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産経土木常任委員会(県土整備部関係)平成29年10月3日(火曜日)

1.開催日時

平成29年10月3日(火曜日)10時00分開始 15時07分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:高橋正、副委員長:荒木恵司
委員:腰塚誠、委員:岩井均、委員:岩上憲司、委員:萩原渉、委員:角倉邦良、委員:大手治之、委員:金子渡、委員:加賀谷富士子

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)はばたけ群馬県土整備プランについて

岩井委員
 検討案には「7つの交通軸」の進め方が出ており、平成39年度までに全事業完成を目指すとあるが、今後、現状の予算で推移した想定での方針か。

岩下建設企画課長
 現在、全体の総投資額を財政課と協議しているが、右肩上がりではなく、今後の厳しい財政状況も考慮した投資計画を検討した上で、平成39年度までに完成させる計画としている。

岩井委員
 西毛広域幹線道路などについて、安中工区であれば32年度完成となっているが、工区毎の完成予定時期を明示してほしい。

岩下建設企画課長
 工区毎の完成予定時期についても、可能な限り明示できるよう検討して参りたい。

角倉委員
 増大する維持管理費に対する具体的な取組を県土整備プランに示すべきと考えるがどうか。

岩下建設企画課長
 今回の県土整備プランの策定にあたっては、新たに「基本目標2:安全」の政策5に、「戦略的な社会資本の維持管理・更新」を位置付けている。具体的には、施策1として「社会資本の長寿命化対策」、施策2として「効率的な社会資本の維持管理」を掲げ、財政的な制約が厳しい中にあっても、適切な維持管理・更新が推進できるよう取り組んで参りたい。

角倉委員
 今後、社会資本ストックが増加することから、維持管理費も増加するという考えで県土整備プランを策定しているという認識でよいか。

岩下建設企画課長
 そのように考えている。

角倉委員
 新しい道路ができれば、古い道路を閉鎖しない限り維持管理費が増大するという認識で、県土整備プランをつくることで良いか。

岩下建設企画課長
 社会資本ストックが増加していく中で、維持管理費用も徐々に増加していくものと想定している。住民との協働や民間活力の導入などによる効率的な維持管理に努めるとともに、長寿命化計画に基づく、予防保全対策と更新費用の平準化などにも取り組みながら、適切な維持管理・更新に努めて参りたい。

角倉委員
 建設産業の担い手の確保・育成について、プランの中で、方策1として「適正な利潤確保」が書かれている。適正な利潤確保は非常に重要であり、今回、プランに記載した思いを教えてほしい。

岩下建設企画課長
 平成26年に担い手3法の改正における柱の一つとして、担い手確保に向けた利潤確保がある。具体策として、適正な予定価格の設定のために単価の改定の頻度を多くしたり、月別の発注計画の公表、月当たり施工量の平準化などに取り組んでおり、これらの取組が適正な利潤の確保に繋がるものと考えている。

角倉委員
 適正な利潤確保は非常に重要であり、人手不足に対応していかなければならないと考えるが、思いと意気込みを込めて、簡潔に答弁いただきたい。

岩下建設企画課長
 建設業の大きな課題である「働き方改革」と「生産性の向上」に向けて、県として環境づくりにしっかりと取り組み、担い手の確保・育成に向けた、適正な利潤の確保につなげて参りたい。

(2)河川整備計画について

岩井委員
 邑楽・館林圏域河川整備計画は概ね10年から20年に一度の降雨を想定するとあり、30年に一度の降雨も検討するとあるが、碓氷川の河川整備計画は、100年に一度の降雨を想定するものであった。その他の計画との整合性はどうか。

平山河川課長
 碓氷川については、施設整備による最終目標は、100年に一度程度発生すると考えられる洪水を防ぐこととしている。ただ、段階を踏んで整備していくため、整備計画では当面は20年から30年に一度の規模を目標としており、県内のその他河川も概ね同程度である。碓氷川では、今後堤防整備等を進めて参りたい。

岩井委員
 洪水浸水想定区域で設定している降雨規模と、河川整備計画の降雨規模に差があり、地元も不安に思っているが、その点はどうか。

平山河川課長
 今年度に公表した洪水浸水想定区域は、想定しうる最大規模として、1000年に一度を上回るような規模としている。その際に、計画規模による浸水区域も併せて示しており、それが概ね100年に一度の規模である。河川整備計画では段階を踏んで20年で整備できる規模を目標としている。ただ、施設整備を上回る規模の洪水は起こり得るため、最大でここまで浸水する可能性があるということを洪水浸水想定区域では示しており、その場合は、施設整備と併せて、避難する、命を守るという取組をソフト対策としてしっかり進めていきたい。

岩井委員
 邑楽・館林圏域の洪水浸水想定区域は、今回資料に示されていないが、今後それも示していくのか。

平山河川課長
 邑楽・館林圏域では、直轄管理区間の利根川や渡良瀬川も含め、既に洪水浸水想定区域が公表されている。今回の整備計画では、発生頻度が比較的高い概ね20年から30年に一度の洪水に対して施設整備を進めていく。また、それを上回る洪水に対しては、避難のあり方や防災情報の出し方等を、行政としてしっかりと考えて参りたい。

(3)群馬県汚水処理計画について

岩井委員
 今回の計画は、来年度からの10年間になるが、汚水処理人口の普及率向上は長年言われていて、思った通りに計画が進んでいないが、県や市町村の取組状況はどうか。

清水下水環境課長
 県の取組は、6処理区で流域下水道事業を実施しており、東毛流域下水道・佐波処理区内の伊勢崎幹線の整備を実施中であるが、それ以外の管渠整備は概ね完了している。市町村では、起債発行額が抑制されているなど下水道整備は事業費の確保が難しく、下水道事業が進捗していない状況である。また、合併処理浄化槽整備は過疎化や高齢化により、転換に要する個人の費用負担が難しいことから、進捗していない状況である。

岩井委員
 現計画では、平成34年には汚水処理人口普及率が91.7パーセントとあり、毎年度ごとに1.5パーセント程度伸ばす計画であるが、実績値であると、1パーセント程度の伸びである。実績を伸ばしていくと、平成34年度には85パーセント程度になる。新計画において、9割を完了するものであるが、実際には難しいのではないかと思うが、新しい計画の目標値は、9割で良いか。

清水下水環境課長
 現行計画での目標達成には、年平均で約2.1パーセントのペースで推進していく必要があるが、ここ4年間の実績値の平均は約1.1パーセントであることや市町村の財政状況を勘案すると達成は難しいことから、新規計画の実施年度である「平成30~39年度」の中で計画値を見直す必要があると考えている。

岩井委員
 普及率が伸びない要因として、市町村の財政状況の影響などを挙げているが、県費補助制度はどのようになっているか。

清水下水環境課長
 市町村や個人への県費補助制度として、汚水処理施設整備費補助がある。市町村への県費補助制度として、平成29年度当初予算において総額約6億6千万円を計上している。下水道関係では、市町村が単独で実施する管渠整備に約1億7千万円、流域関連公共下水道への接続費補助として約1千万円、農業集落排水関係では施設整備に約2億円、浄化槽関係では浄化槽の転換への補助として約1億7千万円、浄化槽を転換する個人への補助として1億円計上している。

岩井委員
 県費補助制度は、自己負担があるので、大変な面があるが、この制度を維持してもらい、来年度も群馬県汚水処理計画を推進していっていただきたい。群馬県の全国順位は30位代であり、低いレベルであるので、ぜひ、この制度を維持・継続してもらいたいがどうか。

清水下水環境課長
 汚水処理人口普及率を向上させるためには、市町村が主体となって、事業を展開する必要があると考えている。市町村は起債発行額の抑制により投資事業費の確保が難しく、事業が進まなくなること等から、県費補助制度の継続が必要と考えている。特に、合併処理浄化槽の普及・向上に努める必要があるが、住民個人の意向が大きいため、過疎化や高齢化の現状を踏まえると引き続き、補助制度の継続が必要と考える。

角倉委員
 群馬県汚水処理計画において、合併処理浄化槽をより推進していかなければならないと考えるが、施策について計画の中に具体的に書き込んでいただきたいと思うがどうか。

松井調整主監
 策定中の計画では、ベストミックスの推進により、合併処理浄化槽の担う役割がこれまで以上に大きくなるので、合併処理浄化槽への主な転換促進策として、県費補助制度の活用、市町村設置型浄化槽の更なる推進、積極的な広報の3点を行っていく考えである。

角倉委員
 合併処理浄化槽への転換促進を図るため、県がインセンティブを与える施策が必要であると考えるがどうか。

松井調整主監
 事業主体である市町村と連携を取り対応していく。現在、市町村と検討会や意見交換会を開催しており、今後も、市町村から意見を聞きながら、転換がより促進されるよう施策を検討して参りたい。

角倉委員
 合併処理浄化槽への転換には、県からの財政支援が必要と考えるがどうか。

松井調整主監
 市町村や浄化槽関係団体と連携を取りながら、より転換が促進され、普及率の向上が図られる制度を検討して参りたい。

(4)土砂災害対策推進計画について

岩井委員
 今後、10年間で91箇所を完成させるという説明があったが、砂防施設の整備状況はどうか。

金田砂防課長
 県内では、土石流や崖崩れ等の土砂災害危険箇所7,635箇所のうち、保全対象が人家5戸以上ある危険箇所3,621箇所について対策を進めており、その整備率は平成28年度末で33.5パーセントである。

岩井委員
 優先度が高い箇所として125箇所が計画に盛り込まれているのであれば、10年間で全て完成させるという予定で行うべきであると思うがどうか。

金田砂防課長
 10年間で全てを完成させるためには、今年度予算より3割程度の増額が必要であるため、今後、国に対して強く要望して参りたい。

岩井委員
 この計画は骨子案ということであり、今年度中、部長も検討していただいて、何とか完成する形に修正していただいて、より良いものにしていただきたいがどうか。

中島県土整備部長
 県民の生命を守るという面では、全ての箇所で対策を講じることが重要であるが、今後の財政状況は厳しいので、委員の意見を踏まえて引き続き検討して参りたい。

(5)木材の利用状況について

岩井委員
 国は、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を平成22年に出し、県も平成23年度に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針」を出して、各部局で利用促進を図ることになっている。県土整備部においては、公共建築物、道路施設、都市公園施設、河川・砂防施設等における木材の利用状況はどうか。

岩下建設企画課長
 環境森林部で作成した方針により、県土整備部では公共建築物、それ以外の施設等においても、木材利用の推進に努めており、平成23年度から平成28年度の使用実績量は1,864立方メートルであった。その内訳は、建築工事は641立方メートルであり、3分の1程度利用されていて、残りは、その他施設工事で利用している。県土整備部では、平均で年間約300立方メートルを利用しており、今年度も建築工事で260立方メートル程度、その他施設工事を含め約370立方メートルの利用を予定している。今後も使い道をいろいろと考え、利用推進に努めたい。

岩井委員
 公共において、まだ使えるようなところがあると思うが、より来年度、増えるような対策をお願いしたいがどうか。

岩下建設企画課長
 木材の使い道を色々考えて、今後も利用促進を図っていきたい。

(6)群馬県住宅供給公社について

萩原委員
 県からの委託料が平成26年度に比べると大幅に減少しているのはなぜか。

木村住宅政策課長
 委託料は主に県営住宅の維持管理費であり、平成26年度は、県営住宅の外壁改修工事を公社に委託したため委託料が多くなった。

萩原委員
 県営住宅管理業務、家賃収納業務など公営住宅の管理業務が、一番大きい仕事になっている。競争入札にはそぐわないという話があったが、県からの委託事業について、競争入札ではなく随意契約の理由は何か。

木村住宅政策課長
 国の法律に基づき、市町村又は住宅供給公社が実施できる管理代行制度を本県では採用している。管理代行制度は、指定管理者制度に比べ、入居者の決定など一定の権限を付与できることから、住宅供給公社においては、市町村住宅の管理と一体的な住民サービスの提供が可能となっている。また、単身高齢者が増えてきているので、福祉的サービスとして見守り事業も管理代行制度の中で実施している。これらを総合的に判断して、指定管理者制度ではなく、管理代行制度の方が住民サービスに資することから、管理代行制度を採用している。

萩原委員
 全国の公営住宅の管理委託について、指定管理者制度を使っている自治体はあるか。

木村住宅政策課長
 指定管理者制度に基づいて管理を行っている自治体はある。

萩原委員
 平成28年度は県内でも住宅は92万戸建設されている。住宅は地方の経済発展の元であり、様々な業種が住宅産業に関係していることから、大事な事業であると考える。しかし、県の住宅政策の方向は、人口減少、子育て支援、県産材活用などの対応に連関していないと思われるが、住宅供給公社も、もう少し県の課題に対応していくべきであると考えるがどうか。

木村住宅政策課長
 昨年度の特別委員会の指摘を踏まえ、現在、人口減少、環境問題、県産材活用などの課題対応を含めた住宅のあり方について、有識者を含めて検討の準備を進めており、その中で住宅供給公社の役割も含めて検討して参りたい。

萩原委員
 車が電気自動車になってくると、太陽光でエネルギーをつくって供給していったり、高密度・高断熱の省エネルギー住宅は当然だが、イノベーションをしたり、研究していくことにより、新しい産業に繋がると考えるが、住宅供給公社もぜひ、一緒になって検討して、普及に取り組んでいくべきであると思うがどうか。

中島県土整備部長
 住宅の今後のあり方について、先ほどの計画の中で県営住宅の長寿命化を掲げているが、単に長寿命化するのではなく、地域ニーズに応じた子育て・福祉施設等の導入や居住誘導施策との連携などのまちづくりの観点、建て替えるにあたっての県産材の使用について、県営住宅で取り組んでいく。それらと並行して、今後の住宅のあり方について、有識者を交えて検討していきたい。また、住宅供給公社に何をしてもらうかということも一緒に検討していきたい。

(7)ぐんま“まちづくり”ビジョンの成果について

萩原委員
 まちづくりと連動した公共交通の整備について、ぐんま“まちづくり”ビジョンに基づく前橋市中心市街地の再生にかかる取組状況はどうか。

林まちづくり室長
 ぐんま“まちづくり”ビジョンに基づき、前橋市はアクションプログラムを策定し、事業を進めている。例えば、広瀬川沿いに景観の重点地区を設定し、屋外広告物や家の色など広瀬川に調和した街並みを創出することで、交流人口を増やしたり定住人口を増やしたりする取組を行っている。

萩原委員
 公共交通と、中心地に人を住まわせる方法、まちの賑わい創出という三つの視点で考えた場合に、前橋市とはどのような協議を行っているか。

林まちづくり室長
 前橋市ではマンションなど優良建築物等の整備を計画し、広瀬川沿い、前橋駅から中心市街地に向かう駅前通りで整備を進めている。また、前橋駅前では、住宅と福祉施設を融合させた高層マンションの整備が行われる。

松岡交通政策課長
 前橋市では地域公共交通網形成計画を策定中であり、バスと鉄道や、居住地と中心市街地をいかにつなぐか、バス路線の見直しに取り組んでいる。計画づくりは半ばであるが、対象路線の検討やバス路線網の運行時間帯の見直しなど、具体的な見直しの検討に入っているところである。

萩原委員
 優良建築物の再開発が中心市街地の定住促進に繋がっている。当然、再開発になれば補助が付くので、再開発事業に県も一緒に取り組んでいることでよいか。

木村住宅政策課長
 前橋市が行っている優良建築物等整備事業や再開発事業に対して、県としてもまちなか居住再生等支援事業として補助を行うなど、前橋市と連携してまちなか居住の再生に取り組んでいる。

(8)公共交通と“まちなか”を連動させる取組について

萩原委員
 上毛電気鉄道など、公共交通と“まちなか”を連動させる取組状況はどうか。

松岡交通政策課長
 前橋市の地域公共交通網形成計画策定の中で、現在のバスをより利用しやすく、運行形態をより効率的にさせるという趣旨で、バス路線の運行見直しを行っている。中央前橋駅と前橋駅をどのように結ぶかや、前橋駅から中心市街地までのバスを一定の間隔で運行させ、中心市街地の回遊性を高める取組などが検討されている。

萩原委員
 計画は、いつ頃できるのか。

松岡交通政策課長
 前橋市が策定を進めている計画は、県や各バス事業者などの関係者が全て集い、検討を行っているところである。私の方から、いつ頃までにできるとはいえないが、道半ばのところまできている。実現に向けて、しっかり進めている。

萩原委員
 高崎問屋町駅のように、JR線に新駅の建設予定はあるか。

松岡交通政策課長
 周辺の土地利用との兼ね合いや、採算性などから高崎問屋町駅以降、新駅建設は、なかなか前に進んでいない状況である。市町村とすれば、今後の利用増進を図り、まちづくりと一体として進める観点から、いくつかの構想があるので、関係者との意見交換を図りつつ、粘り強く取り組んでいきたい。

萩原委員
 公共交通というインフラは、採算は難しいと思う。通勤・通学や地域の活性化のためにもJR線上にもっと新駅を建設していただきたいが、公共交通に対する部長の意気込みを聞かせていただきたい。

中島県土整備部長
 パーソントリップ調査の結果、今後、人口が減っていくので、鉄道利用者は約20パーセント減少する見込みであり、自動車を使えない県民の移動手段がなくなってしまう。人が動かないと経済も回っていかないので、基幹交通軸である鉄道がなくなった地域は寂れてしまう。計画によって県民の移動手段を確保し、利便性を上げていくことが重要なので、市町村と連携しながら取り組んでいきたい。

(9)群馬ヘリポートの指定管理者について

岩上委員
 管理運営状況に関する説明があり、利用者には良い評価をいただいているようだが、改善すべき課題については、2年連続赤字となっている。別の事業者が指定管理を受ける可能性は低いと思うが、今後も、赤字続きで指定管理を受けてくれるのか。

松岡交通政策課長
 人件費の高騰や管理運営体制の増強などにより赤字となったが、平成26年度以前は黒字だった。現在の指定管理者は、ヘリポート管理に関するノウハウを蓄積したいという考え方もあるので、県有施設の安定した管理運営のために、今後も引き受けてもらえるよう指定管理者と意見交換をしていきたい。

岩上委員
 安定した経営の中で、ヘリポートをしっかり運営してほしいがどうか。

松岡交通政策課長
 大きな懸案事項を重く受け止めている。しっかりと指定管理者と意見交換する形で改善策を見いだしたい。

(10)建設業の週休2日制モデル現場の実施について

岩上委員
 週休2日制モデル現場の実施は、自社の範囲であれば可能かもしれないが、下請けまで理解してもらう事が必要と思うが、今回の試行はどのように進めるのか。

岩下建設企画課長
 今回の試行は、土木工事の現場を対象としている。最初から全ての工種で週休2日制モデル現場を試行することは難しいので、土木工事で1年くらい試行して、どのような課題があるかをアンケート等を実施し検証して、次の展開を考えていきたい。

(11)ICT活用工事の取組について

岩上委員
 ICT活用工事は、具体的にどの様に進め、広げていくのか。

岩下建設企画課長
 現在、土工量が1,000平方メートル以上の工事を対象として試行している。平成28年度は1件で試行した。平成29年度は、各事務所1箇所程度で15件以上の試行を予定している。8月時点では、発注者指定型が8件、施工者希望型が4件の計12工事で試行している。試行を進めるにあたっては、ICT活用工事の積算基準を定めており、システム初期費用、ICT建機機械経費増分、保守点検費を計上し、施工者負担が増えないようにしている。今後もICT活用工事については、現場見学会や講習会などにより、ICT技術の周知を図るとともに、対象工種を路盤工などにも広げ、普及の拡大に努めて参りたい。

岩上委員
 道路改良工事や河川工事は、ICT活用工事の対象となるか。

岩下建設企画課長
 土工工事を対象としているので、掘削や盛土がある工事はICT活用工事の対象となる。

岩上委員
 ICTを使った方が管理もしやすくなり、時間も短縮できる。初期投資などの経費をみていくという話があったが、ドローンやレーザースキャンによる測量も、経費は計上するのか。

岩下建設企画課長
 測量面積に応じて計上する。たとえば、測量面積が1,000平方メートルの場合は、ドローンならば100万円、レーザースキャンならば90万円の費用が計上される。

岩上委員
 ICT活用が主流になった場合でも、経費の割増は行うのか。

岩下建設企画課長
 試行の段階で、経費をみている。国の歩掛を準用しており、国の歩掛が変更とならなければ現状のままである。

岩上委員
 経費も入れてということか。直工だけか。

岩下建設企画課長
 直工だけである。

岩上委員
 経費も割増されるのか。

岩下建設企画課長
 経費は割増しにはならない。

岩上委員
 ICT活用工事で、書類が増加する事はないか。

岩下建設企画課長
 これまでの出来形管理書類と比較すると、大幅に削減される。

(12)国土交通省の直轄事業における地元企業の参入について

岩上委員
 直轄事業負担金の支出額はどうか。

石村監理課長
 平成28年度の直轄事業全体で53億3千2百万円である。内訳は道路29億4千8百万円、河川12億5千6百万円、砂防10億6千万円、災害6千8百万円となっている。

岩上委員
 国の入札では、過去の実績が重視されており、新規事業者が参入しづらいため、地元企業が入札に新規参入できるよう、国に申入れすべきと思うがどうか。

石村監理課長
 受注機会の拡大や地元建設業の育成の観点からも、有効であると考えられることから、県内業者が参入できるよう、国に要望して参りたい。

岩上委員
 新規でやる気のある企業が参入できるような体制を一緒につくっていかないと、県内企業の育成、さらには県外へ出て行くような企業の育成はできないと考えるがどうか。

清野技監
 国のさほど大きくない工事をみてみたら、地域要件が付いている。担当者に聞いたところによると、比較的、一般競争に様々な会社が参加できるような配慮をしているとのことである。

岩上委員
 一部でも新規で頑張りたい会社が参入できるような制度にしていかなければならない。直轄事業負担金を出しているわけだから、県内企業を育成する趣旨で質問したがどうか。

中島県土整備部長
 実績の加点で差が付いてしまう。関東地方整備局や高崎河川国道事務所と意見交換を行いながら地元企業が参入しやすい環境整備を行いたい。

(13)建設職人基本法について

岩上委員
 法律の目的は何か。また、県計画の策定予定はどうか。

尾内建設業対策室長
 本年3月に施行された「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(建設職人基本法)は、建設業において重大な労働災害の発生が絶えない状況を踏まえ、公共発注・民間発注工事を問わず、建設工事従事者の安全と健康の確保に関する施策を、国及び都道府県で総合的かつ計画的に推進し、建設業の健全な発展に資するものである。国が6月に基本計画を策定したところであり、今後、この計画を踏まえ、県計画の策定を進めていくことになる。

岩上委員
 県計画を策定すると何が変わるのか。

尾内建設業対策室長
 国の計画で取り組むべきとされる施策はいくつかあり、既に本県で取り組んでいるものも含まれるが、計画を策定することによって、総合的かつ計画的に施策を推進され、建設工事従事者の安全と健康が確保される。

岩上委員
 具体的に変わることはあるのか。

尾内建設業対策室長
 県が実施している施策の中で、やや欠けている視点は、一人親方に対する施策等がある。一人親方の働き方に踏み込んで、計画が策定される。

岩上委員
 一人親方の働き方がどのように変わるのか。

尾内建設業対策室長
 現在、労災保険の対象には、なかなか難しい状況にある。一人親方が事業主として働く場合には、雇用保険の対象外となる。特別関与という制度があり、一人親方を含めて建設工事に従事される方の安全や健康に関する施策が推進されると考えている。

岩上委員
 一人親方が保険に入ることを促進することで良いか。

尾内建設業対策室長
 一例とすればそのような施策に取り組むということである。

(14)敷島公園テニス場整備について

角倉委員
 周辺整備が残っているが、今後の整備予定はどのようになっているのか。

山口都市計画課長
 テニス場については、平成28年度の補正予算により、10面あるテニスコート全てを、砂入り人工芝への改修を行い、本年7月から供用開始した。引き続き、今年度はテニス場周囲のフェンスの更新と観客席の改修を実施する予定である。

(15)国道145号の法面工事について

角倉委員
 工期が遅れているのはなぜか。事業費は1.5億円で収まるのか。

町田道路管理課長
 法面作業の安全確保を図るため、法面アンカー工事を終わらせた後に、小段排水工を行う工程に見直しを行った結果、工事の完成予定は、11月下旬の見込みである。事業費については、1.5億円以内で完成を予定している。

角倉委員
 現場の法面と隣接する路面は、凹凸が激しく、車両のバウンドがあって、何度も舗装されているが、鉄鋼スラグの路盤材を使っていた影響か。

町田道路管理課長
 今回の法面対策工事の箇所は、掘削した法面が、膨潤という膨れあがりやすい地質である。アンカー工対策は、膨潤により変状した法面への対策であり、路面の凹凸も膨潤が原因と考えられ、鉄鋼スラグの影響ではない。

角倉委員
 路盤材に鉄鋼スラグが使われていたかどうかの調査を行った上での判断か。

町田道路管理課長
 法面工事区間は、過去に国土交通省が改良工事を施工した部分であり、鉄鋼スラグが含有されていることは、国土交通省の公表資料により承知している。このため、現在実施している、法面下の側溝布設替え工事から発生した残土は、鉄鋼スラグ処理方針に基づき、環境部局の意見を踏まえて適正に処分する予定である。

角倉委員
 この区間に鉄鋼スラグが使われているという認識はあるか。

町田道路管理課長
 平成26年度に国土交通省が公表しており、今回は、その箇所の補修になる。補修作業で発生したスラグを含む残土については、県の方針として、環境部局からの助言を得ながら、適正に処理をする方向が出ており、その対応で準備を進めている。

(16)川原湯地区の代替地のスラグについて

角倉委員
 3月のスラグ撤去後、9月にフッ素が検出されたが、この理由は何か。

小林特定ダム対策課長
 スラグ撤去後、県環境森林部の指示により、大同特殊鋼(株)が土壌調査分析し、調査結果の一部でふっ素の溶出量が基準値超過の報告を県環境森林部が受けた。環境基準値を超過した、表層から75センチメートルの範囲の土壌を、大同特殊鋼(株)が県環境森林部の指導を受け、本年9月4日から現地で撤去作業を開始し、9月30日に完了したと国から聞いている。

角倉委員
 深い場所から検出されたことについて、国からどのような報告を聞いているか。

小林特定ダム対策課長
 スラグは搬出済であるが、土壌分析の結果ふっ素の溶出量が基準値超過していたため、その土壌を撤去した。

角倉委員
 これ以外にも、同じようなところがあるということか。

小林特定ダム対策課長
 現在のところ、国からはこの箇所のみと聞いている。

角倉委員
 撤去作業はいつ終わるのか。今後、影響がないという客観的な評価はどのように確認するのか。

小林特定ダム対策課長
 撤去作業は9月30日に完了している。調査は1箇所だけでなく何箇所か調査をしている。調査の結果、基準値を超えている深さは75センチメートルまでで、その部分の土を撤去したと県は認識している。

角倉委員
 これからその土地の利用者が耕作をすることもあるので、相当、慎重に土壌汚染が解消できたかどうかについて、地元の住民の安心・安全をサポートすることが必要である。しっかり行っていただきたいと思うがどうか。

小林特定ダム対策課長
 大変、大事なことであるので、県としても、国に安全の確保を申し入れたい。

(17)川原湯地域振興施設について

角倉委員
 川原湯地域振興施設として、どのようなものを検討しているのか。

小林特定ダム対策課長
 グランピング施設と温浴施設を計画検討している。

角倉委員
 その中に、共同浴場はあるのか。

小林特定ダム対策課長
 施設利用者が使う温浴施設である。

角倉委員
 小さいものか。

小林特定ダム対策課長
 それほど大きくない。

(18)高前幹線について

角倉委員
 県道に昇格させて、県で整備できないか。

町田道路管理課長
 高前幹線とそれに続く江田天川大島線は、現在、高崎市と前橋市において整備中であり、引き続き両市において整備するものと認識している。事業中の区間を優先的に完成させるとともに、未整備区間を早期に着手できるよう、県として国へ予算確保等を行って参りたい。

角倉委員
 高崎市は、毎年、高前幹線を県要望の1番として挙げているが、県としての考えはどうか。

町田道路管理課長
 高前幹線は、高崎市が整備を進めており、市が行うものと認識している。

角倉委員
 コンベンション関連施設として、市道であったところを県が整備しているが、高前幹線も同様に県が整備できるのではないかと考えるがどうか。

町田道路管理課長
 コンベンション施設整備は、県の重要施策であり、県として周辺道路の整備を支援しているが、高前幹線は、引き続き高崎市が整備するものと認識している。

(19)西毛広域幹線道路「安中富岡工区」について

大手委員
 富岡市内の進捗状況はどうか。

若田部道路整備課長
 富岡市内の延長約1.6キロメートルについて、平成28年度から着手しており、今年度は橋梁及び交差点の詳細設計を進めている。先月9月26日には、用地調査に入るための地元説明会を開催し、地権者から了解をいただいたところである。今後は、境界立ち会い等の用地調査を進め、用地買収に早期に着手できるよう努めて参りたい。

大手委員
 地域の要望であることから、早期にできる手配をしていただきたいがどうか。

若田部道路整備課長
 橋梁等大きな構造物もあるが、なるべく早く開通できるよう努力したい。

(20)県道前橋安中富岡線「野殿工区」について

大手委員
 道路改良工事の完成予定はいつ頃か。

若田部道路整備課長
 約160メートルの改良工事を進めている。現在、路側ブロック積等が完成し、ガードレール設置等を行っているところである。年内には完成する予定である。

(21)建設業界の週休2日制について

大手委員
 県内の週休2日制の状況はどうか。

岩下建設企画課長
 県内の週休2日制の状況は、建設業協会の12支部に聞いた結果、4週8休は12パーセントぐらいであり、多くの会社は4週6休であった。

大手委員
 週休2日が実施できる大手の業者に仕事が集中することを心配する声もあるが、どのように試行するのか。

岩下建設企画課長
 今回の試行案の作成にあたっては、協会等とも意見交換を行っており、総論として週休2日は必要という意見で一致している。当面は不安の声もあるため、試行は、原則として、受注者希望型で進めていきたい。

大手委員
 業種も人手不足であるので、そのようなことをくみ取りながら、行っていっていただきたいと思うがどうか。

岩下建設企画課長
 週休2日制モデル現場については、県から押し付けるのではなく、業者の意向を踏まえながら、1年間程度試行を行い、その結果を検証し次の展開を考えていきたい。

(22)県道南新井前橋線バイパス整備について

金子委員
 2、3、4期工区、それぞれの工区の進捗状況はどうか。

若田部道路整備課長
 駒寄スマートインターチェンジから西側の県道高崎渋川線旧道まで1.1キロメートルを「2期工区」、その先の県道高崎渋川線バイパスまで0.94キロメートルを「3期工区」、更に榛東村役場付近まで2.55キロメートルを「4期工区」として、すべて事業化している。「2期工区」は用地買収が約9割進み、埋蔵文化財調査が完了したところから、今年度は一部工事に着手する予定である。「3期工区」は、平成27年度から着手し、用地調査が終了し、今年度から用地買収に着手したところである。最後に「4期工区」は、今年度から着手し、現在は測量及び道路設計などを行っているところである。

金子委員
 4期工区のルートは、調整中という話もあったが、ルートは決まっているのか。

若田部道路整備課長
 概ね固まりつつあるが、地元にアンケート調査等も実施しているところであり、意見を聞きながらルートを本格的に決めて行きたい。

金子委員
 今年度は、測量及び道路設計の予算が付いているが、今年度末にはそこまでできるのか。

若田部道路整備課長
 約1億円の予算が付いている。実施する予定である。

(23)県道高崎渋川線バイパスについて

金子委員
 7月26日の集中豪雨により、工事中のバイパスと現道との交差部付近において排水不良による床下浸水が発生したが、県の対応や対策はどうか。

若田部道路整備課長
 本年の7月26日未明からの豪雨による雨水が、地形的に低い、今回被害を受けた箇所に湛水し、駐車場や住宅の床下へ浸水したものと考えている。対策としては、溜まった雨水を速やかに排出できるよう、一級河川茂沢川に直接繋がる排水路を追加して整備する予定である。排水能力を高め、今後の湛水を防ぎたい。

金子委員
 県が行う対策の完成時期はいつか。

若田部道路整備課長
 現在、排水路に使用するU字溝を工場で製作しているところであり、製作が終われば速やかに工事着手したいと考えている。現状では11月頃には工事着手し、年内の完成を見込んでいる。

(24)県営住宅について

加賀谷委員
 県営住宅で孤独死で亡くなった人はどれくらいいるのか。

木村住宅政策課長
 県営住宅の管理業務においては、「単身世帯の方が、自宅で突発的な疾病により助けを呼べないまま看取る人がなく亡くなり、周辺社会との接触がなく、発見までに相当の時間がかかった場合を孤独死」としている。これは、前日までご家族や近隣の方々と接触があり、翌日に亡くなるような場合もあるためである。これらに当てはめると、該当件数は年に2件くらいである。

加賀谷委員
 滞納率と滞納を防ぐための取組についてどうか。

木村住宅政策課長
 県営住宅の滞納については、平成28年度決算ベースで家賃の総額約25.9億円に対して滞納額は1.16億円、滞納率は4.82パーセントであった。本県の滞納額は、平成16年度がピークで6.2億円の滞納があったが、明渡訴訟等により債権回収に努めるなどして、現在では約5分の1に減少している。滞納対策については、滞納月数が短い人に対しては、住宅供給公社の徴収員が各戸を訪問し、滞納家賃を支払うよう請求している。滞納月数が3か月を超えるような滞納者に対しては、早期分納交渉を実施し、必要に応じて訴訟提起等を行って退去及び支払いを求めている。

加賀谷委員
 2015年6月の毎日新聞にいわゆる銚子事件について掲載されているが、千葉県の住宅担当課は当事者の生活実態を把握していなかったと掲載されている。県営住宅には社会福祉的な援助が必要な人もいると思うがどうか。

木村住宅政策課長
 社会的弱者への滞納対策として、群馬県住宅供給公社を通じて、今年度4月から、社会福祉士3名を業務委託し、生活相談、社会福祉相談を個別に行っている。具体的な業務は、母子家庭や障害者家庭等に各種手当や母子寮等を案内したり、児童相談所や生活保護担当部局につなげるなど、多岐にわたった援助を実施しており、銚子事件のようなことが起こらないよう努めている。

加賀谷委員
 他県でも同様な取組は行っているのか。

木村住宅政策課長
 本県でも今年の4月に取り組み始めたばかりであり、他県の状況は承知していない。

(25)八ッ場ダムにおける文化財発掘調査について

加賀谷委員
 八ッ場ダム水没予定地域にある石畑1岩陰遺跡の発掘調査について、群馬県史にも取り上げられているなど、考古学会でも発掘調査の行方が注目されているが、調査の調査状況と今後の予定はどうか。

飯島生活再建対策主監
 国より、平成29年6月から発掘調査を開始して現在、鋭意調査中であり、試験湛水までには完了予定と聞いている。

加賀谷委員
 東宮遺跡について、縄文時代の住居や土器などが出土しており、発掘調査の成果はどうか。

飯島生活再建対策主監
 国より、平成19年11月から発掘調査を開始して現在、鋭意調査中と聞いている。文化財保護課より、これまでの調査で、天明三年の浅間山噴火で埋没した建物や畑跡などが発見されている。今年度は、縄文時代後期の列石、配石、住居等を調査中と聞いている。

加賀谷委員
 東宮遺跡は貴重な遺跡であるので、見学会を開いたらどうか。

飯島生活再建対策主監
 文化財保護課より、八ッ場ダム建設工事の「立入禁止区域内」であり、ダム本体工事用の大型車両が頻繁に通行しているため、安全確保の観点から、一般者の見学はできないと聞いている。


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