなものもできると。
 ここから相当にリソースを生み出せると思っているのは、ここは宇留賀副知事に来てもらった理由の1つでもあるんですけれども、今、民間の企業の人たちともいろんな交渉をしているんですけれども、相当関心が高いんですよね、そこをどうやって活用するかっていうことは。これはですね、12月までにきちっと整備が終われば、群馬県のにぎわいを創出できる中核の空間にできるんじゃないかというふうに考えています。
 なお、さっき言った(整備にかかる)2億円についてはですね、ほとんどこれはお金持ってきたいと思っていますので、県の投資は最小限にして、最小限のお金で最大限の効果を生み出せるように頑張りたいと思います。
(記者)
 当初予算の編成は、知事になって初めてだと思うんですけれども、その時間のかけ方も含めてですね、編成のやり方に関しては、これを今後も続けていくというお考えでしょうか。
(知事)
 決して大澤県政の批判をするつもりはないんで、スタイルが違うんだと思いますが、今回、予算編成に費やした時間は、おそらく過去にないくらいだったと思うし、議論の濃密さにおいてもですね、これはもうおそらく他の追随を許さないと思います。なぜかって言うと、2人の副知事に全部(議論に)入ってもらって、財政課にもずっと当然入ってもらって、もちろん首席補佐官や秘書課長にも入ってもらったんですけれども、一つ一つの事業をかなり議論しました。関係部局もやはり残したい予算はあって激論になったこともあってですね、1つの事業で1時間ぐらいかけたこともあったぐらいなんで、これは今までと変わったと思います。
 これも決して前の県政を批判するわけじゃないんですが、政策決定プロセスは明らかに変わったと思いますね。例えば、若手職員の意見、自我作古(チーム)で参加してくれた人たちのプレゼンも含めて、相当予算に反映されたし、若手の意見も相当入るようになったし、2人の副知事がですね、しっかりと職員の人たちの意見を吸い上げてくれて、私のところにもタイムリーに届くので、政策決定のスピードもですね、3倍ぐらいになったというふうに思います。
 そもそも、予算は県民の血税なので、当然このぐらいの時間をかけてやるのが当たり前だと思っていますし、いくつかの事業については、細かくは言いませんが、例えば、将来的に80億円、100億円の投資になる事業についてですね、本当に細かいデータの分析もなくて決まっているっていうこと自体は、これは私にとっては驚愕でした。
 だから、今回、県の職員の皆さんにもかなりマインドセットを変えて、全面協力してもらいましたが、これからもですね、やっぱり予算編成にはこのぐらいの熱と時間をかけてですね、一つ一つの事業を見直していく、あるいは新しい事業を作っていく、こういうしっかりとした文化を作りたいと思います。
(記者)
 逆にですね、知事の判断を仰ぐっていうことで、知事の日程に縛られて、知事がいないと動かないっていうような弊害もあり得るかと思うんですけれども、その辺は、やはりこのやり方が正しいというか、このやり方を進めていきたいということでしょうか。
(知事)
 まず弊害も何もですね、知事が決めないと決まらないんですよ、今の制度として。だから、知事のところに行かないと決まらないからっていうのは、逆に言うと、ちょっとおかしいと思うのは、知事の判断なくても事業が決まっていいのかっていうことですよね。知事の判断なくして事業は決まりません。大澤県政でやった事業は全部、大澤知事の責任。この県政でやった事業は全部、私の責任なんですよね。だから、これはあるべき姿だというふうに思います。
 それから、知事の判断がなければ遅れるっていうことで言えばですね、毎日協議をやって、切れ目のない協議が入っているのは、それだけ各部局が一生懸命やって早く物事を進めたいので知事の判断を仰ぎたいからだと思うんですね。今いろいろ政策を作っていく上で私が見ているところでですね、知事の判断が遅いから計画が進まないっていうことは今のところないと思いますね。かなりスピーディーに即断即決。もちろんいろいろ議論を重ねた上でですけれども、決めるときはきちっと決めていますから、知事の判断がないから動かない、知事の判断に集約されるから動かないんじゃないかっていうのは当たらないと思うし、もう1回言いますけれども、知事の判断抜きで、もし何かが決まっていたとしたら、それ自体が間違っていると思います。
 記事に書いていただいたように、いろんなユニークなっていうか、いろんな事業を展開してるんですけれども、あれを読ませていただいて、一つ一つ作ったチーム、作っただけじゃ駄目なんでね。やっぱり一つ一つ成果を上げていくことが大事だと思っているし、ちゃんと動いていますから。幸福度のチームも必死に議論しているし、総合計画のチームもすごく機能していますので、私としては直属で作ったチームはちゃんと結果を出していきたいというふうに思います。
 いずれにせよ、政策判断は俊敏にやっていきたいと思います。
(記者)
 それは、先日(の会見で)も全ての大臣を知事が兼ねていると(言われていたが)、ある程度、大臣権限がある、首相権限もあるというふうに権限の移譲というのは可能だと思うんで、その辺、知事に集中する必要も必ずしもないのかなというふうに思います。
 ちょっと話を変えてですね、財源も限られている中で、社会保障費とか人件費という義務的経費が一定程度あってですね、なかなかやれることも思うようにできない部分もあるかと思うんですけど、その辺は、来年度以降ですね、まだまだやれることがあるというふうにお考えなのか、その辺、限界があるというふうにお考えなのか。
(知事)
 今のすごい鋭い指摘だと思うんですけれども、知事になって改めて思ったのは、今おっしゃったように義務的経費もすごく多くて、だいたい群馬県の予算っていうのは8千億円ぐらいあると思うんですけれども、知事の裁量で決められるっていうのは1千億ちょっとぐらいだと思うんですよね。知事の力量を問われる最大のポイントは、このリソースを使って、いかに効果を上げるかっていうことだと思うんです。
 そういう意味で言うと、例えば、さっき言った(県庁32階の)イノベーションスペースの話じゃないんですけども、いかに国の予算を引っ張ってくるか、これからはですね、いかに民間を引き込んでいくか、これも相当一生懸命、今やっているんですけれども、民間企業の力も借りていくか、そこにNPOを引き込み、もっと言うならば県民を巻き込んでいくかっていうことなんで、それはどの知事も直面する課題だと思うんですけれども、知恵を使えば十分いろんなことができると思います。
 権限移譲の話は、やっぱりそれは記者さんとは意見が違って、権限移譲なんてできないですよね。だって、この事業が失敗したら副知事の責任だって言えないから。副知事に任せたって、最後は私が決めなきゃいけないってことです。
 ちなみに、例えば行財政改革でいうと、津久井副知事に熟慮断行チームを作ってもらって、その範囲ではですね、私は信頼したとおりの活躍をしていただいて、きちっと一つ一つ積み上げながらやっていただいていて、これも津久井さんに任せているし、あるいは、例えばイノベーション・ハブの創出みたいなものはですね、宇留賀副知事がエースだから、もともと。すごく頑張ってもらっていますけど、いずれにしても、どんな事業も、どんな決定も、やっぱり最後は私が了解しなければ進まないと。それはどの県でも同じだと思います。
(記者)
 県庁組織の再編についてです。知事戦略部をはじめ新しい3つの部が新設されるということです。知事戦略部という名前にすごく思い入れというのも感じますけれども、新しい部を再編することによって、どんな県庁組織にしたいということを改めてお聞かせください。
(知事)
 そうですね。いろいろと言いたいことあるんですけれど、せっかく資料も準備してもらったんで、これの動線に沿って言うとね。まずSDGsにちゃんと対応していかなきゃいけないと思うんですね。
 それからデジタル技術が進展して、いろんな課題の多くは各部局にまたがってるんですね。だから、組織の中でお見合いとか押し付け合いなんかがありがちなので、ここはちゃんとやっぱり司令塔をしっかりするっていうことがとても大事だと思っています。
 今までね、やっぱり群馬県を見ていると、他の県の取り組みを見てから動き出すっていうケースが多かったんで、だから自我作古(チーム)を作ったんですけれども、なんとなく縦割りでスピード感に欠けるところがあったのは否めないと思うんですね。だから、そこをちょっと変えていきたいというふうに思っていまして、特に知事戦略部では、いろんなことをこれからやっていかなきゃいけないんで、知事のトップセールスもそうですし、司令塔をきちっと作って一つ一つの政策をスピーディーに進めていくということが最大の理由です。縦割りもこの中で打ち破っていくっていうことだと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、広報課において加筆したものです。