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決算特別委員会議事録(その4)(平成25年10月30日)

1.開催日時

 平成25年10月30日(水曜日)10時00分~16時36分

2.開催場所

 本会議場

3.出席委員

 委員長:腰塚誠、副委員長:須藤昭男
 委員:中村紀雄、委員:関根圀男、委員:中沢丈一、委員:塚越紀一、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:星野寛、委員:大沢幸一、委員:塚原仁、委員:織田沢俊幸、委員:狩野浩志、委員:新井雅博、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:舘野英一、委員:萩原渉、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:茂木英子、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:臂泰雄、委員:吉山勇、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明、委員:高田勝浩、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶

4.欠席委員

 委員:田所三千男、委員:大林俊一

5.議事(その4)

総括質疑

水野委員

 先ほどご紹介のあった、東京のぐんまちゃん家を拠点にしていらっしゃるという点ですけれども、各大学とネットワークを作ってきて、また顔の見える関係ができていると言われておりました。担当者はおひとりであるということで、ご苦労なさっているなと考えております。こういったところをさらに強化していくべきではないかなと思うんですが、今年度は一体どんなふうな事業の展開をされているか、ご紹介ください。

高橋産業経済部長

 今年度におきましても、緊急雇用創出基金事業を活用しまして、ジョブカフェぐんま内でぐんまU・Iターン強化支援事業に集中的に取り組んでおります。特に県内出身の学生が比較的多く在籍している首都圏の大学等を中心にいたしまして、定期的な情報交換のためのネットワークづくりを進めておりまして、ジョブカフェぐんまとの協力関係が整ったところから、順次登録を行っております。この他にも、学生に、企業の現場を肌で感じてもらうための中小企業の魅力発見バスツアーや、群馬で働く魅力について知るセミナーなどの実施によりまして、一人でも多くの学生が県内に就職してもらえるように支援しているところであります。

水野委員

 もうひとつご紹介したいお話がありまして、時間も限られておりますのではしょりますが、富山県が一生懸命人材確保に取り組んでいる背景のひとつに、こういう試算がございます。富山県内で育った高校生が大学進学などで、5,000人が県外に出ていると推計されている。うち3,000人が戻ってこない。これを出生から、生まれてから高校を出るまでの県の投資に換算すると、1学年あたり約400億円が県外に流出したことになるんだという試算であります。それだけ、人材育成にお金をかけていますが、実際に雇用として、経済活動をされる段にあたっては、みなさん県外にいくという状況を試算をされておりました。やはり本気度が違います。そういった具体的に力を入れていかなければいかない。
 そういう中でこれまで何回か紹介をしたことがあるかと思いますが、Uターン事業の効果を上げるためには、高校卒業時点で、進学を希望する方に対して、大学進学後も、群馬県内の情報を提供できるようにきちんと、その方の個人情報なり、住所、連絡先等を、こちらとして把握しておく、そして、4年後にきちっと情報提供するというかたちを整えていくべきではないかと思っております。こういったことをやっているのは、富山県もやっておりますし、また高知県も、ちょっと形態は違うようですが、同じようにやっております。高校卒業時点で、具体的にはその生徒さんが進学を希望するにしても、就職活動において、群馬県の情報が届きやすい、県内の情報が届きやすい、こういう仕組みづくりが求められております。
 こういった他県の例も参考にしながら、群馬県も新たな仕組みづくり、これは教育委員会とも連携しなければいけませんので、そういったところとワーキングループをつくるなどして取組を進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

高橋産業経済部長

 議員ご指摘のとおり、県外に進学する高校生に対して、将来のUターンにつながるよう、県内への就職に関する情報を提供していくことは、非常に重要であると認識しております。今後、教育委員会としっかり連携いたしまして、先ほどの富山県、高知県等の例なども参考にしながら、有効な事業を研究して参りたいと思っております。

水野委員

 前向きなご答弁ありがとうございます。ひとつだけご紹介しておきますが、富山のホームページには、具体的にUターン事業を展開していくと、どれだけの方が帰ってきているかという数字まで出しています。これまで、どんどんポイントも上昇しているということで、ご評価もありますので、そういったものも参考にしていただきたい、また知事もぜひこれを挙げて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。部長に対しては以上です。ありがとうございました。
 続きまして、教育長、今の点をお願いしたいと思います。
 今ご紹介した点であります。高校在学時において、どのようなアプローチをするかで、高校卒業後就職する場合は様々あるでしょう。進学をした場合、とりわけ県外にでた場合に、なかなか手が届かない、広い首都圏に、本当に拾うようなかたちで情報提供していっても、なかなか難しいので、ぜひとも在学時にですね、その点について、ご了解をいただくようなこんな仕組みができたらいいんじゃないかと考えております。在学時におけるアプローチを具体的に検討していただきたいと思います。高校教育現場において、そういった取組を進めていただくために、キャリア教育の在り方等を含め、さらに検討を進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

吉野教育長

 県教育委員会では、高校でのキャリア教育等を通じて、社会的・職業的に自立できる能力を培い、将来、県内外で活躍できる人材の育成に努めているところでございます。特に生徒と県内企業等が直接触れ合う機会となる、インターンシップ事業では、現在、専門高校を中心に実施しておりまして、昨年度、平成24年度は延べ5,304人が参加いたしました。ただ、今申し上げたのは、専門学科がほとんどですので、来年度からは本県高校生の6割を占め、その9割以上が進学する普通科高校におきましても、インターンシップを拡大するための検討を行っているところでございます。
 先ほどご紹介いただきました、富山県の例なども頭に入れた上で、今後とも、こうしたキャリア教育等を推進するとともに、Uターン事業の推進につきましても、ご提案のあった点も含め、産業経済部とよく連携しながら、群馬の産業を支える有為な人材の育成に努めて参りたいと考えております。

水野委員

 最後に一言、雇用戦略本部、本部長、大澤知事にも、是非この点ご理解をいただきまして、部局をまたがって横断的に全庁挙げて取組を進めていただきたいとお願いしまして、私の質問、少し時間を残しますが、終わらせていただきます。ありがとうございました。

腰塚委員長

 以上で、水野委員の質問は終了いたしました。

休憩

腰塚委員長

 暫時休憩いたします。午後3時35分から再開し、総括質疑を続行いたします。

 (午後3時20分休憩)
 (午後3時35分再開)

再開

腰塚委員長

 休憩前に引き続き決算特別委員会を再開し、総括質疑を続行いたします。
 あべともよ委員、質問者席へ。

あべ委員

 爽風のあべともよです。平成24年度群馬県決算について質問させていただきます。
 はじめに、県土整備部長お願いいたします。
 インフラの維持管理の中でも、特に除草や伐木、小規模補修といった県道の管理というのは県民にとっても関心の高い身近な問題ですけれども、平成24年度の実施方針とその成果を、特に時間の関係がありまして、除草を中心にお答えいただければと思います。

笹森県土整備部長

 除草についてお答え申し上げます。
 県では、管理道路延長3,300キロございますが、除草については、除草の必要な箇所、延長1,200キロメートルについて年に1回除草を行っております。そのうち、通学する児童が特に多い歩道部など約240キロメートルにつきましては、年に2回除草を行っております。
 このような取組の結果ですが、平成24年度の除草については、予算は、平成20年度に比べて約3倍に増やしたところでございまして、道路に関する苦情も減少傾向にあるということで成果を上げつつあるというふうに理解をしております。

あべ委員

 県の管理道の総延長は3,300キロで、そのうち除草をしているところというのは1,200キロ、さらにそのうちで除草を2回実施しているところが約2割、240キロということなんですけれども、1回の除草のみとなりますと、時期によっては、草が相当高く伸びてなって見通しが悪くなったり、道路のアスファルトを痛めてしまったりということもあると思います。現在の除草等の予算規模は、今お答えにありましたけれども、平成20年度に比べるとほぼ3倍になっているということなんですけれども、ここ数年で見ますと、20年度以降ですね、ずっと横ばいになっておりまして、この除草している部分が管理道のうちの3分の1程度で、2回除草している所がさらに5分の1ということですので、必ずしも十分とは言えないんではないかなという感じがしております。
 県民のみなさんからの苦情や要望というのも平成20年度と比べると傾向としては減っているということなんですけども、具体的にいうと24年度どれくらいあったんでしょうか。

笹森県土整備部長

 内訳についてはあれなんですが、道路全体については4,255件ということで、平成20年度が6,099件ということでございますので、大体3割くらい減ったということでございます。

あべ委員

 苦情等が4,255件あったということで、これは数としては非常に多いんではないかなと思います。減っているということだったんですけれども、伺ったところによれば、除草の延長が、予算が3倍に増えたことによって除草延長も3倍に増えたと。結果的に、全体の総延長から比べて、ある程度除草したところが増えましたので、そのことから考えると減ったということは分かるんですけれども、まだこれだけあるっていうことですので、さらに苦情ですとか要望の内容等を分析していただいて、現在の除草等の予算規模がこれで本当に十分といえるのかということを、是非また検討していただきたいなというふうに思っておりますので、これは要望ということで、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 次に、信号柱の維持管理について警察本部長に伺います。
 先週の24日になるんですけれども、夜中に広島市で設置からおよそ35年経った信号柱が折れて信号機が落下するという事故があったそうです。幸いけが人はいなかったそうですが、広島県内では9月の26日にも設置から47年の信号柱が傾くなどの事故が起きているそうです。
 県内における信号柱はおよそ2万本と伺っていますが、このうち平成24年度に更新を行ったものはどれくらいで、そのうち老朽化によるものがどのくらいあるのかお伺いします。また、まだ更新を行っていないもので耐用年数を超えているものはどのくらいあるんでしょうか。信号柱の安全確認の実施状況についても併せてお答えいただければと思います。

相浦警察本部長

 それではお答えいたします。
 まず最初のお尋ねの平成24年度に更新を行った数については160本でございます。そのうち、老朽化等の劣化により更新が必要と判断して更新した数は64本でございます。ただ、この老朽化等の劣化による更新の数は年度により若干変動がございまして、ここ3ヵ年度で申し上げれば、合計で340本更新をしている状況にあります。
 次に、信号柱の耐用年数を超えるものはどれくらいかとのお尋ねについてであります。
 信号柱の耐用年数につきましては、それを定めたものや明確な基準というものは、実はございません。警察庁では、信号柱の耐用年数について、法人税及び所得税の税額計算の観点から定められているものでありますが、減価償却資産の耐用年数等に関する省令という財務省令に定める放送用又は無線通信用の鉄筋コンクリート柱という概念を一つの目安として参考としており、そこで定められた耐用年数は一応42年というふうになっております。この年数に照らして県内の現状を見ますと、当県の信号柱は全部で約19,000本ございますけれども、今年度当初段階で製造後42年に既に達しているものが157本。そして、今年度中にこの42年を迎えるものは143本。つまり、今年度末までに42年に達するという見方をすると合計で300本あると。こういう状況にございます。
 次に、信号柱の安全確認の実施状況についてお答えいたします。
 県警察といたしましては、古くなったものはできるだけ早く更新したいという思いはございます。信号柱がただ42年経過を一つの目安としておりますけれども、経年的に実際のところどれくらい保つのかってことにつきましては、必ずしも十分にはっきりしていないという状況があります。また、別の要素でありますが、自動車等が接触することなどを通じて比較的新しい信号柱であってもですね、劣化が進み得ることなど、こうしたことを踏まえまして、限りある予算を有効に使うという観点から、毎年ですね、信号関係保守業者に対し、すべての信号柱、19,000本を対象として、目視等による柱表面のひび割れ、へこみ等の調査、点検ハンマーによる劣化調査等の安全確認を委託するという方法をとっております。また、警察内部におきましても、毎年6月中を、これは標識標示等を含めた期間でありますが、点検強化期間としておりまして、警察官による目視確認を集中的に行っております。こうした調査、点検による安全確認を通じて、破損、内部劣化が認められ早急に更新する必要があると判断したものにつきましては、最優先で措置をいたしております。県警としては、今後も引き続き確実な確認点検を実施し、また、経年劣化にも留意をして、信号柱の維持管理に万全を期していきたいと考えてます。

あべ委員

 耐用年数の目安である42年を超えている信号柱が今、今年度末の段階でおよそ300本ということなんですけれども、この数は当然毎年変わります。更新の本数がその年に42年目を迎える信号柱よりも少なければ、翌年にはその分が加わって設置から42年を超えた信号柱というのはどんどん増えていくことになります。今お話がありましたように設置されている場所の状況によって実際の耐用年数というのは大きく異なってくるということもありますし、先ほど例に挙げました広島の信号柱の場合は35年で折れてしまったということがありますので、非常にこの辺の安全確認というのはきちっとやっていかなければいけないのではないかなと思います。
 信号柱の設置からの年数や設置の状況というのを今一度確認して、どの段階でその42年を迎えるものが何本になるのかというのを、しっかり把握していただいてですね、計画的で、効率的な信頼性の高い維持管理の計画というものを改めて立てていく必要があるんではないかと思いますがいかがでしょうか。

相浦警察本部長

 県警察といたしましては、今後も引き続きですね、専門業者も充分に活用しながら確実な点検等、経年管理を行いまして信号柱の安全対策に計画的に取り組んでいきたいと、このように考えております。

あべ委員

 ありがとうございます。
 今から42年前と言えば、昭和46年で、日本はこの時期以降インフラ整備を急速に進めていきました。このことを考えれば、およそ19,000本の信号柱のうち、これから更新時期を迎える信号柱というのはどんどん増えていくということが予想されます。その負担というのも非常に大きいものにはなってくるとは思いますけれども、人命に関わるような事故が、今回は怪我はなかったわけですけれども、起きる前に徹底した対策を取っていただくようにお願いいたしましてこの質問は終わります。ありがとうございました。
 次に、防災について伺いたいと思います。はじめに危機管理監、お願いいたします。
 平成23年の1月に行われた群馬県の地域防災計画の見直しでは、県議会の大規模地震対策特別委員会の提言も踏まえて女性の視点がより活かされるように変更されました。これを受けて平成24年度、実際にどのように取り組んだか伺います。

中野危機管理監

 本県におきましては、東日本大震災における課題や教訓を踏まえまして、平成23年度に県地域防災計画を修正し、女性の視点を活かし、女性に配慮した防災対策として、「男女のニーズの違いや女性への暴力防止等に配慮した避難所運営」及び「男女のニーズの違いや災害時要援護者の特性にも配慮した備蓄」等の規定を追加したところであります。これらを踏まえた県の具体的な取組といたしましては、市町村等の避難所運営担当職員や避難所運営に携わる方に、円滑な避難所運営を行うための指針として活用してもらうため、平成24年5月に「群馬県避難所運営ガイドライン」を作成したところでございます。本ガイドラインには、女性に対する配慮といたしまして、避難所の利用面におきましては、「更衣室や授乳室、トイレ、洗濯物、風呂、シャワーに関する配慮」や「化粧、身だしなみ等女性に特有の生活習慣に関する配慮」について記載するとともに、運営面におきましては、「避難所運営への女性の参画」、「女性相談窓口の設置」、「女性専用の物資の配布体制」について示したところであります。
 次に、本県の備蓄につきましては、これまでも生理用品など男女のニーズの違いにも配慮した品目の備蓄に努めたところでありますが、平成23年度の県地域防災計画の見直しを受けて、新たに簡易間仕切りや、テントのようなカバーの付いた簡易トイレなどを備蓄したところであります。さらに、防災対策において、女性の視点を活かすため、県防災会議における女性委員の積極的な登用を行いまして、平成24年度に3名の女性委員を新たに追加するなどの取組を行っているところであります。
 今後とも、女性の視点を活かしまして、女性に配慮したきめ細かい防災対策にしっかりと取り組んで参りたいと考えております。

あべ委員

 少しずつ前進しており大変よかったというふうに思っております。しかし一方では、自主防災組織等における女性の参画など、まだまだ十分とは言えない部分もあると思いますので、この辺りも是非把握の方進めていただいて、今後とも是非女性の視点を活かした取組を進めていいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、学校、幼稚園、保育所等の防災マニュアルについてお伺いしたいと思います。
 はじめに教育長、お願いいたします。
 子ども達が普段過ごしている場所で災害にあった時に最善な対策がとれるように普段から防災の意識を養い、繰り返し対応を練習するなどの取組は非常に重要だと考えています。時間の関係で大変申し訳ないんですけれども、公立学校、公立幼稚園における防災マニュアルの作成状況についてのみ、状況だけ簡単にお答いただければと思います。

吉野教育長

 お尋ねの防災マニュアルの作成状況ですけども、県内の公立学校、公立幼稚園の防災マニュアルにつきましては、24年度末時点で、すべての学校・園において作成されております。

あべ委員

 ありがとうございます。
 続きまして、私立学校及び私立幼稚園について、総務部長にお伺いしたいと思います。
 教育長にお伺いしたいのと同じ質問になりますが、防災マニュアルの作成状況について、私立学校と私立幼稚園について、状況をお伺いいたします。

岡野総務部長

 私立学校につきましては、小・中・高・特別支援合わせまして77%、私立幼稚園につきましては、74%が作成済みになっております。24年度末です。

あべ委員

 ありがとうございます。
 次に、保育所及び放課後児童クラブにおける作成状況について、健康福祉部長にお伺いいたします。
 同じ質問になりますが、保育所及び放課後児童クラブについては、防災マニュアルの作成状況はいかがでしょうか。

片野健康福祉部長

 保育所におきましては、市町村への聞き取り調査の結果でございますけれども、この24年度、市町村が作成状況を把握している保育所のうち81%で、それから、放課後児童クラブにおきましては平成24年度の実地調査の対象となったクラブのうちで、80%で作成済みでございます。

あべ委員

 ありがとうございます。
 それでは、次に知事にお伺いします。
 これまで答弁がありましたように平成24年度の状況では、子ども達がいる場所が公立の学校、幼稚園であれば防災マニュアルはすべて作成されている訳ですけれども、私立学校や私立幼稚園の場合は、作成がまあ70%台ということでやや遅れております。保育所や放課後児童クラブについては、防災マニュアルの作成状況自体を県として把握していません。今回ですね、聞き取り調査をしていただいた範囲内でまあ80%程度ということで、このことが把握できたことはよかったというふうに思っておりますが、大規模地震対策特別委員会の際にも、放射線量の測定状況の公表などの際に、統一した対応をしていただきたいということを再三申し上げまして、実際にそのように対応していただきました。所管する部署が違うために同じ年齢の子ども達が災害にあったときの対応が違うということにならないように、防災マニュアルの作成に向けても統一した対応をするべきではないかと考えますがいかがでしょうか。

大澤知事

 議員ご指摘のとおり、次世代を担う子ども達の安全・安心を守ることは大変重要なことであると思っております。災害発生時に、大人が子ども達の安全を守るため、今現在、各部局で鋭意取り組んでおるところでありますけど、今ご指摘のように、今後は、危機管理室を中心にして、関係部局が連携して、さらに子ども達の安全確保に取り組んでいきたいと思っております。

あべ委員

 はい。前向きなご答弁をいただいて、大変ありがとうございます。例えば、高知県の例ですけれども、教育委員会の中に、幼保支援課という課がありまして、特に未就学児については、幼稚園・保育園、公立・私立を問わず所管しておりまして、これらすべてに共通のマニュアル作成の手引きというものを公表しております。で、こちらがその手引きなんですけれども。この内容はですね、非常に分かりやすくて、具体的で、丁寧に書かれておりまして、これを一冊手引きを参考にすれば、自分たちのところで独自のマニュアルっていうものを簡単に作ることができるというようなものになっております。高知県のほかにも、静岡県ですとか、他のいくつかの県で保育所等も含めてですね、マニュアル作成の手引きを公表しているところがありまして、是非、こういったようなことも参考にしていただけたらというふうに思います。この手引きはですね、高知県のほうから2冊送っていただきましたので、1冊是非ご覧になっていただければと思います。
 今お話にもありましたけれども、群馬県の場合は、所管課はそれぞれ違うわけですけれども、違っていてもそれぞれの担当課が一緒になって協議をしていただくことによって、所管部署によらずに子ども達をきちんと、こう守れるような手引き書を作成したり、あるいは、マニュアルを作成できていないところに関してはですね、どうしてそのマニュアルが作成できていないのか、どこがネックになるかというところを調査をしていただいて作成の支援をする取り組みを行うとか、そういったいろんなできる取り組みがあるかと思いますので、是非、今後一層取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 以上です、ありがとうございました。
 最後に、武道必修化に伴う事故防止対策について、教育長に伺います。
 平成24年度から公立学校における武道の必修化が行われた訳ですけれども、これに伴う事故防止の取り組みについて、状況、平成24年度の取り組み方針とその成果がいかがだったかお伺いいたします。

吉野教育長

 今お話がありましたように、平成24年度から中学校の武道で、まあ中学校において体育の授業で武道が必修化され、本県においては、154校で柔道を選択、18校で剣道、1校で相撲、これを指導した状況にあります。県教育委員会では、武道の必修化に伴いまして、特に安全面が心配された柔道につきましては、一定の指導歴、研修歴がない教員が柔道授業の指導にあたらないよう、実技研修を充実させるなどの対策を講じるとともに、柔道の指導に不安を抱える教員のいる学校に対しては、外部指導者の派遣を行い支援しております。
 また、多くの生徒が初心者であることを踏まえ、各学校において安全に十分配慮した指導を行うよう、県として指導資料を作成し、内容について周知徹底を図っているところでございます。このような取り組みによりまして、各学校においては、重大事故につながる頭部、頸部のけがの防止に特に留意した指導が行われたものと考えております。
 今後は、柔道実施校に対して実施していました指導内容や指導方法に係る実態調査の結果を各学校が生かし、安全面への配慮を継続的に行うことを指導していきたいと考えております。

あべ委員

 いろいろ取り組みをしていただいたということなんですけれども、平成24年度の予算議会においてこの問題について質問をさせていただきまして、その当時はですね、その授業を行うにあたって指導する先生達が研修を受けている率というのがですね、100%ではないので、授業をする前にこれを100%にしたいということでお答えをいただいたというふうに思うんですけれども、それはそのような状況で100%研修を受けていただいた状態で授業が行われたというふうに思ってよろしいんでしょうか。

吉野教育長

 今お尋ねのその指導歴があるなしという判断でいきますと、スタートする前、24年の1月時点での研修歴等の指導経験があるかどうか、その辺を見ると、男性の教員では91%が指導経験があり、女性の教諭では28%が指導経験あり、そしてまた同じ時点で、研修会への参加経験が、男性の場合には79%、女性の場合には54%。こういう状態でありましたので、それは1月の時点ですので、4月以降、だいたい各学校、秋口から柔道の授業を始めますので、昨年度の1学期から夏頃にかけていろんな研修の機会を設けて、ほぼ100%に近い状態を作ろうということで動きました。以上です。

あべ委員

 ほぼ100%に近い状態を作ろうと動いたということは、100%という状況だったというふうに捉えてよろしいんですか。

吉野教育長

 はい結構です。

あべ委員

 ありがとうございます。
 で、外部指導者のですね、取り組みについても力を入れていただきたいということを申し上げまして、取り組んでいただいたというふうに思うんですけれども、こちらの状況は具体的にはどうだったでしょうか。

吉野教育長

 外部指導者の状況ですけれども、24年度、初年度につきましては、外部指導者を活用した学校が28校ございました。そして、今年度33校ってことです。そして、県として外部指導者を派遣した学校が、先ほど言いました24年度28校のうち3校です。そして、今年度の33校のうち19校が、これは県として派遣していると、こういう状態ですので、県が派遣したもの以外は学校が考えたりした形での外部指導者ということになっております。

あべ委員

 外部指導者の活用については、増えているというふうには受け止めさせていただきたいと思うんですけれども、まだですね、数字的に見ると、その、さらに取り組んでいただく余地があるのかなというふうに思います。で、授業ももちろんなんですけれども、先ほど部活動の話も出ましたけれども、部活動等においてもですね、やはりあの、事故等が起きるということもありますので、是非その、学校の先生だけの取り組みでは、なかなか限界のあるところもあると思いますので、外部指導者活用についても一層力を入れて取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

吉野教育長

 先ほどお答えしたのはあくまでも授業の部分での数値だけを申し上げましたけれども、柔道における外部指導者の活用につきましては、県柔道連盟と連携して、授業協力者として専門的な技能をもつ外部指導者を派遣しておりまして、先ほど申し上げましたとおり、今年度は19校に12人を派遣して、延べ500時間程度、学校の教員とともにチームティーチングで指導にあたる予定であります。
 今後は、今委員がご指摘のありましたように、外部指導者と教員の連携のあり方等について、効果的な取り組み事例を県内に広く普及させるなど、部活動も含めて、外部指導者の活用に積極的に努めていきたいと考えております。

あべ委員

 はい、ありがとうございます。
 一歩一歩いろんな取り組みを進めていただいているというふうに思いますけれども、今回、この質問をするにあたって、実はあの、中学校もですね、公立の学校だけでなくて、私立の学校もありますし、また、事故という観点で捉えた場合は、保育所や幼稚園とか、私立の幼稚園、公立の幼稚園、まあいろんな所管にまたがった子ども達のいる場所の安全確保ということがありまして、本当はその部分も質問させていただきたかったんですけれども、時間の関係で防災の方でお伺いをさせていただきました。で、いろんなところで、防災に限らずですね、子ども達の過ごす場所の安全ということに是非努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。以上で質問を終わります。

腰塚委員長

 以上で、あべ委員の質問は終了いたしました。
 次に、酒井宏明委員、質問者席へお願いします。

酒井委員

 日本共産党県議団の酒井宏明です。通告に基づきまして決算の総括質疑を行います。
 はじめに農政部長にお伺いいたします。
 群馬県が育成し、農家に品種の転換を強力に指導した小麦の新品種「さとのそら」について伺います。
 昨年春から本格的な収穫が始まりました。品質が大変良くて、汎用性にも優れ、農家も作りたいと言っております。それなのに価格が暴落して、生産者が、このままの価格が続けば再生産できないと、今悲鳴を上げております。一例を挙げますと、指標価格ですが、2012年の税別の価格ですが、49,900円。これが13年産になりますと、39,800円と1万円も下落をしてしまいました。この前の「農林61号」も転換前は5万円を超えていたと。これが今では4万円を切るまでになってしまいました。2013年産国産小麦の相対価格を見ると、全銘柄の落札加重平均を100とした場合、群馬の「さとのそら」は85、「きぬの波」は118、北海道の「春よ恋」は198です。なぜこのような価格の低迷の事態になってしまったのかお伺いいたします。

茂木農政部長

 「さとのそら」は県の農業技術センターで開発しまして、平成22年度に品種登録ということで、うどん用、菓子用としての利用に適するなど汎用性が高く製粉性に優れた品種でございます。
 お尋ねの国内産小麦についてでありますが、こちらの価格は、平成12年産から、従来の政府管理から、完全な民間流通となりまして、実需者による入札により価格が決定されております。今回の国内産小麦価格の下落につきましては、外国産小麦の下落に大きく影響されまして、全国平均で約15%下落しておるところでございます。中でも、汎用性小麦につきましては、生産量の大半を占める北海道産の小麦が20%下落しておりまして、同等の品質である「さとのそら」についても同様に価格が下がったという状況でございます。

酒井委員

 入札による価格の変動ということですが、需要と供給のミスマッチということは当てはまらないと思います。小麦の生産そのものは、「さとのそら」は直近3年間では5,600トン台を維持しております。北海道産の小麦は作付けが増えているし、価格も高くなっていると聞いております。市場に任せるというのでは、品種の転換を強力に指導してきた県の責任逃れしかないというふうに思います。この原発事故の放射能汚染による風評被害も一因ではないかという懸念の声もありますが、この価格低迷の本当の原因は何なのか、きちんと調査をすべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

茂木農政部長

 今、小麦が民間流通となりまして、実需側からの選考、例えば消費者ニーズとか、安定調達とか、そういった要望も高まっております。また、短期における高品質麦の生産が求められているという中で、売れる麦の生産に取り組んでおります。そういった中で、この価格動向につきましては、しっかりまた検討していきたいというふうに思っております。

酒井委員

 そこでお聞きしますが、北関東4県で揃って「さとのそら」を作付け、足並みを揃えたということですけども、これは何故なのか。製粉会社からの要求があったからではないのか。その点いかがでしょうか。

茂木農政部長

 約半世紀に渡りまして、本県の主力品種でございました「農林61号」は、収量や耐病性について欠点がございまして、本県では、収量が多く、耐倒伏性、耐病性に優れた「さとのそら」を代替品種として導入しまして、平成24年産から全面転換をしたところでございます。
 この「さとのそら」が北関東4県で同時に転換された理由でございますが、茨城、栃木、埼玉の3県におきましても、これは主力品種が「農林61号」でございました。そういった中で、この3県も欠点を問題視している中で、実需者からの品種統一化への意向もございました。こういったことが、結果として有利販売につながるという判断で、4県一斉に「さとのそら」へ転換を図ったところでございます。

酒井委員

 製粉会社が少ない量では買ってくれないから供給量を増やしたということは、そのことからも明らかだというふうに思います。そうであるなら、何故、受注者である製粉会社に、もっと高く買ってくれと言えないのか。県は、民間流通協議会に参加をして、また、JAなどと売れる米、麦作り推進協議会を開いているということですけれども、そういう場で、県としてしっかりとものを言うべきではないでしょうか。

茂木農政部長

 先ほども売れる小麦の中で、産地においても高品質麦の生産が求められているというお話がございました。そういった中で、群馬県の産地は、生産工程管理を取り入れておりまして、品質の優位性を保っております。そういったことも、しっかりそういった場所で、県としてもアピールしていきたいというふうに思っております。

酒井委員

 転換を強力に指導してきた県としてしっかりとものを言っていただきたいというふうに思います。また、この価格の低迷に加えて、小麦の支払い方法の変更で生産農家が大変困っています。収穫した年の夏に約半分内金が支払われ、翌年の春に3割ほど追加払いされ、そして、その冬に残りの2割の清算金が入ると、要するに1年半もかかるわけです。こんなやり方おかしいという声が、今上がっております。内金は肥料や種、ライスセンターの利用料、燃料代、農機具の修理費など必要経費の支払いで終わってしまうと。まったく足りないと言います。農家が再生産できるように、小麦の支払い方法を改善すべきだと思いますがいかがでしょうか。

茂木農政部長

 小麦の代金の支払いでございますが、これは、平成23年産から、それまでは2回精算だったんですけども、「内金」「追加払い」「本精算」の3段階で、ご指摘のとおり、収穫から1年半に渡って精算されております。これにつきましては、輸入小麦の政府売渡価格に連動して、国内産小麦も事後調整されるために価格が変動する仕組みとなったことから、通年価格が1年後でないと決定されなくなったというふうに聞いております。小麦の支払い方法につきましては、民間流通の中で決定され、県が直接関与することはできませんけども、一日も早く精算されるよう、農家の要望について伝えて参りたいというふうに思います。

酒井委員

 こうした背景に外国産小麦の相場に伴って、国内産小麦も連動して価格が変更されることになったということが挙げられておりますけども、これでは農家の経営が安定しません。食料は国民の命に直結するものです。価格を安定させていくということは行政の責務ではないでしょうか。今、TPP交渉が大詰めを迎えております。小麦をはじめ、重要5項目を関税撤廃の聖域から外すという動きも出てきておりますが、関税が取っ払ってしまわれれば、いくら経営努力しても太刀打ちできません。全国有数の小麦出荷量を誇る群馬県として言うべきことを言ってほしいと思います。TPP交渉からの即時撤退を国に働きかけるよう強く求めて次の質問に移ります。
 繁殖牛、肥育牛の出荷頭数が減少したと聞いておりますが、その要因はなんでしょうか。福島原発事故による放射能汚染は影響していないでしょうか。お伺いいたします。

茂木農政部長

 議員ご指摘のとおり、肉用子牛の市場への出荷頭数及び肥育牛の出荷頭数は、いずれも今年に入ってから大きく減少しております。渋川子牛市場も例外ではなく、今年の4月から10月の出荷頭数は前年比で93.6%というふうになっております。この要因といたしましては、平成22年4月に、宮崎県で発生しました口蹄疫の影響で、九州をはじめ和牛の産地から繁殖牛の導入を控えたことによりまして、23年から24年にかけての分娩頭数が減少したことから、現在一時的に減少しているものというふうに考えております。
 また、本県の肉用肥育素牛の54%は、こちらも県外導入に依存していることから、肥育牛の場合、繁殖牛と同様に、口蹄疫の発生時期に肥育素牛の導入が控えられたということで、現在、出荷時期を迎えた牛が少なくなっており、出荷が減少しているものというふうに考えております。こうした中、放射能の質問がございましたが、これによります繁殖牛の飼養頭数には、ほとんど影響が見られず、現在では増加傾向というふうになっております。

酒井委員

 口蹄疫による影響はもちろん、放射能汚染による影響も明らかだというふうに思います。ある繁殖牛農家は、原発事故以降、出荷停止となって大きな被害を受けました。飼料代が30%も値上がりをして、経営を圧迫、東電からの賠償が遅れて、運転資金に困窮して、現金化するために繁殖牛を売り払わなければならなくなったと言います。しかも、安く買いたたかれてしまったと。120頭いたのが、今では60頭に減ってしまい、生産能力が激減したと言います。損害額が3,000万円にも上ったと言うことです。餌になる稲わらが汚染されているというので、その償却費用に、ロール1個につき5,000円自己負担となったと。東電は、昨年末に賠償すると言っていたのに、実際に賠償が支払われたのが、今年の6月で、しかもその賠償額は50%にとどまったと。つまり1,500万円の負債を抱えて途方に暮れています。
 損害賠償の支払いが、このように遅れた実態を、県としてどのように認識をしておられますか。

茂木農政部長

 原発事故に伴います本県の肉用牛の損害賠償につきましては、いろんな項目がございまして、県内の畜産農家の誰もが納得できる賠償額を算定し、県協議会が東電に対して賠償を求め協議を進めて参りました。そういった中で、県協議会と東電とのルール作りによる基本的合意までに時間を要したということで、賠償金の支払いが遅れ、畜産農家の経営にも影響を及ぼす結果となった状況でございます。このため、県では、資金繰りが厳しく、資金調達が必要な畜産農家に対しましては、スーパーL資金や農林漁業セーフティネット資金の活用を積極的に推進して参りました。
 こうした中、現在は、支払いもルール化されたことによりまして、賠償も進んできておりまして、繁殖牛も増加してきております。肉牛農家の経営もようやく平常に戻ってきているというふうには感じております。

酒井委員

 遅れを取り戻しつつあるということですけども、賠償が遅れて、経営に大穴が開いてしまったということは事実です。肥育牛農家には、1頭5万円の補てんがあったということですが、繁殖牛農家は、それの対象外となっております。その農家は、政策公庫も融資してくれなかったと言います。こうした農家を救済するために「畜産県ぐんま」として具体的な支援策を打ち出すべきではなかったでしょうか。対応に不十分さがあったと思いますが、この点いかがでしょうか。

茂木農政部長

 あの5万円もですね、補助金ではなくて、賠償が入ったら返していただくと、そういったお金でございました。また先ほど、資金のお話もしましたけども、県でも「つなぎ資金」というものを用意しましたが、なかなか実態に合わなかった部分もございました。そういった中で、できる支援をいろいろ検討して参りました。この資金は、その東日本大震災の被害者には優先的に貸し付け、金利も、返済完了までは無利子ということで活用を図ってきたところです。今後も県としてはできる支援にしっかり取り組んで参りたいというふうに思っております。

酒井委員

 きめ細かい支援を是非お願いしたいと思います。廃業に追い込まれた畜産農家もあるという現実を重く受け止めて、東電による損害賠償が速やかに進むように、県として全力を尽くしていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 飼料イネの作付け推進に向けた県農業公社の役割について伺います。県は耕畜連携をうたい、県農業公社に飼料イネの収穫調製の大きな役割を果たさせてきましたが、近年は、この分野から撤退しようとしているように見えます。機能を維持・拡大すべきだと考えますがいかがでしょうか。

茂木農政部長

 飼料用イネでございますけども、飼料自給率向上を図り、畜産農家の経営を安定させるためには重要な品目であることから、県では平成14年度から作付けの推進を本格的に進めておりまして、当初111ヘクタールだった作付面積は、平成24年度におきましては403ヘクタールまで増加してきております。県としては、作付けを推進するにあたりまして、その収穫調製作業を行う地域コントラクターを育成することが非常に重要であると考えておりまして、そのため、県農業公社をコントラクターのモデルとして位置付け、地域の支援を行ってきたところでございます。これによりまして、地域でのコントラクターの創設機運が高まってきておりまして、県では、新規の地域コントラクターによる収穫調製作業機械の導入に対する支援や、作業オペレーターの資質向上を図るため、研修に対する支援措置を講じて参りました。
 その結果、現在、県内には飼料イネを収穫調製する地域コントラクターが8つ創設されておりまして、飼料イネを作付けしている市町村は15となり、その地域は、東は板倉町から、西は富岡市にいたるまでの広範囲に渡っております。
 こうしたことから、県としては、県農業公社には地域コントラクターに対する技術指導や、地域コントラクターがまだ普及していない地域を補完的に請け負うといった機能を中心に位置付けまして、更なる地域コントラクターの創設や飼料イネの作付け増加につなげて参りたいというふうに考えております。

酒井委員

 まあ、地域のことは地域でというようなことだと思うんですけども、県の収穫調製機が今現在1台しかないと。3台あったのが2台もう使えなくなって1台しかない。栃木県の足利の業者に刈り取りを委託しているところもあるというふうに伺っています。こういう実態を県としてはどのように認識をされておられるでしょうか。

茂木農政部長

 まだ地域コントラクターが一部地域では完全に創設されておりません。そうした中で支援しておりますけども、足りないところでは、今そういった応援もいただいているところでございます。ただやはり、飼料イネの作付け拡大におきましては、地域において作付けする側の耕作農家と利用する側の畜産農家、双方の理解により円滑な推進が図られることから、各地域のコントラクターを育成することが最も効率的だということで、そういった方向で進めているところでございます。

酒井委員

 市町村と連携して進めるのが県の役割であって、そのために農業公社があるんだというふうに思いますが、収穫の作業時期を調整して、東毛地域から西、北毛地域へと、順番に効率よく回せば機械の稼働率も高くできると思います。一つの機械で1,500万円くらいすると言いますが、飼料イネの作付けを本気で増やそうとするのなら、この収穫調製機を県として買い揃えて、広域的に機能を展開していくべきだというふうに思いますがいかがでしょうか。

茂木農政部長

 収穫期間が非常に短いということと、それが重なるということで、全県カバーはやはり困難であるというふうに考えており、効率的ではないというふうに思っております。また、収穫調製用機械を各地域へ移動しながら利用することは、これも効率的ではなく、かつ、コスト面においても問題が出ます。さらに、先ほど申しましたように、地域でコントラクターをやることが一番効率的に飼料用イネの作付けができるということで、飼料イネの収穫面積は、地域コントラクターの設立とともに増加しているという実態もございます。今後も、地域コントラクターの育成と技術支援を軸に、飼料イネの拡大を図って参りたいと思います。ただ、一部地域のコントラクターの養成が遅れているところにつきましては、市町村と協議しまして、できるだけ早期にその設立に向けて努力して参りたいというふうに考えております。

酒井委員

 現在ある機械が壊れたら、もうそれを補充しないというふうにも受け取れます。投機と円安による輸入飼料の高騰の中で、畜産農家にとって国産飼料の確保は死活問題です。現場の声をしっかりと受け止めていただいて、自給率向上という点でも、休耕田の活用という点でも、今こそ飼料イネ拡大のために知恵を絞って、温かい支援策を講ずるべきではないかということを指摘をして農政部長への質問を終わります。ありがとうございました。
 次に、危機管理監、お願いいたします。
 福島第一原発の事故は、収束どころか汚染水の処理もできない深刻な、危機的な事態になっております。今年2月、つまり昨年度中ですが、知事と東電の間で「原発の安全確保にかかる連絡体制等に対する覚書」が交わされましたが、この覚書に基づく通報、あるいは、報告はあったのでしょうか。それはどんな内容だったのかお伺いしたいと思います。

中野危機管理監

 お尋ねのどのような内容の通報があったのかと、大変申し訳ないんですけども、手元に資料がないので分かりません。すみません。

酒井委員

 この汚染水の問題が明らかとなったのは、参議院選挙後の7月22日です。それ以前から東電内部では問題になっていたようだけども、この東電のホームページにアップされているプレスリリースによれば、「このたびの覚書の締結により、今後、福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所及び柏崎刈羽原子力発電所で設備故障や事故などが発生した場合に、本覚書に基づき群馬県へ情報を提供することになります。」というふうにちゃんと書いてあります。発覚してから2ヶ月半も何の通報も無いというのでは本当に覚書を締結した意味がないというふうに思います。県としても、このレベル3というこの事故を深刻に受け止めて、しっかりと東電に覚書に基づく報告を求めていただきたいというふうに思います。福島第一原発の事故を想定した避難計画ですが、昨年2月の一般質問で、私は柏崎刈羽原発の事故を想定した避難計画を作るべきだと求めましたが、その後検討はしたのでしょうか。

中野危機管理監

 柏崎刈羽原子力発電所の事故を想定しました県における避難計画の作成ということでございますけども、まず、原子力規制委員会の策定いたしました「原子力災害対策指針」におきましては、原子力災害対策重点実施区域を定めまして、この地域では、平時からの対策として、避難経路や場所の明示、住民等への迅速な連絡体制の整備、緊急時モニタリングの体制整備などの対策を講じておく必要があるものとしております。本指針の中では、災害対策重点実施区域といたしまして、原子力発電施設から概ね5キロメートル以内を「予防的措置準備地域」、概ね5キロから30キロメートル以内を「緊急時防護措置準備地域」として定めております。さらに、概ね30キロメートルを超えた区域を「プルーム通過時の被爆を避けるための防護措置を実施する区域」、英語表記を略しまして「PPA」と言われてますけども、として定めており、その具体的な範囲につきましては、今後、原子力規制委員会において検討され、当該指針に示されることになっております。本県は、柏崎刈羽原子力発電所から最も近い県境まで約60キロメートルの距離にありまして、同委員会の検討結果によっては、PPAに含まれる可能性があります。
 次に、平成24年10月、原子力規制庁が、原子力発電施設から概ね30キロメートル以内にある道府県が地域防災計画を策定するにあたりまして、防災対策重点実施地域を決定するための参考として、福島第一原子力発電所の事故と同程度の事故を前提に、放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果を公表しております。柏崎刈羽原子力発電所につきましては、避難が必要な区域として、群馬県側に対しては、約35キロメートルの地点までとされておりまして、群馬県境までおよそ半分の区域までとされています。
 このような状況の下、本県では万が一の事故に備え、先ほど申し上げた概ね30キロメートル以内の道府県を対象に原子力規制庁が開催する「原子力防災担当者連絡会議」、こちらにオブザーバーとしての参加を本県側から申し出て、積極的な情報収集に当たるとともに、原子力規制庁の実務担当者と情報交換を行っているところであります。
 今後も、国の動向に関する情報収集や国との情報交換を行うとともに、さらに近隣県の動向を注視しながら、本県の対応をしっかり検討していきたいと考えております。

酒井委員

 いつまた大きな地震が起こり、原発事故が起こるか分かりません。また、人為的なミスによる事故も起こり得ます。そうした事態に備えて、具体的な避難計画を策定すると同時に、避難訓練を実施する必要があるということを最後に重ねて述べまして、私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。

腰塚委員長

 以上で、酒井委員の質問は終了しました。

討論

腰塚委員長

 採決の前に、討論のある委員はいらっしゃいますか。
 (「なし」の声あり)
 討論はありませんので採決に入ります。

採決

腰塚委員長

 まず、本委員会に付託された、平成24年度群馬県一般会計歳入歳出決算及び平成24年度群馬県県有模範林施設費、同小規模企業者等設備導入資金助成費、同用地先行取得、同収入証紙、同流域下水道事業費の各特別会計歳入歳出決算、並びに平成24年度群馬県電気事業、同工業用水道事業、同水道事業、同団地造成事業、同駐車場事業、同病院事業の各公営企業会計決算の認定について採決いたします。
 これを原案のとおり認定することに賛成の委員の起立を求めます。
 (起立多数)
 起立多数であります。
 よって、本件は原案のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、ただ今採決しました各会計決算を除く決算認定案件、並びに第149号議案について、これを原案のとおり認定・可決することに賛成の委員の起立を求めます。
 (起立全員)
 起立全員であります。
 よって本件は原案のとおり認定・可決することに決定いたしました。

審査の終了

腰塚委員長

 以上で、本委員会に付託された案件の審査はすべて終了いたしました。

その他

腰塚委員長

 委員長報告につきましては、正副委員長にご一任願うことでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」の声あり)
 それではさよう決定させていただきます。

あいさつ

腰塚委員長

 閉会にあたり一言ごあいさつを申し上げます。
 今定例会は、群馬県議会が、緊急の事故や災害の発生等に対し、より迅速な対応を可能とするため、また、委員会審議等の充実を図ることを目的に導入した3会期制になって初めての定例会であります。
 また、決算特別委員会には、県議会が議決した昨年度の予算がいかに執行されたかを審査し、問題点の有無を洗い出すことのみならず、現年度の残り約半年間の予算執行、さらに来年度の予算編成にその審査結果を活かしていくという大きな役割と、重大な使命があります。
 こうしたことから、本委員会に付託された各会計の決算認定議案及び第149号議案について、3会期制の目的の一つである委員会審議の充実を図るため、今回はじめて現地調査を実施いたしました。
 5つの分科会がそれぞれの所管事項に関する現場に赴き、昨年度整備された施設や設備について、また、補助金で整備された施設や事業について、その内容や効果、成果等を実際に、委員が直に目や耳で確認してきたわけでありますが、調査先での活発な質疑はもとより、分科会審査においても現地調査を踏まえた質疑がなされるなど、充実した審議が行えたものと確信しております。
 現地調査には一般の企業や保育所の方々にも、お忙しい中にもかかわらずご丁寧な対応をいただきました。改めて、深く感謝申し上げます。
 また、委員各位には各分科会及び本日の総括質疑と熱心に審査を尽くしていただき、お陰をもちまして、すべての決算審査を滞りなく終了することが出来ました。ここに厚く御礼申し上げます。
 最後に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定や景気回復の傾向を示しつつある経済指標があるなど、景気の先行きにいくらか希望が出てきているように思いますが、執行部各位におかれましては、引き続き効果的・効率的な予算執行にあたられるとともに、県民の要望を的確に捉え、更なる県政の発展に努めていただくことをお願い申し上げまして、私からのあいさつとさせていただきます。

知事あいさつ

腰塚委員長

 次に、ここで執行部を代表いたしまして知事からごあいさつをいただきます。
 知事、登壇願います。

大澤知事

 一言、御礼のごあいさつを申し上げます。
 腰塚委員長さん、須藤副委員長さんをはじめ、決算特別委員会の委員の皆様方には、平成24年度の各会計の決算審査につきまして、慎重なご審議をいただき、誠にありがとうございました。各会計決算につきまして、認定すべきものとご決定をいただき、厚く御礼を申し上げます。本委員会の審査におけるご意見・ご要望を真剣に受け止めまして、今後の施策に反映させるとともに、より適正かつ効果的な予算執行につとめてまいります。今後とも、委員の皆様方のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げ、御礼のあいさつといたします。ありがとうございました。

腰塚委員長

 ありがとうございました。

散会

腰塚委員長

 以上をもって、決算特別委員会を散会いたします。
 大変ご苦労さまでした。

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