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観光・世界遺産に関する特別委員会(11月25日)

観光・世界遺産に関する特別委員会 委員長 松本 耕司

委員長 松本 耕司の様子写真
委員長 松本 耕司

 観光・世界遺産に関する特別委員会では、去る11月9日から12日までの4日間、台湾における海外調査を実施しましたので、これまでの経緯や実際の調査概要等についてご報告申し上げます。

 本委員会は、昨年度設置されていた同委員会を引き継ぐ形で、今年5月に設置され、これまでの委員会を通じて、「観光立県ぐんまの推進」の観点から、本県への国別外国人宿泊数者では、全体の半分以上のシェアを誇り、近年高い伸びをみせている台湾からの、一層の観光誘客に関して、活発に議論が行われておりました。

 本委員会としては、台湾の高い親日性、及び現在の円安傾向等を踏まえ、今後、更に誘客の伸びが期待できる台湾現地の生の情報、及び誘客に向けた課題を調査し、今後の委員会審査に活かすとともに、友好な人脈を形成し、本県への一層の観光誘客促進を図ることも目的として、台湾への海外調査を計画するに至りました。

 調査までの間、各委員で調査の目的を踏まえて、活発に議論するとともに、調査計画書については、第三者を構成員とする「委員会調査審査会」による審査を経て、最終的には、議長の承認をいただき、調査の実現に至ったものであります。

 それでは、実際の調査概要についてご報告いたします。

 はじめに、新竹県への訪問であります。新竹県は、台湾北部に位置し、各地に特色ある温泉が存在しており、県をあげて国際レベルの「温泉地」を目指しています。このような群馬県との共通項を通じて、「観光立県ぐんまの推進」に資するため、台湾の新たな地域からの観光誘客のきっかけづくり等を行うとともに、観光誘客の課題について、調査しました。

 当日は、新竹県の邱(きゅう)県長、及び徐(じょ)副県長にご対応いただき、今後の連携の可能性について、観光・文化等、多岐に亘る分野での意見交換を行いました。各委員からは、群馬県における温泉の概要の説明、世界遺産登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」のPR、それと関連して台湾でも現在放送されている「花燃ゆ」における初代県令である楫取素彦の功績等のPR、及びゆるキャラグランプリで一位に輝いた「ぐんまちゃん」のPRを行いました。これを受けて、邱県長からは、「有馬温泉とも交流があるが、群馬県ともしっかり交流を深めていきたい」、「県政府の幹部職員を群馬県に訪問させたい」との発言がありました。

 また、新竹県が太鼓に力を入れていることから、「前橋まつり」に、新竹県長が児童の楽団と一緒に参加したい旨の発言があり、加えて、新竹県では祭り等を通じて、伝統的に豚を崇めていることから、前橋市の「ころとん」と、豚をキーワードとした連携も可能であるとの提案をいただき、市レベルとの交流にも話題は及びました。

 さらに、新竹県では、豚が置物としても愛用されていることから、本県の伝統工芸品である「だるま」と相互に振興することについても意見が交わされました。

 また、意見交換とあわせて、新竹県の歴史博物館、及び先端産業集積地の視察も実施しました。

 歴史博物館では、新竹県の伝統工芸、基幹産業の歴史等を調査するとともに、先端産業集積地では、世界レベルの先端医療施設を調査しました。

 新竹県は、台湾の県・市の中で、人口成長率が第1位となっており、先端産業の集積等により、失業率も2番目の低さであります。加えて、台北の空港まで車で一時間弱という新竹県の立地性、また、先端産業の振興、及び人口の伸びが、県民所得の上昇に波及することも十分想定されることから、新竹県から日本への旅行客は、今後更に増加することが予想されます。この旅行客を、しっかり群馬に取り込む必要性を強く認識いたしました。

 次に、台湾政府交通部観光局への訪問についてであります。
 当日は、観光局の劉(りゅう)副局長に対応いただきました。副局長からは、台湾への日本人旅行客の概況、台湾人が日本へ旅行した際に必ず購入したい商品、台湾政府観光局が観光客受入体制を整備する際に心掛けている事項等について、説明いただきました。

 その後、各委員等から、双方向の観光誘客を一層推進していきたい旨の意見が述べられるとともに、群馬県の温泉、豊富な農畜産物、JRと連携した観光誘客の取組、教育旅行への取組等が説明されました。加えて、羽田空港、東京駅経由での本県へのアクセスの良さもPRされました。

 これを受けて、副局長から、「草津温泉をはじめ、群馬県には個人的に何回も訪れている」、「教育旅行も一緒に更に力を入れていきたい分野であり、あらゆる分野で交流を続けることが大切」との発言があり、関連して、委員から、草津温泉の現況、芳ケ平湿地群等、ラムサール条約登録地の概況、及び魅力が説明されました。

 最後に、新竹県と同様、本県の伝統工芸品である「だるま」について、観光局での振興を依頼しました。

 次に、台湾政府文化部への訪問であります。当日は、文化部の陳(ちん)次長にご対応いただきました。次長からは、台湾における世界遺産レベルの資産の概要、文化的な面からも大変日本人に人気のある観光地「九份」(きゅうふん)の概要等について、説明いただきました。

 その後、各委員から、「富岡製糸場と絹産業遺産群」がPRされるとともに、関連して、現在台湾でも放送中の「花燃ゆ」に登場する小田村 久米次郎が、台湾で日本語を熱心に教え、その普及に尽力した等の繋がりがある点も紹介されました。

 これを受けて、次長からは、「個人的には日本が大好きである」、「群馬県も台湾でのPRを熱心に続けてほしい」旨の発言をいただきました。

 次に、台湾要人、現地旅行関係者、及び現地メディア関係者との意見交換についてでありますが、当日は、台湾要人の頼晩鐘(らいばんしょう)立法院最高顧問をはじめ、台湾の多くの旅行業者が加盟する台湾旅行全国組合の葉(よう)理事長、台湾のフリーペーパー「なるほど・ザ・台湾」の編集社から小貫(おぬき)総経理等に出席いただき、群馬県の観光・世界遺産について意見交換しました。

 席上、旅行全国組合の葉理事長からは、「日本の様々な都道府県が売り込みを行っているが、温泉、及びゴルフ場の充実は、台湾からみて非常に魅力的である」、「次回台湾にお越しになる時は、是非、組合の本部にお越しいただきたい」、「組合の全役員を集めてお迎えしたい」、「組合加盟の旅行業者には、それぞれ得意の旅行分野があるので、多くの旅行業者が一同に集まれば、大きなアピールの機会となり、可能性も広がる」という発言がありました。

 また、小貫総経理からは、「これまで台湾に訪れた日本人観光客に台湾の魅力を伝えるフリーペーパーの作成が主であったが、昨年から新たな試みとして、台湾人に日本の魅力を伝えるフリーペーパーの作成を始め、台湾の旅行業者や大型書店に配置しており、第一弾として、九州地方を特集した」、「このような取組も観光振興に役立つのではないか」とのご発言をいただきました。この意見交換の成果を活かして、今後の委員会審査等の場を通じて、しっかり議論して参りたいと考えています。

 最後に、立法院への訪問ですが、当日は、どうしても外せない公務のため、予定していた王金平(おうきんぺい)院長への面談は、かないませんでしたが、日本にも大変理解が深く、日台の交流議連の会長である李鴻釣(りこうきん)立法委員と面談しました。

 李委員は、日本語が大変流暢であり、「草津が大好きで何度も訪れており、関係者も毎年送客している」、「台湾と日本の観光客の相互往来は、非常に実り多いものとなっている」との発言があり、これを受けて、各委員からは、湯畑を中心に草津の魅力が更に増したことのPR、「富岡製糸場と絹産業遺産群」、及び温泉地を巡る本県周遊ツアーの売り込みに対する依頼等が行われ、李委員からは、「様々な場面で、群馬県を更にアピールしていただきたい、我々も努力する」との発言をいただきました。

 あわせて、群馬のブランド力の一層の向上という観点から、現在、台湾が講じている本県産農畜産物に対する輸入規制措置の早期解除への協力を依頼したところ、李委員から、「本年4月、王立法院長とともに日本を訪れ、食品安全管理の実情を視察した」、「輸入規制措置の解除に向けた検討は、ある程度のところまで進んでおり、我々も一層努力する」、「解除にそう長くはかからないだろう」との発言がありました。それに関連して、規制の解除後を見据え、上州和牛、及びこんにゃく等のPRも行いました。

 以上、4日間の訪問・調査先の概要を申し上げましたが、密度の濃い有意義な調査を実施することができました。

 今回の海外調査は、台湾の生の情報を得たり、実情を実際に見て、体感し、さらに、現地の要人及び関係者との多くの意見交換を通じて、観光・世界遺産という面から、群馬をしっかりPRし、群馬県に対する理解が様々な分野へ広がりを見せていくこともねらいとしました。調査の終了に際して、このことが、いかに重要であるかと、改めて強く再認識したところであります。

 なお、今回の調査で、各委員がそれぞれの視点でもって現地で得た成果については、今後の委員会審査等において大いに活用していただくとともに、後日、報告書に取りまとめ、議員各位にも配付することといたします。

 最後に、今回の調査にあたり、ご協力いただきました各関係の皆様に対し感謝を申し上げ、委員長報告といたします。


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