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決算特別委員会議事録(その2)(平成25年10月30日)

1.開催日時

 平成25年10月30日(水曜日)10時00分~16時36分

2.開催場所

 本会議場

3.出席委員

 委員長:腰塚誠、副委員長:須藤昭男
 委員:中村紀雄、委員:関根圀男、委員:中沢丈一、委員:塚越紀一、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:星野寛、委員:大沢幸一、委員:塚原仁、委員:織田沢俊幸、委員:狩野浩志、委員:新井雅博、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:舘野英一、委員:萩原渉、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:茂木英子、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:あべともよ、委員: 水野俊雄、委員:後藤克己、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:臂泰雄、委員:吉山勇、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明、委員:高田勝浩、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶

4.欠席委員

 委員:田所三千男、委員:大林俊一

5.議事(その2)

総括質疑

新井委員

 10の候補予定地も、熟度を高めるのは管理者と県の担当職員の熱意ですから、「それぞれの市町村が地権者をまとめて」というだけでなく、ぜひ積極的に関わっていただくようにお願いして、管理者に対する質問を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、知事、お願いいたします。
 産経部長の答弁、管理者の答弁がありました。これを受けて、群馬県の企業誘致推進本部長としての知事のご所見、今後の取り組みについて、お尋ねさせていただきます。

大澤知事

 二人からも答弁がありましたけれど、企業誘致は本県経済に活力を与える極めて重要な産業振興施策でありまして、私は就任以来、県政の最重要課題の1つとして、積極的に取り組んできたところであります。
 まず、平成20年5月に企業誘致推進本部を設置いたしまして、誘致推進のための全庁的な組織体制を整えるとともに、企業に自治体トップとして、その熱意を伝えることが重要であると考えまして、これまでに東京、名古屋、大阪で企業立地セミナーを延べ8回開催し、首都圏や中京圏の企業に対して本県の魅力を幅広くアピールして参りました。
 また、企業の進出を促すためには社会資本整備が重要でありまして、北関東自動車道の全線開通に合わせまして、その効果をより一層高めるため、7つの交通軸構想によりまして、高速道路へアクセスする幹線道路の整備も合わせて進めてきたところであります。これらの取り組みによりまして、平成24年度の工場立地動向調査においても、製造業の立地面積は全国1位になるなど、着実に成果が上がってきているところであります。
 この流れを途切らせることなく、本県のより一層の産業振興を図り、地域経済をさらに活性化させるために、今後も引き続き企業のバックアップ機能誘致や次世代産業振興などの観点から、戦略的な誘致施策を展開していくことが重要であると考えております。そのためにも、先を見据えた産業用地の確保が急務であると考えております。昨年、選定いたしました新規産業団地候補地の早期事業化に向け、市町村ともしっかり連携して対応していきたいと考えております。いずれにしても、引き続き企業誘致推進本部長として、私自ら先頭に立って、必要な産業用地の確保と企業誘致に取り組んで参ります。

新井委員

 本部長自ら先頭に立って、その指揮にあたるということでありますので、産経部長並びに企業管理者は良く聞いていただいて、それに従いながら、積極的に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。以上です。
 最後、2分でありますけれど、教育長、お願いいたします。
 早速始めさせていただきますけれど、通学路の緊急合同点検。
 昨年、24年度の4月に相次いで千葉、京都等で生徒児童を巻き込む悲惨な事故が起きた結果を受けて、文科省あるいは国交省、警察庁から「緊急に」という指示が出たわけであります。その指示に基づいて、どのような調査結果並びに成果が出たのか、教育長にお尋ねさせていただきます。

吉野教育長

 議員に紹介いただきました3つの省庁からの依頼を受けまして、昨年8月末までに学校、保護者、教育委員会、道路管理者、警察によりまして、県内の公立小学校及び特別支援学校小学部の通学路を対象とした合同点検が実施され、対策が必要な箇所1,284箇所が判明したところであります。その後、学校、教育委員会、道路管理者及び警察の取り組みによりまして、昨年度末までに対策必要箇所のうち、715箇所、55.7%で対策が完了いたしました。
 なお、対策が済んでいない箇所につきましては、今年度中におおむね完了する見込みでございます。

新井委員

 せっかく3省庁から通達が出て、県教育委員会、市町村教育委員会、そして施設整備の道路を管理する県並びに市町村道路管理者、そして警察、学校、保護者。この連携ができて、この危険箇所点検作業等々ができたわけでありますので。これは永遠のテーマで、24年度だけ、25年度だけですむ話ではないので、ぜひ教育長、教育委員会が中心になって、児童生徒の交通安全対策チームを立ち上げていただいて、県土整備部あるいは警察当局に「教育長自身が危険箇所の指示」、「その対策ができたかどうかの報告を受けさせる権利」、このくらいを持った対策チームを立ち上げた方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。

吉野教育長

 今、議員のご指摘にありましたように、通学路の安全対策につきましては、今までは学校あるいは市町村教育委員会が個別に道路管理者や警察へ要望してきたわけですけれど、今お話しのように、今回の緊急合同点検を実施したことによりまして、対策必要箇所についての情報を関係機関が共有し、協力して迅速に対策を進めることができました。県教育委員会といたしましては、引き続き、今回できあがったこの枠組みを活用して、関係機関と連携しながら、子ども達の安全・安心の確保のために通学路における安全を確保して参りたいと考えております。

新井委員

 ありがとうございました。
 引き続きの残り時間は中村委員の方に引き継がせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。

腰塚委員長

 以上で、新井委員の質問は終了いたしました。
 次に、中村紀雄委員、質問者席へ。

中村委員

 危機管理監、答弁者席へお願いします。
 災害対策についてお尋ねいたします。
 過日、鹿児島県に行きまして、そこの火山対策で非常に教えられることがありました。全国で110の活火山があると言われますが、具体的な避難対策を設けているのは、鹿児島県の中の2つだけだと。そこで説明を受けましたところ、いざという時に「どの地区のどの部落はどの業者と提携して船に乗る」とか、細々とした具体的な対策が取られておりました。やはり、ここまで具体的な避難計画が作られないと、人命の救済はできないと思います。そして、3.11以来、大災害の時代に入りまして、最近の異常気象はこれに拍車をかけております。そして「群馬は大丈夫」という安全神話に胡座をかいている状況であります。5つの活火山があり、専門家に言わせると「現在のこの静けさは不気味である」とも言われております。しかし、必ず来ると思わなくてはいけない。
 そこで、まず火山の対策について、具体的な避難計画はどういうふうに進めるのか、お聞かせください。

中野危機管理監

 本県には、浅間山、草津白根山をはじめとした5つの活火山がございますが、こうした火山の噴火に際し、周辺住民や観光客などの皆様に安全に避難していただくためには、避難対象地域、居住世帯、避難場所、避難方法、避難経路等を明示するなど、具体的、実践的な避難計画が必要であると考えております。
 そのため、県では「県地域防災計画」におきまして、避難計画における避難誘導など基本的事項について定めるとともに、「火山噴火防災計画」におきまして、浅間山及び草津白根山について具体的な自主避難道路、広報手段などについて、より詳細に定めております。
 さらに、5つの活火山の中でも最も警戒すべき浅間山につきましては、本県、長野県、周辺市町村、防災関係機関、大学教授などの火山専門家等で構成される「浅間山火山防災協議会」において、積雪期における中規模な噴火により発生した火砕流等により積雪が溶け、大量の水と土砂が一体となって高速で流れ落ちる「融雪型火山泥流」に対する「具体的で実践的な避難計画」の策定に着手したところでございまして、今後地元市町村等と緊密に連携し、出来る限り早期に計画が策定できるように取り組んで参りたいと考えております。

中村委員

 具体的な避難計画の作成に着手したということでありますが、「待ったなし」でありまして、まずこの具体的な避難計画ができて、それに基づいて避難訓練なども可能になるわけでありますから、早急に危機感を持って進めていただくことをお願いいたします。
 次も危機管理監でございますが、地震対策でございます。
 地震対策についても同じように「群馬は大丈夫」という安全神話が支配しているわけですけれども、決してそうではないということを3.11は教えておりますし、また、最近のいろいろな研究結果、成果は「いつどこに起こるか分からない」ということを示しております。
 そこで、過日私はこの点についても質問したわけでありますが、各市町村でどのような地震が生じる可能性があるか調査いたしました。先ほどの質問と同じ認識なんですが、災害弱者と言われる人達が非常に多い。そして、「災害時要援護者避難支援計画」の作成が必要だと思います。それは各市町村が取り組んでいると思うんですが、その進捗状況と、やはり県の大きな使命と役割があると私は思います。進捗状況と県の対応についてお聞かせください。

中野危機管理監

 災害時要援護者対策につきましては、国が平成17年に策定した「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」の中で、市町村においては、災害時要援護者の避難計画を具体化するために「全体計画」及び「個別計画」を策定することとされております。
 「全体計画」につきましては、災害時要援護者対策の基本的な方針や要援護者の対象範囲、要援護者名簿の作成方法、要援護者に対する市町村各部局や関係機関の役割分担等の避難支援体制の取り組み方針を明記することとなっており、既に県内全市町村が策定済みであります。
 「個別計画」につきましては、要援護者一人ひとりの避難支援者や避難経路、避難方法等を定めることになっており、行政だけでなく、地域をあげての取り組みが必要であるため、各市町村におきましては、防災部局と福祉部局との連携のもと、地域の自治会や社会福祉協議会、民生委員や消防団員等のご協力を得ながら取り組んでいるところでございまして、現在7市町村が策定済み、26市町村が策定中であり、残る2町村が未着手という状況になっております。
 県では、こうした状況の中、市町村における個別計画の策定を促進するため、群馬県版の「作成の手引き」を作成し配布させていただくとともに、昨年度は総務部と健康福祉部との共催で「災害時要援護者支援セミナー」を開催し、個別計画策定の先進的な市町村の取り組み事例発表を行うなど、市町村の取り組みを支援しているところでございます。
 今後も健康福祉部と連携し、様々な機会を捉えまして、市町村に対して個別計画の策定支援及び働きかけを行って参りたいと考えております。

中村委員

 高齢社会が進んでおります。そしてまた、最近の異常気象は凄まじいものがあります。最近の伊豆大島町の惨状は他人事でなく、私たちにも「大変な時代が来た」ということを教えております。
 今、「26の自治体がまだ完成していない、未整備のところもある」とお話しがありましたが、最近のこういう状況をしっかり踏まえて、危機感を持って取り組んでいただきたいと、ここで要望しておきます。
 災害対策の3番目ですけれど、首都圏直下地震が近い、そして南海トラフ型もいざ起きれば、こちらにも大変な影響があるだろうと。そういう中で「群馬は災害の少ない所」と言われておりますけれど、いざという時に近隣都県との広域な連携というものが、今までも考えられていたわけですけれど、重要性と役割・使命が一段と高くなっております。そういう中で、どのような姿勢で取り組むのか、計画をお示し願いたいと思います。

中野危機管理監

 防災面における近隣都県との広域連携につきましては、東日本大震災の経験を教訓に、現在、近隣都県と3つの協定を締結しまして、重層的な広域連携に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、関東知事会を構成する1都9県による「災害時等の相互応援に関する協定」、次に群馬県・福島県・茨城県・栃木県及び新潟県5県による「災害時等における相互応援に関する協定」、3つ目といたしまして、群馬県・埼玉県・新潟県3県による「災害時相互応援及び防災協力に関する協定」を締結しまして、物資等の提供及びあっせん、応急対策に必要な職員の派遣等について取り決めを行っているところでございます。
 中でも、埼玉県・新潟県との協定は、災害時だけでなく、平時の取り組みについても協定に盛り込んでおり、災害時の連絡員の派遣に関するマニュアルの作成や他県の訓練への参加、3県共同による住家の被害認定調査の研修の実施に取り組んでいるところであり、さらに、広域的な課題であります首都直下地震への対応として、3県連携による広域的な避難者の受入れ等についても、共同研究に着手したところであります。
 これらの連携以外にも、先ほどお答えしました浅間山の噴火対策など、火山災害における長野県等との連携なども行っているところでございます。
 委員ご指摘のとおり、大規模な災害対応にあたりましては、近隣都県をはじめとする広域連携は非常に重要であると考えており、今後は協定の内容をより具体的なものとするなど、近隣都県と緊密に連携して災害対応に万全を期して参りたいと考えております。

中村委員

 今、お聞きいたしまして、そういう近隣都県との協定を紙の上のプランに終わらせることなく、一層活かすことが喫緊の課題なんだと思います。群馬の役割は特に重要であると思います。そしてまた、そういう対策、近隣都県との協定を踏まえて、それぞれの市町村との連携にも活かさなくてはならない。そういうこともここで要望しておきたいと思います。災害については、繰り返すようですけれど、安全神話が支配していて、それを打ち破るということが大きな課題でありますから、3つの質問を申し上げましたけれど、一層の危機感を持って取り組んでいただくことを要望して、危機管理監への質問は終わります。
 県土整備部長を。
 私が最重要と思う観点に絞ってお尋ねいたします。
 八ッ場ダムがやっと動き出しまして、本体工事の予算も計上されるということになりましたし、また、この議会におきましても基本計画の変更ができました。可決されたわけであります。しかし、本体工事の完成には6年以上かかるということで、地元の住民の皆さんは本当に、どのように生活再建をするのかということで、困っている、迷っていると思います。それにできるだけ迅速に応えるということが私たちの使命であると思いますので、平成24年度までの生活再建事業の進捗状況と今後の予定について、簡潔にお答えください。

笹森県土整備部長

 八ッ場ダムの生活再建事業の進捗状況についてのお尋ねでございました。
 まず、インフラについてでございますが、国道・県道は延長約22.5キロメートル、約92%が完成し、供用を開始しております。また、JR吾妻線の付替工事でございますが、約9.3キロメートル、約90%になりますが、軌道が完成しているということでございます。
 このほか、町道や上下水道事業など、より生活に密着したインフラ事業に関しましては、代替地の整備や家屋の移転に合わせて進捗しているという状況でございます。
 また、地域振興施設でございますが、東吾妻町の日帰り温泉施設であります「天狗の湯」、長野原町の「道の駅八ッ場ふるさと館」、「JR長野原草津口」が既に開業しているということでございまして、「王湯会館」、「JR川原湯温泉駅」、「滞在型農園」、「新川原湯温泉街駐車場」などの整備は、平成25年度内の完成を目指して進められているところでございます。
 地域振興施設の整備に関しましては、地元をはじめ、関係機関による協議が整ったところから順次進められておりますが、一部の施設につきましては、地元の合意形成に時間を要しているものがございます。県といたしましては、今後とも全力を挙げて支援して参りたいと考えております。

中村委員

 半世紀以上にわたって、ある意味では政治に翻弄されて、たいへんな犠牲・迷惑を被っている地元住民の方でありますので、それが今、こういう好機到来で、待ちに待った時期が到来して、それに応える時期でございますので、今お答えいただいたことを踏まえて、本当にできるだけ早急に進めていただくことをここで強調して、この質問は終わります。
 次に教育長、答弁者席にお願いします。
 調査によりますと、クラブ活動で体罰が一番多かったということでありました。この難しい課題を乗り越えるということは、今の社会的な状況を背景といたしまして、非常に大きな問題があると思います。一大決心をして、私たちはこれを乗り越えていかなくちゃならない。そこで、これは「クラブ活動の意義は何か」とか「スポーツのあり方・目的は何か」とか、大きな課題があるわけですけれども、私は学校だけで手に負えることではない、地域社会の理解と連携が不可欠であると思います。
 そこで、学校外の関係者も加えた部活動検討委員会が進められているわけでございますけれど、その設置状況と運営状況について、また県の対応についてお聞かせ願いたいと思います。

吉野教育長

 県教育委員会としましては、中学校・高等学校運動部活動指導資料を作成いたしまして、この8月に県内全ての中学校・高等学校に配布したところであります。お尋ねの部活動検討委員会につきましては、この資料の中で示したものでございます。
 各学校において設置する部活動検討委員会は、委員仰るように、学校職員以外にも保護者、地域スポーツ関係者、学校医などで組織し、練習内容や練習時間、学校と保護者・地域との連携等について協議することとしています。
 各学校の部活動に対する取り組みや、各部の活動について、地域や保護者の意見も取り入れながら、委員会としての改善策などを提案してもらうことは、健全な部活動運営に向けて効果的な方法であると考えております。
 委員会の設置状況につきましては、既存の学校評議委員会の組織を活用し、学校評価の結果をもとに検討を行っている学校が多く、現在のところは設置に向けて組織編成や人選等の準備段階にあると考えております。
 県教育委員会といたしましては、既に委員会を設置した学校の情報を提供するなど、具体的な設置の方法を示しながら、設置を促し、地域や保護者の部活動への理解が深まるよう各学校を指導して参る所存でございます。

中村委員

 この問題については、部活動そしてまたスポーツに関する価値観の転換を迫るものがあります。地域が一体となって支えるということは、そこにも大きな問題点があると思います。そのことと関係するのが次の質問でございますけれど、やはり力によって、スパルタ主義によって、体罰によって力を引き出すというのは非科学的でありますし、それはもう通用しないんだということを、しっかり関係者は理解しなくちゃいけない。特にスポーツの指導者は、そのことを芯から理解しなくてはいけない。一番大切なことは、指導者に対する信頼関係だと思います。人の心というのは、外からは開かれない、中からしか開かれないという、聖書の言葉もありますけれど、私はその通りだと思います。
 そういう信頼関係の醸成。それから、どうしても試合においていい結果が出ることを期待し過ぎるところがある。そういう勝利至上主義を改めていくことが、ひいてはスポーツの裾野を広げて、健全なスポーツを育て、そして強いスポーツを育てていくことになると思いますけれど、この点をどうお考えか。そして、今後の部活動の健全化に向けて、どのように取り組むお考えか、簡潔にお答えください。

吉野教育長

 委員ご指摘のように、部活動は指導者と生徒の信頼関係が活動の前提にあると、私も認識しております。このためには、指導者が生徒の意見を把握し、それを反映させた目標を設定するとともに、練習方法やその意義を明確に部員に伝え、生徒の主体性を尊重しながら活動させることが重要であります。試合の成果を過重に評価する勝利至上主義、あるいは体罰等を厳しい指導として正当化すること。これは誤りであり、指導者一人ひとりがその認識を持つことが重要であると考えます。
 県教育委員会といたしましては、指導者を対象とした研修会の内容充実を図るとともに、各学校における指導資料の継続的な活用の推進、部活動検討委員会の効果的な設置・運営を通して、部活動の健全化に向けての指導を充実させていきたいと考えております。

中村委員

 再度の東京オリンピックが7年後ということで、日本人が心を一つにして大きな課題に取り組む時期に来ているわけです。スポーツについては、今は絶好のチャンスでありますし、また、繰り返し繰り返し同じ過ちが起きていることに対して、しっかりとした答えを出さないと。それは日本全体の問題でもありますけれど、地方がしっかりとした答えを出さないと、取り返しが付かないことであろうと私は思います。
 最近、あるスポーツの大会の様子を見ていたら、優勝した女の子がオリンピックのことを口にしておりました。出られないかもしれないけれど、うんと頑張るんだと。これは、オリンピックの存在が子ども達に夢を与えていることだと思うんですね。このことは、一部のスポーツの優秀なエリートだけに力を与えるんじゃなくて、一人ひとり、全部の子ども達に同じような勇気を与えるものでなくてはなりません。そして、そのことが教育委員会、私たちも含めて大きな使命になっていると思います。そして、90何%の指導者は理解していると思うんですけれど、同じことが繰り返される。これは非常に困ったことであります。
 以上のことを含めて、ここで教育長の決意をお聞かせ願いたいと思います。200万県民に向かって表明する決意であるということを認識して、ひとつお答えください。

吉野教育長

 今、委員がご指摘のように、スポーツの持つ効用・意義、それを踏まえて、特にその中でも部活動というのは、生徒の人間的な成長あるいは充実した学校生活、体力の向上や健康の増進、知力の向上や芸術性の醸成など、生徒の健全育成に大きく貢献するものと考えております。そうした部活動の場面で体罰を行うことは、このような部活動の価値を否定するものであり、断じて許されない行為であると考えております。
 部活動の指導から体罰や誤った勝利至上主義を一掃し、子ども達が生き生きと活動に取り組めるよう、部活動検討委員会の適正な運営をはじめとして、とにかく指導者の理解・認識を深め、指導の充実に努めて参る所存でございます。

中村委員

 部活動はスポーツの健全化を通して、生きる力を子ども達に与える極めて大切な教育の一環でございますので、重ねて要望いたしますが、その決意をいろいろな関係者と力を合わせて実現するように努力していただきたいと思います。終わります。
 総務部長、答弁者席にお願いいたします。
 行政改革は、個々の行政の事務・仕事をいかにやるか。仕事の仕方の如何によって、いろいろな効率と費用の削減ということで差が出てまいります。私がかねてから質問してきたことに、総務事務の集中化ということがあって、これは委員会でも最近答えていただきましたが、その他にもいろいろあると思うんですね。各部署が持っている公用車のことであるとか、その他あると思うんです。それを、仕事の仕方をいかに改革していくかということを示すことの具体例として、現在進めていることと、これからの取り組みをお聞かせください。

岡野総務部長

 現在進めております新行政改革大綱の中で、仕事の仕方の改革という項目を取り上げて、事務処理の効率化や経費削減などに取り組んでおります。
 具体的に申し上げますと、先ほどお話がありましたけれど、公用車の集中管理、これを24年度で行いました。集中管理開始時点で195台の県庁の公用車がありましたけれど、これを集中管理することによりまして、1年で13台を削減できました。その他、管理運用での効率化、そういったものが図られております。
 その他、合同庁舎などで廃棄物として処理している部分から資源ごみを分別して、その売り払いを行うようにしてまいりました。売り払い可能となる量が増加したことによりまして、24年度は全体で、額は48万7千円なんですけれど、一部の合同庁舎では今まで資源ごみの処理費用を払っていた部分、それ以上の売り払い収入が出たという状況になっております。
 新行政改革大綱は、今年度でちょうど推進期間が終了するわけですけれど、目標達成に向けてしっかり取り組んでいくとともに、新たな新行革大綱の中でも、今委員が仰ったような視点で取り組んで参りたいと思います。

中村委員

 行政改革、行財政改革というと、とかく大風呂敷になるんですけれど、そういう具体的なこと、やればやれることから進めることが非常に肝要であると思いますので、今のようなことをもっと進めていただきたいとお願いして、終わります。
 ちょうど私に与えられた質問時間が終了でございますので、以上で終わります。

腰塚委員長

 以上で、中村委員の質問は終了いたしました。
 次に、関根圀男委員、質問者席へ。

関根委員

 それでは、自民党の3番バッターということで、持ち時間28分でやらせていただきます。
 私の質問は、国際戦略と、土砂災害を踏まえた砂防事業・治山事業の2点であります。
 では、知事、お願いいたします。
 平成24年度から国際戦略が知事の主要政策の1つとしてスタートいたしました。尖閣問題とか竹島問題が発生して、中国や韓国と大変厳しい状況が現在でも続いているわけであります。戦略策定からこれまでを振り返って、知事はどのように状況を認識し取組を進めてきたのか、お伺いいたします。

大澤知事

 「県国際戦略」は、急速に発展を続けております中国、香港、台湾、韓国、アセアンなど、東アジアの勢いを本県経済に取り込むことを目指して昨年3月に策定したものであります。中国においてはその後の日中関係の悪化から、日本への観光旅行の大々的な宣伝が控えられておりまして、また、原発事故の影響による食品輸入規制も未だに継続されていることから、観光誘客や農畜産物販路開拓などで困難な状況が続いております。
 そうした中にありまして、海外における戦略拠点であります上海事務所の設置については、順調に準備が進みまして、本年4月に開所することができたところであります。9月に私も上海を訪問いたしましたが、中国の政府レベルの対応は未だに厳しい状況でありました。しかしながら、経済面は徐々に元に戻りつつあることや、今年3月の「群馬県日中友好協会」の立ち上げについては中国側も非常に高く評価しているなど、民間レベルではよい方向に変わりつつあることを実感したところであります。また、現地に進出した本県企業とのネットワーク構築が進んでおりまして、今後はこういった動きを踏まえて、現地に事務所を持つメリットを活かして取り組みを進めて参りたいと考えております。
 台湾や香港については、トップセールスをはじめ食品展や観光展への出展など積極的に進めてきております。香港においては、こんにゃく製品の輸出で大きな取引につながる事例も出てきたところでありまして、販路拡大の支援が進みつつあると思っております。また、トップセールスを通じて本県への観光誘客や販路拡大にご協力をいただける現地経済人との人脈ができたほか、台湾の地方政府とは、相互観光、農畜産物のPR、教育旅行など人的交流を進めるパートナーシップ協定を締結できたところでありまして、今後はこうした関係を活かしまして、観光誘客や販路拡大など具体的な成果につなげるための取り組みを行って参りたいと考えております。
 戦略策定からこれまで、日中関係をはじめとする国際情勢は刻々と変化してきており、今後も上海事務所をはじめ、あらゆるルートで情報収集を進め、変化へ柔軟に対応することによりまして、東アジアの活力を本県に取り込み、本県経済の発展に資するという戦略の当初の目的が達成できるよう努めて参ります。

関根委員

 私どもの日中議連でも、応援団ということで、一生懸命議員レベルでも交流とかいろいろと活動をしております。先般、日中友好協会ができたということで、私も驚いたのですけども、中国大使館から大使主催のレセプションへの招待状が届きまして、9月26日に私と会長の中村議員の2人が招待されてニューオータニに行きました。そうしたら、国会議員をはじめ経済界・政財界や地域の日中交流の関係者など1,500人ぐらいが招かれまして、大きなレセプションで、何か親睦ムードが盛り上がったようになっておりました。国会議員も小野里防衛大臣や野中元自民党幹事長、それから野田さんだとか、公明党の山口代表、経団連の会長、また、福田先生もご夫妻で参加されておりました。そうした様々な方が呼ばれて、交流ムードも高まっておりますので、何か報道されている国と国とのいがみ合いとはまた感覚が違うのかなという感じもしました。知事が言うとおり、民間レベルや各県の文化交流も始まってきているということで、いくらか国際関係の緊張が解けている感も、しないではないわけであります。ただ、依然として国レベルでは厳しい状況ということもありますので、この国際戦略、特に観光誘客は、温泉だとか観光業界も期待しておりますし、それから、群馬県から企業が140社出ているということで、企業戦略ということで企業の皆さんも大変期待しておりますので、ぜひ中国・韓国情勢を見ながら、しっかり国際戦略をしていただきたいと要望して、知事には終わりにしたいと思います。
 次に、企画部長お願いします。
 上海事務所が今年4月にでき、群馬県の国際戦略の拠点となるわけですけども、上海事務所ができるまでの経緯と、様々な課題等もあると思うのですが、その辺についてお聞かせください。

反町企画部長

 上海事務所は、県の海外における国際戦略の拠点といたしまして、中国ビジネスの中心地であります上海に開設したものでございます。この事務所の開設にあたりましては、現地にいらっしゃいます「海外ぐんまサポーターズ」の方などの協力もありまして、日中関係が悪化している中にありましても、不動産物件の確保であるとか、設置許可申請、内装工事などが順調に進みまして、今年4月に開所することができました。上海事務所におきましては、開所前の準備段階から中国国内で行われる観光展や物産展へ出展するなどの活動も行っておりまして、設立後の現地企業への積極的な訪問活動の成果も併せまして、徐々に現地バイヤー等からの具体的な問い合わせが入ってきている状況であります。
 一方、上海事務所の今後の課題、現在抱えている課題につきましては、中国や香港などからの観光客の誘致ということがございます。当該地域から本県への宿泊者数につきましては、このところ徐々に持ち直しつつありますけれども、今後一層の増加を図る必要があると考えております。引き続き、現地旅行社への訪問活動等を通じまして、本県の温泉や自然、食などの魅力を積極的に発信することで、本県を選んで訪れていただけるよう努力していきたいと考えております。
 上海事務所におきましては、現地企業の訪問活動やJETRO(ジェトロ)などと連携した展示会への出展などを頻繁に行うことによりまして、現地の方々との人脈づくりも進めることとしておりまして、行政だけでなく、民間の団体など様々なレベルで重層的・複合的に交流が行われることが、結果的に観光誘客などの成果につながってくるものと考えております。このような民間交流の支援も含めまして、地道な努力を継続することで具体的な成果につなげて参りたいと考えております。

関根委員

 先日、ビジターセンターで上海事務所の山田所長の講演があって私も聞いたのですが、かなり一生懸命やっているなというような感は持ちました。ただし、やはり中国で事務所がきちんとやって行くには、中国の政治状況だとか、経済状況だとか、企業の情報だとか、民間の文化の問題だとか様々な情報がキャッチできなければとも思うので、山田所長は能力があって一生懸命やっておりますけども、情報キャッチの体制が出来るのかなという心配もありますので、その辺はしっかりやってもらうよう要望いたします。
 次に、「国際戦略」の3本柱である、観光誘客、農畜産物等販路拡大、企業ビジネス展開支援の数値目標と達成状況についてお伺いいたします。

反町企画部長

 この「国際戦略」は、平成24年度にスタートいたしましたけれども、目標年次といたしましては平成27年度を設定しております。数値目標を設定している観光誘客におきましては、外国人宿泊者数を平成21年の4万人から27年には10万人を目指しております。また、農畜産物等販路拡大におきましては、輸出額を平成21年度の9,468万円から27年度には2億円という数値を目指しておりまして、企業のビジネス展開におきましては、上海事務所を25年度に設置するという目標でした。それで、この達成状況でございますけれども、外国人宿泊者数につきましては、平成23年から若干落ち込みましたが、平成24年度におきましては5万8千人あまり、そして25年、今年の上半期の速報値で約4万9千人あまりの数値となっておりまして、通年ですとこの倍位が見込めるのではないかと考えております。また、農畜産物の輸出額につきましては、平成24年度で1億5千万円という数値になっておりまして、まあ、上海事務所は今年の4月に開設となっておりますので、概ね順調に推移しているのではないかと認識をしております。
 今後も成果を検証しながら、取組について必要な見直しを行うとともに、変化する国際情勢に柔軟に対応して、目標達成に向けて努力して行きたいと考えております。

関根委員

 観光客誘致について、私も資料をいただきましたけれども、国際情勢だとか、東北の大震災等の影響で一時は落ち込みましたけれども、またいくらか回復しはじめているということで数値目標を達成できそうだということですけれども、中身を見ますと中国と韓国は持ち直してはいるけれども少なくなって、やはり台湾が一番多いわけなんですよね。実は、日台議連で、松本団長を中心に何人かの議員で、昨日の夜に台湾から帰ってきましたが、群馬の国際戦略について向こうに行っていろいろとお願いをしてまいりました。国民党の立法院の王金平院長が何とか時間を取ってくれて、何分かお会いしてきたり、立法院の最高顧問の頼晩鐘先生(「頼」は「束」に「刀」と「貝」だが、機種依存文字のため「頼」と表記)も会ってくれたり、それから、台湾JTB社長の前土井さんも会ってくれていろいろと話しをしてきました。その前土井さんがくれた資料で、台湾から年間で800万~1,000万人が外国に出て行くのだけれども、日本に行く人が昨年の9月だけで12万4千人だったのが、今年の9月だけで21万7千人と倍ぐらいになったと。また、年間で、昨年の116万人が今年は180万人ぐらいになったということで、かなり台湾が増えていると。それで、王金平閣下(院長)の話しもいろいろと聞かせてもらったのですが、知事が前に台北に行った時にも王金平院長と会っていろいろと話しをしてこられたということで、知事の要請を受けて、全国に「群馬に行け」ということで、旅行業者とか関係業者に全て通達をしたそうであります。そのようなことで、台湾はアプローチの仕方によっては、まだまだ日本に行く人が増えるということでありまして、知事が台中と高雄を一生懸命やっておりますけども、ぜひ、また知事が台北に行ったら、王金平閣下のところに一度ごあいさつに行っていただけたらというお話しも関係者からありましたので、念頭に置いておいていただけたらと思います。
 それで、これからの観光誘客で、韓国、それから中国が厳しい状況ということがありますので、「国際戦略」を見ますと、基本構想で東アジアを中心にとなっていますけれども、台湾だとか、タイだとか、マレーシアなど、やはり東南アジアを、ある程度しっかりと取り組んでいく必要があるだろうと思いますけれども、その辺についていかがですか。

反町企画部長

 東南アジア地域の諸国の経済発展などもありまして、それから、タイにおきましては日本に対するビザが免除されたという影響もありまして、観光客数が非常に増えているという状況にあります。そういった状況を認識いたしまして、柔軟に対応して、観光誘客増に努力していきたいと思っております。

関根委員

 企画部長への質問は終わります。
 次に、農政部長お願いいたします。
 「国際戦略」の3本の大きな柱のひとつであります農畜産物の販路拡大について、平成24年度における県の取り組みや実績がどうなっているか伺います。

茂木農政部長

 県産農畜産物の輸出につきましては、平成23年3月の福島第一原子力発電所の事故によりまして、平成24年度は諸外国の輸入規制が多く残る中にあって、解除の状況に応じた対策を積極的に行ってまいりました。主な施策としては、輸出先として有望な香港や台湾に関する輸出促進セミナーを開催したほか、平成24年度中に食肉と加工食品の輸出が可能となりました香港につきましては、アジア最大級の食品見本市「香港フードエキスポ2012」に、上州和牛とこんにゃく加工品を出展しまして、特にこんにゃく加工品で大口の商談が成立したところでございます。
 このような取り組みや、各企業・団体の努力もありまして、平成24年度の県農畜産物の輸出は、牛肉が香港、アメリカ、カナダに約7千万円、こんにゃく加工品が香港、イタリア、ドイツに約7,900万円、その他、麺類がアメリカ、酒類が台湾に輸出されまして、合計で原発事故前を超える約1億5千万円の実績を上げることができました。県としましては、引き続き国別・品目別にきめ細かな対策を「農畜産物等輸出推進会議」で一元的に検討しつつ、青果品の輸出解除に向けた事前準備も確実に進め、輸出目標の達成に向けて努力して参りたいと考えております。

関根委員

 農畜産物も、今、部長から答弁があったように、現状で1億5千万円ぐらいということで、27年度までに2億円を達成できそうだということで、特に牛肉とこんにゃく加工品は、香港、アメリカ、カナダ等で大分気に入られているということですけれども、今後の対応として、中国と韓国が輸入停止になっておりますけれども、その辺をしっかりと要望して取り組んでいっていただきたいと思います。
 時間がありませんので、5番(民間取引の支援)について、ちょっと要望だけさせていただきます。今、日韓議連が中に入って、ウソン大学から館林のうどんをということで、向こうから調査団が来たりして話しが進んでいるようでありますし、それから、タイの飲食店が2,000店舗あって、そこでも群馬の食材が欲しいという話しがありますので、ぜひ農政部を中心に前向きに取り組んでいただきたいと要望して終わります。
 次は、県土整備部長お願いします。
 先の台風26号の関係で、中村委員からもいろいろとお話しがありましたけれども、伊豆大島でも大変な災害が起きまして、まさに砂防事業、治山事業の認識があらたにされたと思っております。
 そこで、まず砂防事業についてお聞きしますが、ハード対策について、平成24年度の取り組み、成果、予算状況についてお伺いします。

笹森県土整備部長

 平成24年度でございますが、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業、地すべり対策事業を合わせまして、68箇所で事業を実施したところでございます。そのうち、13箇所で事業が完成しました。要対策箇所が3,621箇所ありますが、この24年で1,224箇所に着手したことになりまして、着手率は33.8%になります。
 また、近年の砂防予算でありますが、交付金事業で見ますと、平成24年度はピーク時の平成10年度予算の約3割になってございます。これは国の砂防予算が全国的に大きな災害があると、その地域に重点的に予算が投入され、群馬県の分が削られたというものと考えております。

関根委員

 ソフト事業についてはどうでしょうか。

笹森県土整備部長

 ソフト対策でございますが、まずは土砂災害警戒区域の指定ということをしております。平成24年度末までに6,716箇所の指定を行いまして、指定率は88.0%ということでございます。残る箇所についても、平成25年度末までに指定を完了させる予定でございます。さらに、土砂災害警戒区域の指定が完了した市町村におきましては、防災マップの作成が義務づけられておりまして、対象となる27市町村のうち15市町村で作成済みでございます。残る12市町村については、県としましては、順次、市町村の作成を支援しているところでございます。また、区域を指定した市町村では、県と市町村が協同で災害図上訓練を実施しております。平成24年度までに15市町村19地区で実施済みでございまして、残る12市町村についても平成27年度までに実施する予定でございます。さらに、災害図上訓練を実施した地区では、実働避難訓練を開始しておりまして、平成24年度は2箇所で実施したところでございます。
 その他、台風や大雨により土砂災害のおそれが高まった時に、市町村長が避難勧告などを発する際の判断や、住民の自主避難の参考となる様に、前橋地方気象台と県が共同で土砂災害警戒情報を発表しております。平成24年は5回、延べ13市町村に対して発表したところでございます。

関根委員

 ハード事業とソフト事業に一生懸命取り組んでもらっていますが、今後の取り組みについてはどうでしょうか。

笹森県土整備部長

 砂防事業でございますが、ハード対策につきましては、現在「はばたけ群馬・県土整備プラン」を作成したところでございまして、災害時要援護者関連施設や避難所を保全する箇所を優先順位を定め、継続的に整備を進めております。一方、ソフト対策につきましては、土砂災害警戒区域の指定を今年度中に完了させ、また、土砂災害警戒情報の発表など必要な支援を今後とも積極的に行っていく所存でございます。

関根委員

 砂防事業のハード対策は、砂防堰堤、急傾斜、地すべり、それで、危険箇所が7,635、整備率が38.8%とまだまだ低い状況かなと。一生懸命やっていただいているのですが、年間50箇所ぐらい着手して、できるのが15箇所ぐらいということで、まだまだ整備率と予算、これを増やしていかないと今の災害に対応できないのかなと思っておりますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 先日、群馬県治水砂防協会で岐阜県の方へ、岩井副議長、須藤幹事長も役員をやってもらっておりますので、一緒に30人ぐらいで行ってきました。岐阜県は群馬県と同じ200万県民で、50億円ぐらい。群馬県は、一時は130億円ぐらいあったのですが、今は30億円ぐらいですかね。岐阜県は50億円で、県単でも10億円以上予算を付けているということですから、ぜひ、整備率を上げるということと、予算確保にご努力をいただきたいと思います。
 それから、4番の火山地域、先程、中村委員からも質問がありましたけれども、今回の伊豆大島の災害の中では、火山地層とケイ石の地層が水の流れを速くして距離を出すということで、群馬県も榛名、赤城、浅間、白根もみな火山だということで、この検証を早くやっていただきたいとうことを要望して終わりたいと思います。
 次に、環境森林部長お願いします。
 治山事業について、群馬県における近年の山地災害の状況について、まずお伺いします。

石井環境森林部長

 山地災害の発生状況ですけれども、全体的には年々減っている傾向にはございますけれども、降雨の状況によって年ごとに大きな差がございます。平成15年から平成24年の過去10年間で見ますと、大きな災害は、やはり平成19年の台風9号の時に222件、60億円ぐらいの災害がございました。一番少なかったのは平成21年で、6件で6,700万円ぐらいの災害でございました。なお、昨年度は16件で2億2千万円程度の災害でございました。近年は集中的な豪雨が多発する傾向にございますので、こういったことに対する対策が重要であると考えております。

関根委員

 24年度の実施状況と事業効果について、簡単にお願いします。

石井環境森林部長

 24年度の実施状況ですけれども、大体400箇所程度整備をしておりまして、これらによって災害の危険というのは徐々に減っていると考えております。

関根委員

 先日、決算特別委員会の環境農林部会で、高崎市下室田の整備状況の現場視察をさせていただきまして、かなり治山事業がよくできているなというふうに思いました。ただし、聞いたら危険箇所が4千箇所ぐらいあって、整備率が何%ということであって、まだまだやる箇所がいっぱいあるということでありますので、先程の砂防事業と同じように、今の大型台風、大型地震といった災害に耐えられるように、砂防事業と治山事業をしっかりとバランスよくやっていっていただきたいと思いますので、整備率の向上と予算確保にご努力いただくようにお願いして終わります。

腰塚委員長

 以上で関根委員の質問は終了いたしました。

休憩

腰塚委員長

 暫時休憩いたします。午後1時35分から再開し、総括質疑を続行いたします。

 (午後0時31分休憩)
 (午後1時35分再開)

再開

腰塚委員長

 休憩前に引き続き決算特別委員会を再開し、総括質疑を続行いたします。黒沢孝行委員、質問者席へ。

黒沢委員

 リベラル群馬の黒沢孝行です。午後の部を再開させていただきます。
 平成24年度は自動車産業を中心に企業業績改善の動きが見られて、先程、午前中に明らかになりましたが、県税収入が5年ぶりの増収になったということであります。そういう中で、「はばたけ群馬プラン」の3つの基本目標を推進する施策を積極的に推進したと午前の部でも明らかになったと思います。
 総論的には自民党の新井委員が触れていますので、私は、以下の具体的な項目についてお伺いいたします。まず、教育長お願いします。
 平成24年度の新規事業として、地域が支える小中学校「みんなの時間」として約9,300万円の予算で、30分番組ですが、県内の小中学校を1校ずつ紹介するという事業を実施することになりました。この間の経緯と、教育委員会内部でどのような議論が行われたのか、まずお伺いいたします。

吉野教育長

 本事業開始の背景といたしまして、当時、社会構造の変化に伴う都市化・核家族化・少子化の進行によりまして、人と人とのつながりが薄れるとともに、平成23年3月の東日本大震災以降、地域の絆づくりの重要性が叫ばれている状況にありました。県教育委員会としましては、学校・家庭・地域の連携の推進及び家庭や地域の教育力の向上が大きな課題になっていると認識しておりました。そこで、学校における特色ある教育活動や、地域と一体となった取組を広く子どもたちや県民に紹介することができれば、懸案事項の解決に資するものでもあると考えていた折り、群馬テレビから企画提案があったこともあり、予算化、事業実施に至ったものでございます。

黒沢委員

 今、群馬テレビの方から企画提案があったとお答えがありましたけれども、私どもも24年度の新年度予算で、会派で意見交換をさせていただいた時に、その経緯も踏まえて、今まで群馬テレビでいくつかの小さな番組をずっとやっていましたけれども、それが全部、ある意味で無くなって、それを合算すると9,300万円ぐらいという予算になって、この事業がそういった形で生まれてきたと。ですから、この企画のところで、教育委員会内部でまず議論があって群馬テレビと相談したのではなくて、群馬テレビサイドから持ち込まれたと、こういう確認でいいのですか。

吉野教育長

 先ほどお答えしましたけれども、内部でも何か打開策はないかと話はしていました。ただ、過去に教育委員会でも群馬テレビで教育広報をやっていましたので、その時に企画が群馬テレビから持ち込まれて、この企画ならできるかなということで話が進みました。

黒沢委員

 分かりました。私どもも当初予算で、会派で当時の課長とも意見交換をさせていただいて、まあ、非常に県財政が豊かであれば、この9,300万円というのは、これから答弁をいただくのだと思いますが、たまたまその番組に当たった学校の児童・生徒にとっては非常に有効で、いい経験ができたのだと思いますが、トータルとしてどうだったのかなと考えています。というのは、次の質問になるのですが、一覧表をもらいましたが24年度に放映した学校が42校、そして、25年度分が予定を含めて35校というふうに伺っているのですが、群馬テレビが企画を持ち込んだということでありますけれども、番組をつくるにあたって、やはり学校紹介という形の中では、子どもたちがその番組制作にどのように関わったのかが教育的効果という点で大変重要であると思っておりますので、この番組制作にあたって、現場の子どもたちの意見がどのように反映されてきたのかお伺いいたします。

吉野教育長

 最初にお話しのあった、24年度の42校をどういうふうに選んだのかということも併せてお答えいたします。
 児童・生徒が主体的に取り組む特色ある教育活動を行っている小中学校を表彰する「ぐんまスクール・オブ・ザ・イヤー」、こういったものの平成23年度の最優秀校3校と優秀校3校の合計6校の、その活動内容を他の学校にも参考にしてほしいという趣旨で放映をスタートしました。その後は、各地域において特色ある教育活動や、地域と一体となって先進的な取組を行っており他校の参考となる学校を、県内の市町村教育委員会から推薦をいただき、選考し、放映したところでございます。また、今年度からは「いじめ防止対策」など、県教育委員会が取り組んでいる施策をテーマとした特別編も放映しておりまして、内容の充実を図っているところでございます。なお、全部の小中学校を登場させようという考えはございません。特色があってモデルになると思うところを推薦していただき、選んで放映するという形で動いております。
 子どもたちの番組制作への関わりというお尋ねですけれども、番組制作にあたりましては、学校・群馬テレビ・県教育委員会による打合せ会議、この会議の場には子どもたちは参加はせず、大人たちの会議でありますが、学校の提案を基に検討を行った後、シナリオの作成、撮影、編集と進めております。お尋ねの児童・生徒の関わりにつきましては、司会進行や学校行事に関する作文を読み上げるなど、番組の主要部分に関わっているほか、子どもたちから出された意見や提案が番組づくりに活かされることも多くあります。自分が関わった番組が放送されることは、子どもたちの愛校心、地域への郷土愛を醸成し、ひいては自信や誇りにもつながっているものと考えております。

黒沢委員

 分かりました。ということで、私は教育的効果は高いのだと思っています。ただし、行政ですから、限りある予算をどう使うかが大事だと思っております。そういう意味で、当たった学校は非常にいいのですけれども、当たらなかった学校はどうするのかなという思いもありますので、次に知事にお伺いいたします。
 今の教育長の答弁の中で、全ての学校を放映する発想はないということであったのですが、私はそうした教育的効果があるのであれば、全ての学校を放映してほしいなという思いがあって、学校の数を調べてみたら、24年の学校基本調査によれば小学校が333校で中学校が176校、そうすると509校ということで、24年度が42校、本年度の予定が35校と聞いておりますので、このペースで、9,300万円の予算がずっと続くと仮定すると12~13年かかるということなので、この辺がどうなのかなという思いが非常にあります。当時、会派で担当課長と話しをした時に、15分番組で2校ずつ放映してはどうかという提案をさせていただいた経緯もあります。ちなみに群響、私どもも知事も体験したと思うのですが、群響は3年に1度ずつ回ってきますよね。在校中に必ず1度は体験できるという事業であります。知事が、前政権でつくった「少年の船」を止めて「尾瀬学校」を実施をしたことも含め、この事業をどこまで継続できるのか、教育的効果も含めて、この事業に対する知事の所見をお伺いしたいと思います。

大澤知事

 私も最初は、今、黒沢委員が言ったように、いろいろ今、学校問題があるわけでありまして、地域社会の崩壊等もあります。まあ家庭でもいろいろ問題がある。そういう中で、学校のそれぞれの特色ある取り組みが放映されることによって、リードできる学校を紹介していくというのも非常にいいことですし、できれば、その学校を放映するという形にすることで学校が改善できるのかなという思いもあったわけですが、やはりそれやるには、今言われたように相当年数がかかるわけであります。今、お話を聞いていて、以前、県会議員の紹介は7分、二人で15分でしたけどね。まあ、どういう取り組みをするのかいろいろ議論もあろうかと思いますけれども、やはりそれぞれ、今この番組を通じて、いろいろな取り組みをやってる学校が放映されることによって学校への愛着を深めたり、地域とのつながりを大切に感じたりするなど、児童・生徒にとって非常に教育的効果があるという思いでおります。本事業は、学校における教育活動や地域との連携に関して、特色のある学校を今現在は紹介しておりますが、今、指摘があったことを踏まえて考える余地もあるのかなと。ただ、全部紹介するという形で本当にそれが良いのか。やはり本当に特色があって、いろいろな取り組み、例えば、いじめの問題で真剣に取り組んでいる学校、そういうものを報道することによって他の学校が見本にしてそういう取り組みをしたり、子どもたちの意識が変わる、そういうことも私は大事なことであると。
 学校というと、どちらかというと閉鎖的なところもあるわけですから、こういう放映をすることによってオープンになって、自分たちの学校が堂々と自慢できるような学校運営をしていく、これは先生方も、子どもたちも、また地域の取り組みにとっても大事なわけでありまして、これを有効に活用するようにしっかりと取り組んでいかなければならないと思っています。家庭や地域の教育力の向上を推進する上で有効であると考えておりますが、今後は県民の皆様のご意見、今毎回、要望を受けておるわけでありまして、この意見を真摯に受け止めて、真に子どもたちのための番組となるよう、担当部局には工夫させていく考えであります。また、常に内容や効果の検証を行って、まさに実のある効果があがるよう取り組んでいかなければいけないと思っております。

黒沢委員

 今、知事の答弁をいただきまして、やはり常に検証していくということも含めて、ぜひお願いをしたいなと。私どももまた時に触れて提言をさせていただければと思っております。
 次に、健康福祉部長、お願いいたします。
 子宮頸がんワクチンの問題は、先日の本会議で高田県議が取り上げておりました。その接種の多くが平成24年度に行われたということも含めて、何点かお伺いしたいと思っております。
 平成22年11月から平成24年にかけて、基金事業として実施した初回の接種者数は何人か。平成25年4月からは定期予防接種となりましたが、今日までの初回の接種者数を教えてください。

片野健康福祉部長

 子宮頸がんワクチン接種の状況についてのお尋ねでございます。この接種は、小学6年生から高校1年生の女子を対象にして、半年間の間に3回というのがルールでございますけども、初回の接種者数についてでございます。平成24年度までの基金事業分で46,724人、25年度に入りまして定期接種分は8月末までで2,387人で、合計いたしますと49,111人となっております。

黒沢委員

 今、49,111人と合計の数をお答えいただきましたけども、そういう過程の中で、本年6月に厚生労働省の、いわゆる勧奨中止の案内がありました。6月、7月は大変激減したと。先日の本会議でも、部長が、群馬県内に副反応の症状を訴えているのは18人と、高田県議の質問に答えております。この厚生労働省の案内というのか、チラシというのか、これをどういうところにお知らせをしたのかお答えいただきたいと思います。

片野健康福祉部長

 この6月に国の方から積極的な接種の勧奨を控えるような連絡がございまして、その際、厚生労働省の通知も併せて利用させていただいて、今のお尋ねですけども、まずはこの予防接種の実施主体であります市町村、それから医療機関、こういったところに周知をするための連絡をいたしまして、まあ、定期予防接種ではありますので、希望される方については、その効果とリスクを十分に説明したうえで接種をされるようにとの形での要請をしてまいりました。

黒沢委員

 教育委員会にはお知らせをしたのですか。

片野健康福祉部長

 その後、情報として現在までの間ではやり取りをしておりますけれども、当時、積極的に教育委員会の方に情報提供というのは、県レベルではなかなか行えなかったのかなと考えております。

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