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環境農林常任委員会(農政部関係:平成26年度)

1.開催日時

平成26年3月11日(火曜日)11時00分~15時33分

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:舘野英一、副委員長:安孫子哲
委員:関根圀男、委員:塚原仁、委員:狩野浩志、委員:水野俊雄、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明

4.欠席委員

委員:田所三千男、委員:茂木英子

5.主な質疑

(1)内水面漁業振興について

狩野委員
 観光立県ぐんまを目指す中で、利根川に釣り人に来てもらうためにも、アユの現状はどうか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 アユの漁獲量は平成6年をピークに、河川環境の悪化、カワウによる食害や冷水病などにより減少している。県では放流効果の高い新規種苗の補助や魚道の改修などの対策により、アユ漁獲量回復に努めたい。

狩野委員
 ギンヒカリを群馬のメインの食材として、旅館等で提供できるよう増産できないか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 ギンヒカリは通常のニジマスよりも長期間飼育する必要があり、飼育中のロスが多いなど、生産量を急増させるのは難しいのが現状であるが、人気のある食材であり、生産者への支援を継続していきたい。

佐藤水産試験場長
 箱島養鱒センターでは、ヤマメの親魚養成や種卵供給とともに、6種類のマス類を系統保存しており、空いている池でギンヒカリを生産したとしても、数トン程度の生産にとどまる。成熟によるロスをできるだけ少なくし、河川水利用による養殖場所の拡大のため、4年成熟ギンヒカリの系統選抜や飼育研究に取り組んでいる。

狩野委員
 県の魚であるアユが利根川で釣れるよう、関係課と連携した河川環境の整備が重要だと思うが、どうか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 これまでも河川課等と連携し、碓氷川や烏川などで魚道整備を実施しており、来年度以降も必要な場所において、整備をしていきたい。

飯塚農村整備課長
 近年は河川環境に配慮し、頭首工を設ける時などには必ず魚道を設置している。県の工事ではないが、利根大堰では3箇所の魚道が設置され、サケの遡上数が大幅に増えている。

(2)農地中間管理機構について

関根委員
 今現在、耕作放棄地はどの程度あるのか。

小林構造政策室長
 平成24年の調査では、県内で4,134ヘクタールとなっている。

関根委員
 この制度により、どのくらいの耕作放棄地が解消されるのか。

小林構造政策室長
 機構を活用して担い手へ集積しようとする目標は、10年間で29,000ヘクタールとなっており、耕作放棄地も含まれる。うち耕作放棄地についての数字は持っていないが、用意された枠組みを最大限活用して解消に努力したい。

関根委員
 この制度の中で、例えば高齢者が農業からリタイアする場合、協力金が出ると聞いているが、どの程度出るのか。

小林構造政策室長
 経営転換やリタイアする場合の支援として、自留地10アールを除いた全農地を機構を通して貸し出した場合に経営転換協力金として、面積に応じて一戸あたり30万円から70万円交付される。

関根委員
 農地を預ける人は多いと思うが、借り手の方は集まるのか。

小林構造政策室長
 機構は、農地の借り手を公募し、その地域に担い手がいない場合は、近隣のエリアに声をかけるなど、市町村、関係者等が総力をもって掘り起こしの対応をとっていくこととなる。
関根委員
 建設業者や食品会社にも農業参入を働きかけるべきと思うがどうか。

小林構造政策室長
 企業向けセミナーや説明会を開催する際には、産業経済部や建設業協会とも連携している。

関根委員
 中間管理機構の制度を推進していくためには、農業公社の体制整備が必要ではないか。

小林構造政策室長
 業務の一部は市町村へ委託することができるとされているが、現行職員8名では不足するため、人事当局と調整している。

(3)国が進める「新たな農業・農村政策」について

狩野委員
 多面的機能支払について、現行の農地・水保全管理支払に5年以上取り組んでいる地区については、75パーセント単価が適用されるということか。

飯塚農村整備課長
 従来同様適用され、新単価の75パーセントである。

狩野委員
 農地維持支払は、農業者のみの活動組織でも支払の対象となるが、従来、農地・水環境保全向上対策は、農業者だけでは水路などを保全できないので、子ども会やPTAなど地域の人たちと共同で取り組むことが条件だったのではないか。

飯塚農村整備課長
 制度発足時はそのような考えであったが、今回の制度については、より農地に着目して農地支払に変更したものである。

狩野委員
 既存の施策と合わせて、大雪被害を受けた農家が再建ができるようにしっかりやってもらいたいと思うがどうか。

茂木農政部長
 平成26年度当初予算の重点施策は大雪対策と連携してやっていく。重要な施策についても、取捨選択しながら、さらに群馬県農業が躍進できるようしっかりと取り組んで行きたい。

水野委員
 多面的機能支払と中山間地域等直接支払の違いは何か。

飯塚農村整備課長
 中山間直接支払は、平地と中山間地域の所得是正を目的とし、多面的機能支払は、地域機能が脆弱化している中、農地、水路などの保全活動を支援していくことを目的としている。

水野委員
 農地維持支払と資源向上支払の違いは何か。

飯塚農村整備課長
 農地維持支払は、草刈りなど農地を守る共同作業への支援であり、資源向上支払は、水路、農道の補修や耕作放棄地などに植栽を行う景観形成などへの支援である。

水野委員
 今回の見直しを受け、結局は減反を進めなければならないとの意見を聞くが、減反を誘導するものなのか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 基本は人口減少や食の多様化による米消費の減少への対応であり、国では5年後の生産数量目標の廃止は状況を見ながら判断するとしており、水田のフル活用に向けて主食用以外の飼料用米等を推進する制度となっている。

飯塚農村整備課長
 日本型直接支払については、減反政策への協力は前提ではない。

水野委員
 主食用米から飼料用米に転換した場合は、売り先は確保されているのか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 飼料用米は、畜産農家との契約を進める一方で、全農スキームとして飼料会社への直接流通により、受入れはまだ十分可能となっている。また、国の試算では飼料用米への対応は十分であるとしている。

水野委員
 畜産サイドからすると、飼料用米の需要はどうなのか。

糸井畜産課長
飼料利用については家畜毎に試験が行われており、飼養頭数から見れば十分可能であるが、流通や保管の問題から、畜産農家が要望する量をすぐに利用できる体制は整っていない。

水野委員
 飼料用米への転換について、今後どう取り組んでいくのか。

藤井農政部副部長
 群馬県は畜産業が盛んであり、飼料用米の需要はかなりあると考えている。また、国では飼料用として全国で450万トンの利用が見込まれるとしており、将来に向けては水田農業対策協議会で検討していきたい。

(4)蚕糸業継承対策について

水野委員
 蚕糸業の維持・存続に向けた取り組みについてはどうか。

毛利絹主監
 大日本蚕糸会の繭1キログラム当たり1,200円の独自助成と併せ、県が300円を助成し、現状の国の支援と同額を支援することで養蚕農家の繭代を確保する他、オリジナル生糸の生産割合を高めることや観光蚕糸業への支援、多様な担い手の育成など総合的な対策により、蚕糸業の維持・継承を図っていきたい。

水野委員
 3年間程度の支援だが、養蚕農家の自立に向けた見通しはどうか。

毛利絹主監
 国の事業で6年間の支援が行われたが、ハードルが高いと感じる。県が育成したオリジナル生糸の普及や遺伝子組換えカイコなどにより、農家所得の向上を図っていきたい。

(5)県産農畜産物のブランド力強化対策と輸出促進について

水野委員
 蚕糸業の維持存続に向けて、シルクの高級ブランド化を進めるとともに、中山間地域の活性化のため、養蚕資源の活用などを検討してはどうか。

毛利絹主監
 各部局と連携・情報交換しながら検討していきたい。

水野委員
 県産農畜産物のブランド力強化対策と輸出促進に掛ける県の意気込みはどうか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 ブランド力強化に向けては、数ある優れた県産農畜産物を対象にしたい。また、輸出は原発の影響で一旦はストップしたが徐々に回復し、上州和牛は輸出が伸びており、今後も情報を察知して国内消費、輸出を拡大していきたい。

水野委員
 海外では豪州産の和牛が席巻している一方、日本は各地域で産地化し、ブランド力、競争力が劣っていると指摘されている。少量多品種から、群馬がリードするジャパンブランドでの売り込みへの政策の転換が必要と考えるがどうか。

茂木農政部長
 香港では、和牛、アメリカ牛、豪州牛がしのぎを削っており、群馬が和牛をリードできるように努めたい。また、次世代の担い手のために農業を魅力のある産業とするため、ブランド力強化や海外輸出に中長期視点で取り組みたい。

(6)県産農産物の輸出促進対策について

塚原委員
 県産農産物の輸出促進について、新年度に向けた課題は何か。

真下ぐんまブランド推進室長
 第1に輸入規制の完全解除であり、知事のトップセールスを含め要請していきたい。第2に輸出に向けた生産現場の体制整備であり、地域別品目別に具体的なアクションプログラムを作成したい。第3に台湾など農業国向けの植物検疫や残留農薬問題の克服であり、輸出に対応できる栽培技術を確立したい。

塚原委員
 やよいひめ商標登録のねらいは何か。また、中国などでは、知的所有権の問題が発生していると聞いているがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 やよいひめについては、生産量は少ないがクオリティは高く、輸出できるポテンシャルが備わっていると考えており、香港とシンガポールで商標登録を行う予定である。なお、問題が生じないように輸出対象国での商標登録が必要である。

(7)グリーン・ツーリズム推進について

水野委員
 県の観光のひとつの柱となりうる農家民宿の現状などはどうか。

飯塚農村整備課長
 農家民宿は、規制緩和により比較的取り組みやすくなり、みなかみ方面で増えている。グリーン・ツーリズムは、高齢化、過疎化が進む中山間地域において重要な施策と考えており、しっかり取り組んでいきたい。

桂川委員
 毎年予算が縮小されているが、受入体制の整備等どのように進めていくのか。

飯塚農村整備課長
 地域興しマイスターやぐんまGTサポーター制度等を立ち上げ推進しており、昨年度からは、「やま・さと応縁隊」として大学生が地域資源を発掘する事業を実施し、評判は良い。なお、予算については、厳しい財政事情の中で若干減少したものである。

(8)鳥獣害対策組織の一元化について

桂川委員
 組織を一本化するのであれば、予算項目も一本化するべきではなかったか。

澁谷技術支援課長
 鳥獣害対策費は当課の鳥獣害対策係の業務であり、市町村事業等に係る業務や庁内調整が中心である。鳥獣被害対策支援センター費では、地域ぐるみの被害対策など、直接現地で被害対策の企画や人材育成業務を担うなど、密接に連携して取り組んでいる。係とセンターの予算は分けてはいるが、業務は関連しており、一体的に取り組み、センターがワンストップで対応する体制となっている。

(9)6次産業化の推進について

桂川委員
 施設整備の予算が大幅に増えているが、具体的な事業者等はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 国が認定する事業者の総合化事業計画を実現するため、施設整備にも支援していく。高崎で果樹栽培し、自ら加工・販売を行う事業者が予定されているほか、県内で29事業者が計画認定を受けており、今後整備計画が上がってくる可能性がある。

(10)第17号議案「消費税法及び地方税法の改正に伴う関係条例の整備に関する条例」について

酒井委員
 手数料アップに伴う増収見込みは農政部ではどれくらいになるのか。

宮崎農政課長
 そういった試算は農政部では行っていない。

酒井委員
 物価上昇があるとしても必要経費は3パーセントも上がらないだろうから、一般企業なら価格に転嫁するわけであるが、県の場合は、必要経費分だけを値上げすれば良いのではないか。

宮崎農政課長
 県が購入するものについても消費税がかかるので、それらを総合的に勘案した結果である。

(11)試験研究施設等特別維持整備費について

塚原委員
 予算が3年連続で減額しており、計画的な施設整備が必要と考えるがどうか。

澁谷技術調整室長
 平成25年度は水産試験場の高圧受変電設備更新工事や馬事公苑や浅間家畜育成牧場での工事を一般事業とは別に予算要求していたものであり、26年度はこれらがないため減額になった。執行にあたっては、各機関で更新計画をつくっており、特に、大規模な修繕や整備が必要な畜産試験場などでは優先計画をつくり整理している。

(12)公務員獣医師の確保について

塚原委員
 平成26年度の獣医師確保の取り組みはどうか。

糸井畜産課長
 平成22年度から現役の獣医師職員が実際に北海道や東北の獣医系大学を訪問し、学生に仕事の内容を説明し、公務員試験の受験を促している。さらに、産業動物獣医師修学資金給付事業を実施したことから公務員獣医師への応募も増加してきていると考えている。

塚原委員
 現状で大規模な伝染病が発生した際の対応はどうか。

糸井畜産課長
 獣医師数が減少する中、家畜保健衛生所の職員は維持してきたが、宮崎県のように口蹄疫が多発すると県職員だけでは対応できない。そこで、県内の開業獣医師を嘱託職員に任命し、家畜防疫員として確保している。それでも不足する場合は、農林水産省を通して、他県に応援を要請することとしている。

塚原委員
 今後の獣医師採用についての考えはどうか。

茂木農政部長
 獣医師職員の採用については、採用年齢上限の引上げ等、様々な対策を実施してきたことで、少しずつ採用も好転しており、この体制を継続して獣医師の確保に努めたい。

(13)ぐんま農業はばたけプランについて

塚原委員
 平成25年度の目標は達成できたのか。

宮崎農政課長
 年度途中の段階だが、現状で新規就農者の確保や企業参入は達成できたが、認定農業者の確保等、厳しかったものもある。

狩野委員
 平成27年度が最終年で、新たに計画を立てると思われるが、主業農家の農業所得600万円という目標達成についてはどうか。

藤井農政部副部長
 現状では厳しい部分があるが、国の制度や県の次期プランにより、その方向に向かって前進できると確信している。

(14)ぐんま農業フロントランナー養成塾について

安孫子副委員長
 新年度はどのような取り組みになっているのか。

小林構造政策室長
 内容を見直しながらカリキュラムを組むが、基本的には本年度同様に年間7回の開催を予定し、26年度予算は増額し、352万1,000円を計上している。

安孫子副委員長
 来年度の塾長はどうか。

小林構造政策室長
 塾長にはNHKの合瀬解説委員にお願いしており、次年度以降もお願いできればと考えている。

(15)農薬の残留基準値を超えたシュンギクの回収について

桂川委員
 残留農薬基準値を超えたシュンギクが自主回収になったという報道があり、原因は散布器具の洗浄不足と聞いた。今後どのような対応をするのか。

吉野生産環境室長
 JAではシュンギクの出荷者を対象に残留農薬検査を実施し、安全対策の徹底を図るとともに、シュンギク以外の生産者へも農薬の適正使用について研修会を行った。

桂川委員
 JAに出荷していない農家への指導はどうか。

吉野生産環境室長
 直売所への出荷については、職員が定期的に指導しており、農政部での出荷前農産物の検査、衛生部局での流通食品の検査も行っており、引き続き安全体制の確保に取り組んで参りたい。

(16)赤城大沼のワカサギの出荷自粛要請について

狩野委員
 7回連続して基準値を下回っているが、出荷自粛要請が継続しているのはなぜか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 万が一、解除直後に再び基準値を上回る数字が出ると、風評被害が懸念されるため、県としては、安定しているかどうかを慎重に判断しているところである。

狩野委員
 出荷自粛の判断は誰が判断しているのか。

茂木農政部長
 知事とも相談しながら県として判断している。赤城大沼だけの問題ではなく、風評被害の問題もあり、地元の方々の心情も十分に分かっており、慎重すぎるとの話も聞くが、安全確保対策の信頼感を損ねないよう、できるだけ早い解除を目指している。


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