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CSF(豚熱)発生に係る臨時記者会見要旨(4月2日)

更新日:2021年4月2日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年4月2日(木曜日)午後7時00分~7時25分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 17人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和3年4月2日臨時記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:123KB)

 質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.発生状況について
3.患畜判明までの経緯について
4.今後の対応について

1.はじめに

 それでは、臨時記者会見を始めさせていただきたいと思います。
 本日17時、国の機関の検査によって、前橋市内の農場において、豚熱、CSFの患畜が確認されましたので、ご報告させていただきたいと思います。
 本県での発生事案としては、昨年9月26日以来、2件目ということになります。
 豚熱対策については、本県の主力産業である養豚業を守るため、私が知事就任以来一貫して、国および市町村等と連携しながら、最重要課題として取り組んでまいりました。
 飼養豚へのワクチン接種に関しては、知事である私自ら、野上農水大臣に要望を伝えるなど、国に対しても、接種制度の見直しを要望し続けてまいりました。
 その結果、民間獣医師による接種が可能となり、本県では昨年の11月から、月2回以上の接種体制を全国に先駆けて、いち早く構築してきました。
 また、国の交付金や県の補正予算により、農場での防鳥ネットの整備支援などの対策を講じてきたほか、農場の飼養衛生管理徹底のため、継続的な点検・指導も行ってまいりました。
 こうした考え得る対策を、先手先手で実施し、万全を期してきたにもかかわらず、2件目となる豚熱が発生してしまったということは、まさに知事として痛恨の極みです。
 また、農家の皆さんの日頃の大変な努力を考えると、知事として、県民の皆さんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 しかしながら、発生してしまった以上は、冷静に、これ以上感染を広げないための対策を速やかに講じていかなければなりません。
 新型コロナ感染症への対応の最中でございますが、今回の事態に対しても、畜産農家の方々、関係者の皆さんと協力して、しっかりと対応してまいりたいと思います。

2.発生状況について

 それではまず、豚熱の発生状況についてご説明したいと思います。
 スライドをご覧ください。豚熱の発生状況です。
 今回、豚熱の感染が確認されたのは、前橋市に所在する農場で、正確な数は確認中ですが、殺処分が必要な頭数は約1万頭ということになります。
 昨年9月の第1例目が約5,800頭、他県の事例を見ても、1度に1万頭を超える事案はありません。今回の事案は、国内最大規模のものだと言っていいと思います。
 このため、今後の対応にあたっては、県庁一丸となって取り組むことはもちろんですが、市町村や国、さらには、近県を含めた、多くの方々の協力体制を構築し、総力戦で対応していかなければならないというふうに考えています。
 なお、この農場の3キロメートル圏内には、他に20の農場があります。しかしながら、全てワクチン接種済みということですので、家畜伝染病予防法に定める、家畜の移動制限というものはかかりません。
 さらに、10キロメートル圏内には、他に86の農場がありますが、こちらも全てワクチン接種済みということで、搬出制限もかからないことになります。
 とはいえ、これだけの農場が密集している地域ですので、近隣に波及させないよう、早期の殺処分や消毒など、防疫措置を講じていく必要があると考えています。
 さらに言うと、農場の持ち主や農場の所在地等の情報については、県の防疫マニュアル等に基づき、風評被害の防止や部外者等の立ち入りによる感染拡大防止の観点から非公表とをさせていただきます。この点は、ご了承いただきたいと思います。

3.患畜判明までの経緯について

 次に、第一報から陽性確認までの経緯についてご説明をいたします。
 次のスライドをご覧ください。患畜が判明するまでの時系列をまとめたスライドになります。
 当該農場においては、3月中旬から、飼育豚の調子が悪く、3月28日からは死亡率の増加が見られていたということです。
 3月28日から4月1日までの死亡頭数が、淘汰を含めて150頭程度になり、昨日1日木曜日、10時45分に、県の中部家畜保健衛生所に対して、豚の死亡が増加している旨の第一報がありました。
 これを受け、同保健衛生所が立ち入りを行い、14時15分には、県家畜衛生研究所において、検査を開始いたしました。
 そして本日、午前1時に、遺伝子検査の結果、豚熱の感染が疑われる旨の結果が出ました。
 その後、国に検体を送付し、遺伝子解析を行ったところ、17時に、豚熱患畜であることが判明をいたしました。

4.今後の対応について

 続いて、今後の対応についてご説明したいと思います。
 今後の対応についてのスライドです。
 現時点で、先ほど申し上げましたが、殺処分が必要となる頭数は農水省とも調整した結果、約1万頭ということになります。
 殺処分後は、農場近くの農場主の所有する私有地に埋却いたしますが、これだけの頭数ですから、埋却場所が足りない場合には、他の場所での埋却の検討も必要だというふうに思います。
 処分に際しては、農政部を中心に、県職員を動員すると同時に、県外の獣医師、自衛隊の方々にもご協力を依頼し、作業にあたりたいと思います。
 なお、冒頭申し上げたとおり、今回の事案は国内最大規模の事案です。市町村や国、さらには、近県を含めた協力体制を構築し、総力戦での対応が必要だということを繰り返し申し上げておきたいと思います。
 このため、本日早速、私が山本前橋市長を訪問し、前橋市の全面的な協力をお願いいたしました。
 さらに、野上農水大臣に、先ほどメールでお願いをしたほか、近県の茨城県知事、栃木県知事にはですね、直接電話で協力を要請いたしました。また、岸防衛大臣にも先ほどメールで協力の要請をさせていただきました。加えて、豚熱が発生した事例のある県知事の方々にも、必要なバックアップを、今後お願いをしていきたいと考えています。
 前回の殺処分では、1日あたり1,000頭の処分が限界でした。
 今回は、処分頭数も多くなることから、多方面にわたる協力をいただきながら、1日でも早く措置が完了するように努めてまいります。
 今回豚熱が発生した農場ですが、県が実施した点検においても、相当しっかりした飼養衛生管理を行っていることを確認をしています。
 それでも、こうした状況に陥ってしまったと、これには何か原因があるはずだと考えています。
 従って、感染をこれ以上広げないためにも、原因を究明・分析することが非常に重要であると考えています。
 今後は、国とも連携しながら、侵入経路の究明と疫学調査をしっかりと進めてまいります。
 県としては、本県の主力産業である養豚業を守るため、全力を尽くしていきたいと考えています。
 県内の農場主の皆さまにおかれましても、これまで以上の日々の飼養衛生管理基準の遵守を改めてお願い申し上げたいと思います。
 さらには、風評被害も懸念されます。
 豚熱は、豚・イノシシの病気であり、人に感染することはありません。また、感染した豚の肉が市場に出回ることもありません。
 仮に豚熱に感染した豚の肉や内臓を食べたとしても、人体に影響はありません。
 そのことを、ぜひ県民の皆さまには、ご理解をいただきたいと思います。
 本県にとって、養豚業は農業産出額の2割近くを占める、非常に重要な産業です。この重要な養豚産業を守るため、全力でこれから対応をしてまいります。
 私の冒頭の説明は以上です。まだ発生して、時間が経っておりませんので、まだ判明してないこともありますので、その点は、記者の皆さんにもご理解いただきたいと思いますが、今ある情報の中でできるだけ正確な情報を皆さんにお伝えできればと思います。
 ご質問があれば、お受けします。

質疑応答

(記者)
 今のお話の中で、風評被害の懸念ということが出てきたと思うんですけれど、今後、密集地帯ということもあってですね、前回よりも影響は大きいのかなと思うのですが、今後、例えば価格動向、買い叩きの懸念ですとか、あるいは消費の低迷ですとか、いろいろ考えられると思うのですが、どのように把握をされて、どのような支援策を打っていかれるおつもりか、お考えをお聞かせください。

(知事)
 今の価格対策等々も含めてですね、今後の情勢はしっかりまず注視していかなければいけないと思います。その状況を踏まえて、我々としても具体的な対応を考えていきたいと思います。
 前回、豚熱が発生した際もですね、いわゆる豚肉価格に大きな影響があるのではないかという懸念も、いろいろとあったんですけれども、結局、下落は起こらなかったっていうこともありますので、冷静に、よく状況を見据えた上で、最も効果的な対応というのを考えていきたいと思います。
 (農政部長)付け加えることありますか。

(農政部長)
 農政部長でございます。
 価格につきましては、前回市場からの価格の調査、聞き取りによりまして、大きな影響はなかったということは確認をしております。
 今回もそういった(調査をしっかり行っていく)ことが必要かと思っております。

(記者)
 周辺農場多いということなんですけれども、そこでの感染防止対策の徹底ですとか、あるいは豚に異常が出ていないかですとか、そういったものの確認というのは、これからどう進めていかれますか。

(知事)
 当然、我々が最も考えなければいけないのは、今回の感染が周りに広がっていかないようにすることだと思うんですよね。
 まさに、群馬県の養豚業の中核の一つである地域で起こったっていうことなので。
 ちょっと今の状況を、どういう対応をしているのか、もうちょっと具体的に答えてもらえますか。

(畜産課長)
 今回の発生を受けまして、各家畜保健所は注意喚起のチラシを流しております。
 また、近隣の発生農地付近の農家さんにおかれましては、飼養衛生管理基準について、重要な項目については、再度聞き取りなり、自己点検をするように指導をしていく予定です。

(記者)
 先ほど、知事のお話の中でもありましたように、これだけ徹底した防疫体制をしていても発生してしまったとなると、周りのところでも、一生懸命やっておられるのだとは思いますが、予防的にPCR検査などをですね、検体を取ってするようなこともあり得るのでしょうか。

(知事)
 今、記者さんが言った点は、とても大事だと思うのですが、最も重要なことはですね、まず原因を究明することだと思ってるんですね。
 先ほど申し上げたとおり、前回、豚熱が発生してからですね、各養豚農家の方々から、示していただくチェックリストなんかも含めて、相当働きかけを行ってきて、随分、状況も変わってきてた中での発生なんですね。
 今まで我々が確認したところによると、この農場においては、かなりしっかりやっていただいていたということで、確か農場に入るときにもシャワーを浴びないと入れないみたいなことまでやっていたと。ですので、この状況で、やはり今回発生したっていうことには、私もかなり衝撃を受けております。
 しかし、発生したということは、何らかの原因があると思うので、まずそれをしっかり突き止めることが、大事だというふうに思っています。そうじゃないとですね、やはり当然のことながら、先ほど申し上げましたけれども、周りの養豚農家の方々にも大変な衝撃が走っていると思いますので、まずはしっかり原因を究明して、どんな対策を打てばいいかということを把握して、それを伝えることがとても大事だと思っています。

(記者)
 最後に確認ですが、殺処分にあたっては、既に自衛隊にも協力を要請して進めていかれるということでよろしいわけですか。

(知事)
 その辺は、危機管理監の方から具体的に。

(危機管理監)
 危機管理監です。
 自衛隊への災害派遣要請については、(午後)7時10分に知事の指示を受けまして、私の方から十二旅団長の方に要請をお願いしたところです。

(知事)
 自衛隊派遣については、先ほど申し上げたとおり、ここに来る直前に、岸防衛大臣にメールで連絡をさせていただきました。必要があれば、私の方からもお願いをしたいと思っています。
 前回の豚熱の時もですね、実は自衛隊の皆さんに本当にお世話になりました。ただ、自衛隊の出動を要請するということは、しっかりと自衛隊にやっていただく中身を明確にしなければいけないというふうに思うんですね。丸投げみたいなようなことは決してあってはならないので、そこをしっかり整理した上で、お願いしたいと思っています。
 ただ、先ほど申し上げたとおりですね、1件でやはり1万頭以上の処分というのは、過去にも例がない最大の事案だということを鑑みれば、何とか、やはり自衛隊の部隊のご支援はですね、いただきたいなというふうに思っています。

(記者)
 今回ですね、陽性が判明した豚は、いずれもワクチンを接種していたということでいいのでしょうか。

(知事)
 そこはいかがでしょうか、正確に。そうだと思いますけれど。

(畜産課長)
 今回農場の方にも聞き取りを行っておりまして、全てですね、ワクチンは打たれているのに、だんだん具合が悪くなってきたということを聞き取りしております。

(記者)
 ワクチン接種をしていても、抗体保有率は100%ではないかと思うんですけれども、ワクチン接種済みの豚でも感染が出てしまったということについて、知事はどういうふうに受けとめてますでしょうか。

(知事)
 まず確率について、ちょっと話してください。

(畜産課長)
 今ご質問にあったとおり確かに(ワクチン接種後の抗体保有率は)80%、いわゆるあと2割はですね、上がってないこともあり得るということだったのですが、この農場におきましてはですね、事前に免疫付与検査ということで、個体の検査を行っておりまして、大変、抗体率が確実に上がっていて、守られていると思っています。
 ただ、先ほど言ったとおり、いわゆる子豚の時にワクチンを打つ前にですね、何らかの形で、もしかしたらウイルスとの接触があってですね、既にかかっていたということもあるかもしれません。
 ただ、原因はこれからですね、疫学調査班が解析をすると思いますので、なぜそうなったということについては、やはり(現段階では)原因はわからないと思います。

(知事)
 今、話があったように、リスクを完全にゼロにすることはできないと思うのですが、相当しっかり我々として対策を取ってきたつもりなので、その中で豚熱が発生したってことには、少なからず衝撃を受けています。
 ただ、冷静にしっかりと事実を把握して、原因を究明するってことが大事なんだと思います。

(記者)
 先ほど総力戦というお話がありまして、自衛隊の方には要請をかけたということなんですけれども、茨城県とか栃木県の方からも職員の方がいらっしゃることは決まっているのでしょうか。

(知事)
 まずは、とりあえず明日から土日も入りますし、最初は県職員でしっかり対応していってですね、とにかくいろんな方々にできるだけ応援をいただくようなことになると思うんですけれど、まずはちゃんと受け皿みたいなものも、しっかりはじめに作って、その上でいろんな支援をいただくことになると思うんですね。
 ですから、まず私の方から申し上げたのは、この時点で福田(栃木県)知事にも、大井川(茨城県)知事にも申し上げたんですけど、こうやって豚熱が発生してしまいましたと、これから、かなりの規模なので群馬県として全力を尽くしていきますと、今後また近県のお力をいろんな形でお借りすることもあると思うので、その時はぜひ、ご協力お願いしますというふうに申し上げて、両知事ともですね、できることがあれば喜んで何でも協力すると、こういうふうに言っていただいていますので、とりあえず基本的に協力していただくというお言葉をいただいたという段階です。

(記者)
 現在で外部の方で派遣が決まってるのは自衛隊の方だけということでよろしいんでしょうか。

(知事)
 そういうことです。
 ただ、これから先ほど申し上げたとおり、とりあえず、まず県の職員がしっかりと中心になって始めますけれども、もちろん前橋市からの協力もいただかなければなりませんし、それから、今日、明日にかけてですね、特に養豚が盛んな群馬県内の市町村とか、協力いただけるようなところについては、全て私の方から協力を依頼したいというふうに思います。
 それから、本当に全県をあげて、力を借りて対応しなければいけないので、宇留賀副知事の方から県選出の国会議員の皆さんの方にも連絡をしていただきましたし、当然、県議団からも協力をいただきたいと思いますし、とにかく、ありとあらゆるところから協力をいただいて対応したいと、そういう体制をしっかり作って、とにかく取り組みたいというふうに思います。

(記者)
 埋却地に関してなんですけれども、県の方で発生した場合、埋却する場所に関してデータベースの構築を進めてたのかなと思うのですが、そこに上がっていた場所では今回足りなさそうということなんでしょうか。

(畜産課長)
 現在ですね、各農場につきまして、埋却地については農家さんから報告を受けたものについては、データベース上で県庁職員のみが共有できるような状況にはなっております。
 ただ、昨日の段階で疑いがあるところが出るといったところですので、事前調査の中で、面積としてですね、頭数の割には、もしかしたら埋めきれない可能性があるということで、不測の場合は、また別の場所を検討するということになっております。

(記者)
 最後に知事に伺います。
 考え得る対策を取られてきた中での発生だったと思うんですけれども、この豚熱対策は、どういった点が難しいと知事はお考えですか。

(知事)
 先ほど申し上げたとおり、なぜ発生したのかについては、今はよくわからないので、まず原因を解明することが先決だというふうに思っています。
 何が難しいっていうか、考え得る限りの対策を本当に取ってきたつもりなんですが、やはり何か原因があって発生していると思うので、そこを突き止めて、それに対してできることをやっていくしかないというふうに思います。
 他にありますか、皆さんの方から、よろしいでしょうか。

知事メッセージ

 それでは、最後に県民の方に申し上げたいと思います。
 先ほど冒頭に申し上げたとおり、養豚産業は群馬県にとって大変重要な産業です。
 知事としてもですね、特に豚熱対策については、最優先課題として取り組んでまいりました。
 何とかこの豚熱を発生させないために、あらゆる手段を取ってきたつもりなんですが、今回こういう形で2度目の発生ということになってしまいました。
 まず、知事としては、本当に県民の皆さんに申し訳ないというふうに思っております。
 ただ、発生した以上は、とにかくこれをしっかり抑え込んでいかなければいけないと思いますので、先ほど申し上げたとおり、ありとあらゆる力を結集して、しっかりとこれ以上、この豚熱の感染が広がらないように全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。
 不安を抱えておられる養豚農家の農場主の皆さんも大勢おられると思いますが、農水省の調査も来ると思いますけれども、この原因をしっかり解明してですね、全県をあげて対応してまいりますので、その点はしっかり連携をしながら、この問題をですね、ともに乗り越えてまいりたいというふうに思います。
 最後にそれだけ申し上げまして、緊急会見を終わらせていただきたいと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。