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文教警察常任委員会(教育委員会関係:平成29年度)平成29年3月13日(月曜日)

1.開催日時

平成29年3月13日(月曜日)10時05分開始 15時04分終了

2.開催場所

302委員会室

3.出席委員

委員長:清水真人、副委員長:山崎俊之
委員:腰塚誠、委員:織田沢俊幸、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:臂泰雄、委員:藥丸潔、委員:加賀谷富士子

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)特別支援学校の整備等について

井田(泉)委員
 特別支援学校高等部の整備やスクールバス導入による通学時間の短縮効果はどうか。

上原特別支援教育課長
 例えば、今までは沼田地域から渋川特別支援学校には1時間以上かかっていたが、沼田地域に高等部が整備されることで短時間で通えるようになる。また、二葉・二葉高等特別支援学校へのスクールバス導入にあたり、バスを利用できる児童生徒の乗車時間は概ね1時間以内となるよう運行することを考えている。

井田(泉)委員
 重複障害のある生徒が高等部への入学をどのぐらい希望しているのか。

上原特別支援教育課長
 対象になる重複障害のある生徒は、4校で、平成30年度は16名程度、31年度は41名程度、32年度は57名程度である。

井田(泉)委員
 伊勢崎特別支援学校では、来年度から重複障害のある児童生徒が受け入れられるのか。

上原特別支援教育課長
 対応できる予定である。伊勢崎特別支援学校の児童は、酸素流量をコントロールする必要があり今までは医療的ケアの対象とすることが難しかったが、最近は酸素流量が安定しており、医療的ケアの対象とすることを考えている。

井田(泉)委員
 伊勢崎高等特別支援学校について、バリアフリーの観点から使い勝手の認識はどうか。

上原特別支援教育課長
 段差があるなどの問題があることは認識している。重複障害のある児童生徒の受入れを平成30年4月に開始できるよう、既存の校舎や教室等を改修し、まず受け入れることを優先に行い、以降の本格的な学習環境整備は、来年度以降に関係各課と連携し、スピード感を持って取り組んでいきたい。

井田(泉)委員
 伊勢崎の特別支援学校と高等特別支援学校は老朽化が進んでおり、近い将来、一つの新校舎で勉強できるような環境整備が必要だと思うがどうか。

上原特別支援教育課長
 状況を確認しながら整備を進めていきたい。

藥丸委員
 太田高等特別支援学校での重複障害のある生徒の受入スケジュールはどうか。

上原特別支援教育課長
 来年度中に既存校舎改修について検討し、30年4月の受入を進めていく。また、重複障害のある生徒の本格的な学習環境の整備は、来年度以降、関係各課と協力しながら取り組んでいきたい。

(2)スクールカウンセラー(SC)について

織田沢委員
 当初予算が減った要因及び来年度の配置はどうか。

三好義務教育課長
 予算の減額は統廃合によって学校数が減ったためであるが、一方、高校の夜間定時制・通信制高校への配置については拡充した。また、特に小学校での3週間に1回の勤務校を隔週勤務校とするなどの配置改善に努めた。

織田沢委員
 配置を充実した内容はどうか。

三好義務教育課長
 小学校で3週に1回の勤務校を142校から131校に減らし、その分を隔週勤務校としたところである。

織田沢委員
 採用人数はどうか。

三好義務教育課長
 今年度の155名に対し、来年度は166名を採用予定である。

織田沢委員
 人材確保や人材養成にどのように取り組んでいくのか。

三好義務教育課長
 臨床心理士は人材が限られており、今後も臨床心理士会と連携していきたい。また、臨床心理士に準ずる者は、市町村相談機関での経験者や教員で相談業務に関わってきた者などに働きかけていきたい。

織田沢委員
 SCへの相談者の比率はどうなっているか。

三好義務教育課長
 小学校では保護者が約6割、児童が約2割、教師が約2割であり、中学校では生徒が約6割、保護者が約2割、教師が約2割となっている。

山口高校教育課長
 高等学校では年間延べ9千件の相談があり、生徒が約4千件、教員が約4千件、保護者が約1千件であった。

(3)スクールソーシャルワーカー(SSW)について

織田沢委員
 SSWが足りないと言われているが取組の現状はどうか。

三好義務教育課長
 現在、3教育事務所に2名ずつSSWを配置し、要請のあった市町村や学校の支援に当たっており、直接、家庭問題に関わるケースだけでなく、ケース会議設置のきっかけとなる働きかけも行っている。福祉的な支援は迅速性と継続性が求められ、市町村教委と福祉部局の連携が重要であり、モデルとなるケースの蓄積や人材育成も考え事業に取り組んでいる。

織田沢委員
 市町村教委に人材を配置するには、市町村長の理解が不可欠であると思うがどうか。

笠原教育長
 市町村教委に福祉制度に精通した人材を配置するという方向性につき市町村長の理解を得ることは重要であり、地域別市町村懇談会などの知事、市町村長、議長などが集まって協議する場において議論していくことも探っていきたいと考えている。

藥丸委員
 県と市町村との連携について、今後の取組をどう考えているか。

三好義務教育課長
 SSWの役割は、子供たちの生活環境に直接働きかけたり必要な援助制度等につないだりすることで、配置には常駐と派遣型があるが、現在、県で行っているのは派遣型で、市町村が配置する場合のモデルとなるよう取り組んでいる。県ではSSWは福祉関係の有資格者のほか、実務経験者なども任用しており、今後の人材任用の点でもモデルになると考えている。

藥丸委員
 人材養成はどのように行っているのか。

三好義務教育課長
 県の社会福祉士会や精神保健福祉士会において研修を行っている。

藥丸委員
 文科省の政策目標に対する県の考えはどうか。

三好義務教育課長
 文科省は平成31年度までに各中学校区に一人のSSW配置を目標に掲げているが、現時点で県としては同じ配置目標は掲げていない。

角倉委員
 SSWは増員していく方向性と考えてよいのか。

三好義務教育課長
 SSWの増員の議論の前に、まず子供の変化に気づくのは教員であったりスクールカウンセラー(SC)である場合もあるため、これをいかに福祉の支援につなげていくかが重要であり、支援が必要な子どもたちを総合的に支えていくという仕組みづくりが大切である。

角倉委員
 SSWの育成・配置の制度設計について、市町村と議論する必要があると思うがどうか。

三好義務教育課長
 SSWの仕事は、市町村教委との連携なくしてはできないと考えており、県教委ではSSW推進シンポジウムを開催して情報共有を図るなど、市町村との連携を深めていくための取り組みを行っている。

角倉委員
 SSW増員に向けた教育長の基本的な考えはどうか。

笠原教育長
 学校がいかに速やかに福祉につなげるかが重要であり、学校現場で相談体制をつくることが必要である。SSWという専門職を増やすという方向とともに、SSWの資格がなくても相談しやすい適格な人材を市町村教委に配置し、福祉部門につなげていくという方向も併せて考えていく必要があり、今後、市町村とも議論し仕組みづくりを探っていきたい。

角倉委員
 前教育長答弁のSCをSSW的に活用していくということについて進展はあったのか。

三好義務教育課長
 SCの中には、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を有したり、援助制度に詳しい者も相当数おり、実際に福祉的視点で助言しているSCもいる。アンケート調査の結果、7割の学校が福祉的支援が必要なケースを抱えているが、多くがSCに相談しており、SCが一定の役割を果たしているものと認識している。

(4)家庭教育支援について

藥丸委員
 教育委員会の「親の学びプログラム」と、こども未来部の「ほめて育てるコミュニケーション・トレーニング」との違いは何か。

下田生涯学習課長
 「親の学びプログラム」は、一つのテーマを基に親同士の話合い等の中から、子どもとの接し方等に気付いてもらうもので、「コミュニケーション・トレーニング」は、親子関係の中で、ほめて育てる方法をトレーニングするものである。「親の学びプログラム」は、社会教育主事等がファシリテーターとなり教育的な側面から関わっているのに対し、「コミュニケーション・トレーニング」は、保健師等がトレーナーとして福祉的に関わっている。

藥丸委員
 今後の取り組み予定及びこども未来部との連携はどうか。

下田生涯学習課長
 今後は公民館での家庭教育学級やPTAの研修会等でプログラムを試行するとともにファシリテーターを養成していく予定であり、生涯学習課、生涯学習センター、教育事務所が一体となって普及を進めていく。また、こども未来部とは指導者研修や学習機会の場を互いに紹介し合うなど、相互乗り入れができるような連携を進めていきたい。

(5)小学校の学習プログラム等における県有施設利用について

腰塚委員
 自然学習教室に対する費用助成の状況はどうか。

下田生涯学習課長
 昆虫の森には県内小学校の219校が来園しており、うち希望する166校に対して助成している。

腰塚委員
 他の施設は対象としているのか。

下田生涯学習課長
 当該補助金の対象は、昆虫の森とぐんま天文台のみである。

腰塚委員
 学習目的なら他の県有施設も対象にできないか。また、希望する学校だけでなく各施設を利用するよう指導できないか。

下田生涯学習課長
 基本的に各施設で学校利用対策を行っており、昆虫の森や天文台では、学年に応じた学習プログラムを用意し、学校向け説明会等で先生方に周知しており、昆虫の森では県内小学校の約7割に利用されている。各学校に強制はできないが、なるべく利用してもらえるような案内や説明をしている。

腰塚委員
 歴史博物館や近代美術館などの県有施設も積極的に活用することが必要だと思うがどうか。

三好義務教育課長
 小中学校では学習内容に合わせた施設利用を行っており、27年度だけでも、660校のべ42,380人の児童生徒が県有施設を利用している。今後も、利用による学習効果がどうあるのかを施設から指導してもらいながら各学校が利用していく方向で進めていきたい。

腰塚委員
 利用は学校側の判断ということか。

三好義務教育課長
 理科や社会に関しては、座学の学習に加え体験的な学習も重視しており、各学校で、できる限り多くの施設を使えるよう年度始めに利用計画を立てている。

腰塚委員
 自然学習教室全体の補助額が360万円だが、各学校に対する補助額はいくらか。

下田生涯学習課長
 バス代として、昆虫の森が1台1万円、天文台が1台1万5千円を補助している。

腰塚委員
 もう少し補助して、指導もしてほしいがどうか。

笠原教育長
 県有施設の学校利用は、児童生徒の発達段階に応じて色々な活用方法があり、各施設でも多様な取組を行っている。引き続き、関係部局と連携し利用しやすい工夫を重ねていくほか、教員の理解を深めていくことにも取り組んでいきたい。

(6)夏休み中の教職員の活動について

井田(泉)委員
 夏季休業中、教員はどのような業務を行っているのか。

三好義務教育課長
 小学校では、水泳指導や補充的な学習を行ったり、学校によっては家庭訪問を行っているほか、校内や県総合教育センター、市町村教委の研修にも参加している。また、2学期以降の準備や1学期に不登校傾向にあった子供たちへの支援なども行っている。中学校教員は、これらの業務に部活動指導や部活動の大会への引率などが加わる。

井田(泉)委員
 小学校より中学校の方が夏休み中の業務が大変だという不満はないか。

野村学校人事課長
 夏休み中、5日間の夏季休暇と、4日以上の年次有給休暇取得を指導しているが、本年度、小学校教諭の67パーセント、中学校教諭の36パーセントが4日以上の年休取得した。中学校は部活動があり大変だと言われるが、一定の休暇取得はできていると認識している。

井田(泉)委員
 平準化するための改善は行っているのか。

野村学校人事課長
 中学校でも休暇が確実に取得できるよう、前橋市では19年度からお盆期間中の5日間は学校閉庁し、本年度は、夏休み中に21市町村が5日間の閉庁、10市町村が2~4日間の閉庁を行った。今後も市町村教委とも連携しながら、休暇取得しやすくなるよう努めていきたい。

(7)臨時職員の不祥事について

井田(泉)委員
 利根郡内で発生した臨時教諭による不祥事の概要はどうか。

野村学校人事課長
 平成27年7月に、駐車場に止めていた乗用車の後部座席へ、歩いていた女性に声をかけ誘い込み、体を触るなどのわいせつ行為をしたと聞いている。現在、当該職員は逮捕勾留中であり報道以上のことを県教委でも把握できていないが、事実であれば大変遺憾である。

井田(泉)委員
 職員の処分はどうなるのか。

野村学校人事課長
 職員は、昨年4月1日から今年3月30日まで任用されている臨時職員であり、任用期間中の非違行為ならば地方公務員法に基づき懲戒処分できるが、事案発生が任用期間中でないため懲戒処分はできない。ただし、今後、本年度中の余罪が出てくれば懲戒処分できるため、慎重に調査を進めていきたい。

井田(泉)委員
 今後、職員を任用することはあるのか。

野村学校人事課長
 今後、起訴されて禁錮以上の有罪判決を受けた場合は、例え執行猶予となったとしても教育職員免許法により教員免許は失効するため、教員として仕事はできなくなる。

井田(泉)委員
 職員に、退職金は支払われるのか。

野村学校人事課長
 24年度に起こした事案のため当該年度の退職金返納は求めることができるが、その後に勤務した25年度以降分の退職金は、現在のところ返納させることは、制度上、難しいと考えている。

井田(泉)委員
 新年度、不祥事根絶に向けた県教委としての対策はどうか。

笠原教育長
 1つの不祥事により県内学校全体の信頼を失うため、不祥事根絶に向け、1件でも非違行為を減らせるよう努めていく。新年度は、新たに採用者も迎えるため、改めて市町村教委や各学校と連携を図り服務規律の確保を徹底していきたい。

(8)中学校の体育における武道の選択について

角倉委員
 柔道が多く、剣道と相撲が少ない状況であり、県教委として、剣道は竹刀一本でもできることを各学校に提示してほしいがどうか。

高田健康体育課長
 武道の種目は、基本的に各学校の体育教員を中心に決められており、今年度は柔道が9割余り、剣道が1割程で、相撲は実施がなかった。県教委では、学校体育担当指導主事が集まる会議において、県の剣道連盟や柔道連盟の関係者から競技の特性や良さを聞く機会を設けたこともあり、今後も特定種目に限らず、バランスある広報を行いたいと考えている。

角倉委員
 試行的に、地域の剣道連盟指導者と意見交換する場を設定してほしいがどうか。

高田健康体育課長
 今後、連盟関係者から要請があれば、県教委として学校体育担当指導主事会議で情報交換等を行う機会を設定することはできると思う。

(9)群馬テレビ番組「みんなの時間」について

角倉委員
 番組は24年度から28年度まで放送してきたが、もともと5年間放送する計画だったのか。

下田生涯学習課長
 最初から何年間放送するかを決めていたわけではない。

角倉委員
 紹介する学校がなくなったから見直しするのか。また、番組はいつまで続けるつもりか。

下田生涯学習課長
 社会情勢の変化を踏まえ見直すもので、第15次県総合計画や家庭教育応援条例などを背景に、県民に子どもたちを取り巻く現状や課題、様々な取組を行っている人を幅広く紹介することで新たな取組の動機付けを目指す。何年放送するかより内容が重要だと考えている。

角倉委員
 事業効果について、どのような検証を行っているのか。

下田生涯学習課長
 保護者や教員、地域住民にアンケートを行うほか、随時に事業内容の見直しを行っている。教員からは学校を見直す機会となったとか、保護者からは学校の取組がわかったなどの意見が寄せられているほか、紹介した取組が先進事例として活用もされている。

角倉委員
 事業費が大きいことから、検証はしっかりと行うべきではないか。

下田生涯学習課長
 テレビ放送は金額の大きい手段であるが、これまでの番組も3万世帯弱で視聴されており、効果は大きく、大切な手段であると考えている。改編後の番組も見直しは毎年行い、課題があれば変えていく。

(10)子どもの貧困対策について

角倉委員
 子どもの貧困に関する法律や大綱について、教職員にどのように徹底しているか。

三好義務教育課長
 生徒指導担当者を集めた協議会において、子供の貧困に対して学校がどういう役割を果たしていくのかについて研修を行っている。

山口高校教育課長
 定例校長会等で、県の計画について周知を図っている。

角倉委員
 法律や大綱を教職員一人ひとりに配付しているのか。

三好義務教育課長
 法律や推進計画等は各学校に届いており、その中から特に心がけてもらいたい部分について抜粋して研修している。

山口高校教育課長
 高校でも同様の対応を行っている。

角倉委員
 格差社会や人口減少を背景とした「新しい貧困」について、教員の正しい認識が必要と考えるがどうか。

三好義務教育課長
 県の推進計画中には、学校現場で起きている事案等が示され、「相対的貧困」や「見えない貧困」等は事例を挙げて教員に説明している。貧困の連鎖を断つためには、学力保障と進路指導が大切であり、子供達が自ら貧困から脱出できる力を付けることも重要である。

角倉委員
 学校現場と福祉をつなげるため、子どもの状況に応じたサポートをしながら教育を推進してほしいがどうか。

山口高校教育課長
 高校の教員は、心理的支援について研修してきているが、福祉的支援については、今年度の新たな試みとして、高等学校の教育相談担当者を集め、スクールソーシャルワーカーを講師に、支援の在り方や貧困の内容等について理解を深めてもらった。

(11)問題行動の現状等について

臂委員
 24年度以降の問題行動の状況や現在の傾向、学校現場の取組や体制はどうか。

三好義務教育課長
 24年度以降、問題行動は減少しており、26と27年度比較で、中学校では146人減少している。生徒指導担当嘱託員やスクールカウンセラーを配置しているほか、いじめ問題に対し全県的な取組を行っていることなどで減少したものと考えている。

山口高校教育課長
 公立高校では、23年度と比較し27年度では6割程度まで減少している。内容は、全日制では校則違反が最も多く約3割を占めており、ここ数年続いている。管理職や生徒指導主事を中心に、問題を抱え込み事態を悪化させることのないよう、情報共有を徹底するなど組織的に対応するよう指導している。

臂委員
 警察との連携状況はどうか。

三好義務教育課長
 16年度には、県教委と県警本部、私立学校協会とで「学校・警察児童生徒健全育成推進制度」の協定を締結しているほか、市町村教委と所轄警察署でも協定を結ぶなど、日常的な情報交換などの連携によって問題が重篤化する前に対応している。

山口高校教育課長
 各校で所轄警察署との「顔の見える関係」を早期に築き、学校と警察との連携を深めている。

臂委員
 インターネット等による見えない部分もあると思うが、どう考えているか。

三好義務教育課長
 インターネットを使ったいじめは大きな問題であり、見えにくくなっている現状はある。子供たちへの啓発や保護者理解を得ることが大切であり、入学前からインターネットの問題点について啓発したり、中学校入学前に講習も行っている。

山口高校教育課長
 学校非公式サイト等調査監視事業により、不適切な書き込みがないよう専門業者に委託し、監視している。SNSを介して高校生が被害者・加害者になるケースもある状況を踏まえ、今年度、学校ごとのスマートフォン利用ルールを決める生徒主体の取組を全公立高等学校で行い、規範意識やネットモラル・ネットリテラシーの向上に取り組んでいる。

(12)夜間中学について

臂委員
 県内の未就学者の状況及び夜間中学の課題等はどうか。

荒井総務課長
 22年の国勢調査では、未就学者は全国で12万8千人で、県内では2,230人である。夜間中学の課題等は、設置場所をどこの市町村にするかということや、生徒の81パーセントが外国籍である状況から、国籍・学力・年齢等が多様な生徒への教育内容等をどうするかということ、単に日本語習得の目的では夜間中学の目的と合致しないことなどがある。

臂委員
 県の取組についてはどうか。

荒井総務課長
 現状では県内市町村からの設置要望はないが、具体的な要望等があれば適切に対応出来るよう、引き続き情報収集に努めたい。

臂委員
 NPOなどの民間団体で外国人を支援している状況を把握しているか。

荒井総務課長
 夜間中学に類似した活動として、民間団体が伊勢崎市で2か所、沼田市で1か所、館林市で1か所、日本語学習や識字講座等を行っている。市の国際交流協会がNPOに委託するなどして活動しており、週1~2回のクラスを設けて日本語教育をサポートしている。

臂委員
 仮に伊勢崎市が中学校に夜間学級を設置することになった場合、県教委として人員配置等の対応をするのか。

荒井総務課長
 市町村が設置する中学校の夜間学級であるので、法令に基づき県費負担教職員を配置することになる。

(13)教員の多忙化について

加賀谷委員
 小学校英語の教科化により更に負担が増えると考えるが、どう対応するのか。

野村学校人事課長
 本来業務である授業に専念するためには、市町村教委と連携をしながら、これまで以上に業務改善を推進していく必要がある。調査や研修会を削減して負担軽減を図ったり、ICT活用による校務支援システムを導入するなど、今後とも業務改善に取り組んでいきたい。

加賀谷委員
 労働法令に沿った労働時間管理や長時間労働改善に向け、市町村教委とともに進めてほしいがどうか。

野村学校人事課長
 協議会を来年度早々に発足したいと考えており、「教員の担うべき業務に専念できる環境を確保する」、「教員の部活動における負担を大胆に軽減する」、「長時間労働という働き方を見直す」などを視点に議論していきたい。

加賀谷委員
 ワーク・ライフ・バランスを根づかせることが、教育の質を高めることにつながると考えるがどうか。

野村学校人事課長
 教員の仕事は、ここまでやればよいという線を引き難い面があり、健康面や質の高い教育活動を考えると、学校現場でもワーク・ライフ・バランスは重要である。県教委では、「勤務時間の適正な管理並びに総労働時間短縮のための指針」の中で、「定時退勤デー」や「ノー部活デー」を設定するよう指導している。

(14)教職員の労働時間把握について

加賀谷委員
 小中学校では勤務時間の記録がされていないと聞くが、県教委として市町村教委にどのように働きかけていくのか。

小野福利課長
 県立学校では「時間外勤務の記録」を記載しており、それに基づき医師面接指導を受ける体制を整えており、市町村立学校でも同様に整える必要があると考えている。27年5月で567校中334校で整備済みの状況である。体制整備は市町村教委の責務であるが、面接体制整備の重要性と法定事項であることを鑑み、機会を捉えて情報提供と整備促進支援をしている。

(15)特別支援教育への理解と条件整備について

加賀谷委員
 特別支援学級の児童生徒を通常学級に受け入れるに当たり、特別支援教育を推進することへの理解はどのようにしているか。

上原特別支援教育課長
 教員同士が「個別の指導計画」や「一週間の授業計画」等を活用し、日常的に情報交換を行うなど児童生徒の実態や授業における配慮点などを共通理解しているほか、視聴覚機器の積極的・効果的な活用をし、分かりやすい授業づくりに取り組む学校も増えている。全学校で、特別支援教育にかかる校内委員会を設置し、具体的な話し合いを定期的に行ったり、コーディネーターを中心に校内研修の実施や特別支援教育についての情報発信を行っている。

(16)小学校英語の推進とEAT配置について

山崎副委員長
 英語教育アドバイザー教員の活用方法はどうか。

野村学校人事課長
 平成32年度から3・4年生に外国語活動が、5・6年生に教科としての英語が導入されるが、現在の小学校教員には指導に不安を抱えている者が多いため、県単独予算により英語教育アドバイザー教員10名を配置したいと考えている。この教員は、配置された学校でモデル授業を行うとともに、他校に出向きティーム・ティーチングによって一緒に授業づくりを行う。研修会講師も務め、教員と指導主事の中間的な存在として柔軟に活用しようと考えている。

山崎副委員長
 実際の配置はどのようになるのか。

野村学校人事課長
 EAT配置は、伊勢崎・玉村・高崎・藤岡・中之条・沼田・桐生・太田・みどり・明和の10市町村で、文科省の研修を受けた者や県の英語カリキュラム開発に携わった者などの中から適任者を人選している。

山崎副委員長
 英語教育の推進にあたり、教育長の所感はどうか。

笠原教育長
 グローバル化の時代に英語は相互交流ツールとして重要であり、必要性は高まっているが、英語教育は、英語を話すことが目的でなく、何を伝えるかが備わっていなくてはならず、子どもたちには郷土への誇りと愛着を育んでほしいと考えている。県教委としては、群馬の特色をしっかりと理解した上で国際社会の中で活躍できる人材を育成できるよう取り組んでいきたい。

(17)古墳情報発信について

山崎副委員長
 古墳総合調査の成果を活用し、副教材を作成してはどうか。

羽鳥文化財保護課長
 文化振興課が東国文化副読本を作成し、学校での利用が進んでいる。文化財保護課では、古墳総合調査の成果をデータベースとしてまとめる予定で、最新情報を提供するほか、昭和10年の調査時資料や群馬大学の調査写真等も併せ広く県民に公開したいと考えており、学校教育の場でも郷土資源を活用するための有力な手段として利用してほしいと考えている。

山崎副委員長
 天神山古墳整備の状況や県の考え方はどうか。

羽鳥文化財保護課長
 原則として、整備は所在市町村が行っており、天神山古墳は近くにある女体山古墳とともに、太田市が国庫補助を受けて公有地化を進めている。県としても文化庁と十分な調整を行うとともに、今後、事業が順調に進展するよう情報共有に努めていきたい。


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