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大規模地震対策についての提言

 群馬県議会大規模地震対策特別委員会から群馬県知事あてに、下記のとおり提言を行いました。

 大規模地震対策についての提言

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9.0という日本観測史上最大の規模をもって東日本を襲い、続いて引き起こされた大津波とともに、広範囲に未曾有の大惨事をもたらした。また、これを原因とする福島第一原子力発電所の崩壊事故は、放射能という新たな災害をも私たちに突きつけた。
 今、この東日本大震災からの復興と、今後起こりうる大地震による災害を未然に防ぐための防災対策が、強く求められている。
 それは、東日本大震災に係る電力及び生活・産業関連物資の供給不足対策に関すること、福島第一原子力発電所事故に係る県内の放射線被害対策に関すること、東日本大震災に係る県内の産業支援に関すること、大規模地震防災対策に関すること及び災害廃棄物の広域処理に関することなど、極めて多岐に渡る。
 このような状況の中、当委員会は、昨年5月の委員会設置以来、1年に渡る各般の議論の成果を、ここに「提言」としてまとめるものである。
 ついては、県当局におかれては次の事項に配慮され、今後とも県民の安心・安全なくらしを守られるよう、強く要望するものである。

1、東日本大震災に係る電力及び生活・産業関連物資の供給不足対策に関する事項

  1. 非常時の燃料不足による県民生活の混乱や産業界の生産活動の停滞を回避するため、情報提供や要請活動を積極的に行うこと。
  2. 県立病院を含む医療機関には、非常用電源のための燃料が優先して供給されるよう、施策を講じること。
  3. 非常時における信号機の滅灯対策として、自動起動式信号機等の整備拡充を図るなど、交通安全の確保のため必要な対策を実施すること。
  4. 節電対策の一環として道路照明の消灯に当たっては、地域要望を踏まえ、交通安全上支障を来さないよう消灯箇所を選定し実施すること。
  5. 原発依存から脱却するための地方の努力として、再生可能エネルギーの導入を推進すること。

2、福島第一原子力発電所事故に係る県内の放射線被害対策に関する事項

  1. 放射能濃度及び放射線量の県民への情報公開は、正確な情報を迅速かつ分かりやすく、しかも積極的に行うこと。また、子ども達への放射能に関する教育に当たっては、健康被害等も含めて正しい知識を習得できるよう、配慮すること。
  2. 周囲より放射線量の高い、いわゆるホットスポットについては、不用意に近づかないよう情報提供を行うとともに、市町村と連携し適切に除染を行うこと。
  3. 放射性物質による健康への影響について、専門家による会議を継続的に実施し、そこでの議論を公表すること。また必要に応じて健康追跡調査の実施などを検討すること。
  4. 放射性物質の食品汚染から県民の食の安全を守るために、流通食品中の安全検査や学校給食の食材検査などの対策を部局横断で実施し、積極的に情報提供すること。
  5. 放射性物質を含む下水汚泥については、国及び東京電力に働きかけ、早期に処理が行われるよう努力すること。

3、東日本大震災に係る県内の産業支援に関する事項

  1. 非常時における農家や中小企業への救済措置は、現場の声によく耳を傾け、利用しやすい施策を講じること。
  2. 農畜産物の放射性物質による被害や風評被害については、東京電力及び国に対して誠意ある補償を求めていくこと。また、本県の農畜産物の安全性確保の取組みを全国に発信し、その安全性を積極的にPRすること。
  3. 中小企業の実態をよく把握し、緊急の運転資金など中小企業者が真に必要としている資金の融資が円滑に行われるよう施策を講じること。また、原発事故による風評被害等を受けた中小企業が、個別に賠償請求を行う場合の支援について検討すること。
  4. 観光業の風評被害について、適切な補償が行われるよう、東京電力及び国に対して積極的に働きかけを行うとともに、正確な情報発信により風評被害を払拭すること。

4、大規模地震防災対策に関する事項

  1. 過去の大地震を調査し、その被害を検証するなど、歴史から学ぶとともに、専門委員の活用など専門家等の意見も参考にして、群馬の安全神話を乗り越えた地震防災戦略を策定すること。
  2. 県地域防災計画の見直しに際しては、男女共同参画の視点や要援護者に配慮した内容を充実させること。また、市町村の地域防災計画の見直しにあたっては、県も積極的に関わり、助言・指導を行うこと。
  3. 東日本大震災での経験や反省を踏まえ、非常時における連絡体制の見直しなど学校独自の防災マニュアルの充実を図り、子ども達の安全に資するとともに、防災教育の充実に努めること。
  4. 非常時の避難所となりうる学校などの公共施設には、非常用電源を計画的に配備するなど、必要な整備を行うこと。
  5. 地震災害に限らず、平時から火山、土砂災害等に備えた体制整備を心がけるとともに、非常時においては、救助のための道路の確保に優先的に取り組むこと。
  6. 災害時の孤立集落化が予想される地域を事前に把握し、非常時に速やかに対処できるよう、迂回路の調査などを普段から進めておくこと。
  7. 災害時に発生が予想される避難者の人数、年齢構成などを想定し、避難所や備蓄物資の確保などを行い、十分に備えておくこと。
  8. 県外からの避難者受け入れについても、状況を的確に把握し、住宅確保、病状把握、避難者相互のネットワークづくりなど、様々な支援策に取り組むこと。
  9. 救援物資は被災地のニーズを的確に把握し、県、市町村、民間団体、ボランティア等とよく連携し、必要なものが必要な人に届けられるようにすること。
  10. 防災訓練は画一的な内容にならないよう毎回工夫するとともに、東日本大震災の経験を活かし、民間団体や住民組織とも連携して実効性の高い内容とすること。
  11. 大地震による被害を最小限に押さえるため、建物耐震化を推進する施策を講じること。
  12. すべての市町村で防災行政無線が整備されるよう働きかけるほか、複数の通信手段の確保に向けて支援を検討すること。
  13. 県と市町村が十分に連携し、消防団員の確保、装備の充実など防災組織の充実、活性化に向けた取組みを推進し、地域の安全が確保されるよう努めること。同時に警察や消防、消防団、防災組織など、救助・救援活動を行う側の安全も確保すること。

5、災害廃棄物の広域処理に関する事項

  1. 受け入れ能力に余裕のある市町村・民間工場に対して、積極的に受け入れを働きかけること。
  2. 放射能汚染に対する地域住民の不安を払拭するため、市町村と連携し、安全性に関する説明及び情報公開を積極的に行うこと。
  3. 広域処理が円滑に進むよう、国と市町村等との調整役に努めること。また市町村等の要望は速やかに国へ伝達すること。
  4. 当事者意識を強く持って、受け入れ主体である市町村等をあらゆる面から支援すること。

 以上、提言する。

 平成24年5月16日


               群馬県議会大規模地震対策特別委員会


 群馬県知事 大澤正明 様


<連絡先>

議会事務局政策広報課
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電話 027-897-2892
FAX 027-221-8201
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